E32169 Japan GAAP
前期
1,345.5億 円
前期比
120.2%
株価
381 (03/29)
発行済株式数
28,277,620
EPS(実績)
22.53 円
PER(実績)
16.91 倍
前期
605.9万 円
前期比
106.9%
平均年齢(勤続年数)
46.2歳(12.0年)
従業員数
245人(連結:8,671人)
当社グループは、当社(ユー・エム・シー・エレクトロニクス株式会社)及び連結子会社13社により構成され、電子回路基板の実装並びに加工組立製造・開発を国内外有力メーカー等から受託するEMS(Electronics Manufacturing Service)事業を主たる事業としており、「ものづくり力」を企業活力の源泉とする企業であります。なかでも、技術面、品質面での要求水準の高さから参入障壁が高いと言われている車載機器をはじめ、OA機器、産業機器向け売上比率が高いという特徴があります。
近年、世界の電機電子業界はコモディティ化に伴う水平分業化が進み、EMS業界の急拡大を支えてきましたが、他方、メカ技術をコアとしてきた業界の電子要素技術の利用も急速に進展しており、とりわけ、車載分野は生命を預かる重要保安部品を抱えるため高信頼性の確保が必須であり、EMS業界にとっての成長分野であると考えております。当社グループは、こうした高い技術力を要する分野に果敢に挑戦することで、自動車、OA、産業機器業界等とともに成長することが可能と考えており、自ら積み上げた「ものづくり力」の社風・企業文化を水平展開することで規模を拡大してきております。
本来、EMS事業では、委託メーカーの最終製品に向けた設計・開発思想との連動が前提となりますが、こうした顧客視点に立った考え方は、一朝一夕に確立できるものではありません。「ものづくりは人づくり」と言われるとおり、「日本のものづくり」を世界で実現するには、全社員が思想・考え方を共有し、全社的に課題解決に取り組む姿勢が重要となります。
当社グループは、社是に掲げる「心のこもった製品をおとどけします」を礎に、開発・部材調達から基板実装・完成品に至るまで、どの拠点も共通の価値観の下、同レベルのきめ細かなサービスを提供できることが強みであると考えております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは下記のとおりであります。
(注) 1.車載機器:日系だけでなく欧米系も含めた自動車完成品メーカーの一次請け企業を通じて、車載用電子機器(電動車向け電装系、起動・発電機器、エクステリア系、スピードメータ類、車内環境制御機器、セキュリティ機器等の車載用電子機器)を供給しております。特にパワートレイン系や制御系、駆動系等の重要保安部品の生産には高い技術力が求められ、企画から量産まで長期間にわたる顧客との連携を要するものの、一度受注すると継続的な取引関係が構築されます。
2.産業機器:車載機器と同様に、量産開始後、受注量の振幅が少なく、工場の安定操業で効果的な製品分野であります。現在の主力製品は、インバーター、サーボモーター、ICテスター用電子基板、スマートメーター機器、小型インバーター完成品、半導体試験装置完成品等であります。
3.OA機器:プリンター等の各種基板を製造し、ほとんどの業界大手メーカーと取引を有しております。中国に加え、ベトナムも主力生産拠点化されてきており、その受け皿となっております。
4.コンシューマー製品:デジタル家電、エアコン等の各種基板を製造しております。
5.その他(アミューズメント機器等):アミューズメント分野は、ゲーム機用モジュール製品、音声・画像制御基板等があります。
6.株式会社豊田自動織機は当社を関連会社とする「その他の関係会社」であり、主要な販売先であります。
7.上記の他にアメリカ、メキシコ、ドイツ、中国に連結子会社をそれぞれ1社、計4社を有しております。
人材派遣・製造請負業をUMCジャストインスタッフ株式会社が行っております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
(事業系統図)
(注) 上記の他にアメリカ、メキシコ、ドイツ、中国に連結子会社をそれぞれ1社、計4社を有しております。
当連結会計年度における世界経済情勢は、新型コロナウイルス感染症による影響からの経済活動の立ち直りが進む一方、エネルギー価格及び資源価格の高止まり、半導体をはじめとする部品需給の逼迫、急激な為替の変動に加え、世界的に高インフレが継続しました。一方で中国においてはゼロコロナ政策が解除され、内需主導による景気の回復傾向にはあるものの、世界情勢は依然として先行き不透明な状況が続いております。
わが国においては、ウィズコロナの下で各種政策の効果もあり、景気は緩やかに持ち直しておりますが、輸入原材料価格の高止まりを背景とした物価高の進行と金融引き締めに起因する海外景気の下振れ懸念により、景気の先行きは予断を許さない状況が継続しております。
このような状況の下、当連結会計年度の売上高は1,617億6百万円(前年同期比20.2%増)となりました。損益面においては、営業利益は22億22百万円(前年同期比48.3%増)、経常利益は11億79百万円(前年同期比43.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は6億37百万円(前年同期比59.4%減)となりました。
当社グループは、EMS事業とその他の事業を営んでおりますが、ほとんどがEMS事業のため、セグメント情報の記載を省略しております。
なお、EMS事業の製品分野別の売上高とその他の事業の売上高は以下のとおりであります。売上高の金額については、連結相殺消去後の数値を記載しております。
