E01753 Japan GAAP
前期
1,159.4億 円
前期比
118.8%
株価
1,135 (04/25)
発行済株式数
37,112,000
EPS(実績)
-24.44 円
PER(実績)
--- 倍
前期
596.4万 円
前期比
101.2%
平均年齢(勤続年数)
43.0歳(17.0年)
従業員数
1,131人(連結:7,726人)
当社グループは、三櫻工業株式会社(以下当社という)及び子会社30社、関連会社2社により構成されており、自動車部品(スチールチューブ(二重巻鋼管、一重巻鋼管)をはじめとした各種チューブの応用加工製品)、電器部品(スチールチューブの応用加工製品)及び設備(自動車部品及び電器部品製造用)の製造・販売を主たる業務としております。当社及び関係会社の当該事業における位置付けは、次のとおりであります。なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1)日本
当社が自動車部品の製造・販売を行っているほか、国内における関係会社フルトンプロダクツ工業株式会社他2社は自動車部品の製造を行い、当社へ納入しており、当社は各関係会社に対して、内部製作の自動車部品製造設備を販売しております。また、当社は関係会社株式会社サンオーコミュニケーションズにソフトウェアの開発及びその保守・運用を委託しております。
(2)北南米
米国における関係会社サンオー アメリカ インコーポレーテッド他3社は自動車部品の製造を行い、現地にて販売しております。
(3)欧州
英国における関係会社サンオー UK マニュファクチュアリング リミテッド、また、ドイツにおける関係会社ガイガー オートモーティブ GmbH他7社は自動車部品の製造を行い、現地にて販売しております。
(4)中国
中国における関係会社広州三櫻制管有限公司他6社は自動車部品の製造を行い、現地にて販売しております。また、中国における関係会社上海三櫻機械製造有限公司は、各関係会社に対して、内部製作の自動車部品製造設備を販売しております。
(5)アジア
タイにおける関係会社エイブル サンオー インダストリーズ(1996)CO., LTD.他3社は自動車部品の製造を行い、現地にて販売しております。また、インドにおける関係会社サンオー インディア プライベート リミテッドは、自動車部品に加えて電器部品を製造し、現地にて販売しております。
以上の当社グループについて図示すると次のとおりであります。
※画像省略しています。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析、検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境について、国内は新型コロナウイルス感染症に対する防疫と経済活動の両立が進み、正常化の動きが更に進行しましたが、半導体供給不足等によるサプライチェーンの停滞、原材料価格の高騰と円安を要因とした各種消費財の値上げが続いており、景気の先行きへの懸念が増大しています。
海外につきましては、米国では労働需給のミスマッチ拡大による人件費上昇圧力に伴う良好な所得環境を背景に、消費主導の景気拡大が継続する一方で、インフレと金利上昇による今後の企業収益の悪化、金融機関の破綻に端を発した連鎖的な信用不安の拡大等、先行きの不透明感が強まりました。欧州は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴うエネルギー価格の高騰が物価上昇を招き、依然としてサプライチェーンの混乱も継続するなど先行きに対する不透明感が増しております。中国では新型コロナウイルスの感染症再拡大に対するゼロコロナ政策は緩和されましたが、急緩和に伴う感染拡大などによる個人消費の伸び悩み等により景気は減速基調となりました。アジアについては新型コロナウイルス感染症に対する制限緩和に伴い経済活動再開が進み、持ち直しの動きが見られ、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準まで景気が回復しました。
当社グループが属する自動車業界につきましては、前期からの世界的な半導体不足に代表されるサプライチェーンの混乱及び中国のゼロコロナ政策による上海ロックダウンの影響等に伴う第2四半期までの減産トレンドからは回復傾向にあるものの、依然として世界各国の拠点において生産調整が散発的に発生するなど全体として厳しい状況が継続しています。また急激な為替変動や原材料価格の高騰に加えロシア・ウクライナ問題の長期化によるエネルギー価格高騰の継続、さらにインフレを背景とする欧米諸国における人件費の上昇など先行きについて予断を許さない不安定な状況が続いています。
このような環境下において、当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下のとおりとなりました。
a.経営成績
当連結会計年度の売上高については、半導体不足等によるサプライチェーンの混乱、上海ロックダウンに伴う生産活動の停止等による生産減からの回復及び円安による為替換算影響により、1,376億92百万円(前期比18.8%増)となりました。利益については、材料費や物流コスト等の変動費の高騰、インフレ及び人材確保難による人件費の悪化、ロシア・ウクライナ問題等を背景とする光熱費の高騰による固定費の増加に対して、下期以降価格転嫁が進み、利益水準は回復傾向にあるものの営業利益は13億21百万円(前期比39.5%減)、経常利益は14億90百万円(前期比42.3%減)と前期より減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益16億35百万円を計上するも、特別損失として製品保証引当金繰入額4億84百万円、損害賠償損失引当金繰入額3億29百万円及び構造改革に伴う特別退職金2億60百万円を計上したこと等により、9億7百万円の純損失(前年度は10億9百万円の純利益)となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(a) 日本
