E32169 Japan GAAP
前期
1,617.1億 円
前期比
81.2%
株価
422 (07/12)
発行済株式数
28,277,620
EPS(実績)
36.11 円
PER(実績)
11.69 倍
前期
647.7万 円
前期比
96.0%
平均年齢(勤続年数)
45.2歳(13.3年)
従業員数
221人(連結:5,689人)
当社グループは、当社(ユー・エム・シー・エレクトロニクス株式会社)及び連結子会社13社により構成され、電子回路基板の実装並びに加工組立製造・開発を国内外有力メーカー等から受託するEMS(Electronics Manufacturing Service)事業を主たる事業としており、「ものづくり力」を企業活力の源泉とする企業であります。なかでも、技術面、品質面での要求水準の高さから参入障壁が高いと言われている車載機器をはじめ、OA機器、産業機器向け売上比率が高いという特徴があります。
近年、世界の電機電子業界はコモディティ化に伴う水平分業化が進み、EMS業界の急拡大を支えてきましたが、他方、メカ技術をコアとしてきた業界の電子要素技術の利用も急速に進展しており、とりわけ、車載分野は生命を預かる重要保安部品を抱えるため高信頼性の確保が必須であり、EMS業界にとっての成長分野であると考えております。当社グループは、こうした高い技術力を要する分野に果敢に挑戦することで、自動車、OA、産業機器業界等とともに成長することが可能と考えており、自ら積み上げた「ものづくり力」の社風・企業文化を水平展開することで規模を拡大してきております。
本来、EMS事業では、委託メーカーの最終製品に向けた設計・開発思想との連動が前提となりますが、こうした顧客視点に立った考え方は、一朝一夕に確立できるものではありません。「ものづくりは人づくり」と言われるとおり、「日本のものづくり」を世界で実現するには、全社員が思想・考え方を共有し、全社的に課題解決に取り組む姿勢が重要となります。
当社グループは、社是に掲げる「心のこもった製品をおとどけします」を礎に、開発・部材調達から基板実装・完成品に至るまで、どの拠点も共通の価値観の下、同レベルのきめ細かなサービスを提供できることが強みであると考えております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは下記のとおりであります。
(注) 1.車載機器:日系だけでなく欧米系も含めた自動車完成品メーカーの一次請け企業を通じて、車載用電子機器(電動車向け電装系、起動・発電機器、エクステリア系、スピードメータ類、車内環境制御機器、セキュリティ機器等の車載用電子機器)を供給しております。特にパワートレイン系や制御系、駆動系等の重要保安部品の生産には高い技術力が求められ、企画から量産まで長期間にわたる顧客との連携を要するものの、一度受注すると継続的な取引関係が構築されます。
2.産業機器:車載機器と同様に、量産開始後、受注量の振幅が少なく、工場の安定操業で効果的な製品分野であります。現在の主力製品は、インバーター、サーボモーター、ICテスター用電子基板、スマートメーター機器、小型インバーター完成品、半導体試験装置完成品等であります。
3.OA機器:プリンター等の各種基板を製造し、ほとんどの業界大手メーカーと取引を有しております。中国に加え、ベトナムも主力生産拠点化されてきており、その受け皿となっております。
4.その他:デジタル家電分野は、エアコン等の各種電子基板を製造、アミューズメント分野は、ゲーム機用モジュール製品、音声・画像制御基板等があります。
5.株式会社豊田自動織機は当社を関連会社とする「その他の関係会社」であり、主要な販売先であります。
6.上記の他にアメリカ、メキシコ、ドイツ、中国に連結子会社をそれぞれ1社、計4社を有しております。
人材派遣・製造請負業をUMCジャストインスタッフ株式会社が行っております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
(事業系統図)
(注) 上記の他にアメリカ、メキシコ、ドイツ、中国に連結子会社をそれぞれ1社、計4社を有しております。
当連結会計年度における経済情勢は、部材不足の緩和による製造業の景況の持ち直しはあるものの、依然としてエネルギー価格及び資源価格の高止まりが継続しており、世界的な金融引き締め、高インフレ、更なる物価高への懸念は根強く、加えて中国経済の先行きが懸念されるなど、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況の下、当連結会計年度の売上高は1,312億89百万円(前年同期比18.8%減)となりました。損益面においては、営業利益は20億43百万円(前年同期比8.0%減)、経常利益は12億33百万円(前年同期比4.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は10億21百万円(前年同期比60.3%増)となりました。
当社グループは、EMS事業とその他の事業を営んでおりますが、ほとんどがEMS事業のため、セグメント情報の記載を省略しております。
なお、EMS事業の製品分野別の売上高とその他の事業の売上高は以下のとおりであります。売上高の金額については、連結相殺消去後の数値を記載しております。
