売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

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労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E32189 Japan GAAP

売上高

445.4億 円

前期

377.3億 円

前期比

118.0%

時価総額

695.0億 円

株価

3,090 (07/12)

発行済株式数

22,490,910

EPS(実績)

198.30 円

PER(実績)

15.58 倍

平均給与

719.5万 円

前期

715.4万 円

前期比

100.6%

平均年齢(勤続年数)

42.4歳(18.1年)

従業員数

788人(連結:1,124人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループは、当社(株式会社イワキ)、子会社16社及び関連会社5社で構成され、化学薬品等の薬液移送に使用されるケミカルポンプ及びポンプ専用コントローラ等の周辺機器の開発、製造、仕入及び販売(輸出入を含む)を主な事業として営んでおり、また、それに附帯する製品の修理及びアフターサービス並びに設置工事を行っております。

なお、当社グループは、ケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

ケミカルポンプは、半導体や液晶をはじめ、化学、電子部品、水処理、食品、製紙、医療及び太陽電池、燃料電池、二次電池等の新エネルギー分野を含む幅広い産業分野で、高純度の薬液の移送等、多岐の用途に亘って使用されております。

これらの幅広い産業分野で使用されるケミカルポンプにとっては、「取り扱いに危険を伴う化学薬液を安全に移送する」ことが最大の使命であります。そのため外部に化学薬液が漏れ、人体や環境に甚大な影響を及ぼすことがないよう、ポンプ部には腐食しない樹脂材料を使用し、薬液が漏れ出ない構造を多くの製品に採用しております。また、近年の半導体業界における生産性の飛躍的向上に伴う、「使用する化学薬液の高温化対応」及び「ポンプ接液部から不純物が出ないというハイレベルのクリーン度要求」に応えることも新たな大きな使命であります。その他、純粋な液体及び気体にとどまらず、粘性液やスラリー(固形分)混入液といった特殊液の移送にも使用されることから、実際に当社グループの製品を使用する顧客からは耐久性、利便性、サニタリー性等、それぞれの基準において厳しい水準が求められます。

 

当社グループは、これら全てに対して高いレベルで応えるため、様々な側面から最大限の取り組みを行っているとともに、以下のような特徴を有しております。

 

(1)技術面

当社グループでは、我々メーカーにとって最も重要なテーマのひとつとして開発業務を位置付けしており、国内全従業員数の約20%にあたる人員を技術部門に配置し、製品の安全性、高品質、耐久性を常に追求し続け、独自の安全機構の開発や、最先端のエレクトロニクス技術を導入した高品位な製品を多数開発しております。また、ケミカルポンプという製品のみを顧客に提供しているのではなく、ケミカルポンプを中心にした関連製品を組み合わせて「流体を制御する」という機能を提供しているという認識の下、各種制御用コントローラ等の研究開発にも積極的に取り組んでおります。

 

(2)生産面

当社グループの製品ラインアップは60製品以上のシリーズがあり、型式は数万点に上ります。多品種少量生産を強みとする一方で、年間約80万台の生産能力があります。なお、それらの製品は、国内においては大型製品が中心の埼玉工場(埼玉県狭山市)と、小型製品の量産工場である三春工場(福島県田村郡三春町)の2拠点で生産しております(2拠点ともにISO9001及びISO14001を認証取得)。

また、海外からの短納期要求等にタイムリー対応するため、一部の海外関係会社では、当社の各国内工場から部品を輸入し、現地にてノックダウン生産(※1)を行っております。

この他、連結子会社であるIwaki America Incorporatedにおいて、水処理市場に特化した水質コントローラを生産しております。

 

(3)品質面

当社グループでは「生産における全ての工程が品質管理のプロセスである」という考えの下、主要な生産拠点である国内2拠点(埼玉・三春工場)では、ISO9001に基づく品質保証体制を構築し、調達から生産、出荷までの工程を管理しております。特に検査工程においては、部品入荷の段階から厳格な検査を実施しており、複雑な形状の部品を立体的に測定する三次元測定器、含有化学物質規制に対応するためのX線分析装置等、最新の検査装置をいち早く導入し、高品質な製品を出荷するために、様々な生産システム、業務フローの改善を行い、不良ゼロを目指しております。

