売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01629 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)における国際情勢は、利害を異にする国家間の分断が深刻な情勢が長期化し、世界的な原材料価格・エネルギー価格の高騰による物価上昇や欧米を中心とした金融引き締め等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 国内におきましては、コロナ禍からの経済活動正常化が進み、インバウンド需要の回復等により景気は緩やかな回復傾向となりました。

 当社製造機械と関連の深い業界動向に着目しますと、木工機械関連については、国土交通省が公表した2023年12月の新設住宅着工数は7ヶ月連続の減少となり、中でも木造比率の高い持家需要は少子高齢化の進展により25ヶ月連続して減少傾向が続いており、円安に象徴されるごとく勢いに欠けたものであるとされております。

 工作機械関連については、日本工作機械工業会が発表した2023年12月の受注額は、金利の上昇や世界経済の減速懸念などから前年同月比9.6%減の1,270億円と12ヶ月連続の減少となりました。

 このような事業環境のもと、当第3四半期累計期間は、売上高31億1,398万円(前年同四半期は26億5,089万円)、営業利益1億2,303万円(前年同四半期は1億715万円)、経常利益1億8,133万円(前年同四半期は1億8,030万円)、四半期純利益1億4,303万円(前年同四半期は1億1,585万円)となりました。

 なお、当社の事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 財政状態につきましては、当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ1億6,394万円増加し、134億4,157万円となりました。

 これは主に、現金及び預金が3億6,693万円減少したものの、製品が1億9,483万円及び仕掛品が1億4,150万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

 負債につきましては、前事業年度末に比べ4,863万円増加し、22億9,708万円となりました。

 これは主に、未払法人税等が8,417万円減少したものの、前受金が1億1,346万円及び繰延税金負債が7,290万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

 また、純資産につきましては、前事業年度末に比べ1億1,531万円増加し、111億4,449万円となりました。その結果、自己資本比率は82.9%となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針について重要な変更はありません。

 また、当社では、経営の効率化と製品の高付加価値化を推し進めることが、企業価値および株主価値を向上させるために重要であると認識しており、毎月開催するマネジメントレビューなどを通じて、その進捗を管理しております。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

 当社では、製作する木工機械及び工作機械の性能や機能向上につながる様々な研究開発を随時行なっております。

 当第3四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は、7,805万円であります。

 なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 主要な設備

 当社では、自社製品の競争力を向上する上で、工場棟や設備機械の増設や更新を随時行なっております。

 当第3四半期累計期間において、前事業年度末に計画中であった設備の新設・除却等の計画について、重要な変更はありません。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因

 木工機械関連では、顕在化している「ウッドショック」により輸入木材から国産木材への建築資材代替の動きが起こっており、環境対策としてもSDGsにおいても指摘されている木質資源の有効活用への重要性からも、資源量が豊富な国産木材の自給率改善に伴う設備需要が期待されます。

 工作機械関連では、世界経済の回復に伴う設備投資動向は力強さを増しており、幅広い産業分野においての人手不足に対応した省力化投資や生産性向上に資する設備需要が期待されます。

 これら重要な影響を与える要因を随時分析しながら、技術・製造面においては国際競争力の向上に向けての研究並びに改善活動に努めると共に、販売面においては市場ニーズに応える顧客提案を引き続き推進して参ります。

 

(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社は、会社創立以来126年の歴史において、自社製品の開発に必須である技術研鑽と顧客サービスの向上に一貫して取り組んで参りました。

 現在、当社の業績は厳しい環境下ではありますが、当第3四半期会計期間末において、自己資本比率は82.9%と健全な財務体質を維持しており、資金の流動性についても、現時点において特別な懸念はないものと認識しております。

 

(8) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社は、ものづくり企業として、顧客並びに社員を含む関係者の安全確保と健康維持を企業存続の命運を握る重要課題であると認識すると共に、近年様々な業界で顕在化している不測の事態に直面しないよう、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させると共に、株主満足度の向上を目指して行かねばならないと認識しております。

 その上で、業績向上を図る上での当面の課題としては、経済活動の活性化に伴う諸資材の長納期化、エネルギー価格高騰などインフレ環境の進捗に注視し、社員が心をひとつにして顧客の意向をしっかりと受け止めながら取り組んで参ります。

 更に、中長期的には人口減少や労働力の減少に伴うものづくり産業の競争力低下に対して、デジタル技術を統合した設備提案を心掛けるとともに、企業活動の継続的な発展を図って参りたいと思います。