株式会社オーケーエム

上場日 (2020-12-17)  機械設備機器スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E36098 Japan GAAP

売上高

91.6億 円

前期

84.6億 円

前期比

108.4%

時価総額

71.4億 円

株価

1,578 (03/28)

発行済株式数

4,524,700

EPS(実績)

169.58 円

PER(実績)

9.31 倍

平均給与

549.4万 円

前期

526.6万 円

前期比

104.3%

平均年齢(勤続年数)

41.2歳(11.1年)

従業員数

236人(連結:334人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と連結子会社(OKM VALVE(M)SDN.BHD.、奥村閥門(江蘇)有限公司)の計3社で構成されており、建築、発電、造船、各種プラント等、幅広い業界における流体配管に使用されるバタフライバルブを中心とした流体制御機器の製造、販売を主な事業として取り組んでおります。

なお、当社グループはバルブ製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別に代えて、「陸用」、「舶用」の市場区分別に示しております。「陸用」の市場区分については、工場市場や建築市場のニーズを捉えて市場に喜ばれる製品を販売し、「舶用」の市場区分については、船舶市場で多くの販売実績を基盤に、環境対策分野のニーズを捉えた製品の販売を行っております。

 

(1)事業の特徴

当連結会計年度における当社グループ連結売上高は、「陸用」が49.3%、「舶用」が50.7%の割合を占めておりま

す。

 「陸用」に関しては、建築設備、化学、電力ガス、鉄鋼、紙パルプ、水処理業界等幅広い顧客に採用いただいているのが特徴であります。「舶用」に関しては、各造船所に納入しております。なお、「舶用」の製品に関連して、世界の環境規制にてIMO(注1)がNOx(注2)3次規制での舶用排気ガス処理装置の搭載を2016年1月1日より義務付けました。当社はいち早く処理装置における世界的なライセンサー2社(当該2社で市場占有率約90%)(注3)による船舶排ガス用バルブの製造販売認証を取得しております。この船舶排ガス用バルブ市場で、当社は過半のシェア獲得を目指しております。

 「陸用」及び「舶用」いずれも、製品技術、品質管理体制、納期管理体制、メンテナンス対応等で顧客より高い評価をいただいております。

 また、当社グループの海外売上高比率は約3割を占めており、主に韓国や中国向けに船舶排ガス用バルブを販売しております。

 

(注)1.International Maritime Organization(国際海事機関)

   2.窒素酸化物

   3.日本舶用工業会「各国舶用機関の生産動向」より

 

(2)当社の取引先について

当社の製品は、空調設備、造船、半導体、石油、化学、鉄鋼、電力、水道、食品等の幅広い業界の大手顧客に納入され、高層ビル、工場、空港、船、駅、ドーム、遊園地等の最終需要先において当社の製品が使用されております。

例えば、超高層ビル「あべのハルカス」では、すべての空調設備に当社のバルブが使用されています(下右図)。

 

          最終需要先イメージ図

※画像省略しています。

 

 以上を踏まえた、当社グループの事業系統図は、次のとおりとなります。

 

※画像省略しています。

(3)主な製品

a バタフライバルブ

 弁体(輪っかの中の円板)を90度回転して開閉します。中間開度での流量調整機能に優れ、幅を取らず、省スペースでの設置が可能です。また、電子制御バルブについては、コンピューターからの信号によって弁体の開度を調整し、流体をコントロールします。

 

b ナイフゲートバルブ

 鋭いエッジを有するプレートの出し入れで開閉します。各種スラリー、粉粒体、固形物、パルプストック等、一般のバルブでは処理できない流体を止めることが可能です。

 

c ピンチバルブ

 ゴムチューブを押し挟んで流路を開閉します。固形物が混入しても完全遮断が可能です。また、長寿命でメンテナンスが容易です。

 

バタフライバルブ

ナイフゲートバルブ

ピンチバルブ

 

※画像省略しています。

※電子制御バルブ

 

※画像省略しています。

 

※画像省略しています。

 

※画像省略しています。

売上構成比 84%(2023/3期)

売上構成比 16%(2023/3期)

 

 

当社は顧客ニーズに合わせたカスタマイズバルブを開発・製造・販売し、標準製品では対応できないニッチ市場を開拓しており、型式、サイズ、部品、材質、制御方法といったカスタマイズの組み合わせにより、10万種類を超える製品種類を取扱っております。

 

※画像省略しています。

 

(4)新製品開発

当社グループにおける新製品開発は、さまざまな種類の試験・実験設備を活用しながら行っております。商品開発部では、新商品の構想や設計・解析ソフトによる構造解析等の机上業務を行うと共に、開発項目に対する製品評価等を実施するために実流体実験装置、高温試験装置及び低温試験装置等を活用して流体制御に関する研究開発を実施しております。これら研究開発を通じて長年蓄積してきた顧客ニーズに合わせた多様な試験・実験に基づくデータが、当社グループの新製品開発の大きな手がかりとなっております。

