売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01874 Japan GAAP

売上高

409.5億 円

前期

373.2億 円

前期比

109.7%

時価総額

162.1億 円

株価

2,595 (07/12)

発行済株式数

6,244,962

EPS(実績)

448.36 円

PER(実績)

5.79 倍

平均給与

845.1万 円

前期

800.9万 円

前期比

105.5%

平均年齢(勤続年数)

53.0歳(3.0年)

従業員数

47人(連結:1,078人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

 当企業グループは、当社、連結子会社5社および関連会社1社で構成され、情報通信システムに関する機器および部品の開発、製造および販売ならびにこれらに付帯するサービスの提供からなる事業を行っております。

 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

 第21期末日時点の事業の系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

(注) 上記の他、持分法適用関連会社としてE Security Services Co.,Ltd.があります。

 

24/06/26

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染症法上における位置づけが5類感染症になるなど、経済活動の正常化がみられるものの、依然として原材料や原油価格の上昇ならびに高止まり、外国為替相場における円安の継続、地政学リスクの継続など先行き不透明な状況で推移しました。また、当企業グループにおいては、資材および部品の調達価格の高騰による事業活動への影響がありました。

このような経済環境の中で、当企業グループは、2021年6月に2021年度から2023年度の3か年を計画期間とした中期経営計画(サクサは変わる。)を公表し、2026年3月期には、売上高400億円、営業利益25億円、ROE6.5%以上を長期目標に、3つの戦略「事業を変える。」「財務を変える。」「ガバナンスを変える。」を掲げ、取組んでまいりました。 

「事業を変える。」について、連結子会社であるサクサ株式会社は、DX化を求めている中堅・中小企業の課題をITで解決する当企業グループの製品・サービス「Office AGENT」シリーズとして、ランサムウェアやサイバー攻撃の脅威から企業を守り安心・安全・快適・便利なオフィス空間を実現するUTM(統合脅威管理アプライアンス)「SS7000Ⅱ」シリーズの提供(2023年5月)、お客様のワークスタイル変化に対応した小規模事業者向けのボタン電話装置「OPTYS(オプティス)」の提供(2023年10月)、電子帳簿保存法改正に伴い義務化された電子取引データの保存・管理を効率的・安全に管理できる電子データ管理ゲートウェイ「DG1000」の提供(2023年11月)をしてまいりました。また、連結子会社である株式会社システム・ケイは、車両ナンバー認識システムとAI技術を利用したシステムの開発を通してお客様の課題解決に取組んでおります。同社は、国土交通省港湾局主催の情報通信技術に関わるサウンディング調査に参加し、2024年4月適用のトラックドライバーの時間外労働規制による労働力不足に対し内航フェリー・RORO船ターミナルの荷役効率化を提案(2023年6月)、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センターの車両識別システムの更新整備入札において車両ナンバー認識システムとAI技術を活用したシステムで応札し落札(2023年7月)、株式会社テレビ北海道が開発したリモート監視システム「バーチャルマスターオペレーター」と同社の顔認証システムを連携させた総合監視システムをSECURITY SHOW 2024に出展(2024年3月)いたしました。

さらに、相模原オフィスにおいて連結子会社であるサクサプロアシスト株式会社が運営していた販売物流機能について、相模原オフィスの移転にあわせ、グループ外の物流サービス提供会社へ業務移管しました(2023年8月)。

「財務を変える。」について、保有資産の有効活用を図るため、政策保有株式の縮減(3銘柄売却)を実施しました。連結子会社であるサクサ株式会社が相模原に保有する不動産の収益化に向け、相模原オフィスから新横浜オフィスに移転(2023年8月)するとともに、新宿オフィスの閉鎖(2023年5月)を行いました。さらには、株主還元水準の改善および資本効率の向上を図るため自己株式の取得(2024年2月)を行いました。

「ガバナンスを変える。」について、当企業グループは、コーポレートガバナンスの強化に継続して取組むとともに、持続成長する企業への変革に向け、つなげる技術(強み)を核としたプロダクト・ソリューションの提供を通じて、サステナブルな社会(明日の社会)を実現し、SDGs達成に貢献する活動に取組んでおります。

当連結会計年度において、持続可能な社会の実現や当企業グループの持続的な成長と企業価値の向上を図るため、サステナビリティ活動を推進することを目的とした「サステナビリティ推進委員会」および当社取締役会において、気候変動に関連した地球温暖化を重要なリスクと認識し、その抑止を目的に脱炭素化の目標を定めてCO2排出量の削減に取組んでおります。連結子会社であるサクサ株式会社において、環境配慮型樹脂の使用を実現した製品の提供に向けて取組みました。

また、多様な人材活用による新たな価値を創造し、相互に認めあう組織風土を醸成していくことを目的に設置した「ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会」において、当企業グループの女性の若年層に対するキャリアデザイン研修(2023年9月)、中堅およびリーダークラスの女性従業員に対するキャリアデザイン研修(2023年12月)を実施。サクサ株式会社の開発拠点の移転(新横浜オフィスの開設)に際しては、開発環境を整備、働き方改革を実現するため新たなオフィス環境の整備を行いました。

