売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E01571 Japan GAAP

売上高

1,503.6億 円

前期

1,324.3億 円

前期比

113.5%

時価総額

3,625.3億 円

株価

7,820 (07/12)

発行済株式数

46,359,700

EPS(実績)

373.38 円

PER(実績)

20.94 倍

平均給与

852.1万 円

前期

821.0万 円

前期比

103.8%

平均年齢(勤続年数)

43.7歳(16.5年)

従業員数

1,142人(連結:2,512人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社12社、関連会社1社及び親会社(東ソー(株))で構成され、総合水処理エンジニアリング会社として水処理エンジニアリング事業と機能商品事業を行っております。

当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

報告セグメント

主要製品・事業内容

主な関係会社

水処理エンジニアリング事業

プラント事業

純水・超純水製造設備、

用水処理設備、

排水処理・排水回収設備、

有価物回収設備、プロセス関連設備

当社

オルガノプラントサービス(株)

オルガノエコテクノ(株)

オルガノアクティ(株)

オルガノ(アジア)SDN.BHD.

オルガノ(蘇州)水処理有限公司

オルガノ・テクノロジー有限公司

オルガノ(タイランド)CO.,LTD.

PTラウタン・オルガノ・ウォーター

オルガノ(ベトナム)CO.,LTD.

オルガノUSA, Inc.

ソリューション事業

消耗品交換、メンテナンス、運転

管理、改造工事、水処理加工受託、包括メンテナンス

機能商品事業

水処理薬品事業

RO水処理薬品、排水処理薬品、

冷却水処理薬品、洗浄薬品、

ボイラ水処理薬品

当社

オルガノ(アジア)SDN.BHD.

オルガノ(蘇州)水処理有限公司

オルガノ・テクノロジー有限公司

オルガノ(タイランド)CO.,LTD.

PTラウタン・オルガノ・ウォーター

オルガノ(ベトナム)CO.,LTD.

オルガノUSA, Inc.

標準型水処理機器・フィルタ事業

純水・超純水製造装置、

浄水フィルタ

食品事業

食品素材、食品添加剤

当社

オルガノフードテック(株)

 

(注)当社は、2024年4月1日付で、オルガノエコテクノ(株)を吸収合併しました。

 

・親会社

当社は東ソー(株)から水処理薬品の原材料の一部などの仕入れを行うとともに、同社に対し各種水処理装置及び関連薬品を販売するなどの取引を行っております。

 

この他に、化学プラント工事等を行っている東北電機鉄工(株)があります。

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

24/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要、これらに関する経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における世界経済は、中国景気の減速や中東などにおける地政学的リスクの高まりが影響する中、好調な米国経済の動向を背景に底堅い推移がみられ、わが国においてもマイナス金利の解除による17年ぶりの利上げや、日経平均株価が最高値を34年ぶりに更新するなど、経済が上向きとなる動きが見られつつあります。

当社グループの主力市場である電子産業分野においても、AI(人工知能)などに向けた最先端半導体の投資に加え、EV(電気自動車)などに向けたパワー半導体や車載用半導体、シリコンウェハーなど半導体材料に対する設備投資が高い水準で推移いたしました。また一般産業分野においては医薬・化粧品分野や電子周辺分野などで設備投資に活発な動きが見られ、電力・上下水分野は原子力発電所の再稼働に向けたソリューションサービスなどが堅調に推移しております。

このような状況の下、当社グループは国内・海外で大型プロジェクトの受注・納入活動を推進するため、エンジニアリングやソリューションサービスの体制整備や、デジタル技術を活用した業務効率化、グローバルでのサプライチェーン強化やパートナー企業との連携など生産・納入キャパシティの拡大に取り組んでおります。また、次世代の技術や新たな事業の創出を目指した研究開発活動の強化や、人材の確保と育成、サステナビリティやガバナンスの高度化に向けた取組みの拡充などを進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度は受注高144,468百万円(前連結会計年度比16.7%減)、売上高150,356百万円(同13.5%増)、営業利益22,544百万円(同48.2%増)、経常利益23,425百万円(同46.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益17,310百万円(同47.6%増)となり、ROE(自己資本当期純利益率)は18.4%(前連結会計年度は14.5%)となりました。受注高は大型案件の投資が相次いだ前年度から減少しておりますが、売上高及び各利益は前年度の実績及び期初の計画を上回り、前年度に続いて過去最高となる水準を達成いたしました。また、翌年度以降の売上のベースとなる繰越受注残は115,618百万円(同1.7%減)となり、半導体関連の大型プロジェクトなどを中心に引き続き高い水準の受注残高を確保しております。

