E01754 Japan GAAP
前期
183.1億 円
前期比
107.4%
株価
2,674 (05/02)
発行済株式数
4,192,000
EPS(実績)
76.34 円
PER(実績)
35.03 倍
前期
587.4万 円
前期比
97.9%
平均年齢(勤続年数)
40.5歳(16.8年)
従業員数
779人
(1)当社の事業内容について
当社は、ビルならびに工場、産業施設、大型マンション向けの高低圧配電盤、制御盤、分電盤などの配電制御設備をカスタムメイドで製作(顧客が指定する製品仕様に従い、一品毎に製作)する大手専業メーカーで、1940年の設立以来長い歴史を有しております。
なお、当社は配電制御設備製造事業の単一セグメントとなっております。
(2)当社製品について
当社の製品は、日本国内の大型・中型オフィスビル、病院、学校、工場、大型マンション等に設置されております。機能により高低圧配電盤、制御盤、分電盤等に区分されますが、多くの場合、それら一式を配電制御設備として受注しております。製品は重量物であり、かつ容積が嵩むこと、更にカスタムメイドの場合は納期が建築物の建築工程に深く組み込まれていること、受注から製造までの間に顧客から仕様変更を要求されることが多いこと等の特性により、国内の建築物向けとして、海外での生産には不向きな製品であり、ほとんどが国内企業によりまかなわれているものと思われます。
外注に多くを依存する競合他社が多い中、当社は社内で研究から設計、製造、販売、アフターサービスまでの事業部門を有しており、柔軟な対応が可能な体制を敷いております。
[事業系統図]
事業系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
[製品設置イメージ]
※画像省略しています。
(3)当社が属する市場・競合他社について
当社の製品は、日本国内の大型・中型オフィスビル、病院、学校、工場、大型マンション等に設置されており、これらの新築、リニューアル時に当社製品に対する需要が発生します。そのため、当社は国内の民間設備投資の動向による影響を強く受け易いと言えます。
配電制御設備市場の業界団体である日本配電制御システム工業会に属するメンバー(正会員)は、2023年3月時点で約350社ありますが、その他地場需要に依存する零細企業や下請け中心に営む企業等が存在しており、全体でのメーカー数は2,000社にものぼると言われており、これらのほとんどは未公開企業により占められています。
更に配電制御設備業界は標準的な型の配電制御設備を製造する標準型市場と、納入先にあわせてカスタマイズして製造するカスタム型市場の二つに分かれます。当社はカスタム型市場に属し、現在のところこの市場に公開企業はなく、当社がこの市場において競合企業として認知できる企業は未公開企業のみとなっております。
(4)改善活動について
当社は永年積み重ねてきた生産方式に日々改善を加えております。徹底した生産拠点の効率性を追求し、製品品質の向上とリードタイムの短縮、コスト低減を目指し、改善活動に取り組んでおります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐもとで、社会経済活動は回復に向かい、企業収益においても緩やかな持ち直しの動きがみられました。
当業界におきましても、企業収益改善を背景に民間設備投資は持ち直しの動きがみられ受注は堅調に推移いたしましたが、原材料・エネルギー価格の高騰や部品の供給制約の長期化により厳しい環境が継続しておりました。
このような状況下で、当社は営業活動・コスト削減などの取組みに加え、部品供給制約への対応や生産の平準化など全力を傾注してまいりました。これらの結果、売上高は19,664百万円(前期比7.4%増)となりました。
利益につきましては、原材料・エネルギー価格の高騰や部品供給制約の厳しい影響により、営業利益509百万円(前期比44.0%減)、経常利益501百万円(前期比49.7%減)、当期純利益320百万円(前期比50.5%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、投資活動によるキャッシュ・フローで356百万円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローで392百万円の資金の減少があったものの、営業活動によるキャッシュ・フローで1,708百万円の資金の増加となり、これらの結果、前事業年度末比959百万円(14.4%)増加し、7,640百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,708百万円の資金の増加となりました。これは棚卸資産の増加による938百万円の減少があったものの、税引前当期純利益480百万円増加、減価償却費607百万円及び仕入債務の増加508百万円による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは356百万円の資金の減少となりました。これは山形工場及び九州工場における建物設備の更新などに伴う有形固定資産取得による支出273百万円、社内システムの増強に伴う無形固定資産取得による支出50百万円などの資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは392百万円の資金の減少となりました。これは長期借入金の借入による収入300百万円の資金の増加があったものの、長期借入金の返済による支出299百万円、配当金の支払額255百万円などの資金の減少があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績は次のとおりであります。
区分 |
生産高(千円) |
前期比(%) |
配電制御設備 |
19,777,379 |
107.0 |
計 |
19,777,379 |
107.0 |
b.受注実績
当事業年度における受注実績は次のとおりであります。
区分 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
配電制御設備 |
21,066,858 |
99.1 |
18,480,731 |
108.2 |
計 |
21,066,858 |
99.1 |
18,480,731 |
108.2 |
c.販売実績
