株式会社グリーンズ

ブランドなど:コンフォートホテルグリーンズ
サービス業ホテルスタンダードTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E32988 Japan GAAP

売上高

364.4億 円

前期

254.4億 円

前期比

143.3%

時価総額

291.3億 円

株価

2,099 (04/25)

発行済株式数

13,878,263

EPS(実績)

301.98 円

PER(実績)

6.95 倍

平均給与

478.6万 円

前期

398.5万 円

前期比

120.1%

平均年齢(勤続年数)

39.1歳(7.5年)

従業員数

637人(連結:678人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンの計2社で構成されております。

当社グループは、「おもてなしと生活文化の創造」をスローガンとして掲げ、ホテル運営により収益を上げる専業のホテルオペレーターとして、内外顧客に対し宿泊・料飲サービスの提供等を行っております。

当社の柱となるホテル事業は、米国チョイスホテルズインターナショナル社が保有する世界的ホテルブランド「コンフォート」を中心に、宿泊特化型(注1)で中間料金帯(注2)のホテルを日本全国の政令指定都市等の駅前立地を中心に店舗展開する「チョイスブランド」(注3)と、「ホテルエコノ」「グリーンホテル」「シティホテル」「ホテルエスプル」など、特定のブランドにこだわらず、宴会場やレストラン等を併設したホテルから宿泊特化型のホテルまで地域特性に合わせたホテルを展開する「オリジナルブランド」(注3)の2つの事業からなっております。

また、ホテル用不動産の有効活用のため、「その他の事業」として当社ホテルに併設するテナント等に対する賃貸事業及び不動産管理事業を行っております。

当社のホテル展開は、自社でホテル用土地を所有若しくは賃貸し、建物を所有して運営する「所有直営方式」が5店舗あり、その他はホテル建物を所有せずに、ホテルオーナー等が建築したホテル建物を賃借する「リース方式」を併用しております。

特に、「リース方式」のメリットとして、ホテル建物を所有することによるアセットリスクを最小限に抑え、さらに出店時において多額の投資が必要となる開発リスクを抑制し、建物自体の修繕費等もオーナー負担とすることで最小限に抑えることができることにあり、当社ではこの「リース方式」を多く採用しております。

当社の客室販売は、第一に公式サイトやOTA(注4)をはじめとするインターネットによる宿泊予約の獲得、次に旅行会社の販売する旅行商品への客室提供、法人契約先への特別優待プランの販売営業等を主要な経路としております。

さらに、客室単価の設定においては、収益の最大化を目指すための「レベニューマネジメント」(注5)という販売手法を活用することで、限られた在庫である客室を最適価格で販売しております。

(注1)宿泊特化型とは、短期宿泊のビジネス需要をメインターゲットとするコンパクトな設備のビジネスホテルの中でも、ホテルの中核機能である「宿泊」にサービスを絞り込み、宿泊価格を抑えた営業形態であります。

(注2)宿泊料金が1泊6,000円から9,000円程度を指します。

(注3)2023年1月に組織変更を実施し、「チョイスブランド」と「オリジナルブランド」のブランド別の管理を行うこととなったため第3四半期よりブランド別に開示しております。なお、従前開示しておりました事業部別の所属店舗とブランド別での所属店舗に変更はございません。

(注4)OTAとは、Online Travel Agencyの略で、実店舗を持たずに、インターネット上だけで旅行商品を取扱う旅行会社を指します。例:楽天トラベル、じゃらんnet、るるぶトラベル、一休.com等。

これに対して、実店舗を構えて営業する旅行会社を「リアルエージェント」といいます。例:JTB、日本旅行、近畿日本ツーリスト等。

(注5)レベニューマネジメントとは、客室の需要予測を基に販売をコントロールすることによって、収益の最大化を目指す体系的な手法であります。

「需要予測」とは、先行して入っている予約状況と過去のトレンド等を加味して、最終的にどこまで予約が入るのかを正確に予測することです。

「販売をコントロール」する簡単かつ効果的なものは、需要が高くなると予測される場合は販売価格を高く設定し、需要が低くなると予測される場合は販売価格を低く設定して、客室の販売数を上限まで引き上げる(客室稼働率を上げる)ことです。

 

 

