E01951 Japan GAAP
前期
707.9億 円
前期比
118.5%
株価
2,731 (04/26)
発行済株式数
33,224,485
EPS(実績)
305.32 円
PER(実績)
8.94 倍
前期
680.4万 円
前期比
106.7%
平均年齢(勤続年数)
44.1歳(17.1年)
従業員数
637人(連結:3,186人)
当社グループは、当社、連結子会社32社(国内6社、海外26社)及び持分法適用関連会社1社で構成され、その主な事業内容は、HMI事業、インダストリアルコンポーネンツ事業、オートメーション&センシング事業、安全・防爆事業、システム、その他の製造及び販売であります。製造については、当社及び子会社13社が行っております。販売については、日本市場へは当社及び国内グループ会社が、海外市場へは主にその地域の現地法人が行っております。現地法人は、それぞれが独立した経営単位として各地域に適した戦略を立案し事業戦略を展開しております。したがって、当社グループは、製造・販売体制を基礎とした地域別のセグメントを構成しております。
製品種類及び製品種類の内容と、それに関連する主な関係会社及びセグメントは次のとおりであります。
製品種類 |
製品種類の内容 |
主な関係会社名 |
セグメント名 |
|
HMI事業 |
制御用操作スイッチ、 ジョイスティック、 表示灯、プログラマブル表示器など |
販売会社 |
IDECセールスサポート株式会社 |
日本 |
IDEC CORPORATION |
米州 |
|||
製造・販売会社 |
APEM, Inc. |
|||
IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD. |
アジア・ パシフィック |
|||
販売会社 |
台湾和泉電気股份有限公司 |
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IDEC IZUMI(H.K.)CO.,LTD. |
||||
IDEC IZUMI ASIA PTE LTD. |
||||
IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED |
||||
愛徳克電気貿易(上海)有限公司 |
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製造会社 |
台湾愛徳克股份有限公司 |
|||
蘇州和泉電気有限公司 |
||||
開発・製造 販売会社 |
APEM SAS 他9社 |
EMEA※ |
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インダストリアル コンポーネンツ事業 |
スイッチング電源、端子台、 制御用リレー/ソケット、 サーキットプロテクタ、 産業用LED照明など |
販売会社 |
IDECシステムズ&コントロールズ 株式会社 |
日本 |
IDECセールスサポート株式会社 |
||||
IDEC CORPORATION |
米州 |
|||
台湾和泉電気股份有限公司 |
アジア・ パシフィック |
|||
IDEC IZUMI(H.K.)CO.,LTD. |
||||
IDEC IZUMI ASIA PTE LTD. |
||||
IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED |
||||
愛徳克電気貿易(上海)有限公司 |
||||
製造・販売会社 |
IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD. |
|||
製造会社 |
台湾愛徳克股份有限公司 |
|||
蘇州和泉電気有限公司 |
||||
開発会社 |
愛徳克電子科技(上海)有限公司 |
製品種類 |
製品種類の内容 |
主な関係会社名 |
セグメント名 |
|
オートメーション& センシング事業 |
プログラマブルコントローラ、 センサ、自動認識機器など |
開発・製造 販売会社 |
IDEC ALPS Technologies株式会社 |
日本 |
販売会社 |
IDEC AUTO-ID SOLUTIONS株式会社 |
|||
IDECセールスサポート株式会社 |
||||
IDEC CORPORATION |
米州 |
|||
台湾和泉電気股份有限公司 |
アジア・ パシフィック |
|||
IDEC IZUMI(H.K.)CO.,LTD. |
||||
IDEC IZUMI ASIA PTE LTD. |
||||
IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED |
||||
愛徳克電気貿易(上海)有限公司 |
||||
製造・販売会社 |
IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD. |
|||
製造会社 |
台湾愛徳克股份有限公司 |
|||
安全・防爆事業 |
安全関連機器、 防爆関連機器など |
販売会社 |
IDECセールスサポート株式会社 |
日本 |
IDEC CORPORATION |
米州 |
|||
台湾和泉電気股份有限公司 |
アジア・ パシフィック |
|||
IDEC IZUMI(H.K.)CO.,LTD. |
||||
IDEC IZUMI ASIA PTE LTD. |
||||
IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED |
||||
愛徳克電気貿易(上海)有限公司 |
||||
製造・販売会社 |
IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD. |
|||
製造会社 |
蘇州和泉電気有限公司 |
|||
システム |
協働ロボットシステム事業、 各種システムなど |
製造・販売 会社 |
IDECファクトリーソリューションズ 株式会社 |
日本 |
その他 |
環境・エネルギー関連事業など |
販売会社 |
IDECシステムズ&コントロールズ 株式会社 |
日本 |
IDEC Environmental Solutions LLC |
米州 |
※EMEAとは欧州、中東及びアフリカ地域を指しております。
企業集団の系統図
以上に述べた企業集団の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度においては、原材料価格の高騰及び部材調達の逼迫化等の懸案要因はあったものの、グローバルベースでの製造業の設備投資需要は昨年度同様に堅調に推移いたしました。
このような状況の中、当社グループにおいては、ソリューション提供力のより一層の強化とデジタル関連・自動車関連・工作機械・ロボット業界等を中心にグローバルベースでさらに拡大している需要、市場要求に柔軟に対応することによって、主力のHMI事業・安全防爆事業を中心に売上が増加した結果、対前年同期比で、売上高・営業利益ともに大幅な増収増益となりました。
内訳としては、国内売上高は345億1千9百万円(前年同期比11.7%増)となり、海外においても、中国上海でのロックダウンによる影響もごく一時的なものにとどまり、全エリアにおいて大幅な増収となり、為替の円安効果も加わって海外売上高は493億4千9百万円(前年同期比23.7%増)となりました。これにより、当連結会計年度の連結売上高は838億6千9百万円(前年同期比18.5%増)となりました。
利益面においては、増収効果とともに売価の適正化も順調に進み、原材料価格高騰の影響も克服して、売上総利益率は前年同期比で上昇し、さらには販売費及び一般管理費の水準適正化による販売管理費比率の低減効果と円安による増益効果もあって、営業利益は前年同期に比べ、43億8千8百万円増益の140億6千万円(前年同期比45.4%増)、経常利益は前年同期に比べ、40億5百万円増益の144億3百万円(前年同期比38.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ、22億4千8百万円増益の101億4千4百万円(前年同期比28.5%増)となりました。
以上による当連結会計年度における経営成績は以下のとおりです。
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
比較増減 |
増減率 |
|
||||
売上高(百万円) |
70,789 |
83,869 |
+13,079 |
+18.5% |
売上総利益(百万円) |
30,310 |
37,376 |
+7,066 |
+23.3% |
売上総利益率(%) |
42.8 |
44.6 |
+1.7 |
- |
営業利益(百万円) |
9,672 |
14,060 |
+4,388 |
+45.4% |
営業利益率(%) |
13.7 |
16.8 |
+3.1 |
- |
経常利益(百万円) |
10,398 |
14,403 |
+4,005 |
+38.5% |
親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) |
7,896 |
10,144 |
+2,248 |
+28.5% |
(為替レート) |
|
|
|
|
米ドル平均レート(円) |
112.40 |
135.51 |
+23.11 |
- |
ユーロ平均レート(円) |
129.91 |
138.15 |
+8.24 |
- |
人民元平均レート(円) |
17.51 |
19.75 |
+2.24 |
- |
セグメントごとの経営成績に関しては、次のとおりであります。
①日本
日本においては、昨年度に引き続き半導体関連・自動車関連・工作機械・ロボット業界等の需要が堅調に推移し、主力製品を中心に市場要求に的確に対応した結果、売上高は前年同期に比べ、49億9千9百万円増収の390億4千5百万円(前年同期比14.7%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、22億1千2百万円増益の70億4千5百万円(前年同期比45.8%増)となりました。
②米州
北米地域においても、高水準での需要が継続するとともに為替の大幅な円安効果もあり、売上高は前年同期に比べ、42億5千5百万円増収の158億1千5百万円(前年同期比36.8%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、14億3千4百万円増益の29億7千4百万円(前年同期比93.1%増)となりました。
③EMEA
欧州も、日本及び米州同様、制御用操作スイッチなど主力のHMI事業の売上が増加した結果、売上高は前年同期に比べ、13億6千5百万円増収の133億5百万円(前年同期比11.4%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、1億3千1百万円増益の7億6千8百万円(前年同期比20.7%増)となりました。
④アジア・パシフィック
