E02328 Japan GAAP
前期
945.2億 円
前期比
98.7%
株価
30,400 (07/12)
発行済株式数
17,640,000
EPS(実績)
1,109.75 円
PER(実績)
27.39 倍
前期
1,024.4万 円
前期比
96.1%
平均年齢(勤続年数)
43.7歳(16.1年)
従業員数
240人(連結:3,997人)
当社グループは、ローツェ株式会社(当社)、子会社12社により構成されており、事業は半導体関連装置及びFPD関連装置の開発、製造、販売を主とした事業活動を行っております。
当社グループは、半導体業界やFPD業界における無塵化対応搬送装置の開発・製造・販売を行う「半導体・FPD関連装置事業」と、ライフサイエンス関連装置の開発・製造・販売を行う「ライフサイエンス事業」を報告セグメントとしております。
各セグメントにおける主要品目、主要製品、及び開発・製造・販売を行う主要な会社は、以下のとおりであります。
セグメントの名称 |
主要品目 |
主要製品 |
主要な会社 |
半導体・FPD 関連装置事業 |
半導体関連装置 |
大気用ウエハ搬送装置(システム) (a)EFEM (b)ウエハソータ (c)N2パージ対応ウエハストッカ 真空用ウエハ搬送装置(システム) ウエハ搬送ユニット(単体) (ロボット・アライナ・ロードポート) |
当社 RORZE TECHNOLOGY,INC. RORZE SYSTEMS CORPORATION RORZE AUTOMATION,INC. RORZE ROBOTECH CO.,LTD. |
分析装置 |
全自動気相分解(VPD)装置 |
株式会社イアス |
|
FPD関連装置 |
大型ガラス基板搬送装置 ガラスカッティングマシン |
RORZE SYSTEMS CORPORATION |
|
モータ制御機器 |
ステッピングモータ用ドライバ、コントローラ |
当社 RORZE ROBOTECH CO.,LTD. |
|
ライフサイエンス事業 |
ライフサイエンス 関連装置 |
インキュベータ(細胞培養装置) |
ローツェライフサイエンス株式会社 |
また、当社グループの半導体・FPD関連装置事業における主要品目及び主要製品の概要は、次のとおりであります。
(1)半導体関連装置
シリコンなどの素材で作られた円盤状に薄くスライスされたものを「ウエハ」といい、半導体は、このウエハ上にICチップを作り込んで行きます。現在のウエハは直径が300㎜や200㎜のものが一般的に使用されています。
半導体製造工程には、このウエハ上に処理を行う「前工程(ウエハ処理工程)」と、ウエハから個々のICチップに分割されてパッケージに組み込む「後工程」があります。当社の主力製品である「半導体関連装置」は、発塵(ゴミ)が歩留まりに大きく影響する「前工程」で使用される無塵搬送ロボット、あるいはこの無塵搬送ロボットや各種ユニットにより構成された無塵搬送装置(システム)です。
半導体関連装置のうち、半導体製造工程のクリーンルーム内の大気中で使用されるウエハを処理装置に供給したり処理装置から受給する搬送装置を「大気用ウエハ搬送装置」といい、真空搬送チャンバやチャンバ内の真空環境での搬送作業を行うロボットで構成された搬送装置を「真空用ウエハ搬送装置」といいます。
「ウエハ搬送ユニット」には、ウエハ搬送装置(システム)を構成するウエハ搬送ロボット、ウエハの位置合わせを行うアライナ、FOUP(300mmウエハが最大で25枚入る保管箱)の供給を受けて側面の蓋を開けウエハを装置に取り込んだりFOUPに収納するための窓口の役割を果たすロードポートなどがあり、単品で装置メーカーに販売、供給しています。
当社グループの主力製品は、半導体関連装置の中でも大気用ウエハ搬送装置(システム)にあります(a)~(c)の製品です。また、それぞれの詳細につきましては、以下のとおりであります。
(a)EFEM
EFEM(イーフェム)とは、Equipment Front End Moduleの略で、製造装置(プロセスチャンバ)や検査装置の前面に設置する搬送装置です。
EFEMの中にあるウエハ搬送ロボットがFOUPからウエハを1枚ずつ取り出して製造装置側に取り込んだり、製造装置側から戻ってきたウエハを1枚ずつFOUPに収納するなどの移載・搬送作業を行う装置(システム)です。製造装置や検査装置とドッキングして使用します。
(b)ウエハソータ
ウエハソータとは、装置内にあるウエハ搬送ロボットがFOUPに保管された複数のウエハの中から1枚ずつ取り出し、ウエハに付されたロットナンバーを読み取り装置で光学的に読み取り、振り分けを行い、別のFOUPに収納するなど、FOUP間でウエハの移載を行う搬送装置です。
ウエハソータは、ホストコンピュータとの通信により、ウエハを分類、統合し、同じ条件のウエハを1つのキャリアにまとめるなどの作業を行うことができます。
(c)N2パージ対応ウエハストッカ
プロセスの微細化に伴い、ウエハを保管するにあたって、ウエハの表面酸化及び水分や周囲の雰囲気による品質影響対策が必要とされるようになりました。この装置は、当社独自開発のウエハ個別保管庫で独立した窒素供給及びスライドシャッタードアにより高い自然酸化膜抑制性能と高いクリーン度を同時に達成した装置です。
(2)分析装置
分析装置は、半導体製造過程において金属汚染管理は非常に重要であり、Siウエハ中の金属不純物をICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析法)で自動分析するための前処理装置です。
(3)FPD関連装置