また、併せてISO14001も認証取得しており、環境への影響に配慮した活動を推進しております。

 

(4)販売面

当社グループの「取り扱いに危険を伴う化学薬液を安全に移送する」という最大の使命を果たすためには、長年に亘って蓄積された販売ノウハウが不可欠であります。また、多種多様な顧客の要求を確実に捉え、その要求に応えるためには、上記販売ノウハウに基づく顧客との緊密なコミュニケーションが必要になるため、国内全従業員数の約25%にあたる人員を販売に関わる部門に配置し、国内は支店及び営業所併せて13拠点と全国各地に及ぶ販売代理店網でカバーし、顧客に密着したきめ細かな情報とサービスの提供を行っております。一方、海外においては15ヶ国に21社の関係会社を設立し、ワールドワイドな販売・サービス網を構築し顧客を強力にサポートしております。

 

(5)メンテナンスサービス面

当社グループでは、メンテナンスサービスを単なる修理サービスという捉え方ではなく「メンテナンスサービスを一つの商品」として位置付けております。製品納入後の履歴管理に基づくオーバーホール(※2)提案の他、製品の取り扱いや運転に関するアドバイスからそれらに対する改善提案等、顧客目線に立った幅広いサービスを提供することにより、顧客の生産性向上に貢献しております。

 

 

当社グループにおける各製品の概要・特徴・主な販売市場は以下のとおりであります。

 

〔マグネットポンプ〕

概  要

マグネットドライブ(※3)方式によるシールレスポンプ(※4)で、渦巻式・ギヤ(歯車)式等があります。

特  徴

液漏れのない完全無漏洩構造のポンプです。

フッ素樹脂等耐食性に優れた材料を採用しており、強酸・強アルカリ液でも腐食しないポンプです。

主な販売市場

半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、化学市場、水処理市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等)。

 

〔定量ポンプ〕

概  要

ダイヤフラム(膜)やピストン(※5)等の往復動により液体の吸込み、吐出し作用を行うポンプです。

特  徴

各種の薬液を高精度で一定量注入できるポンプです。

主な販売市場

半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、化学市場、水処理市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等)。

 

〔空気駆動ポンプ〕

概  要

空気を駆動源にして作動するポンプで、ベローズ(蛇腹)式・チューブフラム(※6)式があります。

特  徴

半導体製造プロセス等クリーンな環境で使用される全ての接液部に耐薬品性・耐熱性に優れたフッ素樹脂を採用、強腐食性薬液のケミカルアタック(※7)に耐え、パーティクル(※8)発生の少ない送液を行うポンプです。

主な販売市場

半導体・液晶市場。

 

〔回転容積ポンプ〕

概  要

一定空間容積にある液を、回転運動にて容積変化させ液体にエネルギーを与えるポンプで、ギヤ(歯車)式・ロータリー式・スクリュー式・ホース式・チューブ式等があります。

特  徴

主に粘性液やスラリー(固形分)混入液移送用のポンプです。

主な販売市場

医療機器市場、化学市場、水処理市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等)。

 

〔エアーポンプ〕

概  要

空気及び各種ガス等の気体を吸引、移送するポンプで、ダイヤフラム(膜)式・ベローズ(蛇腹)式・ピストン式があります。

特  徴

カーボン・油等の混入がなく、外部との気密が保たれているのでクリーンな送気・吸気ができる装置組込に最適なポンプです。また、ベローズ(蛇腹)式は腐食性ガス及び高温ガスの取扱いが可能です。

主な販売市場

医療機器市場、水処理市場、その他(食品、製紙等)。

 

〔システム製品〕

概  要

ポンプ制御用の機器単品他、ポンプを核とした流体制御システムやユニット製品等で、各種ポンプ制御用コントローラ及びセンサ、各種水質計測機器(残留塩素濃度計・濁度計他)、ブレンディングシステム(※9)、次亜無脈動注入ポンプ&システム(※10)、自動塩素滅菌装置、各種薬液注入ユニット等があります。

特  徴

長年に亘る多様な流体制御のノウハウを蓄積したポンプメーカーの操作性・制御性等使い勝手の良いシステム・ユニット製品です。

主な販売市場

半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、化学市場、水処理市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等)。

 