当社グループの主たる事業であるEMS事業の売上高は1,610億3百万円(前年同期比20.2%増)となりました。製品分野別の業績の概況は次のとおりであります。
半導体をはじめとする部品逼迫に伴う自動車メーカーの減産があったものの、電動車向け市場の拡大により電動自動車向けの電動コンプレッサー部品、車載充電器、DC-DCコンバーター等の製品が伸長し、売上高は821億10百万円(前年同期比1.2%増)となりました。
(産業機器)
先端技術投資や生産能力増強投資、インバーター等の制御機器需要が拡大し、売上高は312億79百万円(前年同期比42.8%増)となりました。
(OA機器)
前連結会計年度におけるベトナムでの新型コロナウイルス感染症の影響が減少したことに加え、在宅需要の継続により複合機やレーザープリンタ向け製品の取扱高が堅調に推移し、売上高は466億65百万円(前年同期比62.2%増)となりました。
(コンシューマー製品)
日系既存顧客からの受注減少により、売上高は2億97百万円(前年同期比64.9%減)となりました。
(その他)
アミューズメント機器が主な製品であり、売上高は6億49百万円(前年同期比48.3%減)となりました。
人材派遣業の売上高は7億3百万円(前年同期比11.8%増)となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、97億49百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは3億61百万円の収入(前連結会計年度は35億10百万円の支出)となりました。これは主に、減価償却費及び税金等調整前当期純利益の計上等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは87億61百万円の支出(前連結会計年度は20億88百万円の支出)となりました。これは主に、投資不動産の取得によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、101億43百万円の収入(前連結会計年度は60億95百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金による収入、短期借入金の増加によるものであります。
当連結会計年度のEMS事業における生産実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.その他の事業については重要性が乏しいため記載を省略しております。
EMS事業については、顧客から提示された生産計画等に基づく受注生産を行っておりますが、受注から製品完成までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ一致するため、記載を省略しております。また、その他の事業については、大部分が派遣業務及び請負業務であるため、受注実績については記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は847億85百万円(前連結会計年度末比114億17百万円増加)となりました。これは主に、投資不動産(純額)及び棚卸資産が増加したことによるものであります。
負債につきましては667億75百万円(前連結会計年度末比104億93百万円増加)となりました。これは主に、短期借入金及び長期借入金が増加したことによるものであります。
純資産につきましては、180億10百万円(前連結会計年度末比9億23百万円増加)となりました。これは主に、利益剰余金が増加したことによるものであります。
車載機器分野において市場の拡大による電動車関連の取扱いが増加したことに加え、設備投資の増強による産業機器分野の伸長及び在宅需要の継続によるOA機器分野の伸長により、売上高は1,617億6百万円(前年同期比20.2%増)となりました。
売上高の伸長に伴う増加に加え、エネルギー価格及び部材価格の高騰、並びに部品需給逼迫等への対応による労務費及び経費の増加により、売上原価は1,534億43百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
内部管理体制の整備、管理業務の強化に伴う外部専門家への支払が抑制されたこと等により、販売費及び一般管理費は60億40百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
上記の状況により、営業損益は22億22百万円の利益(前年同期比48.3%増)となりました。また、売上高営業利益率は1.4%(前連結会計年度は1.1%)となりました。
営業外収益は、14億84百万円となり、主な内訳は受取地代家賃12億4百万円であります。営業外費用は、25億26百万円となり、主な内訳は為替差損8億89百万円、賃貸費用8億66百万円、支払利息6億95百万円であります。
この結果、経常損益は11億79百万円の利益(前年同期比43.7%減)となりました。
特別利益は64百万円であり、内訳は固定資産売却益64百万円であります。
特別損失は1億38百万円であり、内訳は減損損失59百万円、固定資産売却損53百万円、固定資産除却損25百万円であります。
以上の結果、税金等調整前当期純損益は11億5百万円の利益(前年同期比45.4%減)となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、親会社株主に帰属する当期純損益は6億37百万円の利益(前年同期比59.4%減)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 [事業の状況] 4 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金、借入により調達しております。