当社グループの主たる事業であるEMS事業の売上高は1,305億35百万円(前年同期比18.9%減)となりました。製品分野別の業績の概況は次のとおりであります。
電動自動車市場の拡大による需要増の状況は継続しているものの、日本車の中国市場における需要低迷の影響があり、また一部顧客との取引について当連結会計年度より代理人取引として収益を純額で計上したことにより、売上高は755億96百万円(前年同期比7.9%減)となりました。
(産業機器)
半導体設備投資需要の復調による売上増加はあるものの、制御機器製品の中国市場における低迷による取扱高の減少により、売上高は243億49百万円(前年同期比22.2%減)となりました。
(OA機器)
在宅需要による増産の反動に起因する複合機やレーザープリンター向け製品の取扱高の減少及び市場での在庫水準の高止まりに伴う影響を受け、売上高は300億43百万円(前年同期比35.6%減)となりました。
(その他)
コンシューマー製品とアミューズメント向け開発が主な事業内容になり、売上高は5億45百万円(前年同期比42.4%減)となりました。
人材派遣業の売上高は7億54百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、102億66百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは86億60百万円の収入(前連結会計年度は3億61百万円の収入)となりました。これは主に、棚卸資産の減少によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは47億44百万円の支出(前連結会計年度は87億61百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、34億54百万円の支出(前連結会計年度は101億43百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の返済によるものであります。
当連結会計年度のEMS事業における生産実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.その他の事業については重要性が乏しいため記載を省略しております。
EMS事業については、顧客から提示された生産計画等に基づく受注生産を行っておりますが、受注から製品完成までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ一致するため、記載を省略しております。また、その他の事業については、大部分が派遣業務及び請負業務であるため、受注実績については記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は790億15百万円(前連結会計年度末比57億70百万円減少)となりました。これは主に、有形固定資産が増加した一方で、棚卸資産が減少したことによるものであります。
負債につきましては、592億97百万円(前連結会計年度末比74億77百万円減少)となりました。これは主に、長期借入金が増加した一方で、短期借入金及び買掛金が減少したことによるものであります。
純資産につきましては、197億17百万円(前連結会計年度末比17億7百万円増加)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び為替換算調整勘定が増加したことによるものであります。
在宅需要の増産の反動及び市場での在庫水準の高止まりによるOA機器分野の低迷に加え、中国市場における車載機器分野及び制御機器製品の減少により、売上高は1,312億89百万円(前年同期比18.8%減)となりました。
売上高の減少に比例した減少に加え、改善取組みによる労務費及び経費の減少により、売上原価は1,239億50百万円(前年同期比19.2%減)となりました。
物流の正常化により運搬費が減少したこと等により、販売費及び一般管理費は52億95百万円(前年同期比12.3%減)となりました。
上記の状況により、営業損益は20億43百万円の利益(前年同期比8.0%減)となりました。また、売上高営業利益率は1.6%(前連結会計年度は1.4%)となりました。
営業外収益は15億10百万円となり、主な内訳は受取地代家賃11億96百万円、受取利息1億45百万円、為替差益43百万円であります。営業外費用は23億21百万円となり、主な内訳は賃貸費用11億82百万円、支払利息8億93百万円であります。
この結果、経常損益は12億33百万円の利益(前年同期比4.5%増)となりました。
特別利益は0百万円であります。
特別損失は1億94百万円であり、内訳は特別退職金98百万円、固定資産売却損55百万円、固定資産除却損21百万円、減損損失19百万円であります。
以上の結果、税金等調整前当期純損益は10億39百万円の利益(前年同期比6.0%減)となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、親会社株主に帰属する当期純損益は10億21百万円の利益(前年同期比60.3%増)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 [事業の状況] 4 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金、借入により調達しております。