1.ブランド別の事業内容について

当社グループの報告セグメントはホテル事業の単一セグメントであるため、事業内容の詳細につきましては、ブランド別に記載しております。

(1)チョイスブランド

チョイスブランドにおいては、米国チョイスホテルズインターナショナル社が保有する世界的ホテルブランド「コンフォート」中心に、宿泊特化型で中間料金帯のホテルを日本全国の政令指定都市等の駅前立地を中心に展開しております。その店舗数は、「コンフォートホテル」が61店舗、レジャーニーズに対応した全室ツイン仕様の「コンフォートスイーツ」が1店舗、機能性や利便性を兼ね備え多様なサービスを提供する「コンフォートイン」が10店舗で、本ブランドで展開する店舗数は72店舗となります(2023年6月30日現在)。

本ブランドにおいては、日本における「コンフォート」ブランド等の独占的使用権を保有する、当社連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンがホテルの客室・施設基準の管理、運営ノウハウの提供、セールス・マーケティング戦略の立案等を担っております。このようなスキームにより、本ブランドは世界的ブランドに対する知名度と安心感を獲得し、全国で均一なサービスを提供することができ、中間料金帯のグローバルホテルブランドとして全国展開に成功することができました。

 

○施設とサービス

「コンフォート」ブランドホテルの施設は、ブランド保有者である米国チョイスホテルズインターナショナル社の定めた仕様をもとに、ブランドコンセプト「Color Your Journey.旅に、実りを。」の具現化を目指し、日本市場にアレンジして設計しております。

また、「コンフォート」ブランドホテルでは、全国で次のサービスを提供しております。

・コンフォートホテルにおいては、炭水化物、タンパク質、脂質をバランスよく摂れ、満腹感のあるColor your Morningをコンセプトとした無料朝食

・その土地にちなんだ書籍や旅の写真集、飲み放題のドリンク、Wi-Fi、コンセント等を備えた、ゆったりと過ごせる開放的な空間をロビースペースに用意した「Comfort Library Cafe」を設置(コンフォートホテルの一部)

・宿泊者の快眠をサポートするために寝具メーカーと開発した「チョイスピロー」等の専用寝具

・コンフォートスイーツにおいては、140cm幅のダブルベッドを使用した全室ツイン仕様の広々とした客室

・コンフォートインにおいては、手軽に食べられる無料のパン朝食をベースに、一部ホテルではその地域の特色を生かした朝食メニューを提供(有料)

・健康志向の高まりに対応した全室禁煙化

・無料の高速インターネットサービス

 

○出店戦略

本ブランドにおける出店は、「新築物件の賃貸借・運営受託」「戦略的な立地での所有」「既存物件のオペレーターチェンジ」など様々なスキームを組み合わせております。ホテル建築の費用は土地・建物のオーナー等が負担し、施設・設備の仕様は当社グループの求める基準で建築したものを当社が賃借する手法を取っております。これによって、当社が多額の投資をすることなく当社グループが求める客室品質を実現でき、また当社が土地建物を所有した場合に生じる固定資産税や都市計画税の負担や、地価の変動による減損、価値が下落した場合でも機動的に売却ができない等のアセットリスクをコントロールすることが可能となります。

 

○主要顧客とプロモーション戦略

本ブランドにおける主要顧客は、出張利用のビジネス客、ファミリー・カップルを中心とするレジャー客であります。

これらの主要顧客を囲い込み、顧客基盤を強化するために、フランチャイザーである株式会社チョイスホテルズジャパンが運営する会員制度(Choice Guest Club™)を活用し、販売強化に努めております。また、本ブランドにおいては積極的なプロモーション活動を展開しており、株式会社チョイスホテルズジャパンの企画・運営によるインターネットの動画広告や、ディスプレイ等の電子的な表示機器を利用して動画等の情報を発信するデジタルサイネージを活用した広告出稿等を行っております。

 

(主な会社)当社、株式会社チョイスホテルズジャパン

○展開店舗数(都道府県別)                      単位:店 ( )は客室数

地方

都道府県

2021年6月末

2022年6月末

2023年6月末

北海道

北海道

6(793)

6(793)

6(793)

東北

青森県

1(151)

1(151)

1(151)

岩手県

1(129)

1(129)

1(129)

秋田県

1(159)

1(159)

1(159)

宮城県

2(509)

2(509)

2(509)

山形県

2(220)

2(220)

2(220)

福島県

1(161)

1(161)

1(161)

 

関東

茨城県

1(108)

1(108)

1(108)

群馬県

1(153)

1(153)

1(153)

千葉県

2(454)

2(454)

2(454)

東京都

5(832)

5(832)

5(832)

神奈川県

1(243)

1(243)

1(243)

 

中部

山梨県

1( 77)

1( 77)

1( 77)

長野県

1( 76)

