E01547 Japan GAAP
前期
49.4億 円
前期比
130.4%
株価
3,300 (04/25)
発行済株式数
1,500,000
EPS(実績)
455.53 円
PER(実績)
7.24 倍
前期
527.2万 円
前期比
118.8%
平均年齢(勤続年数)
38.5歳(16.1年)
従業員数
120人(連結:157人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社太平製作所)及び子会社1社により構成されており、合板機械、木工機械、住宅用建材の製造・販売を主たる業務としております。当社グループの事業内容は次のとおりであります。
なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
合板機械事業(株式会社太平製作所本社工場) …………… 合板機械を製造・販売しております。
木工機械事業(株式会社太平製作所大阪工場) …………… 木工機械を製造・販売しております。
住宅建材事業(太平ハウジング株式会社可児工場) ……… 住宅用建材を製造・販売しております。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されるなど、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方、原材料やエネルギー価格の高騰等による物価の上昇、世界的な金融引き締め等による海外景気の下振れがわが国経済を押し下げるリスク要因として注視する必要があり、依然として先行きが不透明な状況が続いていると考えられます。
当社を取り巻く事業環境は、カーボンニュートラルやSDGsを踏まえた脱炭素化に向けた世界的な流れが加速するなか、特に二酸化炭素の吸収、炭素の貯蔵に資する木材産業の果たす役割が期待され、戸建て住宅以外の中高層建物で新たな木質建材を使用した建物の建築・建造が積極的に進められようとしている一方、戸建て住宅においては着工数が減少傾向にあることに加え、昨年発生したウッドショックによる木材供給不足の反動から、国内における合板をはじめとする建築資材の在庫が増加し、一部において在庫調整の動きが見られるなど、木材資源の活用用途や調達環境の変化により、環境変化への対応力の重要性が増しております。
このような中、既存機械の改良改善に取り組むとともに、環境の変化に対応した機械の開発に取り組んで参りました。また、受注計画及び生産計画を見直し、納期が長期化する部品を先行して手配するなど、客先希望納期に応えられる体制を強化するとともに、生産効率の向上及び部材調達価格の上昇抑制に取り組んで参りました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は、6,437百万円(前年同期比30.4%増)となりました。売上高のうち輸出は、810百万円(前年同期は817百万円)で輸出比率は12.60%となりました。利益につきましては、営業利益は742百万円(前年同期比299.8%増)、経常利益は768百万円(前年同期比171.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は683百万円(前年同期比205.8%増)となりました。
財政状態は、総資産9,926百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,337百万円増加しました。その主なものは、現金及び預金の増加1,550百万円、投資有価証券の増加210百万円、投資その他の資産のその他の増加217百万円、有価証券の減少700百万円によるものであります。
負債につきましては、4,081百万円となり、前連結会計年度末に比べ744百万円増加しました。その主なものは、支払手形及び買掛金の増加483百万円、未払法人税等の増加117百万円、前受金の増加110百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加84百万円、長期借入金の減少112百万円によるものであります。
純資産につきましては、5,844百万円となり、前連結会計年度末に比べ593百万円増加しました。その主なものは、利益剰余金の増加599百万円によるものであります。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
ア.合板機械事業
前連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症による渡航制限の影響から据付工事が行えなかったことや、研究開発費が増加したことなどから売上・利益ともに伸び悩みましたが、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、延期となっていた海外案件の据付工事が進みました。
また、住宅着工戸数が減少傾向にあることに加え、昨年発生したウッドショックによる木材供給不足の反動から、市場の一部において在庫調整の動きが見られるなど、市場の先行き不透明感から設備投資への慎重姿勢も見られましたが、合板価格が高止まりしていることや、新たな木質建材への意識も高まっており、設備投資意欲に回復傾向が見られます。
このような状況の中、国内において大型案件の受注を獲得できたことや、部品の納期遅れや原材料等の価格上昇に対応するため、生産計画の見直しや部品を先行手配するなど工程管理を徹底して取り組んで参りました。
一部の案件においては部品の納期遅れにより想定を下回る進捗となったものもありますが、生産の効率化やコスト抑制にもつながり、売上・利益ともに堅調に推移しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,273百万円(前年同期比61.8%増)、営業利益は677百万円(前年同期は2百万円の営業損失)となりました。
イ.木工機械事業
昨年発生したウッドショックの教訓から国産材利用が進み、業界全体の業績が好調に推移したことで顧客の設備投資意欲が向上するなど回復傾向が見られました。
このような状況の中、顧客ニーズに対応した国産材に特化したフィンガージョイントライン、集成材のシステム化の改良、開発に注力するとともに、部品納期の長納期に対応、生産の効率化に取り組んで参りました。
主力機械であるチッパーの受注・売上が堅調に推移していることに加え、フィンガージョイント機の大型案件受注が大きく貢献し売上高は増加しましたが、上昇する部材調達価格等が製造コストを押し上げました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,061百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は143百万円(前年同期比25.4%減)となりました。
ウ.住宅建材事業
期初においてはコスト上昇に伴う価格転嫁を進めるなど、営業活動の成果もあり売上は増加しましたが、住宅着工戸数の減少により受注案件が減少したことに加え、昨年発生したウッドショックの影響が薄れたことから、住宅建材の流通が回復し部材供給面での優位性が低下したことや、受注価格競争が激しさを増したことなどから、受注件数及び1案件当たりの受注額ともに減少しました。
また、1案件当たりの受注額が減少したことに加え、主要材料の調達価格上昇はピークを過ぎたものの、ピーク時に調達した在庫が残っていることや、副資材などの値上がりが一段と進んでいることから製造原価が増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,103百万円(前年同期比10.8%減)、営業利益につきましては19百万円(前年同期比81.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,372百万円となり、前連結会計年度末と比べ、486百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は、1,438百万円(前年同期は463百万円の使用)となりました。これは主に、棚卸資産の増加による資金の減少を税金等調整前当期純利益の増加及び仕入債務の増加による資金の増加が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、787百万円(前年同期は68百万円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の払戻による資金の増加を有価証券の取得による資金の減少、投資有価証券の取得による資金の減少及び定期預金の預入による資金の減少が上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、164百万円(前年同期は76百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金の減少及び配当金の支払いによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
