E01646 Japan GAAP
前期
219.3億 円
前期比
98.7%
株価
1,890 (07/16)
発行済株式数
4,295,968
EPS(実績)
85.43 円
PER(実績)
22.12 倍
前期
721.2万 円
前期比
102.0%
平均年齢(勤続年数)
43.9歳(14.2年)
従業員数
245人(連結:581人)
当社グループは、当社、東レ株式会社(親会社)、子会社5社及び関連会社2社により構成されており、水処理機械、水処理用機器類の製造、据付ならびに販売等を主とした事業活動を展開しております。また、親会社である東レ株式会社は合成繊維、プラスチック・ケミカル製品の製造・販売等を主として行っており、当社とは水処理事業分野での業務提携契約を締結しております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、以下の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
事業区分 |
主要な事業内容 |
会社名 |
上下水道事業 |
上水道施設向けの浄水処理設備や下水道施設向け水処理機械設備等の製造、販売、運転・維持管理 |
当社 ㈱水機テクノス 山田設備機工㈱ ㈱現代計装 西日本オートメーション㈱ |
環境事業 |
産業用水施設、産業廃水処理施設や排水再利用施設等の製造、販売 |
当社 Suido Kiko Middle East Co.,Ltd. SUIDO KIKO VIETNAM CO.,LTD. |
機器事業 |
塩素・薬品注入設備や計測機器等の製造、販売 |
当社 |
[事業の系統図]
以上の事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の業績に関し、受注高は、グループ全体で245億29百万円(前期比24.7%減)と前期比で減少となりました。主な要因として、上下水道事業での浄水場運転管理案件の契約更新やメンテナンス案件の受注は堅調に推移した他、環境事業における工場向け排水処理設備等の受注により増加した一方で、新規浄水場建設や大規模な設備更新などの大型案件の発注が低調に推移したため、グループ全体の受注高は前期比で減少しました。当連結会計年度末において、契約済み案件の受注残高は、395億11百万円(前期比7.7%増)となり過去最高額を更新する結果となりました。
売上高は、グループ全体で216億34百万円(前期比1.3%減)と前期比で微減となりました。主な要因として、上下水道事業において、手持受注契約の工事施工が順調に推移する一方で、工事着工遅延による工事出来高減少があったことにより前期比で減収となりました。
損益の状況については、上下水道事業での工事出来高の減少の影響を工事採算改善によりカバーすることに努めてまいりましたが、事業拡大並びに管理強化のための要員拡充による人件費増加等により販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は4億50百万円(前期比40.9%減)と前期比で減益となりました。経常利益は、営業外収益として為替差益1億71百万円を計上した一方で、営業外費用として持分法による投資損失を50百万円計上し、6億61百万円(前期比61.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3億67百万円(前期比34.3%増)となり前期比でそれぞれ増益となりました。
セグメント別の課題への取り組み概況及び業績については、次のとおりであります。
[上下水道事業]
(課題への取り組み概況)
1.メンテナンス事業拡大への取り組み
(1)中期経営計画でのグループ連携の方針に基づき、浄水場設備のメンテナンスを担う水機テクノスにおいて、事業拡大のために営業、技術、メンテナンス、運転管理の機能統合を行うことにより情報共有・人的交流促進を図ってまいりました。
(2)顧客との接点の最前線であるメンテナンス窓口の機能強化のため、水機テクノスの主要拠点においてサービスステーションを増設し体制拡充により収益拡大のための基盤整備を進めました。
(3)浄水場等の施設更新・建設を担う当社グループ各社の役員並びに幹部社員が、メンテナンス事業の拡大とグループ内の組織強化に向けて人材交流を図ってまいりました。
2.加速する官民連携事業(PPP/PFI(*1)、DB/DBO(*2)等)に対応する組織機能の強化
営業、設計への対応要員の育成を通じて、案件対応力の強化を図るとともに、製品並びにサービスの開発を進めてまいりました。
*1. Public Private Partnership/Private Finance Initiativeの略で官民連携による公共施設等建設運営とその手法。
*2. Design Build(設計、施工)/Design Build Operation(設計、施工、運転管理)の略で一括発注方式での契約形態。
(業績)
受注高は206億85百万円(前期比33.1%減)、売上高は198億7百万円(前期比4.1%減)、営業利益は4億51百万円(前期比44.2%減)となりました。設備運転管理・メンテナンス案件の受注は堅調に推移し、豊富な手持受注工事の施工に注力するものの、大型案件の発注が低調であったこと及び土木建築工事の遅れに伴う着工遅延などにより工事出来高が減少したことで減収減益となりました。
[環境事業]
(課題への取り組み概況)
環境負荷低減ニーズが見込まれる中で、既存顧客に対する提案営業活動の強化をはじめ、東レグループにおける水処理素材、システムの活用により差別化可能な案件を中心に受注活動を推進してまいりました。
(業績)
受注高は30億59百万円(前期比221.3%増)、売上高は11億74百万円(前期比96.5%増)、営業損失は35百万円(前期は営業損失1億11百万円)となりました。工場向け排水処理設備等の受注高が前期比で増加したことにより、増収増益となりました。
[機器事業]
(課題への取り組み概況)
薬品注入設備、各種バルブ等の更新ニーズに対し、受注量の維持・確保に努めるとともに、製造体制の強化と既存顧客に対するメンテナンスを通じた販売網強化を推進するとともに、従来の製造に特化した工場機能に加えて製品開発・管理機能を集約し新たな体制を確立いたしました。また、北陸地方での震災復旧支援として、非常用浄水装置の提供を通じた災害支援活動を展開してまいりました。
(業績)
受注高は7億84百万円(前期比9.4%増)、売上高は6億52百万円(前期比5.1%減)、営業利益は33百万円(前期比47.3%減)となりました。薬品注入装置、減圧弁等の標準機器製品の更新により受注高が増加したものの、電子部品の調達に時間を要したことから納入が次年度以降となったため、売上も先送りとなり減収減益となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
前期と比較して26億33百万円増加し、176億79百万円となっております。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が37億18百万円増加した一方、現金及び預金が16億69百万円減少したこと等によるものです。
(固定資産)
前期と比較して3億3百万円増加し、64億58百万円となっております。主な要因は、有形固定資産が15百万円、
無形固定資産が55百万円、投資その他の資産が投資有価証券の増加等により2億31百万円増加したこと等によるものです。
(流動負債)
前期と比較して33億5百万円増加し、105億64百万円となっております。主な要因は、短期借入金が14億99百万円、支払手形及び買掛金が10億5百万円、電子記録債務が4億96百万円増加したこと等によるものです。
(固定負債)