売上高は267億50百万円(前期比7.4%増)と半導体などの供給問題の解消が徐々に進んだことに加え、海外売上に対する為替影響により増収となりました。一方、下期以降価格転嫁が進み、利益は回復基調になりましたが、経済活動の正常化に合わせた活動再開により前期から固定費を増加させたことで、営業利益は8億65百万円(前期比29.7%減)と減少しました。
(b) 北南米
売上高は半導体不足による生産変動はあったものの前期比で実質生産増となったことに加え円安による為替換算影響により、420億97百万円(前期比33.1%増)と増加しました。利益面については、物流網の混乱、輸送費の高騰、材料費を含むインフレ、人手不足を背景とする人件費の上昇等による急激な固定費の増加に対し価格転嫁が遅れたことに加え北米における生産混乱に伴う固定費の悪化影響等により39億28百万円の営業損失(前期は17億29百万円の営業損失)となりました。
(c) 欧州
売上高は242億96百万円(前期比16.1%増)と半導体不足、ロシア・ウクライナ問題によるサプライチェーンの混乱を受けるも為替換算影響により増加しました。利益面は、樹脂材料費の高騰、インフレ及び人材確保難を背景とする人件費の上昇及び光熱費等の生産費の高騰等による急激な固定費の増加に対し、価格交渉の成果により通期では4億60百万円(前期比1,769.7%増)の営業利益と増益となりました。
(d) 中国
売上高はゼロコロナ政策に伴うロックダウンにより4月から5月にかけて生産減となるもその後挽回し、円安による為替換算影響も補い195億92百万円(前期比1.6%増)と増加しました。利益面は生産挽回に加え人件費抑制等の固定費コントロールを図ったことで回復傾向となったものの、上期における生産減の影響が大きく、営業利益は12億40百万円(前期比17.3%減)と減少しました。
(e) アジア
新型コロナウイルス感染症の拡大からの生産挽回による増産に加え、為替換算影響により売上高は249億56百万円(前期比29.9%増)と地域全体で増加しました。また材料費やエネルギーコスト高騰等の影響を受けるも、増収効果により営業利益も20億96百万円(前期比13.2%増)と増加しました。
b.財政状態
当連結会計年度末の総資産は972億80百万円となり、前連結会計年度末に比べて8億43百万円増加しました。主な要因は現金及び預金の減少5億67百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加1億84百万円、製品の増加5億1百万円、仕掛品の増加8億71百万円、原材料及び貯蔵品の増加9億7百万円、機械装置及び運搬具等の有形固定資産の増加18億47百万円、投資有価証券の減少45億31百万円等であります。
負債合計は573億69百万円となり、前連結会計年度末に比べて26億14百万円増加しました。主な要因は支払手形及び買掛金の減少2億21百万円、短期借入金の減少6億74百万円、未払金の増加10億83百万円、未払法人税等の増加7億40百万円、預り金、前受金等のその他流動負債の増加11億3百万円、長期借入金の増加7億53百万円、繰延税金負債の減少6億円等であります。
純資産は399億11百万円となり、前連結会計年度末に比べて17億71百万円減少しました。主な要因はその他有価証券評価差額金の減少30億22百万円、為替換算調整勘定の増加19億81百万円、利益剰余金の減少18億17百万円、退職給付に係る調整累計額の増加7億93百万円等であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動により56億80百万円増加、投資活動により44億46百万円減少、財務活動により29億7百万円減少などの結果、当連結会計年度末には128億37百万円(前連結会計年度末比5億67百万円の減少)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益21億78百万円(前期は31億91百万円)、減価償却費60億10百万円(前期は52億45百万円)、売上債権の減少11億78百万円(前期は22億91百万円の減少)、棚卸資産の減少1億95百万円(前期は31億51百万円の増加)、仕入債務の減少17億93百万円(前期は44百万円の増加)、未払金の増加7億65百万円(前期は13億8百万円の減少)、投資有価証券売却益16億35百万円(前期は53百万円)、法人税等の支払額11億26百万円(前期は19億69百万円の支払)により、前期と比較して23億41百万円増加して、56億80百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出62億55百万円(前期は55億68百万円の支出)、投資有価証券の取得による支出18百万円(前期は1億67百万円の支出)、投資有価証券の売却による収入18億71百万円(前期は1億62百万円の収入)などにより、44億46百万円の支出(前期は56億52百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用されたキャッシュ・フローは、短期借入金の減少による支出26億23百万円(前期は28億10百万円の収入)、長期借入れによる収入64億25百万円(前期は42億60百万円の収入)、長期借入金の返済による支出46億99百万円(前期は47億56百万円の支出)、配当金の支払による支出9億10百万円(前期は8億92百万円の支出)、非支配株主への配当金の支払による支出6億13百万円(前期は2億93百万円の支出)などにより、29億7百万円の支出(前期は8億13百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
前年同期比(%) |