合板機械事業(千円) |
4,347,043 |
167.9 |
木工機械事業(千円) |
1,135,968 |
107.8 |
住宅建材事業(千円) |
1,121,945 |
90.7 |
合計(千円) |
6,604,958 |
135.4 |
(注)1.金額は販売価格で算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.外注加工による生産を含んでおります。
3.当連結会計年度において、合板機械事業セグメントの生産実績に著しい変動がありました。主な要因は、国内において当連結会計年度に受注した大型案件の進捗が進んだことによるものです。
イ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
合板機械事業 |
8,827,025 |
257.4 |
6,533,845 |
330.1 |
木工機械事業 |
860,571 |
60.5 |
297,691 |
59.7 |
住宅建材事業 |
1,059,804 |
83.5 |
59,431 |
57.4 |
合計 |
10,747,402 |
175.6 |
6,890,968 |
267.0 |
(注)1.金額は販売価格で算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、合板機械事業セグメントにおいて受注高及び受注残高に著しい変動がありました。主な要因は、複数の大型案件の受注を獲得できたことによるものです。
ウ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
合板機械事業(千円) |
4,272,320 |
161.7 |
木工機械事業(千円) |
1,061,467 |
100.2 |
住宅建材事業(千円) |
1,103,987 |
89.2 |
合計(千円) |
6,437,776 |
130.4 |
(注)1.金額は販売価格で算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、合板機械事業セグメントの販売実績に著しい変動がありました。主な要因は、新型コロナウイルス感染症の影響から据付工事が行えなかった案件及び前連結会計年度に受注した案件の売上計上が進んだことに加え、当連結会計年度に受注した大型案件の進捗率が進んだことによるものです。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、前連結会計年度における株式会社日新の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。また、前連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社日新 |
- |
- |
1,266,356 |
19.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、売上高は前期に比べ30.4%増加し6,437百万円、営業利益は299.8%増加し742百万円となりました。
なお、当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を、本来の収益性を示す売上高営業利益率としており、重要な項目と捉えております。
売上高営業利益率の目標としては、10%以上を安定的に計上できることを目指しておりますが、当期の営業利益率は11.5%となりました。
この主な要因としては、住宅建材事業において住宅着工戸数の減少による市場の冷え込みから、受注・売上高が減少したことに加え、部材調達価格の上昇や、前連結会計年度において調達した主要部材在庫の影響から、製造コストが増加した結果、利益率が大きく減少しましたが、主要事業である合板機械事業において、業界の好調な業績や、設備投資意欲に支えられ受注が好調に推移したこと、部材調達価格の上昇抑制に取り組んだ成果が出たことや、生産効率の向上により利益率が大きく改善しました。また、木工機械事業においてチッパーやフィンガージョイント機を主軸として、安定した売上・利益を確保できていることから、当社グループ全体としての目標利益率を達成しました。
一方、受注及び納期が集中することにより、生産効率が向上する半面、従業員への負荷が高まり生産工程が切迫することが懸念されます。部材調達の長納期化が継続すると予想される中、工程管理の重要性が一層増しております。客先の設備投資計画や、部材調達状況を早期に把握し、納期に間に合わせられる工程管理に努め、安定的に10%以上の営業利益を達成できるよう取り組んで参ります。
その他、当連結会計年度における経営成績等につきましては(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、第2「事業の状況」の4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保する事を基本方針としております。
運転資金需要のうち主なものは製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、資金調達は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。
資金の効率化により生じた余裕資金は借入金返済等の原資とし、財務体質の強化を図って参ります。
ここ数年の業績により手元資金に余裕が生まれている状況ではありますが、現在開発中の機械が商品化された際に予想される必要設備や太陽光発電システムの設備投資、検討中である老朽化している大阪事業所工場の建替又は移転に対する資金の担保や、リーマンショック級の景気後退に伴う業績悪化時にも耐えうる財務体質を確保するため、一定の余裕資金を確保しておく必要があると考えており、安全性の高い金融商品である合同運用指定金銭信託など、元本を毀損するリスクが限りなく低い金融商品にて余裕資金を運用しております。また、安定的な財務状況を維持し、経済環境の変動に柔軟に対応できるよう、新型コロナウイルス感染症特別貸付制度による資金調達を実施しております。
今後におきましては、資本コストや資本収益性、株価・時価総額の状況を検証し、中長期的な企業価値向上に向けた活用についても検討を進めて参ります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表作成にあたり採用した会計方針は、第5「経理の状況」(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項に記載のとおりでありますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
a)完成工事補償引当金
顧客に納入した製品に対して発生したクレームに係る費用に備えるため、製品売上高に対して将来予想される補償費用を一定の比率で算定するとともに、個別に発生見込の高い費用を完成工事補償引当金として計上しております。
引当金の見積りにおいて想定していなかった製品の不具合による義務の発生や、引当の額を超えて費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。
b)一定の期間にわたり充足される履行義務について認識した収益
一定の期間にわたり充足される履行義務について認識した収益に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
c)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。