1( 76)

新潟県

3(399)

3(399)

3(399)

富山県

1(150)

1(150)

1(150)

静岡県

1(196)

1(196)

1(196)

愛知県

7(1,267)

8(1,474)

8(1,474)

岐阜県

2(324)

2(324)

2(324)

近畿

三重県

2(258)

2(258)

3(407)

滋賀県

3(347)

3(347)

3(347)

京都府

3(398)

3(398)

3(398)

大阪府

3(483)

3(483)

3(483)

兵庫県

2(371)

2(371)

2(371)

奈良県

1(131)

1(131)

1(131)

和歌山県

1(152)

1(152)

1(152)

中国

広島県

2(407)

2(407)

2(407)

山口県

1(139)

1(139)

1(139)

四国

香川県

1(163)

1(163)

愛媛県

1(197)

1(197)

1(197)

高知県

1(167)

1(167)

1(167)

九州

福岡県

4(734)

4(734)

4(734)

佐賀県

1(134)

1(134)

1(134)

長崎県

1(150)

1(150)

熊本県

1(157)

1(157)

1(157)

宮崎県

1(179)

1(179)

1(179)

沖縄県

2(213)

3(330)

3(330)

店舗数計

70(11,018)

73(11,505)

72(11,428)

  ※ 本表の地方区分は、北陸・甲信越を中部地方に含み、三重県を近畿地方とする「八地方区分」を採用しております。

(2)オリジナルブランド

オリジナルブランドにおいては、当社の60年以上に亘る専業ホテルオペレーターとしての実績をもとに、三重県を中心に宿泊特化型のホテルから宿泊・レストラン・集宴会場を備えたホテルまで、地域のお客様のニーズに合わせた様々なタイプのホテルをドミナント展開しております。

本ブランドにおけるホテルブランドは、宿泊特化型の「ホテルエコノ」、レストラン・集宴会場を併設した「ホテルグリーンパーク」、「ホテルエスプル」等がありますが、これら以外にも地域顧客の知名度を優先するため、M&Aや事業譲受等において従前から使用されていたホテル名称をそのまま利用する形態も多くとっております(「プラザホテル」、「センターワンホテル」等)。また2015年7月のM&Aにより、入浴施設を併設する「ホテル門前の湯」と、同じく入浴施設を併設し、名神高速道路の多賀サービスエリアで営業を行う「レストイン多賀」の運営も本ブランドにて行っております。以上を含めた本ブランドの展開するホテル数は、25店舗となります(2023年6月30日現在)。

 

 

○施設とサービス

本ブランドにおけるホテルの特徴は、レストラン・宴会場等を併設するホテルから、朝食スペースのみを備えた宿泊特化型ホテルまで多岐にわたっております。

また、本ブランドにおけるホテルにおいて共通するサービスとして、

・宿泊者の快眠をサポートするための、高さや硬さ等が調整可能な「折り重ね枕」

・無料の高速インターネットサービス

・地域で生産された食材を積極的に使用した「地産地消」朝食メニュー

を提供しております。

 

○出店戦略

本ブランドにおける出店は、「新築物件の賃貸借・運営受託」「戦略的な立地での所有」「既存物件のオペレーターチェンジ」など様々なスキームを組み合わせて、ブランドに関わらず柔軟に行っております。また、収益構造の改善が必要な小規模チェーンや後継者選びに課題を抱える個人経営のホテル等から、賃借、M&Aや運営受託等によって店舗展開を図る手法を取っております。これによって、新規建築物件に比べて投資負担を少なくし、またこれらのホテルが従来抱えていた顧客基盤を受け継ぐことで継続利用をする優良顧客獲得が容易になるというメリットがあります。

 

 

○主要顧客とプロモーション戦略

本ブランドにおける主要顧客は、宿泊においては出張利用のビジネス客、観光目的のレジャー客、宴会・会議等においては地元の企業、諸団体及び個人としております。

これら主要顧客に対しては、インターネットの公式サイトやOTAからの予約獲得の他、地元の法人契約会員(グリーンズ・コミュニティ・メンバーズ)への利用促進、パーティー・会議等の利用獲得のために営業活動を積極的に行っております。

 

(主な会社)当社

○展開店舗数(都道府県別)                       単位:店 ( )は客室数

地方

都道府県及び市町村

2021年6月末

2022年6月末

2023年6月末

中部

新潟県

上越市

1(112)

1(112)

1(112)

富山県

魚津市

1( 76)

1( 76)

1( 77)

石川県

金沢市

4(366)