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。
区分 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
配電制御設備 |
19,664,455 |
107.4 |
計 |
19,664,455 |
107.4 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
販売先 |
金額(千円) |
割合(%) |
販売先 |
金額(千円) |
割合(%) |
㈱きんでん |
3,184,507 |
17.4 |
㈱きんでん |
3,965,223 |
20.2 |
関工商事㈱ |
1,984,388 |
10.8 |
関工商事㈱ |
2,453,973 |
12.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2023年3月31日)現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営陣による会計方針の選択・適用と、資産、負債の評価などの会計上の判断・見積りが含まれております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(流動資産)
受取手形及び電子記録債権が443百万円減少いたしましたが、その一方で現金及び預金が959百万円の増加、仕掛品・原材料など棚卸資産が938百万円の増加となりました。これらの結果、流動資産合計は前事業年度末比1,088百万円(7.6%)増加し、15,436百万円となりました。
(固定資産)
投資有価証券、繰延税金資産の増加などにより投資その他の資産が65百万円増加いたしましたが、減価償却等により有形固定資産が230百万円の減少、無形固定資産が22百万円の減少となりました。これらの結果、固定資産合計は前事業年度末比187百万円(3.0%)減少し、6,026百万円となりました。
(流動負債)
短期借入金が133百万円減少したものの、買掛金508百万円の増加、未払消費税等216百万円の増加及び未払法人税等144百万円の増加などにより、流動負債合計は前事業年度末比755百万円(18.5%)増加し、4,847百万円となりました。
(固定負債)
借入金の返済などにより長期借入金が12百万円減少したものの、退職給付引当金45百万円の増加、役員退職慰労引当金29百万円の増加などにより、固定負債合計は前事業年度末比62百万円(5.3%)増加し、1,252百万円となりました。
(純資産)
前事業年度の期末配当128百万円及び当事業年度の中間配当128百万円による減少がありましたが、当期純利益320百万円の計上により利益剰余金が64百万円増加いたしました。これに加えその他有価証券評価差額金が17百万円増加したことにより、純資産合計は前事業年度末比82百万円(0.5%)増加し、15,362百万円となりました。
2)経営成績
(営業損益)
当社は顧客満足度120%を目標に技術開発の強化、品質の向上、サービス体制の拡充等による経営基盤の充実強化に努め、営業活動・コスト削減などの取組みに加え、部品供給制約への対応や生産の平準化など全力を傾注し、売上高は前事業年度に比べて7.4%増収の19,664百万円となりました。
売上原価は原材料・エネルギー価格の高騰や部品の供給制約の長期化も影響し、前事業年度の13,398百万円から10.3%増加し14,778百万円となりました。
販売費及び一般管理費については、前事業年度の3,998百万円から378百万円増加し、4,376百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は22.3%となっております。
以上の結果、営業利益は前事業年度の908百万円に対し44.0%減益の509百万円となりました。
(営業外損益)
営業外収益・費用は前事業年度の87百万円の収益(純額)から8百万円の費用(純額)となりました。減少の主な要因は、昨年度の営業外収益におきまして山形県の「企業立地促進補助金」及び南陽市の「企業立地奨励金」の交付が確定し、助成金収入の計上があったことなどによるものであります。
この結果、経常利益は前事業年度の996百万円に対し49.7%減益の501百万円となりました。
(特別損益)
特別損失は固定資産除却損20百万円を計上し、この結果、税引前当期純利益は前事業年度の985百万円に対し51.2%減益の480百万円となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税に加え、法人税等還付税額、過年度法人税等の発生に伴い、税金費用160百万円計上いたしました。この結果、当期純利益は前事業年度の646百万円に対し50.5%減益の320百万円となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、株主の視点から見た収益性を重視する観点から株主資本利益率(ROE)を主要な経営指標として位置づけ、常にコスト削減意識を持ち収益改善に努めるとともに、資本効率の向上を目指し、企業経営に取組んでおります。
目標とする具体的な数値は設定しておりませんが、当事業年度のROEは2.1%となっております。今後につきましても当該指標の向上に努めてまいります。
5)資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費であります。
当社は現在、運転資金及び設備投資資金につきましては内部資金または借入により資金調達することとしております。
借入による資金調達に関しましては、安定的な長期借入金で調達することを原則としております。
当社は健全な財務状態、営業活動を基盤としたキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社の成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。
また、当社は資本政策の柔軟性・機動性を確保するため自己株式を取得しております。
なお、自己株式の取得の状況は「第4 提出会社の状況、2 自己株式の取得等の状況」に記載のとおりであります。
6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。