E01753 Japan GAAP
前期
1,376.9億 円
前期比
113.9%
株価
1,043 (07/12)
発行済株式数
37,112,000
EPS(実績)
113.60 円
PER(実績)
9.18 倍
前期
603.5万 円
前期比
103.1%
平均年齢(勤続年数)
43.0歳(17.0年)
従業員数
1,131人(連結:7,915人)
当社グループは、三櫻工業株式会社(以下当社という)及び子会社30社、関連会社2社により構成されており、自動車部品(スチールチューブ(二重巻鋼管、一重巻鋼管)をはじめとした各種チューブの応用加工製品)、電器部品(スチールチューブの応用加工製品)及び設備(自動車部品及び電器部品製造用)の製造・販売を主たる業務としております。当社及び関係会社の当該事業における位置付けは、次のとおりであります。なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を一部変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(1)日本
当社が自動車部品の製造・販売を行っているほか、国内における関係会社フルトンプロダクツ工業株式会社他2社は自動車部品の製造を行い、当社へ納入しており、当社は各関係会社に対して、内部製作の自動車部品製造設備を販売しております。また、当社は関係会社株式会社サンオーコミュニケーションズにソフトウェアの開発及びその保守・運用を委託しております。
(2)北南米
米国における関係会社サンオー アメリカ インコーポレーテッド他4社は自動車部品の製造を行い、現地にて販売しております。
(3)欧州
英国における関係会社サンオー UK マニュファクチュアリング リミテッド、また、ドイツにおける関係会社ガイガー オートモーティブ GmbH他6社は自動車部品の製造を行い、現地にて販売しております。
(4)中国
中国における関係会社広州三櫻制管有限公司他6社は自動車部品の製造を行い、現地にて販売しております。また、中国における関係会社上海三櫻機械製造有限公司は、各関係会社に対して、内部製作の自動車部品製造設備を販売しております。
(5)アジア
タイにおける関係会社エイブル サンオー インダストリーズ(1996)CO., LTD.他3社は自動車部品の製造を行い、現地にて販売しております。また、インドにおける関係会社サンオー インディア プライベート リミテッドは、自動車部品に加えて電器部品を製造し、現地にて販売しております。
以上の当社グループについて図示すると次のとおりであります。
※画像省略しています。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析、検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境について、国内では新型コロナウイルス感染症の法的な位置づけが5類になるなど防疫と経済活動の両立がさらに進み、インバウンド需要の拡大を背景に緩やかな回復基調となりましたが、日米間の金利差拡大による円安の進展やエネルギー価格の高騰等をはじめとする物価上昇に加え、中東情勢の緊迫化による物価影響など不確定要素が増加し、先行き不透明な状況が続いております。
海外につきましては、米国ではインフレの進行や金融引き締めが加速したことで景気減速懸念が高まりましたが、良好な雇用環境や堅調な個人消費に支えられ景気は底堅く推移しています。
中国ではゼロコロナ政策解除後に個人消費が経済を牽引するも、不動産市場の低迷が景気回復の重荷になり企業収益や雇用改善が遅れるなど、景気の停滞感が続いています。欧州は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化がエネルギー及び資材価格の高騰やサプライチェーンに影響を与え、不確実な情勢が継続しております。アジアについては、新型コロナウイルス感染症に対する制限緩和に伴う経済活動再開後の持ち直し及び個人所得水準の上昇を背景に底堅く推移しております。
当社グループが属する自動車業界につきましては、半導体不足による減産影響は徐々に軽減し、自動車生産台数は前期に対し増産となり、一部で内燃機関搭載車への回帰の動きも見られています。しかしその一方で原材料価格の高騰、ロシア・ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格の高止まり及び急激な為替変動に加え、中東情勢の緊迫化の影響などの新しい不確定要素も生まれたことで依然として先行き不透明な状況が継続しています。
a.経営成績
当連結会計年度の売上高については、半導体不足、サプライチェーンの混乱が落ち着いたことによる生産回復及び円安による為替換算影響により1,568億14百万円(前期比13.9%増)と増加しました。
利益については、原材料価格をはじめ運送費や人件費、エネルギーコスト高騰の影響は継続したものの、価格転嫁及び稼働状況の安定化に伴い採算性が向上したことにより、営業利益は80億53百万円(前期比509.7%増)、経常利益は72億96百万円(前期比389.6%増)と大幅に増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、損害賠償損失引当金繰入額等の特別損失を計上するも経常利益の増加及び投資有価証券売却益の計上により、42億16百万円(前期は9億7百万円の純損失)と大幅に回復しました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