当社グループでは、適切な経営分析に基づく経営判断に役立てるため、販売先の業種及び製品用途に基づいて、販売市場を主に「半導体・液晶市場」、「医療機器市場」、「表面処理装置市場」、「水処理市場」、「化学市場」、「新エネルギー市場」及び「その他」に区分しており、各市場における主な使用例は下表のとおりであります。

 

半導体・液晶市場

シリコンウェハー洗浄装置組込、感光性樹脂塗布装置組込、液晶パネル製造プロセス等

医療機器市場

人工透析装置組込、内視鏡洗浄装置組込、臨床化学分析装置組込等

表面処理装置市場

各種メッキ装置組込、電子部品製造プロセス、プリント基板(PCB)製造装置組込等

水処理市場

上下水道、ボイラー、クーリングタワー、プール、温泉等

化学市場

ソーダ工業、化学繊維、樹脂、高分子化学、製薬、化粧品等

新エネルギー市場

燃料電池、二次電池製造プロセス、電力貯蔵用蓄電池組込等

その他(食品)

各種食品機械装置組込、ビール、飲料、乳製品、調味料、製菓等

その他(製紙)

化学パルプ製造、古紙再生等

 

用語集

用語

説明

※1 ノックダウン生産

当社で生産された製品の主要部品を輸入して、現地で組立する方式。

※2 オーバーホール

製品を部品単位まで分解して清掃や調整等を行い、再組立にて新品時の性能に戻す作業。

※3 マグネットドライブ

永久磁石の吸引力と反発力を利用して、モーターの回転力をポンプ部に伝達する機構。

※4 シールレスポンプ

危険な化学薬品等を外部に漏らさない構造的特徴を持ったポンプ。

※5 ピストン

筒状のシリンダー内を往復して、流体を圧送する円柱形状の部品。

※6 チューブフラム

伸縮動作により、液体を圧送する薄い肉厚の樹脂製チューブ部品。

※7 ケミカルアタック

腐食性の強い薬液が樹脂内部に浸透し、ポンプの構成部品に亀裂や割れを発生させる現象。

※8 パーティクル

半導体の製造工程において、製品の特性・品質・歩留まり等に悪い影響を与える微粒子や塵埃。

※9 ブレンディングシステム

複数の液体を配管内で連続的に混合する装置システム。マヨネーズやチョコレート等の製造工程に用いられる。

※10 次亜無脈動注入ポンプ&システム

浄水場等で滅菌のための次亜塩素酸ナトリウムを、安定して注入するためのシステム。

 

[事業系統図]

事業系統図は、次のとおりであります。

※画像省略しています。

24/06/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における日本経済は、緩やかな回復傾向にあり、設備投資も持ち直しの動きがみられます。一方で、中国経済の先行き懸念、円安の進行やウクライナ情勢、中東情勢の緊迫化による物価上昇など、企業収益に与える影響は依然として先行き不透明な状況が継続しております。

こうした状況の下、企業価値向上に向けた取り組みとして、「ソリューションで勝つ」を基本方針にした活動を国内では展開しております。海外においては世界15ヵ国21社の関係会社と連携し販売拡大を図るとともに、「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」達成に向け、「オールイワキで世界No.1を提供する」の方針のもと、各種施策の実行に取り組んでまいりました。

その結果、市場別では医療機器市場が中国向けを中心に大幅増収、売上高は8,168百万円(前年比47.2%増)と全体を牽引しました。その他強化市場の売上は、水処理市場が10,098百万円(前年比9.6%増)、半導体・液晶市場が7,843百万円(前年比8.7%増)、新エネルギー市場が1,121百万円(前年比32.3%増)となります。

地域別では、国内は、一服感ある半導体・液晶市場は減収となりましたが、医療機器市場を中心にその他の市場は増収となり、売上高は20,649百万円(前年比6.3%増)となりました。海外について、米国は、主要市場である水処理市場は順調に推移しており、医療機器市場も好調であった結果、売上高は7,041百万円(前年比15.4%増)となりました。欧州は、化学市場が好調に推移、売上高は5,700百万円(前年比22.0%増)となりました。アジア地域は、韓国・台湾向け半導体・液晶市場、表面処理装置市場の不調が続いており、売上高は2,574百万円(前年比19.9%減)となりました。中国は、中国連結子会社の損益取り込み期間の差(前期は第4四半期連結会計期間からの取り込み)もありますが、半導体・液晶市場、医療機器市場などが牽引した結果、売上高は6,625百万円(前年比157.0%増)となりました。