アジア・パシフィック地域においては、中国上海におけるロックダウンによる影響は限定的で前年同期比増収を確保し、他のアジア地域の需要も堅調であったことから、主力製品であるHMI事業の制御用操作スイッチやインダストリアルコンポーネンツ事業の制御用リレーの売上が大幅に増加した結果、売上高は前年同期に比べ、24億5千9百万円増収の157億3百万円(前年同期比18.6%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、9億5百万円増益の34億3千8百万円(前年同期比35.8%増)となりました。
また、製品種類別の売上高については、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、製品種類別の区分を一部変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の 数値を変更後の製品種類区分に組み替えた数値で比較しております。
①HMI事業
グローバル全地域において、昨年度に引き続き設備投資需要に支えられた結果、売上高は前年同期に比べ、48億7千4百万円増収の357億6千万円(前年同期比15.8%増)となりました。
※HMI(Human Machine Interface:人と機械が触れ合う環境)の核となる、「制御用操作スイッチ」や「ジョイスティック」、「表示灯」、「プログラマブル表示器」などの製品群です。
②インダストリアルコンポーネンツ事業
主力市場である米州及び中国市場での制御用リレーの売上が増加した結果、売上高は前年同期に比べ、18億5千1百万円増収の154億7千6百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
※機械や生産ラインなどを制御・操作するための制御盤の中に組み込み、機械・装置の制御部分の基礎として使用される、「スイッチング電源」や「端子台」、「制御用リレー/ソケット」、「サーキットプロテクタ」などの製品群です。
③オートメーション&センシング事業
日本、米州及びEMEAにおいて、依然としてプログラマブルコントローラの需要が堅調であった結果、売上高は前年同期に比べ、18億6千1百万円増収の103億2千7百万円(前年同期比22.0%増)となりました。
※産業現場や暮らしの様々なシーンにおける機器の自動化に貢献する各種製品、機械・装置の頭脳の役割をする「プログラマブルコントローラ」やリテールや、物流分野など様々な分野で活用されている「自動認識機器」などの製品群です。
④安全・防爆事業
日本及び中国を中心に安全関連機器の需要が大幅に伸長していることを背景に、売上高は前年同期に比べ、35億7千5百万円増収の162億8千2百万円(前年同期比28.1%増)となりました。
※産業現場の安全を守る「非常停止用押ボタンスイッチ」や「安全スイッチ」、「イネーブル装置」といった「安全関連機器」に加え、石油・化学プラントなど、爆発性のガスが存在する現場での事故を未然に防ぐ「防爆関連機器」などの製品群です。
⑤システム
日本において引き続き、半導体製造設備・物流関連設備等の制御盤の売上が堅調で、売上高は前年同期に比べ11億5百万円増収の48億4千8百万円(前年同期比29.5%増)となりました。
※顧客ニーズに合わせてIDECの製品をシステム化して提供する「各種システム」、安全関連機器・安全技術を組み合わせて最適なシステムを構築する「協働ロボットシステムソリューション」などの製品群です。
⑥その他
日本におけるその他システム関連製品の需要が減少した結果、売上高は前年同期に比べ、1億8千8百万円減収の11億7千4百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
※メガソーラーや太陽光発電用電力マネジメントシステムをはじめとする「再生可能エネルギー事業」に加え、太陽光併用型農業プラントのトータルソリューションを提供する「次世代農業ソリューション」、幅広い分野での応用研究が進んでいる「ウルトラファインバブル(微細気泡)発生装置」などの事業や製品群です。
(2)キャッシュ・フローの状況
|
前連結会計年度(百万円) |
当連結会計年度(百万円) |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
9,652 |
7,009 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,386 |
△3,110 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△8,578 |
△4,403 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
507 |
369 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
194 |
△133 |
現金及び現金同等物の期首残高 |
15,009 |
15,203 |
現金及び現金同等物の期末残高 |
15,203 |
15,070 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、70億9百万円の収入(前年同期は96億5千2百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を51億9千3百万円納付、棚卸資産が44億7千1百万円、売上債権が14億7千7百万円増加した一方で、税金等調整前当期純利益を144億1百万円、減価償却費を35億4千4百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、31億1千万円の支出(前年同期は13億8千6百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により29億2千4百万円、定期預金の預入により4億6百万円を支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、44億3百万円の支出(前年同期は85億7千8百万円の支出)となりました。これは主に、借入の返済により7億5百万円、配当金の支払いにより36億2千8百万円を支出したことなどによるものです。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
日本 |
46,588 |
125.5 |
米州 |
1,865 |
103.4 |
EMEA |
14,986 |
120.5 |
アジア・パシフィック |
16,378 |
131.5 |
合計 |
79,818 |
125.1 |
(注)金額は、販売価格によっております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 |
受注残高 |
||
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
34,510 |
74.5 |
13,514 |
74.9 |
米州 |
15,763 |
107.7 |
4,972 |
98.2 |
EMEA |
15,114 |
101.4 |
8,975 |
133.8 |
アジア・パシフィック |
12,161 |
65.4 |
4,085 |
50.8 |
合計 |
77,550 |
82.1 |
31,547 |
83.3 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
日本 |
39,045 |
114.7 |
米州 |
15,815 |
136.8 |
EMEA |
13,305 |
111.4 |
アジア・パシフィック |
15,703 |
118.6 |
合計 |
83,869 |
118.5 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、見積りによる収益・費用の計上を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。
特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①棚卸資産
当社グループは、連結会計年度末時点において簿価と市場価格の状況を検討し市場価格が下回る場合は評価損を計上しております。実際の市場価格が当社グループの見積りより変動した場合、計上した評価損の過不足が生じる可能性があります。
また、従来より、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、在庫実態に変化が生じた場合には、同様に棚卸資産の簿価を切り下げることとなります。
②貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しておりますが、債権先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる場合があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期に法人税等調整額として計上いたします。
④退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合及び今後この前提条件が変化した場合には、変化した年度以降の退職給付費用が大きく増減する場合があります。
⑤固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準における資産のグルーピング方法として、工場その他の事業用施設等については、継続して収支を把握している単位かつ独立したキャッシュ・フローを生み出す単位で、遊休資産については、当該資産単独で区分する方法を採用しており、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、又は遊休状態で今後も使用する見込みがない場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
⑥のれん及び商標権・顧客関連資産
当社グループは、のれん及び商標権・顧客関連資産に関してその効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。その資産性の評価について検討し、将来において当初想定した収益が見込めなくなった場合に、簿価の切り下げを行う可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①売上高
当連結会計年度においては、原材料価格の高騰及び部材調達の逼迫化等の懸案要因はあったものの、グローバルベースでの製造業の設備投資需要は昨年度同様に堅調に推移いたしました。
このような状況の中、当社グループにおいては、ソリューション提供力のより一層の強化とデジタル関連・自動車関連・工作機械・ロボット業界等を中心にグローバルベースでさらに拡大している需要、市場要求に柔軟に対応することによって、主力のHMI事業・安全防爆事業を中心に売上が増加した結果、対前年同期比で、売上高・営業利益ともに大幅な増収増益となりました。
内訳としては、国内売上高は345億1千9百万円(前年同期比11.7%増)となり、海外においても、中国上海でのロックダウンによる影響もごく一時的なものにとどまり、全エリアにおいて大幅な増収となり、為替の円安効果も加わって海外売上高は493億4千9百万円(前年同期比23.7%増)となりました。これにより、当連結会計年度の連結売上高は838億6千9百万円(前年同期比18.5%増)となりました。
