E36368 Japan GAAP
前期
53.6億 円
前期比
120.8%
株価
2,491 (04/17)
発行済株式数
4,426,000
EPS(実績)
107.78 円
PER(実績)
23.11 倍
前期
500.7万 円
前期比
105.2%
平均年齢(勤続年数)
42.5歳(12.5年)
従業員数
370人
当社は、半導体に関連する事業分野について設計・生産・販売・サービス活動を展開し、自社にて製造及び販売の一貫体制を整えております。魚津工場では、電子機器製品や半導体検査装置、画像処理システム、カメラモジュール製品などを生産し、魚津工場、大阪デザインセンター、東京デザインセンター、九州事業所、福岡デザインセンター及び熊本事業所の各拠点では営業、設計開発及び保守業務を行っております。
なお、次の3部門は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
以下の(※)表記のある用語・内容につきましては、本項末尾の《用語解説》の項におきまして解説しておりますので、ご参照ください。
当社の事業セグメント別の主要製品及び技術は、次のとおりです。
事業セグメント |
区分 |
主要製品及び技術 |
電子システム事業 |
半導体検査・装置関連 |
バーンイン装置、バーンイン装置レンタル、バーンインボード(※1)、半導体部品の検査ボード、半導体のテストプログラム、各種電子機器検査用ボード、専用計測器、高速通信機器、電子機器の開発・設計・製造 |
マイクロエレクトロニクス事業 |
LSI(※2)設計 (アナログ・デジタル) |
電源IC(※3)設計、高速I/F(※4)設計、イメージセンサ設計、画像処理系LSI設計、FPGA(※5)設計、ASIC(※6)設計、技術者派遣 |
IPコア(※7) |
JPEG(※8)、MIPI(※9)、ISP(※10) |
|
製品開発事業 |
製品開発事業 |
画像関連機器、CMOS(※11)カメラモジュール、画像処理システム、画像処理モジュール |
(1)電子システム事業
電子システム事業では、半導体製造工場で使用される検査関連機器及び装置を扱っております。半導体検査業務は顧客企業の製品に必要な工程であり、特に車載向けの顧客製品では、同工程は重要な検査工程です。
当社は半導体検査工程のうち、主に車載用半導体部品に検査実施が要求されるバーンイン装置とバーンインボード及び周辺機器や治具の開発・製造を行っております。
また、半導体周辺機器開発により培われた技術で、産業顧客の製品生産工程における検査ボードや専用計測器、更には各種電子機器の開発・設計・製造を行っております。
(2)マイクロエレクトロニクス事業
マイクロエレクトロニクス事業では、半導体のLSI設計(アナログ・デジタル)及びIPコアの開発などを行っております。
LSI設計アナログ系では、回路設計、レイアウト設計、特性評価から、テスト部門との連携によるLSIテストプログラム作成までの一貫設計体制を構築しております。また、設計技術者の人材派遣を行っております。特に、高速I/F及び電源ICの設計技術で設計・評価技術を確立しております。また、LSI設計デジタル系では、画像処理及び高速I/Fをメインに設計しております。開発したLSIの主な用途としましては、デジタル情報家電(携帯電話、DVD、デジタルカメラ、液晶テレビなど)及び車載機器関連(カーナビゲーションなど)となっております。
ASIC開発で培った画像処理技術をベースに、オリジナルIPコアの開発を行っており、豊富な実績を誇るIPコアのライセンスから周辺回路設計やカスタマイズまで対応可能であります。
(3)製品開発事業
画像技術を活用した産業用組込カメラ、画像処理カメラの開発・製造及びシステムの開発を行っております。複雑な画像処理をカメラ単体で実現可能としており、画像検査や計測、各種認識処理等、様々な用途に幅広く活用できます。専用クリーンルームを完備した国内自社工場での一貫生産による、高信頼性と中長期にわたる安定供給を実現しています。
システム開発事業は、主に画像処理システムを開発しております。カメラを中心としたソフト開発を行っており、組み込みカメラシステム分野での技術力が強みとなっております。
《用語解説》
(※1) バーンインボード
バーンインは、半導体の初期不良を除去する選別方法の一種で、半導体製品を通常の使用状態よりも高温環境下で動作させることで、通常の使用環境であれば2~3年以内で故障するおそれのある半導体を取り除くテスト工程(パッケージバーンインテスト)です。バーンイン装置は、高温環境下をつくる試験装置、バーンインボードは、半導体を動作させる周辺回路を持ち、バーンイン装置内で駆動するボードのことです。
(※2) LSI(Large Scale Integrated Circuit)
「LSI」とは、シリコンウェハ(半導体製品の製造に使用される導体と絶縁体の中間の性質を持つ物質)で形成される大規模集積回路を意味しております。「LSI」は、Large Scale Integrationの略称であり、「半導体」とも呼ばれています。
(※3) IC(Integrated Circuit)
半導体集積回路。トランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの素子を集めて基板の上に装着し、各種の機能を持たせた電子回路のことです。
(※4) I/F回路(アイエフ回路)
受信機・通信機において周波数変換された信号を処理する電子回路のことです。