さらに、当企業グループは株式会社東京証券取引所に提出(2020年12月)した「改善報告書」に掲げた、倫理観・道徳観を醸成し定着するための「コンプライアンス研修」を開催(2023年6月、8月、12月および2024年2月)いたしました。「率直にモノが言える職場環境」を目指した企業風土改革の継続した取組みとして、当連結会計年度においては当企業グループの全社員を対象とした、当社社長と意見交換を行う場「経営とサクサグループの未来を語る会2023」を当企業グループに勤務する従業員を対象に開催いたしました。

なお、2021年度から2023年度の3か年を計画期間とした中期経営計画(サクサは変わる。)について、当連結会計年度が計画期間の最終年度であることから、2024年度を初年度とした次期「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」の策定を開始するとともに、次期中期経営計画を見据えたキャピタルアロケーションの考え方を決議(2024年2月)いたしました。

 

当連結会計年度の売上高は、40,948百万円(前年同期比3,628百万円増加)となりました。成長事業の売上高は、ビジュアルソリューションにおいて、連結子会社である株式会社システム・ケイが取組むIP監視カメラシステムの販売が増加したこと、SIビジネスにおいて特定顧客向け構築案件の販売が増加したことにより、10,880百万円(前年同期比354百万円増加)となりました。

また、基盤事業の売上高は、ボタン電話装置において、自社ブランドおよび特定顧客向けともに資材および部品を一定数確保でき継続してお客様の需要にお応えできたこと、さらに自社ブランドボタン電話装置については、2023年10月に発売した小規模事業者向けのボタン電話装置の販売が好調なこと、販売パートナーの店内シェアアップに努めたことで販売数量が増加しました。また、アミューズメント市場において、新カードユニットへの入替需要の高まりから、カードリーダライタ等の販売が増加したこと、さらにEMSにおいて産業用機器向けの需要が増加したことから、30,068百万円(前年同期比3,275百万円増加)となりました。

利益面では、メーカ代理店からの資材および部品調達価格の上昇ならびに高止まり、新横浜オフィス開設に伴う開発環境等の整備、人財投資はありましたが、売上高の増加による増益となったこと、二次流通業者からの資材および部品調達および品質コストが減少したことにより経常利益が3,406百万円(前年同期比1,019百万円増加)、特別利益に投資有価証券売却益322百万円、特別損失に特別退職金37百万円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,800百万円(前年同期比2,198百万円増加)となりました。

 

分野別の営業の概況は、次のとおりです。

(ネットワークソリューション分野)

ネットワークソリューション分野の売上高は、26,134百万円(前年同期比705百万円増加)となりました。これは、主にボタン電話装置において、自社ブランドおよび特定顧客向けともに資材および部品を一定数確保できお客様の需要にお応えできたこと、さらに自社ブランドボタン電話装置については、2023年10月に発売した小規模事業者向けのボタン電話装置の販売が好調なこと、販売パートナーの店内シェアアップに努めたことで販売数量が増加したこと、また、ビジュアルソリューションにおいてIP監視カメラシステムの販売が増加、SIビジネスにおいて特定顧客向け構築案件の販売が増加したことによるものです。

(セキュリティソリューション分野)

セキュリティソリューション分野の売上高は、14,813百万円(前年同期比2,922百万円増加)となりました。これは、アミューズメント市場において、新カードユニットへの入替需要の高まりから、カードリーダライタ等の販売が増加したこと、さらにEMSにおいて産業用機器向けの需要が増加したことによるものです。

 

 当期の財政状況の概況は、次のとおりです。

 当連結会計年度末の純資産は、配当金の支払い、自己株式の取得等をしたものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上および退職給付に係る調整累計額の増加により、前連結会計年度末に比べ3,473百万円増加し28,368百万円、総資産は304百万円減少し41,473百万円となったことにより、自己資本比率は68.4%となりました。  

 増減の主なものは、以下のとおりです。

 流動資産では、受取手形、売掛金及び契約資産および電子記録債権が回収により1,729百万円減少し、現金及び預金が税金等調整前当期純利益による収入とあわせ1,233百万円増加となったこと、棚卸資産が翌期以降の販売に向けた商品及び製品の増加などにより537百万円増加となったことから、流動資産全体で前連結会計年度末に比べ176百万円増加いたしました。

固定資産では、有形固定資産がサクサ株式会社の新横浜オフィス開設に伴う設備投資等により271百万円増加したものの、無形固定資産は償却が進んだことにより20百万円、投資有価証券が売却および時価評価により610百万円それぞれ減少したことなどにより、固定資産全体で480百万円の減少となりました。