テレビやパソコン、スマートフォンやタブレットなどのディスプレイ部分に使用される極薄で大型サイズのガラス基板を製造工程中で搬送する、ロボットや各種ユニットにより構成された搬送装置(システム)であります。そのほか、大型ガラス基板をレーザーを使用して切断するガラスカッティングマシンや、ガラス基板関連自動化装置などもこの品目に含まれております。液晶や有機ELなどのフラットパネルディスプレイ製造工程で用いられる自動化のための製品は、当社グループの中でも韓国子会社だけが開発・製造・販売しております。
(4)モータ制御機器
当社グループの半導体関連装置やFPD関連装置などが駆動するために、ステッピングモータを数多く使用しております。そのステッピングモータを駆動するドライバや、制御するコントローラを自社で独自に開発、製造、販売しております。
(5)ライフサイエンス関連装置
創薬のための研究開発や、iPS細胞をはじめとする細胞培養に携わる研究者が手作業で行っている細胞培養処理を自動で行うことを実現するためのインキュベータ(細胞培養装置)や、ソフトウエアパッケージなどを開発・製造・販売しております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、国際情勢の不安定化が継続する中で、企業収益や雇用情勢に改善の動きが見られたものの、物価高による個人消費の弱含みや世界経済の減速懸念などの影響を受け、景気の先行きに対する不透明感は継続しました。
当業界におきましては、スマートフォンやパソコンなどの民生機器の需要が減速したものの、生成AIの急速な活用拡大を背景にAI向け半導体やHBM(High Bandwidth Memory:高帯域幅メモリ)などの需要が急増しております。また、主要国では経済安全保障対策として半導体産業の強化を推進しており、世界各地で半導体工場の建設が進展するなど、半導体市場の力強い成長が見込まれます。
このような状況の中で、当社グループにおきましては、第1四半期連結会計期間では半導体メーカーの設備投資計画の先送りなどの影響を受け、売上高は低調に推移しました。しかし、第2四半期連結会計期間以降は、主に中国国内での積極的な設備投資により、中国向けの需要は回復基調となり売上高は堅調に推移しました。
生産面では、部品リードタイムの延伸が解消し、受注予測の精度が向上したことにより、計画的な部品調達が可能となりました。これにより、生産ラインの安定した稼働を実現いたしました。また、ハーネス加工の自動機を導入したことにより、当該生産の大幅な作業効率の改善を行うことができました。
また、当連結会計年度より新たに加わった分析装置分野では、新製品開発と既存製品の改良を進めるとともに、一部モジュールのベトナム子会社での生産を開始いたしました。営業及びサービス面では、直接顧客をサポートできる体制を構築中であります。
この結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高93,247百万円(前期比1.3%減)、営業利益24,138百万円(前期比8.6%減)、経常利益27,076百万円(前期比10.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益19,576百万円(前期比8.5%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
半導体・FPD関連装置事業の売上高は92,027百万円(前期比1.4%減)、セグメント利益は24,608百万円(前期比8.3%減)となりました。
ライフサイエンス事業の売上高は1,220百万円(前期比2.9%増)、セグメント利益は126百万円(前期比41.1%増)となりました。
②財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、120,140百万円となり前連結会計年度末に比べ20,153百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、棚卸資産の増加及び現金及び預金の増加によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、35,996百万円となり前連結会計年度末に比べ9,500百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、のれん及び投資有価証券の増加によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、36,430百万円となり前連結会計年度末に比べ3,385百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、前受金の増加及び短期借入金の増加によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、20,156百万円となり前連結会計年度末に比べ1,513百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、繰延税金負債及び長期借入金の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、99,550百万円となり前連結会計年度末に比べ24,754百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加によるものであります。