なお、当連結会計年度における対米ドルの平均レートは、135.51円(前年同期は112.40円で23.11円の円安)、対ユーロの平均レートは、138.15円(前年同期は129.91円で8.24円の円安)、対人民元の平均レートは、19.75円(前年同期は17.51円で2.24円の円安)となりました。
②損益状況
売上原価は前年同期に比べ、60億1千3百万円増加し、464億9千2百万円(前年同期比14.9%増)となりました。これは主に売価の適正化も順調に進み、原材料価格高騰の影響も克服した結果、売上高が増加したことによるものです。販売費及び一般管理費は、26億7千7百万円増加し、233億1千5百万円(前年同期比13.0%増)となりました。利益については、主に売上高が増加したことによりそれぞれ、営業利益は前年同期に比べ、43億8千8百万円増益の140億6千万円(前年同期比45.4%増)となり、経常利益は前年同期に比べ、40億5百万円増益の144億3百万円(前年同期比38.5%増)となりました。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ、22億4千8百万円増益の101億4千4百万円(前年同期比28.5%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産の額は、前連結会計年度末より92億7千4百万円増加し、1,042億3千5百万円となりました。これは主に、棚卸資産が50億8千3百万円、有形固定資産及び無形固定資産が17億3千2百万円、売上債権が17億1千5百万円、現金及び預金が5億1千1百万円増加したことなどによるものです。
負債の額は、前連結会計年度末より5億2千9百万円減少し、454億2千2百万円となりました。これは主に、リース債務が7億4百万円増加した一方で、未払法人税等が7億1千4百万円、借入金が7億5百万円、仕入債務が5億4百万円減少したことなどによるものです。
純資産の額は、利益剰余金が65億1千万円、為替換算調整勘定が27億2千5百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末より98億4百万円増加し、588億1千3百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より1億3千3百万円減少し、150億7千万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、70億9百万円の収入(前年同期は96億5千2百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を51億9千3百万円納付、棚卸資産が44億7千1百万円、売上債権が14億7千7百万円増加した一方で、税金等調整前当期純利益を144億1百万円、減価償却費を35億4千4百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、31億1千万円の支出(前年同期は13億8千6百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により29億2千4百万円、定期預金の預入により4億6百万円を支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、44億3百万円の支出(前年同期は85億7千8百万円の支出)となりました。これは主に、借入の返済により7億5百万円、配当金の支払いにより36億2千8百万円を支出したことなどによるものです。
(5)戦略的現状と見通し及び今後の方針
当社グループでは、中期経営計画達成に向けて、組織再編による生産改革を推進しております。2023年4月より全社的に組織を見直し、各部門の責任者に社内外で経験を積んだ人材を新たに任命いたしました。組織再編により、各々の機能を強化できる体制をつくることで、APEMグループも含めたグローバルで購買、サプライチェーン、生産における双方向での供給や、技術交流などができるようにしてまいります。生産改革の推進により、圧倒的なコスト低減を達成し、グローバル競争力の向上を実現したいと考えております。
また、多角化する顧客ニーズや社会課題に対応するため、多様な製品を組み合わせて最適なソリューションを提案する、技術営業機能を設置いたしました。顧客の課題解決に向けたソリューション案件が増加しており、関係部門と連携を取りながら進めております。今後ともコンポーネンツ販売だけでなく、課題解決型のソリューション販売を強化することで、グローバルでの競争力向上を図ってまいります。
DXの推進は喫緊の課題の一つとなっているため、経営基盤強化のための取り組みとして、様々なシステム導入による業務効率化を推進しております。デジタルマーケティングのプロジェクトでは、全グローバル拠点で共通のプラットフォームを導入いたしました。これにより、お客さま一人ひとりにパーソナライズした、最適なコンテンツを提供できることから、商談獲得につながるプロセスの創出を進めております。2023年3月期からは、統合基幹業務システムである、ERP(Enterprise Resource Planning)基盤の構築と、SCP(Supply Chain Planning)を実現できるシステムをグローバルでの導入プロジェクトを立ち上げ、推進しております。システムの導入により、一連のビジネスプロセスを一貫して管理することが可能になり、デジタルマーケティングや、セールスフォースオートメーションなど各ツールとも相互連携することで、より効率的なオペレーションを実現し資本効率の向上も目指してまいります。