前期と比較して6億46百万円減少し、35億83百万円となっております。主な要因は、持分法適用に伴う負債が5億9百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
前期と比較して2億77百万円増加し、99億91百万円となっております。主な要因は、利益剰余金が1億32百万円、その他有価証券評価差額金が1億25百万円増加した一方、為替換算調整勘定が56百万円減少したこと等によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益6億61百万円、仕入債務の増加15億1百万円があった一方、売上債権の増加37億18百万円、関係会社貸付による支出6億53百万円があったこと等から、前連結会計年度末に比べ16億17百万円減少し、当連結会計年度末には19億42百万円(前期比45.4%減)となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、20億45百万円(前期は5億93百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益6億61百万円、仕入債務の増加15億1百万円があった一方、売上債権の増加37億18百万円、法人税等の支払3億72百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、8億45百万円(前期は10億33百万円の支出)となりました。これは主に貸付金の回収による収入35百万円があった一方、関係会社貸付による支出6億53百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果収入となった資金は、12億57百万円(前期は2億69百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入30億円があった一方で、短期借入金の返済による支出15億円、配当金の支払額2億35百万円があったこと等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a) 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
上下水道(百万円) |
19,667 |
△4.3 |
環境(百万円) |
1,146 |
91.1 |
機器(百万円) |
654 |
△5.1 |
合計(百万円) |
21,469 |
△1.7 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の生産実績は、外注加工費及び購入部品費を含んでおります。
b) 受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは主として受注による生産を行っておりますが、一部見込みによる生産を行っております。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
上下水道 |
20,685 |
△33.1 |
36,901 |
2.2 |
環境 |
3,059 |
221.3 |
2,404 |
362.3 |
機器 |
784 |
9.4 |
205 |
180.2 |
合計 |
24,529 |
△24.7 |
39,511 |
7.7 |
(注)1.当社グループの製品は多品種であり、適切な数量表示が困難なため、金額のみによって表示しております。
2.当連結会計年度において、受注高に著しい変動がありました。主な要因として、上下水道事業における水道施設老朽化に伴う更新・改修案件の発注が進み、とりわけ大型案件の発注が前期と比較し大幅に増加となりました。
c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
上下水道(百万円) |
19,807 |
△4.1 |
環境(百万円) |
1,174 |
96.5 |
機器(百万円) |
652 |
△5.1 |
報告セグメント計(百万円) |
21,634 |
△1.3 |
合計(百万円) |
21,634 |
△1.3 |
(注)当社グループの製品は多品種であり、適切な数量表示が困難なため、金額のみによって表示しております。
(2)建設業法に基づく監督処分について
当社及び当社の連結子会社の株式会社水機テクノス(以下、水機テクノス)は、2023年2月10日付で国土交通省関東地方整備局から、建設業法に基づく監督処分として2023年2月25日から同年5月2日まで(水機テクノスは、同年4月25日まで)の期間の営業停止処分並びに指示処分を受けました。処分内容の詳細は、当社ウェブサイト掲載のIRニュース「建設業法に基づく監督処分について」をご参照願います。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況 及び ② 財政状態の状況」に記載の通りとなります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りとなります。
b) 資金調達の状況
当社は、資金効率及び調達コスト等の観点から、主に自己資金及び工事契約に基づく顧客からの工事前払金により資金調達を行っております。なお、運転資金が不足する場合には、東レグループ内におけるCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を利用し資金調達を行っております。
c) 資金需要の状況
当社の資金需要のうち、主なものは運転資金となります。その主たる内容は各種工事のための原材料購入の他、仕入のうち大きな割合を占める外注製作・工事費の外注作業等に係る支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、営業費用の主なものは人件費であります。また、その他の資金需要として、設備更新・成長投資や株主還元等があります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来発生する事象に対しての見積り及び仮定設定を行う必要があり、経営者は、過去の実績や状況及び現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と判断した見積りや仮定を継続的に採用しております。しかしながら、これらの見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 a) 収益及び費用の計上:当連結会計年度末までの進捗部分について工事請負契約等を締結の上で履行義務を認識し、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。 履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて行っております。 b) 受注損失引当金:受注工事の損失発生に備えるため、当連結会計年度末の手持受注工事のうち、損失発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見込額を計上しております。 c) 貸倒引当金:取立不能の恐れのある債権には、必要と認める額の貸倒引当金を計上しております。 d) 繰延税金資産:法人税に対応する繰延税金資産は、評価性引当額を除きその全額が回収可能であるとの判断に基づき計上しております。 e) 投資の減損:保有する取引先等及び関係会社の株式等について、上場株式は、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合に、また、非上場株式及び関係会社株式・出資金は、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合に、将来の回復可能性を検討し、評価損を計上しております。 |