なお連結子会社のガイガー オートモーティブ USA インコーポレーテッドについて、当連結会計年度より経営管理区分が欧州事業管理から北南米事業管理に変更されたことに伴い、同社の報告セグメントを「欧州」から「北南米」へ変更しております。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較をしております。
(a) 日本
売上高は299億27百万円(前期比11.9%増)と半導体不足、サプライチェーンの混乱の解消により、国内売上及び輸出売上共に前期より増加しました。利益面は増収に加え、価格転嫁の進捗、安定した稼働及び固定費の抑制効果の継続により、20億83百万円の営業利益(前期比140.7%増)と大幅増益となりました。
(b) 北南米
北米における半導体不足に伴う取引先の減産も解消傾向にあり、円安に伴う為替換算効果も相まって、売上高は591億37百万円(前期比23.4%増)と増加しました。利益面は、価格転嫁の効果に加え稼働状況が改善傾向にあることで17億17百万円の営業利益(前期は41億84百万円の営業損失)と昨年の営業赤字から大きく回復しました。
(c) 欧州
売上高は221億91百万円(前期比20.2%増)と半導体不足、ロシア・ウクライナ問題によるサプライチェーンの混乱からの生産回復及び円安に伴う為替換算効果により大幅に増加しました。利益面は、材料費の高騰、インフレ及び人材確保難を背景とする人件費上昇、光熱費等のコスト増加傾向は継続する一方、価格転嫁の効果により利益率も改善し、9億11百万円の営業利益(前期比27.2%増)となりました。
(d) 中国
売上高はEVシフトの加速に伴う取引先の生産台数の減少に伴い176億84百万円(前期比9.7%減)と減少しました。利益面は、生産数量の変動に対応したコストコントロール及び人件費等の固定費削減を図るも減収影響が大きく、営業利益は8億24百万円(前期比33.5%減)と減少しました。
(e) アジア
売上高は278億75百万円(前期比11.7%増)と円安による為替換算効果に加え安定した稼働により増加しました。利益面については、材料市況変動やインフレ影響に伴う人件費及びエネルギーコスト上昇等の影響を受けるも増収に伴う増益効果が補い、営業利益は23億84百万円(前期比13.8%増)と増加しました。
b.財政状態
当連結会計年度末の総資産は1,112億45百万円となり、前連結会計年度末に比べて139億65百万円増加しました。主な要因は現金及び預金の増加48億16百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加28億8百万円、電子記録債権の増加5億20百万円、仕掛品の減少5億円、原材料及び貯蔵品の減少6億6百万円、前渡金、前払費用等のその他流動資産の増加6億27百万円、機械装置及び運搬具等の有形固定資産の増加32億50百万円、投資有価証券の増加26億1百万円等であります。
負債合計は629億57百万円となり、前連結会計年度末に比べて55億88百万円増加しました。主な要因は支払手形及び買掛金の増加6億11百万円、電子記録債務の増加10億67百万円、短期借入金の増加15億62百万円、未払法人税等の減少6億85百万円、預り金、前受金等のその他流動負債の減少7億1百万円、長期借入金の増加26億94百万円、繰延税金負債の増加11億45百万円等であります。
純資産は482億88百万円となり、前連結会計年度末に比べて83億77百万円増加しました。主な要因はその他有価証券評価差額金の増加18億48百万円、為替換算調整勘定の増加31億35百万円、利益剰余金の増加33億6百万円、退職給付に係る調整累計額の増加1億53百万円等であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動により101億39百万円増加、投資活動により71億41百万円減少、財務活動により7億43百万円増加などの結果、当連結会計年度末には176億53百万円(前連結会計年度末比48億16百万円の増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益69億3百万円(前期は21億78百万円)、減価償却費61億53百万円(前期は60億10百万円)、売上債権の増加18億17百万円(前期は11億78百万円の減少)、棚卸資産の減少31億94百万円(前期は1億95百万円の減少)、仕入債務の増加5億69百万円(前期は17億93百万円の減少)、未払金の減少4億3百万円(前期は7億65百万円の増加)、法人税等の支払額24億36百万円(前期は11億26百万円の支払)により、前期と比較して44億59百万円増加して、101億39百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出75億88百万円(前期は62億55百万円の支出)、投資有価証券の売却による収入2億96百万円(前期は18億71百万円の収入)などにより、71億41百万円の支出(前期は44億46百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られたキャッシュ・フローは、短期借入金の減少による支出10億27百万円(前期は26億23百万円の支出)、長期借入れによる収入100億円(前期は64億25百万円の収入)、長期借入金の返済による支出57億4百万円(前期は46億99百万円の支出)、配当金の支払による支出9億10百万円(前期は9億10百万円の支出)、非支配株主への配当金の支払による支出6億40百万円(前期は6億13百万円の支出)などにより、7億43百万円の収入(前期は29億7百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日 |
前年同期比(%) |
日本(百万円) |
30,189 |
112.6 |
北南米(百万円) |
58,576 |
121.3 |
欧州(百万円) |
