E01887 Japan GAAP
前期
921.7億 円
前期比
109.6%
株価
2,914 (04/26)
発行済株式数
10,338,884
EPS(実績)
159.01 円
PER(実績)
18.33 倍
前期
731.4万 円
前期比
101.8%
平均年齢(勤続年数)
43.0歳(17.9年)
従業員数
996人(連結:5,364人)
当社グループは、当社、連結子会社18社、非連結子会社2社、関連会社1社により構成されており、半導体製品、電装製品、電源製品などの製造、販売を主たる業務としております。
当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(デバイス事業)
連結子会社である㈱秋田新電元、㈱東根新電元、ランプーン・シンデンゲン・カンパニー・リミテッドおよびシンデンゲン・フィリピン・コーポレーションが製造しております。
(電装事業)
連結子会社である㈱岡部新電元、シンデンゲン・インディア・プライベート・リミテッド、ピーティー・シンデンゲン・インドネシア、広州新電元電器有限公司、シンデンゲン(タイランド)カンパニー・リミテッド、シンデンゲン・ベトナム・カンパニー・リミテッドが製造しております。
(その他)
連結子会社である新電元スリーイー㈱および関連会社である新電元メカトロニクス㈱が製造しております。
販売については全部門とも当社が一括仕入れ、当社のほか連結子会社である、シンデンゲン・アメリカ・インコーポレイテッド、新電元(香港)有限公司、新電元(上海)電器有限公司、シンデンゲン・ユーケー・リミテッドおよびシンデンゲン・シンガポール・ピーティーイー・リミテッドを通じて販売しております。
なお、連結子会社であるシンデンゲン・インディア・プライベート・リミテッド、ピーティー・シンデンