株式会社オーケーエム

上場日 (2020-12-17)  機械設備機器スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E36098 Japan GAAP

売上高

94.8億 円

前期

91.6億 円

前期比

103.5%

時価総額

58.6億 円

株価

1,294 (07/12)

発行済株式数

4,525,700

EPS(実績)

112.92 円

PER(実績)

11.46 倍

平均給与

582.1万 円

前期

549.4万 円

前期比

106.0%

平均年齢(勤続年数)

40.9歳(10.4年)

従業員数

252人(連結:345人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と連結子会社(OKM VALVE(M)SDN.BHD.、奥村閥門(江蘇)有限公司)の計3社で構成されており、建築、発電、造船、各種プラント等、幅広い業界における流体配管に使用されるバタフライバルブを中心とした流体制御機器の製造、販売を主な事業として取り組んでおります。

なお、当社グループはバルブ製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別に代えて、「陸用」、「舶用」の市場区分別に示しております。「陸用」の市場区分については、工場市場や建築市場のニーズを捉えて市場に喜ばれる製品を販売し、「舶用」の市場区分については、船舶市場で多くの販売実績を基盤に、環境対策分野のニーズを捉えた製品の販売を行っております。

 

(1)事業の特徴

当連結会計年度における当社グループ連結売上高は、「陸用」が49.7%、「舶用」が50.3%の割合を占めておりま

す。

 「陸用」に関しては、建築設備、化学、電力ガス、鉄鋼、紙パルプ、水処理業界等幅広い顧客に採用いただいているのが特徴であります。「舶用」に関しては、各造船所に納入しております。なお、「舶用」の製品に関連して、世界の環境規制にてIMO(注1)がNOx(注2)3次規制での舶用排気ガス処理装置の搭載を2016年1月1日より義務付けました。当社はいち早く処理装置における世界的なライセンサー2社(当該2社で市場占有率約90%)(注3)による船舶排ガス用バルブの製造販売認証を取得しております。この船舶排ガス用バルブ市場で、当社は過半のシェア獲得を目指しております。

 「陸用」及び「舶用」いずれも、製品技術、品質管理体制、納期管理体制、メンテナンス対応等で顧客より高い評価をいただいております。

 また、当社グループの海外売上高比率は約2割を占めており、主に韓国や中国向けに船舶排ガス用バルブを販売しております。

 

(注)1.International Maritime Organization(国際海事機関)

   2.窒素酸化物

   3.日本舶用工業会「各国舶用機関の生産動向」より

 

(2)当社の取引先について

当社の製品は、空調設備、造船、半導体、石油、化学、鉄鋼、電力、水道、食品等の幅広い業界の大手顧客に納入され、高層ビル、工場、空港、船、駅、ドーム、遊園地等の最終需要先において当社の製品が使用されております。

例えば、超高層ビル「あべのハルカス」では、すべての空調設備に当社のバルブが使用されています(下右図)。

 

          最終需要先イメージ図                         超高層ビル「あべのハルカス」

※画像省略しています。

 

 以上を踏まえた、当社グループの事業系統図は、次のとおりとなります。

 

※画像省略しています。

(3)主な製品

a バタフライバルブ

 弁体(輪っかの中の円板)を90度回転して開閉します。中間開度での流量調整機能に優れ、幅を取らず、省スペースでの設置が可能です。また、電子制御バルブについては、コンピューターからの信号によって弁体の開度を調整し、流体をコントロールします。

 

b ナイフゲートバルブ

 鋭いエッジを有するプレートの出し入れで開閉します。各種スラリー、粉粒体、固形物、パルプストック等、一般のバルブでは処理できない流体を止めることが可能です。

 

c ピンチバルブ

 ゴムチューブを押し挟んで流路を開閉します。固形物が混入しても完全遮断が可能です。また、長寿命でメンテナンスが容易です。

 

バタフライバルブ

ナイフゲートバルブ

ピンチバルブ

 

※画像省略しています。

※電子制御バルブ

 

※画像省略しています。

 

※画像省略しています。

 