負債では、仕入債務が支払いにより1,559百万円、借入金が返済により1,708百万円、退職給付に係る負債が退職給付信託資産の時価の上昇により1,430百万円それぞれ減少したことから、負債全体で3,777百万円減少となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ1,233百万円増加し、9,368百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、3,737百万円の収入(前年同期は1,731百万円の収入)となりました。これは棚卸資産の増加および仕入債務の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少等によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、569百万円の支出(前年同期は666百万円の支出)となりました。これは投資有価証券の売却による収入はありましたが、設備投資による支出および資産除去債務の履行による支出が発生したことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,967百万円の支出(前年同期は74百万円の収入)となりました。これは借入金の返済、配当金の支払い、自己株式の取得を行ったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

当企業グループは、事業区分が単一セグメントでありますが、本項目における分野別情報は、前連結会計年度と同一の区分によっております。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

生産高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

16,096

103.9

セキュリティソリューション分野

20,129

109.4

合計

36,225

106.9

 

(注)1  金額は、販売価格によっております。

2  上記のほか下記の仕入製品があります。

区分

仕入高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

628

81.5

セキュリティソリューション分野

2,839

175.0

合計

3,468

144.8

 

(注)金額は、仕入価格によっております。

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

受注高(百万円)

 

受注残高(百万円)

 

前期比(%)

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

26,619

102.9

1,970

132.6

セキュリティソリューション分野

9,844

66.5

4,127

45.4

合計

36,464

89.7

6,098

57.6

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

販売高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

26,134

102.8

セキュリティソリューション分野

14,813

124.6

合計

40,948

109.7

 

(注)主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

NTTグループ

10,787

28.9

10,918

26.7

 

(注)NTTグループは、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社およびエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社等であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在において判断したものであります。

①重要な会計方針および見積り

当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定の設定を行わなければなりません。

当企業グループの経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

特に、以下の重要な会計方針が、当企業グループの連結財務諸表の作成において使用された重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。

なお、半導体を中心とした部材調達難と販売機会損失等、当企業グループの事業活動に与える影響を合理的に反映することが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

a. 機器組込みソフトウェア(販売目的ソフトウェアのうち、連結子会社であるサクサ株式会社にかかるもの) は定額法により減価償却費を計上しており、販売可能な見込有効期間に基づく償却額を計上しております。また各年度の未償却残高が、翌連結会計年度以降の見込販売収益の金額を超過している場合には、当該超過額について、一時の費用又は損失として処理しております。見込販売収益の算出に用いた主要な仮定は、見込販売数量であり、見込販売数量は市場環境の変化に影響を受けるため、見積りの不確実性が高く、情報通信ネットワーク製品の陳腐化に伴い、見込販売収益が大幅に減少した場合には、一時に費用又は損失が発生する可能性があります。

b.  売掛金、貸付金等の債権については、決算日以降に発生すると予測される貸倒損失に備えるため、適正な見積りに基づき貸倒引当金を計上しておりますが、顧客等の財政状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

c.  製品保証費用については、出荷済製品のアフターサービス費用等の発生に備え、過去の実績に基づくアフターサービス費用の見積りに基づき製品保証引当金を計上しております。三現主義の徹底と広範囲にわたる品質管理システムの運用により品質向上に努めておりますが、実際の品質不良率または修理コストが見積りと異なった場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。

d.  受注残高のうち、損失の発生が見込まれるものについて、将来の損失に備えるため、その損失見込額を受注損失引当金として計上しております。将来、発生原価が見積額を上回ると予想される場合、追加引当が必要になる可能性があります。

e.  投資については、回復可能性があると認められない株式等の評価減を実施しておりますが、投資先の財政状態が悪化した場合、評価損の追加計上の可能性があります。

f.  繰延税金資産については、将来の課税所得および継続的な税務計画を検討し、回収可能性が高いと考えられる金額に減額するため評価性引当金を計上しております。この評価性引当金は当連結会計年度末で判断したものであり、将来の課税所得および税務計画の変更等により追加計上または取崩しが発生する可能性があります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

当企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当企業グループの主力市場である情報通信ネットワーク関連市場においては、多様化、高度化したネットワークを活用した様々な事業が生まれるなど大きな変化が続いております。

このような市場環境の変化と資材調達環境の変化により、当企業グループの業績も影響を受けます。

そのため当企業グループは、このような変化に柔軟に対応し、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう心がけております。

また、経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「3〔事業等のリスク〕」に記載しております。

当企業グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、多様化するお客様のニーズにお応えするため、お客様視点に立った安心、安全、快適、便利な環境を実現するソリューションをタイムリーに提供し続け、事業成長に向けた収益体質改善のための諸施策に取組んでまいります。

当企業グループの資本の財源および資金の流動性については次のとおりであります。

a.キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

b.資金需要と財務政策

当企業グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金を充当し、必要に応じ金融機関からの借入により調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については主に期限が1年以内の短期借入金により調達しており、設備投資資金等については長期借入金等により調達しております。

また、資産効率の向上、営業活動によるキャッシュ・フローの確保およびシンジケーション方式によるコミットメントライン5,000百万円を含む未使用借入枠12,033百万円により、当面の運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。