(※5) FPGA(Field Programmable Gate Array)
ユーザーが欲しい機能を作る(プログラムする)ことができる論理LSIのことです。マイクロプロセッサやASIC(ある特定用途のために設計されたIC)の設計図を送り込んでシミュレーションすることができます。
(※6) ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
ある特定の用途のために設計されたICのことです。注文に応じてゼロから設計するフルカスタムICと、あらかじめ特定の機能を持った回路ブロックを組み合わせた「半完成品」をもとに、配線を変えることで要求に合わせるセミカスタムICの2種類があります。
(※7) IPコア(Intellectual Property)
「IPコア」とは、LSIを構成するための部分的な回路情報のうち、特に単一機能でまとめられた物を指します。「IPコア」は、Intellectual Property Coreの略称です。
(※8) JPEG(Joint Photographic Experts Group)
静止画像データの圧縮方式の一つです。ISOにより設置された専門家組織の名称がそのまま使われています。圧縮の際に若干の画像劣化を許容する(一部のデータを切り捨てる)方式と、まったく劣化のない方式を選ぶことができ、許容する場合はどの程度劣化させるかを指定することが可能です。現在のデジタルカメラのほとんどは、記録画像のファイル形式にJPEGを使用しています。
(※9) MIPI(Mobile Industry Processor Interface)
非営利な企業団体MIPI Alliance(本部米国:ノキア、テキサス・インスツルメンツ等により設立)が策定する、モバイル機器のカメラやディスプレイとのインターフェイス規格です。
(※10) ISP(Image Signal Processor)
「ISP」とは、カメラの中に入っている機能であり、画像の信号を処理する機能です。
(※11) CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)
半導体素子の構造の一つで、金属酸化物でできた一対のP型トランジスタとN型トランジスタを組み合わせたもの。消費電力が少なく高速に動作するため、半導体製品の多くに採用されております。
[事業の系統図]
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は、5,180,594千円となり、前事業年度末に比べ、1,086,122千円増加いたしました。これは主に、売掛金が411,042千円、原材料及び貯蔵品が312,525千円、ソフトウエア仮勘定が114,588千円、製品が80,696千円増加した影響によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、3,099,673千円となり、前事業年度末に比べ、645,861千円増加いたしました。これは主に、支払手形が143,519千円、買掛金が116,392千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が165,035千円、未払金が89,658千円増加した影響によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、2,080,920千円となり、前事業年度末に比べ、440,261千円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上等により利益剰余金が432,893千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は40.2%(前事業年度は40.1%)となりました。
② 経営成績の概況
当事業年度における半導体市場は、中国の新型コロナウイルス感染症対策のゼロコロナ政策に伴う経済活動制限、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化などに伴う世界的な需要の低迷で、2021年~2022年に過去最高額を更新する勢いで成長を遂げた半導体市場にもマイナスの影響を及ぼしました。とりわけ、メモリー半導体に対する世界的な需要の減速は、同分野の主要メーカーが業績予想の下方修正や投資計画の見直しをする一方、電気自動車をはじめとする車載向けやデータセンター向けに利用されるパワー半導体などの分野では、旺盛な需要が継続しており、市場の二極化が進みました。
国内においては、資源や原材料価格の高騰、世界的な半導体部材の調達難、調達期間の長期化といった要因による採算悪化に加え、地政学的な問題、インフレの高進により、先行きの懸念感は収まっておりません。
このような環境の中、電子システム事業においては、主要顧客の半導体後工程商材への設備投資、車載機器向け専用計測器で受注が伸びました。また、IoT-PLC高速通信モジュールでは異業種のお客様への導入実績を作ることができました。
マイクロエレクトロニクス事業においては、アナログLSI設計受託売上の安定化に向けて、センサー半導体に注力するとともに、電源、組み込みメモリをターゲットにした新規顧客開拓を続けてきました。また、デジタルLSI設計受託については昨年に続き顧客要望の強い画像処理分野に注力しました。その結果、アナログLSI設計受託が一定の新規顧客を獲得し、デジタルLSI設計受託が堅実な売上に貢献しました。一方、業界における旺盛な半導体需要のために設計人材の確保が難しい状況が続いています。IP関連事業については、安定したJPEG-IPと新規の画像処理IPが売上に貢献しました。