2(209)

2(209)

小松市

1( 78)

福井県

福井市

1(138)

1(138)

1(138)

岐阜県

高山市

1(152)

1(152)

愛知県

名古屋市

1(146)

1(146)

1(146)

一宮市

1( 84)

小牧市

1( 80)

東海市

1( 66)

1( 66)

1( 66)

半田市

1(150)

1(150)

1(150)

近畿

三重県

桑名市

1( 74)

1( 74)

1( 74)

四日市市

3(396)

3(396)

3(396)

鈴鹿市

1(142)

1(142)

1(142)

亀山市

1(112)

1(112)

1(112)

津市

3(379)

3(379)

3(379)

松阪市

1( 71)

1( 71)

1( 71)

伊勢市

2(237)

2(237)

1( 97)

多気郡

1(112)

1(112)

1(112)

鳥羽市

1( 52)

1( 52)

伊賀市

1(128)

1(128)

1(128)

滋賀県

犬上郡

1( 25)

1( 25)

1( 25)

兵庫県

神戸市

1(111)

1(111)

1(111)

中国

広島県

広島市

1(282)

1(282)

1(282)

店舗数計

31(3,417)

27(3,170)

25(2,979)

※ 本表の地方区分は、北陸・甲信越を中部地方に含み、三重県を近畿地方とする「八地方区分」を採用しております。

 

 

(3)その他の事業

その他の事業においては、主として賃貸事業及び不動産管理事業を行っております。

賃貸事業では当社が運営するホテルにおいて、当該ホテルの付加価値を高めるための飲食店やコンビニエンスストア等のテナント等を入居させ賃料収入を得ております。不動産管理事業では、それ以外に当社が保有する不動産の有効活用を行っております。

その他の事業に係る売上については総売上高に占める割合が1%未満であり、当社グループ業績への影響が極めて軽微であることから詳細についての記載を省略しております。

(主な会社)当社

 

2.当社グループについて

当社グループは、当社及び連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンの計2社で構成されております。

連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンは、米国チョイスホテルズインターナショナル社(注)が保有する世界的ホテルブランド「コンフォート」を中心に、宿泊特化型で中間料金帯のホテルを日本全国の政令指定都市等の駅前立地を中心に店舗展開しております。

また、本事業においては、日本における「コンフォート」ブランド等の独占的使用権を保有する、当社連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンがホテルの客室・施設基準の管理、運営ノウハウの提供、セールス・マーケティング戦略の立案等を担っております。

株式会社チョイスホテルズジャパンでは、当社グループの顧客基盤強化施策として、「コンフォート」ブランドホテルの利用者を対象として、公式サイトを活用した会員制度を運営しております。当該制度によって優良顧客の囲い込みを行い、当社の「コンフォート」ブランドホテルにとって安定したリピート客の拡大と確保に努めております。

 

(注) チョイスホテルズインターナショナル社(1983年創業、本社アメリカ、ニューヨーク証券取引所上場)は、世界45ヵ国以上の国と地域で7,400軒以上のホテルを展開するホテルチェーンであります。同社は、当社連結子会社である株式会社チョイスホテルズジャパンとマスターフランチャイズ契約を締結しております。なお株式会社チョイスホテルズジャパンが実際に契約を交わしている相手先は、チョイスホテルズインターナショナル社の間接的な完全子会社である、チョイスホテルズライセンシング 2 B.V.(オランダ)ですが、ここではチョイスホテルズライセンシング 2 B.V.に関する記載を省略し、チョイスホテルズインターナショナル社として記載しております。

本マスターフランチャイズ契約により、株式会社チョイスホテルズジャパンはチョイスホテルズインターナショナル社が保有する「コンフォート」等の世界的ホテルブランドの日本国内における独占的使用権を保有しており、当社は株式会社チョイスホテルズジャパンをフランチャイザーとして「コンフォート」ブランドホテルの運営を行っております。

 

[事業系統図]

当社グループ及び事業の系統図は、次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

23/09/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当期の経営成績の概況

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

  a.当期の経営成績の状況

当連結会計年度(2022年7月1日から2023年6月30日まで)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限の撤廃や感染症法上の位置付けが5類に移行したことより、国内外の移動が活発化し経済の正常化が進みました。景気回復に向けた動きが進む一方、ロシア・ウクライナ情勢などの影響によるエネルギー価格や原材料価格の高騰、物価上昇、また円安の進行など、景気の先行きが不透明な状況が続きました。