更に、当社グループでは2020年10月に新たに研究開発センターを滋賀県野洲市に開設しました。当該センターでは、脱炭素化によるエネルギー情勢の変化や環境規制等に伴う新市場へ対応するため、5つの各種試験室を設置しています。従来の試験・実験設備にこれらの新たな試験・実験設備を加え、産官学との一層の連携強化を図ることにより、流体制御に関する研究開発体制の更なる強化を目指してまいります。

 

※画像省略しています。
23/06/29

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立が進展し、社会経済活動の持ち直しの動きが見られるようになりました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギー価格の高止まりや、各国の金融引き締めに伴う景況感の悪化等は収束しておらず、先行きは不透明であります。

わが国経済におきましては、新型コロナウイルス感染症による感染者数は減少傾向となり、行動制限の緩和により社会生活が平常化したことから緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、世界情勢を背景とした資源・エネルギー価格の高騰、インフレ圧力に伴う物価の上昇等の景気下振れリスクは依然存在しており、予断を許さない状況にあります。

このような状況のなか、当社グループは、2022年5月に「Create200 第1次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」を策定し、「いい流れをつくる。」をパーパスに、2030年度に連結売上高200億円を目指す「Create200」を中長期ビジョンに掲げ、グループ一丸となって企業価値の向上に取り組んでまいりました。

当連結会計年度の新たな取り組みとしましては、船舶排ガス用バルブの従来製品の構造を見直し、性能はそのままにコンパクト化、軽量化を実現したモデルチェンジ機「ExV MARKⅡ」の販売を開始し、さらなる競争優位性を確保して、世界シェア№1の維持に取り組みました。また、当社中国子会社の奥村閥門(江蘇)有限公司で製造した船舶排ガス用バルブを現地に適した製品にカスタマイズして「地産地消」で販売する体制づくりに取り組みました。さらに、低炭素社会の実現に寄与するエネルギーとして世界的に需要が高まっているLNG(液化天然ガス)用バルブ(極低温用ハイパフォーマンスバタフライバルブ)の販売を推進しました。当該バルブは近畿経済産業局の「関西ものづくり新撰2023」において最優秀賞を受賞しました。

一方、当社グループの国内外の販売活動につきましては、陸用の売上高は、石油化学関連、鉄鋼・金属関連向けを、舶用の売上高は、船舶排ガス用バルブを中心にそれぞれ伸長しました。

これらの結果、当連結会計年度における受注高は10,016,442千円(前年同期比7.1%増)、売上高は9,164,286千円(前年同期比8.4%増)となりました。

利益面におきましては、営業利益は原材料価格の高止まりや人件費の増加等の減益要因はあったものの、売上高が増加したことや販売価格改定の取り組み効果等により823,244千円(前年同期比24.3%増)となりました。

経常利益は、為替相場の変動に伴い為替差損が生じたものの、営業利益が増益になったことや前年同期に計上した特別調査関連費用が当期は計上されなかったこと等から870,137千円(前年同期比20.0%増)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に関係会社清算益を計上したものの、前年同期に特別利益に計上した当社中国子会社蘇州奥村閥門有限公司に対する補助金を主とした補助金収入が当期は計上されなかったことから767,289千円(前年同期比9.7%減)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は12,574,659千円(前年同期比1.7%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金1,613,349千円、売上債権3,339,473千円、棚卸資産3,156,485千円、有形固定資産3,870,917千円、無形固定資産167,034千円、投資その他の資産346,517千円であります。

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は3,364,783千円(前年同期比12.5%減)となりました。主な内訳は、仕入債務983,950千円、長期借入金(1年以内返済予定含む)1,180,858千円であります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は9,209,875千円(前年同期比8.1%増)となりました。主な内訳は、利益剰余金6,703,293千円であります。

 

③キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益977,218千円に減価償却費331,678千円を加え、売上債権の増加額1,393,552千円、棚卸資産の増加額730,454千円及び法人税等の支払額427,830千円等を加減した結果、1,294,176千円の支出となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入714,645千円等による増加、有形固定資産の取得による支出70,557千円、投資有価証券の取得による支出30,000千円及び無形固定資産の取得による支出20,399千円等の減少により、585,665千円の収入となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1,413,845千円及び配当金の支払額203,385千円等による減少、長期借入れによる収入1,000,000千円等の増加により、557,785千円の支出となりました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して1,152,769千円減少し、1,560,339千円となりました。

 

 

 

 ④生産、受注及び販売の実績

受注実績、生産実績、販売実績を市場別に示すと次のとおりであります。なお、当社グループはバルブ製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別に代えて市場区分別に示しております。