※画像省略しています。

売上構成比 82%(2024/3期)

売上構成比 18%(2024/3期)

 

 

当社は顧客ニーズに合わせたカスタマイズバルブを開発・製造・販売し、標準製品では対応できないニッチ市場を開拓しており、型式、サイズ、部品、材質、制御方法といったカスタマイズの組み合わせにより、10万種類を超える製品種類を取扱っております。

 

※画像省略しています。

 

(4)新製品開発

当社グループにおける新製品開発は、さまざまな種類の試験・実験設備を活用しながら行っております。技術本部では、新商品の構想や設計・解析ソフトによる構造解析等の机上業務を行うと共に、開発項目に対する製品評価等を実施するために実流体実験装置、高温試験装置及び低温試験装置等を活用して流体制御に関する研究開発を実施しております。これら研究開発を通じて長年蓄積してきた顧客ニーズに合わせた多様な試験・実験に基づくデータが、当社グループの新製品開発の大きな手がかりとなっております。

更に、当社グループでは2020年10月に新たに研究開発センターを滋賀県野洲市に開設しました。当該センターでは、脱炭素化によるエネルギー情勢の変化や環境規制等に伴う新市場へ対応するため、5つの各種試験室を設置しています。従来の試験・実験設備にこれらの新たな試験・実験設備を加え、産官学との一層の連携強化を図ることにより、流体制御に関する研究開発体制の更なる強化を目指してまいります。

 

※画像省略しています。
24/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

当社グループでは、2022年5月に「Create200 第1次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)(以下「第1次中計」)」を公表し、新たに策定したパーパス「いい流れをつくる。」、2030年度に連結売上高200億円を目指す中長期ビジョン「Create200」を掲げ、グループ一丸となって企業価値の向上に取り組んでおります。

第1次中計では、「脱炭素化に向けたクリーンエネルギー市場を含む成長市場に対応できる新商品開発と販売体制を確立する」を方針として、「成長市場に対応できる新商品開発と販売体制の確立」「既存商品力の強化」「企業風土の変革とサステナブルな成長・発展」「社員満足度の向上」の4つの基本経営戦略を掲げ、事業基盤の構築を図っております。

当連結会計年度における受注高は10,033,542千円(前年同期比0.2%増)、売上高は9,484,631千円(前年同期比3.5%増)となりました。

利益面におきましては、販売価格の改定等が寄与した一方、上期に実施した生産調整により一時的に売上高が伸び悩んだことや、原材料価格やエネルギーコストの高止まり等による売上原価率の上昇、販売費及び一般管理費の増加等により営業利益は667,842千円(前年同期比18.9%減)、経常利益は749,669千円(前年同期比13.8%減)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、511,041千円(前年同期比33.4%減)となりました。前期には特別利益として中国子会社の関係会社清算益が計上されたことが主な減益要因です。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は12,598,260千円(前年同期比0.2%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金1,390,733千円、売上債権3,840,827千円、棚卸資産2,905,653千円、有形固定資産3,817,442千円、無形固定資産143,201千円、投資その他の資産413,132千円であります。

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は2,982,328千円(前年同期比11.4%減)となりました。主な内訳は、仕入債務1,012,408千円、長期借入金(1年以内返済予定含む)948,126千円であります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は9,615,932千円(前年同期比4.4%増)となりました。主な内訳は、利益剰余金7,033,508千円であります。

 

③キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益750,531千円に減価償却費328,783千円を加え、売上債権の増加額497,751千円、棚卸資産の減少額281,487千円及び法人税等の支払額392,562千円等を加減した結果、628,877千円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、敷金及び保証金の回収による収入6,745千円等による増加、有形固定資産の取得による支出203,667千円、無形固定資産の取得による支出22,655千円及び敷金及び保証金の差入による支出19,764千円等の減少により、249,849千円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出233,077千円及び短期借入金の純増減額184,565千円、配当金の支払額180,826千円等による減少により、629,846千円の支出となりました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して222,616千円減少し、1,337,723千円となりました。

 

 

 

