売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01573 IFRS

売上高

3,848.3億 円

前期

3,446.1億 円

前期比

111.7%

時価総額

8,160.8億 円

株価

7,023 (07/12)

発行済株式数

116,200,694

EPS(実績)

254.61 円

PER(実績)

27.58 倍

平均給与

934.5万 円

前期

912.1万 円

前期比

102.5%

平均年齢(勤続年数)

43.1歳(17.0年)

従業員数

1,625人(連結:7,981人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループ(当社および当社の関係会社)は栗田工業株式会社(当社)、子会社72社および関連会社3社により構成されております。

事業としては、水処理薬品の製造販売、水処理装置の製造販売、水処理装置のメンテナンス・サービスなど水処理に関する技術を幅広く提供しております。

当社グループの各セグメントにおける主要な事業内容は以下のとおりであり、当社を含む5社は複数セグメントに属しております。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6. 事業セグメント」に記載のとおりであります。

 

セグメントの名称

主要な事業

主要会社

電子市場
[計19社]

水処理装置の製造・販売

当社

韓水テクニカルサービス㈱[韓国]
栗田工業(蘇州)水処理有限公司[中国]

継続契約型サービス

当社
㈱韓水[韓国]

韓水テクニカルサービス㈱[韓国]

水処理薬品の製造・販売

当社
㈱韓水[韓国]
クリタ・タイワンCo.,Ltd.[台湾]

精密洗浄

クリテックサービス㈱

日本ファイン㈱

サンエイ工業㈱

アオイ工業㈱
ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ, Inc.[アメリカ]

水処理装置のメンテナンス

当社

韓水テクニカルサービス㈱[韓国]

栗田工業(蘇州)水処理有限公司[中国]
栗田超純水設備(上海)有限公司[中国]
クリタ・タイワンCo.,Ltd.[台湾]

水処理施設の運転・維持管理

栗田工業(蘇州)水処理有限公司[中国]

一般水処理市場
[計62社]

水処理装置の製造・販売

当社

クリタ明希㈱

クリタ・アメリカ, Inc.[アメリカ]

クリタ・シンガポールPte.Ltd.[シンガポール]

アルカデ・エンジニアリングGmbH[ドイツ]

継続契約型サービス

当社
栗田工業(大連)有限公司[中国]
クリタ・シンガポールPte.Ltd.[シンガポール]
クリタ・ド・ブラジルLtda.[ブラジル]

水処理薬品の製造・販売

-製造-

クリタ・ケミカル製造㈱

栗田工業(泰興)水処理有限公司[中国]

 

-販売-

クリタ北海道㈱

クリタ北関東㈱
クリタ関東㈱

クリタ東海㈱

クリタ北陸㈱

クリタ関西㈱

クリタ山陽㈱

クリタ九州㈱

クリタ・ビーエムエス㈱

クリタ・ビルテック㈱

 

-製造・販売-

当社

栗田工業(大連)有限公司[中国]

アビスタ・テクノロジーズ, Inc.[アメリカ]

クリタ・アメリカ, Inc.[アメリカ]

クリタ・シンガポールPte.Ltd.[シンガポール]

クリタ・ウォーター(マレーシア)Sdn.Bhd.[マレーシア]

クリタ・ヨーロッパGmbH[ドイツ]

クリタ・ド・ブラジルLtda.[ブラジル]

クリタ-GK ケミカル Co.,Ltd.[タイ]

水処理装置のメンテナンス

当社

クリタ北海道㈱

クリタ北関東㈱
クリタ関東㈱

クリタ東海㈱

クリタ関西㈱

クリタ九州㈱

クリタ・アメリカ, Inc.[アメリカ]

エンジニアリング洗浄

当社

三善工業㈱

水処理施設の運転・維持管理

㈱クリタス
㈱クリタス北陸

土壌・地下水浄化

ランドソリューション㈱

環境分析(水質、土壌)

クリタ分析センター㈱

ソフトウエアサービス

フラクタ Inc.[アメリカ]

(注)1.韓水テクニカルサービス㈱は㈱韓水を、2024年4月1日付で吸収合併し、社名を栗田韓水㈱に変更いたしまし

た。

2.㈱クリタスは、㈱クリタス北陸を2024年4月1日付けで吸収合併いたしました。

3.2024年4月1日付で、日本国内における水処理薬品の販売や装置のメンテナンス・サービスを主な事業とする国内販売事業会社等11社を再編し、11社ある国内販社のうち、クリタ関東株式会社(2024年4月  クリタ東日本株式会社(現・連結子会社)に社名変更)およびクリタ関西株式会社(2024年4月  クリタ西日本株式会社(現・連結子会社)に社名変更)を存続会社とし、両社が9社を吸収合併いたしました。