製品別では、主力製品であるマグネットポンプ、定量ポンプはいずれも前年比2桁増と好調を維持しており、医療機器市場をメインとする回転容積ポンプは売上高3,000百万円(前年比49.1%増)と大幅増収の結果となりました。

このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の連結売上高は44,539百万円(前年比18.0%増)となりました。

中国連結子会社の損益取り込み期間の差の影響や中国連結子会社以外の各社増収効果、売上原価率の低下などにより、営業利益は5,465百万円(前年比142.4%増)となりました。営業外収益の持分法による投資利益が減少したことや、前期は一過性の営業外収益(米国子会社における受取還付金)があったことから、経常利益は6,222百万円(前年比66.1%増)となりました。前期は特別利益で段階取得に係る差益の発生がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は4,459百万円(前年比4.7%増)と最終利益でも増益の結果となりました。

なお、当社グループはケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 

財政状態の分析について以下のとおりであります。

 

(資産の部)

当連結会計年度末における流動資産は35,465百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,277百万円増加いたしました。これは主に商品及び製品が1,040百万円、仕掛品が2,479百万円増加したことによるものであります。固定資産は13,633百万円となり、前連結会計年度末に比べ568百万円増加いたしました。これは主に退職給付に係る資産が539百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は49,098百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,846百万円増加いたしました。

(負債の部)

当連結会計年度末における流動負債は12,814百万円となり、前連結会計年度末に比べ903百万円減少いたしました。これは主に電子記録債務が553百万円、未払法人税等が446百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が1,801百万円減少したことによるものであります。固定負債は2,762百万円となり、前連結会計年度末に比べ97百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が155百万円減少した一方、リース債務が260百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は15,576百万円となり、前連結会計年度末に比べ805百万円減少いたしました。

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計は33,521百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,652百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が3,249百万円、為替換算調整勘定が915百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は67.8%(前連結会計年度末は63.4%)となりました。

 

なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いています。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,773百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,918百万円減少(前連結会計年度は118百万円の増加)いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果、資金は2,564百万円増加(前連結会計年度は1,914百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益(6,176百万円)などによる資金増加要因が、法人税等の支払額(1,281百万円)などによる資金減少要因を上回ったためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果、資金は2,487百万円減少(前連結会計年度は1,518百万円の減少)いたしました。これは主に、定期預金の預入による支出(1,118百万円)、有形及び無形固定資産取得による支出(1,085百万円)などによる資金減少要因が、定期預金の払戻による収入(91百万円)などによる資金増加要因を上回ったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果、資金は1,854百万円減少(前連結会計年度は419百万円の減少)いたしました。これは主に、配当金の支払額(1,211百万円)などによる資金減少要因があったことによります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループは、ケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績、受注実績、販売実績の記載はしておりません。

 

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自2023年4月1日

至2024年3月31日)

 

金額(千円)

前年同期比(%)

マグネットポンプ

11,093,623

111.7

定量ポンプ

4,355,870

88.5

空気駆動ポンプ

5,743,724

111.3

回転容積ポンプ

2,336,655

108.1

エアーポンプ

2,070,129

113.5

システム製品

1,258,294

107.8

その他

4,957,477

100.9

合計

31,815,774

105.8

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

品目

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

マグネットポンプ

13,310,304

89.7

4,822,451

82.4

定量ポンプ

6,633,102

99.2

1,724,627

115.0

空気駆動ポンプ

5,551,889

110.5

2,672,324

132.0

回転容積ポンプ

2,676,242

115.5

928,923

142.1

エアーポンプ

2,326,177

115.6

848,557

172.3

システム製品

2,565,630

118.7

602,534

102.8

仕入商品

2,993,115

100.7

580,766

107.6

その他

5,893,173

99.0

1,213,562

98.8

合計

41,949,636

100.0

13,393,748

104.0

 

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自2023年4月1日

至2024年3月31日)

 

金額(千円)

前年同期比(%)