 ④生産、受注及び販売の実績

受注実績、生産実績、販売実績を市場別に示すと次のとおりであります。なお、当社グループはバルブ製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別に代えて市場区分別に示しております。

 

 a 生産実績                             

市場区分

当連結会計年度

 (自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

全市場区分計(千円)

5,786,774

109.8

合計

5,786,774

109.8

 

(注) 1.当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。

2.製造原価を以て生産実績を示しております。

3.製造原価は、市場区分別に区別することが困難なため、全市場区分計にて示しております。

 

 b 受注実績                             

市場区分

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

陸用(千円)

4,969,178

99.8

舶用(千円)

5,064,364

100.5

合計

10,033,542

100.2

 

(注) 当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。

 

 c 販売実績                             

市場区分

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

陸用(千円)

4,711,197

104.2

舶用(千円)

4,773,434

102.8

合計

9,484,631

103.5

 

(注) 1.当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

(株)メタルワン

1,958,342

21.4

2,361,561

24.9

ユアサ商事(株)

1,136,034

12.4

1,029,633

10.9

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容

 a 経営状態

当連結会計年度における売上高は9,484,631千円、営業利益は667,842千円、経常利益は749,669千円、親会社株主に帰属する当期純利益は511,041千円となりました。

売上面は、陸用においては、建築設備関連向けの販売が低調となった一方、電力・ガス関連や鉄鋼・金属関連向け等が堅調に推移したことや、販売価格の改定の影響等により前年同期比で増収となりました。舶用において、造船向けの販売につきましては、国内造船各社の人手不足を主因とする操業スローダウンの影響を受けましたが、販売数量の増加と販売価格の改定効果により伸長しました。一方、船舶排ガス用バルブにつきましては、競合他社からの価格攻勢が継続したこと等により販売はやや低調となりました。LNG用バルブにおいては、販売が好調に推移しました。

利益面では、販売価格の改定等が寄与した一方、上期に実施した生産調整により一時的に売上高が伸び悩んだことや、原材料価格やエネルギーコストの高止まり等による売上原価率の上昇、販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期には特別利益として中国子会社の関係会社清算益が計上されたことが主な減益要因です。

 

 b 財政状態

 (流動資産)

 当連結会計年度末の流動資産は、電子記録債権535,329千円増加したこと、現金及び預金222,615千円、仕掛品179,978千円減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ34,293千円増加し、8,224,483千円となりました。

 

 (固定資産)

 当連結会計年度末の固定資産は、投資有価証券34,294千円増加したこと、有形固定資産合計53,475千円減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ10,692千円減少し、4,373,777千円となりました。

 

 (流動負債)

 当連結会計年度末の流動負債は、電子記録債務128,738千円、未払消費税等133,982千円増加したこと、短期借入金184,610千円減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ135,964千円減少し、2,146,942千円となりました。

 

 (固定負債)

当連結会計年度末の固定負債は、長期借入金234,246千円、リース債務19,991千円が減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ246,490千円減少し、835,386千円となりました。

 

 (純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が330,215千円為替換算調整勘定47,878千円増加したこと等により、前連結会計年度と比べ406,056千円増加し、9,615,932千円となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a キャッシュ・フロー

 「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当社グループの必要運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資や長期運転資金は、金融機関からの長期借入れを基本としております。機動的かつ効率的な資金調達をすべく、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。

 

c 経営成績に重要な影響を与える要因について

  当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 連結財務諸表の作成にあたっては、期末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を行うことが必要となります。当社グループは、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 見積り、判断及び仮定により当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は次のとおりであります。

 

(棚卸資産の評価)

 当社グループは、将来推定される需要及び市場状況に基づく時価の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。今後の需要又は市場状況が悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

(貸倒引当金)

 当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、貸倒引当金を計上しております。この貸倒引当金は、期末の一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を見積った金額であります。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産)

 当社グループは、将来の回収可能性を十分に検討した上で、回収可能額を繰延税金資産として計上しております。なお、業績の動向によっては繰延税金資産の取崩が必要となる可能性があります。