2023年7月31日に観光庁が公表している最新の宿泊旅行統計調査(2023年5月第2次速報、2023年6月第1次速報)によりますと、2023年5月の延べ宿泊者数は4,926万人泊(前年同月比+33.8%、2019年同月比△4.2%)、6月は4,626万人泊(前年同月比+36.5%、2019年同月比+1.0%)と、前年を大幅に上回り、ほぼコロナ禍以前の水準に戻っております。

このような事業状況の下、当社運営における月次の客室稼働率は、第1四半期を中心に前年同期の各月を大幅に上回り、年度を通じでコロナ禍以前の2019年6月期と同水準にて推移いたしました。また客室単価は、比較的客室単価の高い都市等への出店割合が増加したことや全国旅行支援の影響等により、コロナ禍以前及び前年を大幅に上回り、特に2023年5月度は9,042円と過去最高の客室単価となりました。インバウンド需要はますます回復することが期待され、引き続き国内外からの安定的な宿泊需要を見込んでおります。

当社グループにおいて宿泊特化型ホテルを中心に全国で展開している「チョイスブランド」では、2021年7月5日開業のコンフォートイン那覇泊港(沖縄県那覇市)、2021年10月14日開業のコンフォートホテル名古屋金山(愛知県名古屋市)、2022年3月23日開業のコンフォートホテル高松(香川県高松市)、2022年12月14日開業のコンフォートホテル四日市(三重県四日市市)の当連結会計年度における売上高の貢献がありました。一方で当連結会計年度において定期建物賃貸借契約の満了によりコンフォートホテル長崎(長崎県長崎市、2022年11月30日閉店)、コンフォートホテル長野(長野県長野市、2022年12月11日閉店)の2店舗を閉店いたしました。営業面においては、各地域の「地域割」や期中に開始された「全国旅行支援」への対応、需要の増加に合わせた各店舗地域のレベニューマネジメントによる販促強化を図ったこと、また状況を見極めた自治体への一棟貸し継続の結果、当事業の売上高は前年同期比49.0%増の29,904百万円となり、客室稼働率は前年同期比9.0ポイント増の83.0%、客室単価は前年同期比31.6%増の8,298円となりました。

三重県・東海地方を中心に地域特性に合わせて宴会場等を併設したシティホテルや宿泊特化型ホテルを展開している「オリジナルブランド」及び「その他の事業」においては、2021年7月30日開業のhotel around TAKAYAMA(岐阜県高山市)の当連結会計年度における売上高の貢献があった一方、定期建物賃貸借契約の終了により伊勢シティホテルアネックス(三重県伊勢市、2022年12月12日閉店)、施設老朽化により維持管理費の増加が見込まれること等を総合的に勘案しロードイン鳥羽(三重県鳥羽市、2023年2月12日閉店)2店舗を閉店いたしました。営業面においては、堅調な設備工事やメンテナンス等のビジネス需要の取り込み、「チョイスブランド」と同じく、各地域の「地域割」や期中に開始された「全国旅行支援」への対応、需要の増加に合わせた各店舗地域のレベニューマネジメントによる販促強化を図ったこと、また状況を見極めた自治体への一棟貸し継続の結果、売上高は前年同期比21.7%増の6,534百万円となり、客室稼働率は前年同期比5.8ポイント増の73.0%、客室単価は前年同期比18.0%増の6,321円となりました。

上記の結果、当連結会計年度における当社グループ全体の客室稼働率は前年比8.4ポイント増の80.9%、客室単価は前年比29.7%増の7,921円、ホテル軒数は97店舗、客室数はチョイスブランド11,428室、オリジナルブランド2,979室の合計14,407室となっております。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高36,439百万円(前期比43.3%増)、営業利益3,697百万円(前年同期は営業損失2,157百万円)、経常利益3,492百万円(前年同期は経常損失2,021百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,191百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,178百万円)となりました。

(注)1.2023年1月に組織変更を実施し、 当社グループにおいて宿泊特化型ホテルを中心に全国で展開している「チョイスブランド」と三重県・東海地方を中心に地域特性に合わせて宴会場等を併設したシティホテルや宿泊特化型ホテルを展開している「オリジナルブランド」でブランド別の管理を行うこととなったため第3四半期よりブランド別に開示しております。なお、従前開示しておりました事業部別の所属店舗とブランド別での所属店舗に変更はございません。

2.文中記載の客室稼働率ならびに客室単価は、当連結会計年度における数値となります。なお月別の数値に関しましては当社ホームページに掲載しております。株式会社グリーンズ https://www.kk-greens.jp/