 

区   分

第78期

2023年3月期

第79期

(当連結会計年度)

2024年3月期

前連結

会計年度比

計画比

期初計画

実績

受注高

(百万円)

173,491

150,000

144,468

△16.7%

△3.7%

繰越受注残高

(百万円)

117,659

117,659

115,618

△1.7%

△1.7%

売上高

(百万円)

132,426

150,000

150,356

+13.5%

+0.2%

営業利益

(百万円)

15,212

16,000

22,544

+48.2%

+40.9%

売上高営業利益率

(%)

11.5

10.7

15.0

経常利益

(百万円)

16,020

16,000

23,425

+46.2%

+46.4%

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

11,730

11,200

17,310

+47.6%

+54.6%

自己資本当期純利益率(ROE)

(%)

14.5

12.6

18.4

 

 

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

(水処理エンジニアリング事業)

※画像省略しています。

 

■受注高

受注高は前連結会計年度比19.9%減となる122,122百万円となりました。電子産業分野は国内でシリコンウェハー関連やパワー半導体向けの大型案件を受注したものの、前年度に中国・台湾・マレーシアなどで大型の半導体案件の受注が相次いだ反動により海外での受注が縮小した影響で受注高が減少しております。一方、一般産業分野では医薬分野や電子周辺分野のプラント案件の受注、電力・上下水など社会インフラ分野では原子力発電所の再稼働に向けたソリューション案件の受注などによって受注高が増加いたしました。

■売上高

売上高は前連結会計年度比14.7%増となる127,995百万円となりました。電子産業分野において、半導体関連など受注した大型案件の工事が概ね順調に進捗していることや、国内の半導体工場に向けた設備保有型サービスの拡大や各種のメンテナンスの増加などソリューションサービスも好調に推移したことなどから売上高が増加しております。また一般産業分野においては受注したプラント案件の工事進捗やメンテナンスなどのソリューション事業の拡大によって売上が増加いたしましたが、電力・上下水など社会インフラ分野においては浄水場の案件など手持ちのプラント工事が減少したことから売上高が若干減少する結果となりました。

■営業利益

営業利益は、前連結会計年度比51.0%増となる19,582百万円となりました。電子産業分野や一般産業分野における大型プラント案件の増加や比較的収益性の高い設備保有型サービス・各種のメンテナンスなどソリューションサービスの拡大などの効果に加え、活発な設備投資の動向などを背景とした受注採算性の改善や各種の原価低減・収益改善の取組みなどによって売上総利益率が向上したことにより、営業利益が拡大しております。

 

※画像省略しています。

 

 

(機能商品事業)

※画像省略しています。

 

■受注高・売上高

受注高は前連結会計年度比6.1%増となる22,346百万円、売上高は同7.4%増となる22,360百万円となりました。水処理薬品分野ではRO膜処理剤や排水処理剤など電子産業向けの各種水処理薬品の販売が好調に推移し、標準型機器・フィルタ分野では2023年12月に発売したラボラトリー向け超純水装置「ピューリックω(オメガ)Ⅱ」をはじめとした医療・研究機関向けの小型純水装置や、コーヒーマシーン・自動販売機などに向けた浄水フィルタなどの売上が増加し、また食品分野では加工食品に向けた各種食品添加剤などの販売が好調に推移いたしました。

■営業利益

営業利益は前連結会計年度比31.8%増となる2,961百万円となりました。水処理薬品、標準型機器・フィルタ、食品とも販売が好調に推移したことに加え、水処理薬品などで比較的利益率の高い製品が伸長したこと、原材料価格の上昇に伴う値上げなどの価格転嫁が進んだことなどから営業利益が増加しております。

 

※画像省略しています。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

水処理エンジニアリング事業

131,136

+2.9

機能商品事業

11,021

+4.7

合計

142,157

+3.0

 

(注) 1 上記の金額は販売価格をもって表示しております。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

水処理エンジニアリング事業

122,122

△19.9

114,285

△1.8

機能商品事業

22,346

+6.1

1,332

△0.2

合計

144,468

△16.7

115,618

△1.7

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

水処理エンジニアリング事業

127,995

+14.7

機能商品事業

22,360

+7.4

合計

150,356

+13.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.