マグネットポンプ

14,337,522

119.6

定量ポンプ

7,166,450

111.7

空気駆動ポンプ

5,721,036

111.4

回転容積ポンプ

3,000,503

149.1

エアーポンプ

2,458,995

131.5

システム製品

2,549,482

130.7

仕入商品

2,951,908

105.0

その他

6,353,288

114.6

合計

44,539,188

118.0

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して6,808百万円増加し、44,539百万円となりました。

国内は、医療機器市場を中心に伸長し、売上高は20,649百万円(前年比6.3%増)となりました。海外では、米国は、主要市場である水処理市場が順調に推移した結果、売上高は7,041百万円(前年比15.4%増)となりました。欧州は、化学市場が好調に推移し、売上高は5,700百万円(前年比22.0%増)となりました。アジア地域は、韓国・台湾向けの半導体・液晶市場、表面処理装置市場の不調が続いており、売上高は2,574百万円(前年比19.9%減)となりました。中国は、中国連結子会社の損益取り込み期間の差(前期は第4四半期連結会計期間からの取り込み)による影響もありますが、半導体・液晶市場や医療機器市場などが牽引した結果、売上高は6,625百万円(前年比157.0%増)となりました。

(売上原価)

当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して1,404百万円増加し、26,211百万円となりました。中国連結子会社の業績寄与や売上構成比の変化による売上原価率の低下などにより、売上原価率は58.8%(前年比6.9ポイント良化)となりました。

(売上総利益)

上記の結果、売上総利益は18,328百万円(前年比5,404百万円増加)となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して2,194百万円増加し、12,862百万円となりました。中国連結子会社の損益取り込み期間の差による影響や、当該子会社ののれん償却費などの費用が増加しております。

(営業利益)

上記の結果、営業利益は5,465百万円(前年比3,210百万円増加)となりました。

 

(営業外損益)

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比較して659百万円減少し、883百万円となりました。持分法による投資利益が減少したことや、前連結会計年度は一過性の営業外収益(受取還付金)があったためであります。

当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度と比較して74百万円増加し、126百万円となりました。主に支払利息の増加によるものであります。

(経常利益)

上記の結果、経常利益は6,222百万円(前年比2,476百万円増加)となりました。

(特別損益)

当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比較して1,229百万円減少し、6百万円となりました。前連結会計年度は一過性の特別利益(段階取得に係る差益)があったためであります。

当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度と比較して49百万円増加し、53百万円となりました。主に減損損失の発生によるものであります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して201百万円増加し、4,459百万円となりました。

 

b.財政状態の分析

当連結会計年度末の財政状態の分析については、「第2事業の状況4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

c.キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d.経営戦略の現状と見通し

当社グループでは、長期ビジョン(10年後のあるべき姿)「イワキグループ10年ビジョン(以下、10年ビジョン)」を策定し、定性目標「オールイワキで世界№1を提供する」を掲げ、定量目標として2025年3月期連結売上高400億(国内売上200億円、海外売上200億円)、営業利益率10%を計画しています。

10年ビジョンは、翌連結会計年度に最終年度を迎えることから、現在新たな長期ビジョンの策定を進めております。

これまで「常に最前線で産業を支え、社会の発展と人々の幸福に寄与する。」の経営理念のもと、産業界に幅広くケミカルポンプ・流体制御機器を提供し続けることで社会に価値を提供してまいりましたが、変化の激しいこれからの時代に対応していくべく、サステナビリティの観点を踏まえたビジョンを策定してまいります。

さて、当社グループが製造するケミカルポンプは、革新的技術に依拠する画期的な製品を開発することが難しい「成熟した製品」ではありますが、このような状況下においても当社グループでは、ケミカルポンプの世界的メーカーとして、常に他社に先駆ける新製品開発に注力しております。国内外の顧客から当社グループの製品が選ばれるのは、多岐に亘る様々な要望に対して、過去の経験等に基づき迅速かつ的確に対応できることが最大の理由であると考えております。

具体的には、システム提案及びユニット製品化、並びに各種ポンプの特注対応といったハードウェア面から、納期・コスト・サービス体制等のソフトウェア面まで、きめ細かに応えることであります。また、それぞれの顧客対応スキルをさらにレベルアップさせることが重要な課題であると認識し、「ソリューションカンパニー」として世界全市場の顧客から信頼を勝ち取ることを全社的テーマとして、重点的に取り組んでまいります。