 

 

 b.当期の財政状態の状況

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における資産につきましては23,786百万円(前連結会計年度末25,932百万円)と、2,145百万円減少いたしました。

うち流動資産は9,992百万円(同13,159百万円)と、3,167百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金の減少によるものであります。

固定資産は13,794百万円(同12,772百万円)と1,022百万円増加いたしました。これは主に繰延税金資産の増加によるものであります。

 

負債につきましては18,419百万円(同24,585百万円)と6,166百万円減少いたしました。

うち流動負債は7,467百万円(同16,583百万円)と9,115百万円減少いたしました。これは主に短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。

固定負債は10,951百万円(同8,002百万円)と2,949百万円増加いたしました。これは主に長期借入金の増加によるものであります。

 

純資産につきましては5,367百万円(同1,347百万円)と、4,020百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。この結果、自己資本比率は22.6%となりました。

 

 ②当期のキャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて3,287百万 円減少し、6,727百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は4,629百万円(前年同期は1,029百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益3,105百万円、減価償却費559百万円、減損損失163百万円、未払金の増加406百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は539百万円(前年同期は2,253百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は差入保証金の回収による収入173百万円、有形固定資産の売却による収入147百万円、支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出767百万円、無形固定資産の取得による支出33百万円、差入保証金の差入による支出30百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は7,376百万円(前年同期は9,416百万円獲得)となりました。収入の主な内訳は長期借入による収入883百万円、支出の主な内訳は短期借入金の純減少額7,000百万円、長期借入金の返済による支出773百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 該当事項はありません。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはホテル事業の単一セグメントであるため、ブランド別に記載しております。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

  至 2023年6月30日)

前年同期比(%)

チョイスブランド(千円)

29,904,603

149.0

オリジナルブランド及びその他の事業(千円)

6,534,607

121.7

合    計(千円)

36,439,211

143.3

(注) 1.2023年1月に組織変更を実施し、ブランド別の管理を行うこととなったため第3四半期よりブランド別に開示しております。なお、従前開示しておりました事業部別の所属店舗とブランド別での所属店舗に変更はございません。

2.事業部門間の取引については相殺消去しております。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況等を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、その結果を資産・負債及び収益・費用の数値に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における資産につきましては23,786百万円(前連結会計年度末25,932百万円)と、2,145百万円減少いたしました。

うち流動資産は9,992百万円(同13,159百万円)と、3,167百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金の減少によるものであります。

固定資産は13,794百万円(同12,772百万円)と1,022百万円増加いたしました。これは主に繰延税金資産の増加によるものであります。

 

(負債合計)

負債につきましては18,419百万円(同24,585百万円)と6,166百万円減少いたしました。

うち流動負債は7,467百万円(同16,583百万円)と9,115百万円減少いたしました。これは主に短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。

固定負債は10,951百万円(同8,002百万円)と2,949百万円増加いたしました。これは主に長期借入金の増加によるものであります。

(純資産合計)

純資産につきましては5,367百万円(同1,347百万円)と、4,020百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。この結果、自己資本比率は22.6%となりました。

 

 

2)経営成績

(売上高)

当連結会計年度の売上高は36,439百万円(前期比43.3%増)となりました。比較的客室単価の高い都市等への出店割合が増加したことや全国旅行支援の影響等により、コロナ禍以前及び前年を大幅に上回り、収支が大きく改善したことによるものであります。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上高の増加等により売上原価は26,337百万円(前期比14.5%増)、販売費及び一般管理費は6,404百万円(前期比39.6%増)となりました。

(営業利益)

売上の増加により、営業利益は3,697百万円(前年同期は営業損失2,157百万円)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は4,191百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,178百万円)となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績の概況 ②当期のキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、自己資本の増強及び財務基盤の安定化は重要な課題であると認識しております。アフターコロナにおける成長軌道回帰の実現に必要な投資資金の確保も視野に、資本性のある資金を調達することが必要であるとの考えから、2021年10月19日に、DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合を割当先とする第三者割当によるA種優先株式及び近畿中部広域復興支援投資事業有限責任組合を割当先とする第三者割当によるB種優先株式を発行し、6,000百万円及び500百万円の資金調達を行いました。

また既存借入の借換えを含む運転資金として、総額13,000百万円のシンジケートローン契約(3,000百万円の資本的劣後ローンを含む)、500百万円の資本的劣後ローン契約を締結しております。なお、一部の財務制限条項に抵触しておりますが、取引金融機関から期限の利益喪失に関する請求を受けておりません。