23,198

15.4

 

3 前連結会計年度のTaiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

4 当連結会計年度のTaiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.については、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.及び同一の企業集団に対する売上高を含めております。

 

 

(2) 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ17,849百万円増加し、182,703百万円となりました。

流動資産は、設備保有型サービスの設備完成によってリース投資資産が増加したことで、前連結会計年度末に比べ16,703百万円増加し、153,469百万円となりました。

固定資産は、年金資産の増加に伴う退職給付に係る資産の増加などによって投資その他の資産が増加したことで、前連結会計年度末から1,145百万円増加し、29,233百万円となりました。

(負債)

当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ2,072百万円増加し、80,555百万円となりました。

流動負債は、主に大型の工事案件や設備保有型サービスへの投資の影響で短期借入金が増加したことで、前連結会計年度末に比べ3,863百万円増加し、72,602百万円となりました。

固定負債は、主に長期借入金の返済によって前連結会計年度末から1,790百万円減少し、7,953百万円となりました。なお、当連結会計年度末における借入金合計は前連結会計年度末に比べ3,445百万円増加し、36,465百万円となっております。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ15,776百万円増加し、102,147百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等に伴う利益剰余金13,904百万円の増加によるものであります。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

水処理エンジニアリング事業の資産の残高は、前連結会計年度末に比べ16,566百万円増加し、157,765百万円となりました。これは主に、売掛金及び契約資産、設備保有型サービスの設備完成に伴うリース投資資産の増加によるものであります。

機能商品事業の資産の残高は、前連結会計年度末に比べ845百万円減少し、17,542百万円となりました。これは主に売掛金などの減少によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

新たに策定した中期経営計画における当社グループの資金の配分方針については、次のとおりであります。

成長投資としては、通常の設備投資等に加え、人的資本や研究開発、デジタルなどへの投資拡大を図るほか、M&Aなどインオーガニックな成長に向けた投資の拡大を図る方針としております。また、設備保有型サービスへの投資も継続してまいります。

株主還元については、重要な経営課題の一つとして考えており、安定的かつ継続的な配当の実施を基本方針としたうえで、収益の状況を勘案した利益配分に努めることとしております。具体的には、増配の継続と配当性向30%以上の水準を目標とし、成長投資の拡大と株主還元の強化を両立させることを目指してまいります。

現預金は現行の水準である月商の1.5~2.0倍程度を目安とすることで事業運営に必要な資金の流動性を確保することとしております。投資資金、株主還元資金の財源については、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を基本としており、成長投資については金融機関からの借入金も活用して拡大することとしております。

 

(キャッシュ・フローの状況)

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,084百万円増加し、当連結会計年度末には17,642百万円となりました。活動ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当社グループは、水処理エンジニアリング事業が売上高の85.1%を占めており、同事業のキャッシュ・フローの状況によってグループ全体のキャッシュ・フローが大きく変動します。中でもプラント事業においては、大型装置の設計・製作・納入は長期にわたることがあり、債権の回収時期、原材料・外注費等の支払時期などによって営業活動によるキャッシュ・フローが大きく増減することがあります。また、設備を自らが設置・所有し、顧客にサービスを提供する設備保有型サービスにおいては、当社が設備を顧客にリースしているとみなされるため所有権移転外ファイナンス・リース取引として会計処理しておりますが、設備の製作から資金の回収までが長期にわたるため設備の製作や納入段階においては支出が大きく先行する傾向にあります。

当連結会計年度においては、設備保有型サービスへの投資などによる資金の減少に対し、税金等調整前当期純利益の計上などによる資金の増加があったことにより、営業活動によって得られた資金は3,726百万円となりました(前連結会計年度は18,536百万円の支出)。