 

24/06/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」、「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

(2) 経営成績

当期における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化により景気の先行きに不透明感が高まり、物価上昇や金利引き上げの影響などで一部に弱さがみられましたが、持ち直しの動きが継続しました。

当社グループを取り巻く市場環境は、国内においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行による社会活動の正常化を背景とした個人消費の増加や原材料等の供給制約の解消により製造業の生産活動は、持ち直しに向かっていたものの、半導体関連需要の低迷や一部自動車メーカーの生産停止の影響などにより、年度後半にかけて回復の動きが鈍化しました。設備投資は、高水準の企業収益を背景に底堅く推移しました。海外においては、米国の景気は堅調に推移した一方で、欧州の経済成長は、エネルギー価格などの物価上昇や金利引き上げの影響により停滞しました。アジアでは、中国は不動産市場の低迷長期化などの影響を受け、景気回復の動きに弱さがみられましたが、その他の地域では持ち直しの動きがみられました。

このような中、当社グループは、5か年の中期経営計画「PSV-27」(Pioneering Shared Value 2027)をスタートさせました。「人材・技術・しくみを磨き上げ、圧倒的なスピードと課題解決力で、期待を超える価値を切り拓く」という基本方針のもと、電子産業市場分野では、デジタル技術を駆使して、これまでの超純水供給事業などで蓄積したデータを分析、可視化した「水に関する知」をバリューチェーン全体で活用し、併せて、営業、生産、開発の機能を1つの組織に集約することにより、深い顧客理解に基づく、節水やGHG排出削減、廃棄物の資源化といった環境負荷低減、生産性の向上など顧客の課題解決に貢献するソリューションの提供に注力しました。一般産業市場分野では、各国・地域において多様な事業に取り組む顧客の動向やニーズを一元的に把握し、CSVビジネスをはじめとした社会との共通価値を創出するソリューションをグローバルに展開するための取り組みを強化しました。海外では、アルカデ・エンジニアリングGmbH(本社:ドイツ)とその関連企業からなる4社を買収し、欧州での電子産業向け水処理装置事業における現地の製造拠点とサプライチェーンを獲得し、European Chips Act(欧州半導体法)等を背景とした電子産業向け水処理装置の需要増加に対して迅速に対応可能な事業基盤の整備に取り組みました。

以上の結果、当社グループ全体の受注高は390,152百万円(前年同期比4.2%増)、売上高は384,825百万円(前年同期比11.7%増)となりました。利益につきましては、事業利益は42,055百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益は41,232百万円(前年同期比41.9%増)、税引前利益は41,686百万円(前年同期比38.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は29,189百万円(前年同期比45.0%増)となりました。

当連結会計年度においては、その他の収益1,968百万円、その他の費用2,791百万円を計上しております。その他の収益は、欧州子会社における為替差益計上などにより前年同期比で404百万円増加しております。その他の費用は、主に前連結会計年度に計上したクリタ・アメリカ, Inc.(水処理薬品事業)ののれんの減損損失7,646百万円がなくなったため、前年同期比で8,304百万円減少しております。この結果、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は大幅な増益となりました。

 

(電子)

受注高は、165,805百万円(前年同期比2.4%減)となりました。主に前連結会計年度に開始した超純水供給契約案件の貢献により、継続契約型サービスが増加し、メンテナンスも高水準であった前年同期を上回りましたが、水処理装置が前年同期における複数の大型案件の受注計上の反動により、また精密洗浄が半導体市況悪化による国内および米国の顧客工場の稼働率低下の影響を受け、それぞれ減少しました。

売上高は172,698百万円(前年同期比15.7%増)となりました。精密洗浄が減少した一方で、水処理装置で受注済みの大型案件の工事進捗により大幅に増加したほか、継続契約型サービスやメンテナンスも増加しました。

利益につきましては、精密洗浄の売上減少に加え、比較的原価率が高い装置案件の売上が増加したことによる売上原価率悪化の影響を受け、事業利益は、19,938百万円(前年同期比8.3%減)、営業利益は、20,202百万円(前年同期比3.3%減)となりました。

 

(一般水処理)

受注高は、224,346百万円(前年同期比9.8%増)となりました。水処理薬品は、主に中国での顧客工場稼働率低下の影響を受け、減少しましたが、水処理装置は、主にアルカデ社(4社)を新規連結したことにより増加し、継続契約型サービス、エンジニアリング洗浄、メンテナンスも伸長しました。

売上高は、212,127百万円(前年同期比8.6%増)となりました。水処理薬品は減少しましたが、新規連結の影響があったことに加え、水処理装置やメンテナンスで受注残からの売上計上、継続契約型サービスとエンジニアリング洗浄の伸長により、増収となりました。