20,108 |
116.4 |
中国(百万円) |
13,502 |
68.1 |
アジア(百万円) |
27,858 |
109.0 |
合計(百万円) |
150,233 |
109.0 |
(注)1.金額は販売金額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
日本 |
30,139 |
115.3 |
1,067 |
120.7 |
北南米 |
57,708 |
121.2 |
4,710 |
125.0 |
欧州 |
20,101 |
115.1 |
485 |
147.6 |
中国 |
17,582 |
90.2 |
4,471 |
100.9 |
アジア |
27,844 |
110.6 |
2,585 |
99.5 |
合計 |
153,375 |
112.9 |
13,318 |
110.9 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日 |
前年同期比(%) |
日本(百万円) |
29,927 |
111.9 |
北南米(百万円) |
59,137 |
123.4 |
欧州(百万円) |
22,191 |
120.2 |
中国(百万円) |
17,684 |
90.3 |
アジア(百万円) |
27,875 |
111.7 |
合計(百万円) |
156,814 |
113.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
当連結会計年度 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日 |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
本田技研工業株式会社 |
31,082 |
22.6 |
34,442 |
22.0 |
トヨタ自動車株式会社 |
18,682 |
13.6 |
20,334 |
13.0 |
日産自動車株式会社 |
14,737 |
10.7 |
18,543 |
11.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度においては、半導体不足、サプライチェーンの混乱が落ち着いたことによる生産回復及び円安による為替換算影響等により売上高は1,568億14百万円(前期比 13.9%増)と前期水準を上回りました。一方利益面については、原材料価格をはじめ運送費や人件費、エネルギーコスト高騰の影響は継続したものの、価格転嫁及び稼働状況の安定化に伴い採算性が向上したことにより、営業利益80億53百万円(前期比 509.7%増)と前期水準を上回る結果となりました。なおセグメント別売上高及び営業利益の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績及び財政状態の状況 a.経営成績」に記載しております。
<2024年3月期 連結営業利益分析>
※画像省略しています。
営業外収益においては、前連結会計年度と比べ、1億57百万円減少し、9億41百万円となりました。
営業外費用においては、前連結会計年度と比べ、7億70百万円増加し、16億98百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度と比べて58億6百万円増加し、72億96百万円となりました。
特別損益において、損害賠償損失引当金繰入額3億51百万円等を特別損失に計上しましたが、経常利益の増加に加え、投資有価証券売却益2億円を特別利益に計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は42億16百万円となりました。
b.財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績及び財政状態の状況 b.財政状態」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資金需要及び財務政策
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払い等であります。また当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、その資金の原資といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等により必要とする資金を調達しております。
当連結会計年度末現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は330億11百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は176億53百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営目標の達成・進捗状況について
当社グループは2024年5月に中期事業方針を改訂し、2030年度の売上高2,000億円以上、ROE(自己資本利益率)15%以上を長期的な経営指標の定量目標とし、現在の主力事業であるブレーキ配管事業及び燃料配管事業に加え、従来のコア技術を活かしたデータセンター事業、生産ソリューション事業、冷蔵庫向けワイヤーコンデンサー事業など非自動車関連の次世代コア事業を拡大していくことを目指しております。これらの指標の進捗状況は、次のとおりです。
指標 |
2023年3月 (前連結会計年度) |
2024年3月 (当連結会計年度) |
売上高(百万円) |
137,692 |
156,814 |
自己資本利益率(ROE) |
▲2.4% |
10.4% |