なお、キャッシュ・フロー計算書におけるリース投資資産の増加額17,960百万円及び棚卸資産の減少額9,128百万円は主に、設備保有型サービスの設備完成により棚卸資産からリース投資資産への振替があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によって支出された資金は、前連結会計年度に比べ105百万円増加し、1,415百万円となりました。設備投資の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」をご参照ください。

 

<当社の設備保有型サービスへの投資額のキャッシュ・フロー計算書上の表示について>

当社は、顧客工場・敷地内に水処理設備を当社の設備として設置し、当該設備をもとに水処理サービスを長期間にわたって提供する設備保有型サービスを展開しております。当社のキャッシュ・フロー計算書においては、この設備保有型サービスへの投資額(設備製作に係る支出)を、営業キャッシュ・フローの区分に表示しております。これは、当該サービスが当社の主目的たる営業取引であり、貸借対照表においては流動資産のリース投資資産(建設中は仕掛品)に計上しているためであります。

一方で、この設備保有型サービスでは設備の製作に投下した資金の回収が長期間にわたるため、当該製作に係る支出は設備投資に近い性質も同時に有していると考えております。そのため、仮に当該支出を投資活動として捉えた場合には、当社のキャッシュ・フロー計算書は、その分だけ営業活動による支出額が大きく、投資活動による支出が小さく表示されていることになります。

なお、当該支出を営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローに組み替えた場合のキャッシュ・フローの状況を示すと以下のとおりとなります。

※画像省略しています。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によって支出された資金は641百万円となりました(前連結会計年度は14,706百万円の収入)。設備投資保有型サービスへの投資に伴う支出などにより短期借入金が増加しておりますが、配当金の支払額の増加などによって支出が増加いたしました。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定を使用しております。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりであります。

 

(特に重要な会計上の見積り)

① 工事契約に係る会計処理

水処理エンジニアリングリング事業における大型案件は当社グループの売上高に占める割合が大きく、その収益認識の基礎となる工事原価総額の見積りが業績に与える影響は非常に大きいと認識しており、特に大型の案件では作業内容の特定やその原価の見積りに高い不確実性が伴います。また、工事着手後に生じる資材価格の変動や作業内容の変更などを適時・適切に工事原価へ反映する必要があることに加えて、工事原価総額の見積りは工事損失引当金の金額にも影響することなどから当社は、工事契約に係る会計処理を特に重要な会計上の見積りに該当すると考えております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

(その他の重要な会計上の見積り)

① 棚卸資産の評価

棚卸資産の評価は、原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)によっております。営業循環過程から外れた滞留又は処分見込等の棚卸資産について、合理的に算定された価額によることが困難であるため、過去の実績から見積った年数及び割合を基に規則的に簿価を切り下げております。実際の正味売却価額が切下げ後の簿価と比べて大きく異なる場合は、棚卸資産の期末残高が過小もしくは過大になるほか、売上原価に影響を及ぼします。

 

② 製品保証引当金

完了した請負工事に係る瑕疵担保等に備えるため、将来の保証見込額を製品保証引当金として計上しております。見積りには、個別に見積可能なものについては、その見積額を計上しておりますが、多くの請負工事は個別の見積りが困難であるため、主に過去2年間の実績を基礎に見積りを行っております。しかし、想定を上回る重大な瑕疵や事故等の品質問題が発生した場合は、将来の業績が変動します。

 

③ 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損の兆候判定、認識及び測定にあたり、将来の事業計画を基礎とした各資産グループの将来キャッシュ・フローの見積りを行っております。その将来キャッシュ・フローの見積りを修正した場合には、評価の結果が変わり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額等を考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。

将来の課税所得見込額は業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合や予期しない変化などが生じた場合は、回収可能性の評価の見直しを行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。

 

 

⑤ 退職給付債務及び費用

当社グループの退職給付債務及び費用は、死亡率、退職率、昇給率や給与の変更及び割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づき算出されています。

割引率は、日本の国債の利回りを基に、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。また、長期期待運用収益率については、過去の運用実績と将来収益に対する予測を評価することにより設定しております。

これらの前提条件の見積りは合理的であると判断しておりますが、割引率の低下が数理計算上の退職給付債務の増加をもたらす可能性があるなど、主要な前提条件が実際の結果と異なった場合、退職給付債務及び費用が変動し、業績に影響を及ぼす可能性があります。