利益につきましては、増収に加え、製品構成見直しやコスト低減などの収益性改善の取り組みにより事業利益は、22,103百万円(前年同期比30.8%増)となり、営業利益は、前連結会計年度に計上したクリタ・アメリカ, Inc.(水処理薬品事業)ののれんの減損損失7,646百万円がなくなったことにより大幅に増加し、21,030百万円(前年同期比155.1%増)となりました。

 

生産、受注および販売の実績は、以下のとおりであります。

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 前年同期比(%)

電子市場(百万円)

172,333

113.8

一般水処理市場(百万円)

212,871

102.8

合計(百万円)

385,205

107.4

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

②受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電子市場

165,805

97.6

64,593

90.6

一般水処理市場

224,346

109.8

59,320

124.9

合計

390,152

104.2

123,914

104.3

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 前年同期比(%)

電子市場(百万円)

172,698

115.7

一般水処理市場(百万円)

212,127

108.6

合計(百万円)

384,825

111.7

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(3) 財政状態

①資産合計  557,407百万円(前連結会計年度末比55,869百万円増加)

流動資産は228,018百万円となり、前連結会計年度末比31,602百万円増加しました。これは主に営業債権及びその他の債権が19,165百万円、棚卸資産が4,222百万円、現金及び現金同等物が3,541百万円それぞれ増加したためであります。

非流動資産は329,388百万円となり、前連結会計年度末比24,267百万円増加しました。これは主に超純水供給事業(電子市場)に係る設備の新規取得により有形固定資産が12,236百万円増加したことに加え、のれんが10,588百万円増加したためであります。のれんの増加は、第2四半期連結会計期間において、欧州の水処理装置の製造・販売会社であるアルカデ・エンジニアリングGmbH、アルカデ・インダストリーSAS及びクリタ・スイスAG(2023年12月18日付でアルカデ・エンジニアリングAGから社名変更)およびアルカデ・エンジニアリング(アジア) Pte. Ltd.を買収したことによる増加2,734百万円と円安外国通貨高の影響によるものであります。

 

②負債合計  223,995百万円(前連結会計年度末比18,217百万円増加)

流動負債は118,620百万円となり、前連結会計年度末比9,152百万円増加しました。これは社債及び借入金が9,901百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が16,938百万円、その他の流動負債が2,302百万円それぞれ増加したためであります。

非流動負債は105,375百万円となり、前連結会計年度末比9,065百万円増加しました。これは主に長期借入金の増加により社債及び借入金が9,956百万円増加したためであります。

 

③資本合計  333,411百万円(前連結会計年度末比37,652百万円増加)

主に円安外国通貨高に伴う在外営業活動体の換算差額の計上により、その他の資本の構成要素が16,251百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により利益剰余金が21,019百万円それぞれ増加したためであります。

 

当連結会計年度末における資産をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注)

連結財務諸表

計上額

電子市場

一般水処理市場

セグメント資産

261,694

234,018

495,713

61,693

557,407

(注)主なものは各報告セグメントに配分していない全社資産であります。

 

(4) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は54,009百万円(前連結会計年度末比3,541百万円増加)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動で得られた資金は50,874百万円(前年同期比2,243百万円増加)となりました。これは主に営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加)15,177百万円、法人所得税の支払額12,965百万円などで資金が減少したものの、税引前利益41,686百万円、減価償却費、償却費及び減損損失32,637百万円などで資金が増加したためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動で使用した資金は35,801百万円(前年同期比10,473百万円減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出28,958百万円、子会社の取得による支出(取得資産に含まれる現金及び現金同等物控除後)3,080百万円などで資金を使用したためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動で使用した資金は15,337百万円(前年同期比16,438百万円増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入12,013百万円により資金が増加したものの、配当金の支払額9,236百万円、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少)10,196百万円、リース負債の返済による支出5,310百万円などで資金を使用したためであります。

 

当社グループは事業運営上必要な流動性確保と安定した資金調達体制の確立を基本方針としております。短期運転資金、設備投資やその他成長分野への投資資金は自己資金を基本としつつも、必要に応じて債券市場での調達や銀行借入を実施しております。なお、当連結会計年度末において、当社は取引金融機関2社とコミットメント・ライン契約を締結しております(借入実行残高 -百万円、借入未実行残高 20,000百万円)。

 

(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画「PSV-27」に対する達成状況については、以下のとおりであります。

 

2023年3月期実績

2024年3月期実績

2028年3月期目標

売上高(百万円)

344,608

384,825

450,000

売上高事業利益率(%)

11.2%

10.9%

16%

親会社所有者帰属持分

当期利益率(ROE)

7.1%

9.3%

12%以上

投下資本利益率(ROIC)

8.0%

7.2%

10%以上