 

 a 生産実績                             

市場区分

当連結会計年度

 (自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

全市場区分計(千円)

5,269,996

108.6

合計

5,269,996

108.6

 

(注) 1.当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。

2.製造原価を以て生産実績を示しております。

3.製造原価は、市場区分別に区別することが困難なため、全市場区分計にて示しております。

 

 b 受注実績                             

市場区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

陸用(千円)

4,977,950

107.0

舶用(千円)

5,038,493

107.3

合計

10,016,442

107.1

 

(注) 当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。

 

 c 販売実績                             

市場区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

陸用(千円)

4,521,568

105.4

舶用(千円)

4,642,718

111.4

合計

9,164,286

108.4

 

(注) 1.当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

(株)メタルワン

1,660,866

19.6

1,958,342

21.4

ユアサ商事(株)

1,019,608

12.1

1,136,034

12.4

HD Hyundai Heavy Industries Co.,Ltd.

1,049,580

12.4

872,425

9.5

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容

 a 経営状態

当連結会計年度における売上高は9,164,286千円、営業利益は823,244千円、経常利益は870,137千円、親会社株主に帰属する当期純利益は767,289千円となりました。

売上面は、市場区分別では陸用において、石油化学関連や鉄鋼・金属向けの需要が堅調に推移いたしました。また、舶用において、海外貨物量の増加に伴い造船向けの需要が拡大し、船舶排ガス用バルブも環境規制対応船の建造比率の増加を受けて需要が堅調に推移したことにより売上高は増加しました。

利益面では、原材料価格の高止まりや人件費の増加等の減益要因はあったものの、売上高が増加したことや販売価格改定の取り組み効果等により営業利益は増益となりました。また、為替相場の変動に伴い為替差損が発生したものの、営業利益が増益になったことや前年同期に計上した特別調査関連費用が当期は計上されなかったこと等により経常利益も増益となりました。

営業利益及び経常利益は増益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益については、前年同期に計上した当社中国子会社の蘇州奥村閥門有限公司に対する補助金を主とした補助金収入が当期は計上されなかったことにより減益となりました。

 

 b 財政状態

 (流動資産)

 当連結会計年度末の流動資産は、電子記録債権1,523,523千円、原材料及び貯蔵品618,722千円が増加したこと、現金及び預金1,867,414千円が減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ264,683千円増加し、8,190,189千円となりました。

 

 (固定資産)

 当連結会計年度末の固定資産は、繰延税金資産82,531千円が増加したこと、有形固定資産合計151,114千円が減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ55,798千円減少し、4,384,469千円となりました。

 

 (流動負債)

 当連結会計年度末の流動負債は、短期借入金100,000千円、未払金62,456千円が増加したこと、電子記録債務36,374千円が減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ115,922千円増加し、2,282,906千円となりました。

 

 (固定負債)

当連結会計年度末の固定負債は、長期借入金417,335千円、繰延税金負債132,005千円が減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ596,638千円減少し、1,081,876千円となりました。

 

 (純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金562,326千円為替換算調整勘定122,457千円が増加したこと等により、前連結会計年度と比べ689,600千円増加し、9,209,875千円となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高1,152,769千円減少し、1,560,339千円となりました。

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、主な収入として税金等調整前当期純利益977,218千円、減価償却費331,678千円等、支出では売上債権の増加額1,393,552千円、法人税等の支払額427,830千円等となり、差引1,294,176千円の支出となりました。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、主な収入として定期預金の払戻による収入714,645千円、支出では有形固定資産の取得による支出70,557千円、投資有価証券の取得による支出30,000千円、無形固定資産の取得による支出20,399千円等となり、差引585,665千円の収入となりました。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、主な収入として長期借入れによる収入1,000,000千円、支出では配当金の支払額203,385千円、長期借入金の返済による支出1,413,845千円等により合計557,785千円の支出となりました。

 

 b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当社グループの必要運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資や長期運転資金は、金融機関からの長期借入れを基本としております。機動的かつ効率的な資金調達をすべく、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。

 

c 経営成績に重要な影響を与える要因について

  当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 連結財務諸表の作成にあたっては、期末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を行うことが必要となります。当社グループは、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 見積り、判断及び仮定により当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は次のとおりであります。

 

(棚卸資産)

 当社グループは、将来推定される需要及び市場状況に基づく時価の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。今後の需要又は市場状況が悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

(貸倒引当金)

 当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、貸倒引当金を計上しております。この貸倒引当金は、期末の一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を見積った金額であります。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産)

 当社グループは、将来の回収可能性を十分に検討した上で、回収可能額を繰延税金資産として計上しております。なお、業績の動向によっては繰延税金資産の取崩が必要となる可能性があります。