以上の結果、総資産は156,136百万円となり、前連結会計年度末に比べ29,653百万円増加し、自己資本比率は前連結会計年度末の53.9%から59.1%に増加しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首残高より9,658百万円増加となり、当連結会計年度末には37,951百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は15,544百万円(前期は1,920百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益27,066百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額7,921百万円及び棚卸資産の増加額6,101百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は5,908百万円(前期は5,151百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出2,441百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,779百万円及び貸付けによる支出1,740百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は792百万円(前期は10,742百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入11,000百万円、長期借入金の返済による支出9,444百万円及び配当金の支払額2,332百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごと及び品目別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
||
|
品目 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
半導体・FPD関連装置事業 |
|
|
|
|
半導体関連装置 |
52,598 |
98.5 |
|
FPD関連装置 |
3,689 |
67.3 |
|
モータ制御機器 |
76 |
71.0 |
計 |
56,364 |
95.5 |
|
ライフサイエンス事業 |
891 |
99.4 |
|
合計 |
57,256 |
95.6 |
(注)金額は、製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごと及び品目別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
||||
|
品目 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
半導体・FPD関連装置事業 |
|
|
|
|
|
|
半導体関連装置 |
79,477 |
89.3 |
56,399 |
101.0 |
|
分析装置 |
2,178 |
- |
3,754 |
- |
|
FPD関連装置 |
6,697 |
216.8 |
3,690 |
523.0 |
計 |
88,354 |
95.9 |
63,844 |
112.9 |
|
ライフサイエンス事業 |
956 |
81.0 |
127 |
42.2 |
|
合計 |
89,310 |
95.7 |
63,971 |
112.5 |
(注)金額は、販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごと及び品目別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
||
|
品目 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
半導体・FPD関連装置事業 |
|
|
|
|
半導体関連装置 |
78,946 |
97.7 |
|
分析装置 |
3,112 |
- |
|
FPD関連装置 |
3,713 |
58.6 |
|
モータ制御機器 |
157 |
96.6 |
|
部品・修理 他 |
6,097 |
101.8 |
計 |
92,027 |
98.6 |
|
ライフサイエンス事業 |
1,220 |
102.9 |
|
合計 |
93,247 |
98.7 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
||
販売高 (百万円) |
割合(%) |
販売高 (百万円) |
割合(%) |
|
Applied Materials,Inc. |
16,908 |
17.9 |
21,848 |
23.4 |
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. |
9,984 |
10.6 |
- |
- |
(注)1.Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.の当連結会計年度は当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っております。
②当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、建物及び機械装置等の設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は34,514百万円、並びに当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は37,951百万円であります。