製品開発事業においては、部材調達難に伴う既存製品の安定供給のため、部材代替製品の短期開発に取り組みました。また、開発において、増大するセンシング市場向けカメラ及び、医療・介護向けカメラシステムの開発に着手する事ができました。生産においては、マイナンバーカード応用機器の急激な出荷増加に対応しました。ポストコロナ禍における堅調なインフラ機器、産業機器、医療機器の増加に伴うカメラの需要に対応した事が順調な売上に貢献しました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高6,476,419千円(前期比20.8%増)となり、営業利益は657,292千円(同65.7%増)となり、経常利益は668,338千円(同60.4%増)となり、当期純利益は477,043千円(同45.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.電子システム事業
電子システム事業は、前年度からの新型コロナウイルス感染症の影響による部品入手難が続きましたが、市場在庫不足による車載半導体主要顧客の生産増加に伴う設備投資や半導体新製品用試験基板、車載機器向け専用計測器商材が受注を牽引し、前事業年度を大きく上回りました。産業用計測器の一部用途で部品入手難による顧客スケジュール遅延などのマイナス影響は残る一方、新規顧客開拓や長期視点での取組み商材の確保、これまでのお取引では無かった異業種への参入商材の実績作りに取組みました。
これらの結果、売上高は2,947,614千円(前期比44.4%増)、セグメント営業利益は356,668千円(同130.9%増)となりました。
b.マイクロエレクトロニクス事業
マイクロエレクトロニクス事業は、旺盛な半導体需要に支えられ半導体の設計需要が堅調に推移しました。アナログLSIにおいては、パワー半導体、組み込みメモリを主体としたアナログ設計受託が順調でした。デジタルLSIにおいては、画像処理関連のデジタル設計受託が堅調に推移しました。また、IP分野においてもJPEG-IP、画像処理IPの販売が順調に推移しました。
これらの結果、売上高は2,067,380千円(前期比4.0%増)、セグメント営業利益は259,359千円(同3.0%減)となりました。
c.製品開発事業
製品開発事業は、国策のDX推進によるマイナンバー応用機器、労働力不足解消のため小売店に導入が加速しているセルフレジ、海外でのATMなど、産業・インフラ向けカメラ搭載機器の堅調な増加に支えられました。また、部材調達難などの課題を代替製品開発で補うなど、対応する事で売上を順調に伸ばす事ができました。
これらの結果、売上高は1,461,424千円(前期比10.0%増)、セグメント営業利益は41,264千円(前事業年度はセグメント営業損失25,344千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、529,698千円となりました。前事業年度末に比べて1,056千円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は60,295千円(前期比146.2%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益613,426千円、減価償却費103,999千円、売上債権及び契約資産の増加額473,081千円、棚卸資産の増加額451,170千円、仕入債務の増加額259,911千円、法人税等の支払額121,768千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は230,267千円(前事業年度は45,929千円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出153,540千円、無形固定資産の取得による支出64,511千円、投資有価証券の取得による支出65,445千円、投資有価証券の売却による収入49,948千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は170,916千円(前事業年度は118,436千円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入300,000千円、長期借入金の返済による支出134,965千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
電子システム事業(千円) |
3,054,449 |
141.0 |
マイクロエレクトロニクス事業(千円) |
2,063,926 |
104.6 |
製品開発事業(千円) |
1,550,155 |
122.4 |
合計(千円) |
6,668,531 |
123.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。
2.金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
電子システム事業 |
3,380,326 |
131.9 |
