売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36368 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期会計期間末における資産合計は、5,669,494千円となり、前事業年度末に比べ、488,899千円増加いたしました。これは主に、原材料及び貯蔵品が228,676千円、建物(純額)が156,859千円、土地が99,702千円、受取手形、売掛金及び契約資産が79,748千円、電子記録債権が47,112千円増加した一方、繰延税金資産が96,130千円、仕掛品が67,986千円減少した影響によるものであります。

(負債)

 当第3四半期会計期間末における負債合計は、3,285,351千円となり、前事業年度末に比べ、185,677千円増加いたしました。これは主に、短期借入金が330,000千円、資産除去債務が110,000千円、退職給付引当金が46,984千円増加した一方、賞与引当金が125,724千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が118,304千円、支払手形及び買掛金が94,684千円減少した影響によるものであります。

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産合計は、2,384,142千円となり、前事業年度末に比べ、303,221千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が286,185千円増加したことによるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は42.1%(前事業年度は40.2%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 2023年の海外に目を向けると、米国は個人消費が底堅く推移し拡大基調を維持、中国は若年層を中心とした雇用情勢の悪化や、不動産不況も重なって景気の回復ペースは鈍さがみられました。地政学的には、ロシアのウクライナ侵攻が続き、10月にはハマスとイスラエルの軍事衝突が発生するなど不安定な様相が継続しています。

 国内経済においては、中国経済の回復遅れが重石となったものの、半導体不足の解消による自動車の生産回復や円安の追い風、インバウンド需要の回復、価格転嫁の進展が好影響となり景況感は改善されました。反面、先行きは、物価上昇による需要の減少やコストの増加、人手不足の深刻化などによる悪影響も一段と懸念され、金融引き締めに伴う海外景気の減速も含めて慎重な見方となっており、引き続き注意を要するとしています。

 半導体業界においては、世界半導体販売額に先行して動く台湾や韓国の電子部品・デバイス工業の出荷・在庫バランスは明確に改善しており、シリコンサイクルは2024年に回復局面に入る公算が大きいと予測されます。WSTS(世界半導体市場統計)の発表でも前年比2桁成長とみており、その通りになれば2022年の世界市場規模を抜き、過去最大となると予測しています。

 このような環境の中、電子システム事業においては、主要顧客の半導体後工程商材への設備投資が鈍化したこと、車載機器向け専用計測器は部材価格の高騰が改善されたことによる価格転嫁分の解消及び販売製品構成の変化により、前第3四半期会計期間比では売上減少となりました。一方、カスタムバーンイン装置は用途展開による受注増加となりました。新たな生産拠点として福島県いわき市に福島製造部を設置すべく、立上げ準備に取り組みました。

 マイクロエレクトロニクス事業においては、アナログLSI設計受託売上の安定化に向けて、回復の遅れているスマートフォン向けセンサー半導体に対する要素開発設計に注力するとともに、自動車分野等の電源、計測機器分野のセンサー設計をターゲットにした新規顧客開拓を続けています。デジタルLSI設計受託については、DSC向け画像処理分野の設計受託がピークアウトし始めましたが、自動車分野向けデジタル設計の新規顧客にシフト対応しています。一方、業界における旺盛な半導体需要のために設計人材の確保が難しい状況は続いています。

 製品開発事業においては、マイナンバーカードの政治的な推進力停滞により読み取り向けカメラの医療分野以外での導入に遅れが生じています。また、中国景気停滞の影響をうけたFA用検査装置向けカメラについても出荷数量が減っています。一方、今後も市場拡大が期待される医療・介護向けに試作したカメラシステムの市場評価は完了し、2024年度市場投入に向け製品化開発を進めています。

 これらの結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高5,244,080千円(前年同四半期比9.4%増)となり、営業利益は512,109千円(前年同四半期比3.2%減)、経常利益は519,013千円(前年同四半期比3.5%減)、四半期純利益は357,674千円(前年同四半期比2.7%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

a.電子システム事業

 電子システム事業においては、車載機器向け専用計測器で大型案件の受注時期スライドに加え、新型コロナウイルス感染症の影響で高騰していた部材価格の改善がみられたことから、価格転嫁分を正常化したこと及び販売製品構成の変化の為、前第3四半期会計期間比で売上が減少しました。車載半導体の市場在庫改善で生産増加用途の設備投資は一服感となり、後工程商材のバーンインボードは主要顧客で案件が減少し、受注鈍化局面に入りました。一方、新製品用カスタムバーンイン装置は、用途展開による新たな仕様の対応により受注が増加しました。生産キャパシティの改善、生産能力の向上、BCP対策強化として、事業譲渡による福島製造部立上げの準備に取り組みました。

 これらの結果、電子システム事業は、売上高は2,533,505千円(前年同四半期比20.6%増)、セグメント営業利益は341,393千円(前年同四半期比39.3%増)となりました。

 

b.マイクロエレクトロニクス事業

 マイクロエレクトロニクス事業においては、旺盛な半導体需要に支えられ半導体の設計需要が計画通りに推移しました。アナログLSIにおいては、自動車向けのパワー半導体や高速インターフェースを主体としたアナログ設計受託が順調に推移しました。また、デジタルLSIにおいては、想定通りにDSC向け画像処理関連のデジタル設計受託は低調となりましたが、自動車向けのデジタル設計受託は堅調に増加しました。IPについては、ロイヤルティーが売上に貢献しました。

 これらの結果、マイクロエレクトロニクス事業は、売上高は1,575,024千円(前年同四半期比2.3%増)、セグメント営業利益は192,218千円(前年同四半期比5.7%減)となりました。

 

c.製品開発事業

 製品開発事業においては、アミューズメント機器向けカメラ量産開始、海外ATM向けカメラ製品の継続受注など順調な製品出荷がある一方で、マイナンバー読み取りカメラの量産計画遅れ、FA検査装置向けカメラの出荷減により売上は計画未達となりました。

 これらの結果、製品開発事業は、売上高は1,135,550千円(前年同四半期比1.4%減)、セグメント営業損失は21,502千円(前年同四半期はセグメント営業利益80,063千円)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期累計期間における、当社の研究開発活動の金額は213,095千円であります。

 なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。