E01629 Japan GAAP
前期
41.8億 円
前期比
99.0%
株価
4,935 (04/22)
発行済株式数
1,320,000
EPS(実績)
285.62 円
PER(実績)
17.28 倍
前期
503.7万 円
前期比
109.1%
平均年齢(勤続年数)
40.7歳(19.3年)
従業員数
185人
当社の事業は木工機械及び工作機械の製造販売を主要業務としております。
なお、当社は単一セグメントのため、機種別に記載しております。
これらの販売高の割合は下表のとおりであります。
生産品目 |
製品の説明 |
販売高比率(%) |
|
第141期 |
第142期 |
||
木工機械 |
丸太を建築用、木工用などの角材、板材、小割材に加工する機械及び角材、板材、小割材、合板、繊維板、合成樹脂などを製品に二次加工する機械をいう。 |
70.1 |
62.9 |
工作機械 |
鉄、非鉄金属、その他新素材などを加工する機械をいう。 |
29.9 |
37.1 |
計 |
|
100.0 |
100.0 |
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における経済情勢は、世界各地での新型コロナ感染症に対する行動制限が徐々に緩和され、感染防止対策と社会経済活動の両立が進みました。しかしながら、国際的な紛争行為の影響や、世界各国の金融政策により円安環境が進んだ事などにより、電力価格の高騰に象徴されるような急速なインフレ環境の進捗と、経済回復を見越した人材獲得競争の激化により、業種間や企業規模による業績格差が大きく拡大しました。
そのような経済環境の中において、当社製造機械と関連の深い業界動向に着目しますと、木工機械関連については、国土交通省が公表した2022年度の新設住宅着工数は86万828戸(前年比0.6%減少)と底堅く推移しましたが、木造比率の高い持ち家需要は住宅価格の高騰や景気の先行きに対する懸念から前年比11.3%と減少しました。これにより2021年春頃に「ウッドショック」として大幅な上昇基調となっていた木材価格も、ここ数ヶ月は輸入材の在庫が急増した事もあり下降傾向に転じております。
また、工作機械関連については、日本工作機械工業会が発表した2022年度の受注額は、人手不足を背景とした自動化投資などにより、1兆7056億円と過去2番目の好結果となりました。しかしながら、欧米ならび中国の景気減速懸念を受けて、内外共に設備投資への慎重姿勢が強まりつつあり、2023年3月には前年同月比15%減と3ヶ月連続のマイナス傾向に転じております。
このような事業環境のもと、国内の顧客業界に対しては、自給率の回復傾向が鮮明となるとともに低炭素型社会の構築への効果が期待されます国産木材の公共建築物などへの有効活用の提案を図ると共に、顧客工場の省力化に関する技術開発を推進して参りました。また海外の顧客業界に対しては、出張活動の再開による営業提案並びに顧客サービスを積極的に展開すると共に、DXに伴う対応として据付作業などのオンラインミーティングも併せて展開をして参りました。
その結果として、当期の売上高につきましては、諸資材の長納期化などが影響したことにより前年比1.0%減の41億3250万円と、4年連続の減収となりました。なお、機種別の内訳としましては、木工機械は前年比11.2%減の25億9811万円、工作機械は前年比22.9%増の15億3438万円となっております。
しかしながら、顧客に対して付加価値の高い商品提案を行い続けた結果、損益面では営業利益4億3758万円(前年度は3億2878万円)、経常利益5億1599万円(前年度は4億5236万円)、当期純利益は3億7701万円(前年度は3億3619万円)と、それぞれ2年振りの増益となりました。
財政状態につきましては、当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ7億2033万円増加し、132億7763万円となりました。
これは主に、現金及び預金が2億3224万円、仕掛品が1億3408万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
負債につきましては、前事業年度末に比べ4億6955万円増加し、22億4844万円となりました。
これは主に、プラント受注に伴う前受金が3億4974万円増加したことなどによるものであります。
また、純資産につきましては、前事業年度末に比べ2億5078万円増加し、110億2918万円となりました。その結果、自己資本比率は83.1%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、52億661万円となり、前事業年度より4億3304万円増加しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は,次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果として得られた資金は、7億544万円(前年同期は11億4559万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の増加による資金の減少があったものの、税引前当期純利益の計上及び前受金の増加などにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果として使用した資金は、1億2921万円(前年同期は3億9886万円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の払戻による資金の増加があったものの、有形固定資産の取得及び長期預金の預入により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は、1億5858万円(前年同期は3億6088万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績は次のとおりであります。