1,260,585 |
160.0 |
マイクロエレクトロニクス事業 |
2,237,209 |
111.3 |
632,848 |
133.6 |
製品開発事業 |
1,544,149 |
103.2 |
938,223 |
115.7 |
合計 |
7,161,685 |
118.0 |
2,831,657 |
136.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。
2.金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
電子システム事業(千円) |
2,947,614 |
144.4 |
マイクロエレクトロニクス事業(千円) |
2,067,380 |
104.0 |
製品開発事業(千円) |
1,461,424 |
110.0 |
合計(千円) |
6,476,419 |
120.8 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社デンソー |
780,728 |
14.6 |
920,074 |
14.2 |
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 |
- |
- |
809,540 |
12.5 |
ソニーLSIデザイン株式会社 |
513,747 |
9.6 |
- |
- |
ルネサスエレクトロニクス株式会社 |
480,958 |
9.0 |
770,143 |
11.9 |
3.ソニーLSIデザイン株式会社は、2022年4月1日付で、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社と合併し、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社に商号変更を行っております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の業績は、売上高6,476,419千円(前期比20.8%増)、営業利益は657,292千円(同65.7%増)、経常利益は668,338千円(同60.4%増)、当期純利益は477,043千円(同45.7%増)となりました。
当事業年度における総資産は5,180,594千円となり、前事業年度末に比べ1,086,122千円増加いたしました。当事業年度における負債合計は3,099,673千円となり、前事業年度末に比べ645,861千円増加いたしました。当事業年度における純資産合計は2,080,920千円となり、前事業年度末に比べ440,261千円増加いたしました。
なお、財政状況の詳細においては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
当社の経営成績に重要な影響を与える主要因として、主要顧客の受注状況、販売状況が挙げられます。その対応の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境と経営戦略」に記載しております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、前述の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の概況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料仕入、外注費の支払及び製造費用並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また設備資金需要のうち主なものは、生産並びに生産技術効率の向上のための設備投資であります。
c.財務政策
当社の主たる市場である半導体に関連する事業分野は特有の急激な需要変動が生じやすいため、このような経営環境に対応すべく自己資本比率の向上により強固な財務体質の強化・維持に努めております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.棚卸資産
当社は、棚卸資産の評価において原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産については、規則的に帳簿価額を切下げる方法を採用しております。将来、市況の変動や需要動向により、追加の評価減が必要になる場合があります。
b.受注損失引当金
第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
c.繰延税金資産
当社は、繰延税金資産については、将来の課税所得の見積りにより回収可能性の評価を行っております。繰延税金資産の回収可能性に影響を与える要因の発生が予測される場合には、繰延税金資産の計上金額に影響を及ぼします。
d.固定資産の減損会計
当社は、資産を用途により事業用資産、賃貸用資産に分類しております。また、管理会計上の区分を基準に、事業用資産は事業本部別、賃貸用資産は個別資産ごとにグルーピングしております。
減損の対象となった固定資産は、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った差額を減損損失としております。将来、この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生する可能性があります。