なお、当社グループが注力すべき強化市場と定めている「半導体・液晶市場」・「医療機器市場」・「水処理市場」・「新エネルギー市場」の各市場に対して、顧客対応力・技術力・販売力等の当社グループの力を結集するとともに、日本国内のみならず欧州、米国、アセアン等の各重点強化地域においても、顧客からの多様なニーズに応えていくことが、今後、当社グループの持続的成長につながるものと考えております。

 

 

e.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループを取り巻く経営環境は、競合他社が国内外を問わず生産コストが安価な地域に進出したことで、販売活動が激化しております。当社グループも早期から海外関係会社におけるノックダウン生産等、海外展開に取り組みコスト低減を進めておりますが、近年においては販売価格の競争が一層激しくなっております。

急激な為替の変動による影響で素材価格の変動が続き、当社主要部品の原材料となる樹脂材料、鉄鋼及び非鉄金属等の調達コストの変動に合わせ適正な販売価格とすることができなければ、今後の経営成績に影響を与える可能性があります。

価格競争のみならず、環境・人権への配慮といったサステナビリティへの意識の高まりにより、省電力・高効率等の機能面をはじめ、環境・人権に配慮した調達・製品開発等への要望が高まっており、これら対応の優劣によって今後の受注が左右される可能性があります。

また、安全保障輸出管理上の不備により、一定期間輸出禁止等の行政処分を受けた場合、当社グループの海外事業における業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

f.経営者の問題認識と今後の方針について

「第2事業の状況1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

g.経営上の目標の達成状況

10年ビジョンの定量目標である「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」に向けた第3期2023年3月期~2025年3月期(収穫期)の2年目となる当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。

経営上の重要な指標である「売上高」は44,539百万円、前年比6,808百万円増加(前年比18.0%増)「営業利益率」は12.3%(前年比6.3ポイント良化)となり、1年前倒しでの定量目標達成となりました。これらの指標は引続き、増加または改善されるように取り組んでまいります。また、株主還元の目標として配当性向30%超を重要な指標としており、当連結会計年度における配当性向は30.6%であります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(財務の基本方針)

当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、取引銀行とシンジケートコミットメントライン契約を締結しております。

(キャッシュ・フロー及び流動性の状況)

当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは2,564百万円のキャッシュ・イン、投資活動によるキャッシュ・フローは2,487百万円のキャッシュ・アウトとなり、フリー・キャッシュ・フローは77百万円となりました。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

営業キャッシュ・フロー

1,914百万円

2,564百万円

投資キャッシュ・フロー

△1,518百万円

△2,487百万円

フリー・キャッシュ・フロー

396百万円

77百万円

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額1,211百万円、有利子負債の減少額430百万円などにより1,854百万円のキャッシュ・アウトとなり、期末における現金及び現金同等物は6,773百万円となりました。

 

資金の使途については、当連結会計年度は設備投資に1,228百万円、研究開発には909百万円の合計2,138百万円を支出しております。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

設備投資

948百万円

1,228百万円

投融資(М&A含む)

318百万円

研究開発費

875百万円

909百万円

2,142百万円

2,138百万円

 

 

(資本政策)

借入金返済の一方でリース債務が増加したことから、有利子負債残高は増加しましたが、D/Eレシオは前連結会計年度末並みの0.1倍となりました。自己資本比率は67.8%と内部留保及び為替影響による自己資本の増加により前連結会計年度末より上昇いたしました。

2025年3月期は、依然として世界経済や事業環境の先行きが極めて見通しづらい状況が継続するものと想定しております。こうした状況を踏まえ、引き続きキャッシュ・フローを重視しながら財務規律を堅持してまいります。また、事業拡大の投資判断においては、資本コストを意識し、原則としてこれを上回るリターンの実現を目指し、経営資源配分などにおいてROIC(投下資本利益率)をより意識するなど、資本効率の向上を図りながら持続的成長と企業価値向上を目指します。

当社では、株主還元の基本的な考え方として、安定的かつ持続的な配当を目指しております。これをより明確に表すために、KPIとして配当性向30%超をターゲットとして掲げ、株主還元の方針としています。

今後も上記方針のもと、成長投資や内部留保とのバランスをとりながら、株主還元のさらなる拡充を目指してまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。