種別 |
数量(台) |
金額(千円) |
前期比(%) |
木工機械 |
53 |
1,696,715 |
△6.5 |
工作機械 |
45 |
1,201,140 |
+21.8 |
合計 |
98 |
2,897,855 |
+3.5 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.生産実績の中には部品と転売品の販売高は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注状況は次のとおりで、輸出分(商社を経由するものを含む)は( )内の内数で示しております。
なお、輸出受注の主な相手先はエクアドル、ベトナム、中国などであります。
種別 |
受注高 |
受注残高 |
||||
数量 (台) |
金額(千円) |
前期比 (%) |
数量 (台) |
金額(千円) |
前期比 (%) |
|
木工機械 |
(15) 58 |
(558,507) 3,911,689 |
(+119.5) △4.3 |
(11) 31 |
(439,480) 2,801,980 |
(+1,498.4) +88.3 |
工作機械 |
(9) 43 |
(318,161) 1,471,856 |
(△38.8) +15.3 |
(6) 21 |
(182,300) 539,540 |
(△16.7) △10.4 |
合計 |
(24) 101 |
(876,669) 5,383,545 |
(+13.2) +0.4 |
(17) 52 |
(621,780) 3,341,520 |
(+152.4) +59.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.輸出受注高の総受注高に対する割合は、16.3%であります。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
種別 |
数量(台) |
金額(千円) |
前期比(%) |
木工機械 |
(5) 54 |
(146,522) 2,598,119 |
(△44.9) △11.2 |
工作機械 |
(12) 50 |
(354,681) 1,534,381 |
(△42.7) +22.9 |
合計 |
(17) 104 |
(501,204) 4,132,500 |
(△43.3) △1.0 |
(注)1.( )内は輸出に係るものを内数で示しております。
2.最近2事業年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりであります。
前事業年度 |
当事業年度 |
||
自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
||
輸出販売高(千円) |
輸出割合(%) |
輸出販売高(千円) |
輸出割合(%) |
884,504 |
21.2 |
501,204 |
12.1 |
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
なお、当事業年度の割合が10%未満のため記載を省略しております。
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
|||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社ハルキ |
552,040 |
13.2 |
- |
- |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績は、地政学的リスクの高まりに伴い一部の事業活動が制限されるとともに、製造工程において仕入れる諸資材の長納期化や資源価格の高騰などの悪影響に見舞われました。
このような事業環境のもと、国産木材の公共建築物などへの有効活用の提案を図ると共に、顧客工場の省力化に関する技術開発を推進して参りました。また海外の顧客業界に対しては、出張活動の再開による営業提案並びに顧客サービスを積極的に展開すると共に、DXに伴う対応として据付作業などのオンラインミーティングも併せて展開をして参りました。
その結果として、前期比でわずかに減収となりましたが、利益面におきましては、付加価値の高い商品提案を行った結果おかげさまで2年振りの増益となりました。年度当初に想定していた様々な懸念状況を振り返りますと、ある程度の安定した業績を残す事が出来た事は、ひとえに顧客を初めとします関係先の皆様のおかげであると深く感謝をしております。
また、現時点において資本の財源及び資金の流動性については、自己資本比率は83.1%となっているなど充分に安全な水準を確保しており、直ちに懸念する状況にはないと判断しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資本の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローにつきましては、強固な財務基盤の維持並びに株主への利益還元に必要な資金の確保を目指し、安定的なキャッシュ・フローの創出に努めております。
また、当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金及び設備投資資金等は、全額自己資金を充当しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。