日本(百万円) |
26,817 |
106.3 |
北南米(百万円) |
42,305 |
134.7 |
欧州(百万円) |
23,258 |
117.2 |
中国(百万円) |
19,819 |
108.5 |
アジア(百万円) |
25,566 |
132.6 |
合計(百万円) |
137,765 |
120.8 |
(注)1.金額は販売金額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
日本 |
26,138 |
106.0 |
884 |
59.1 |
北南米 |
41,614 |
131.4 |
3,602 |
129.3 |
欧州 |
23,463 |
117.5 |
495 |
36.6 |
中国 |
19,500 |
108.3 |
4,431 |
99.7 |
アジア |
25,181 |
130.9 |
2,599 |
96.6 |
合計 |
135,896 |
119.7 |
12,011 |
94.1 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
前年同期比(%) |
日本(百万円) |
26,750 |
107.4 |
北南米(百万円) |
42,097 |
133.1 |
欧州(百万円) |
24,296 |
116.1 |
中国(百万円) |
19,592 |
101.6 |
アジア(百万円) |
24,956 |
129.9 |
合計(百万円) |
137,692 |
118.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
当連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
本田技研工業株式会社 |
28,647 |
24.7 |
31,082 |
22.6 |
トヨタ自動車株式会社 |
14,486 |
12.5 |
18,682 |
13.6 |
日産自動車株式会社 |
12,776 |
11.0 |
14,737 |
10.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度においては、半導体不足等によるサプライチェーンの混乱及び上海ロックダウンに伴う生産活動の停止等による生産減からの回復に加え円安による為替換算影響により売上高は1,376億92百万円(前年同期比18.8%増)と前期水準を上回りました。一方利益面については、原材料・資材価格の高騰、輸送費の高騰など世界的なインフレのインパクトを受けたコスト増が継続しました。またロシア・ウクライナ問題等を背景とする光熱費の高騰並びに北米の人員不足及びインフレに伴う人件費高騰、生産混乱による固定費増の影響により、営業利益13億21百万円(前年同期比39.5%減)と前期水準を下回る結果となりました。なおセグメント別売上高及び営業利益の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績及び財政状態の状況 a.経営成績」に記載しております。
<2023年3月期 連結営業利益分析>
※画像省略しています。
営業外収益においては、前連結会計年度と比べ、20百万円増加し、10億98百万円となりました。
営業外費用においては、前連結会計年度と比べ2億53百万円増加し、9億29百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度と比べて10億94百万円減少し、14億90百万円となりました。
特別損益においては、投資有価証券売却益を計上するも、特別損失として損害賠償損失引当金繰入額及び製品保証引当金繰入額等を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は、9億7百万円の純損失となりました。
b.財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績及び財政状態の状況 b.財政状態」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資金需要及び財務政策
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払い等であります。また当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、その資金の原資といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等により必要とする資金を調達しております。
当連結会計年度末現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は286億60百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、128億37百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営目標の達成・進捗状況について
当社グループは2021年5月に中期事業方針を策定し、2030年度の売上高2,000億円以上、ROE(自己資本利益率)15%以上を長期的な経営指標の定量目標とし、現在の主力事業であるブレーキ配管事業及び燃料配管事業に加え、従来のコア技術を活かしたサーマル・ソリューション事業、更にアフター・コロナの社会に貢献できるようなMaasやエネルギーマネジメント関連の非自動車関連の次世代コア事業を拡大していくことを目指しております。これらの指標の進捗状況は、次のとおりです。
指標 |
2022年3月 (前連結会計年度) |
2023年3月 (当連結会計年度) |
売上高(百万円) |
115,940 |
137,692 |
自己資本利益率(ROE) |
2.8% |
▲2.4% |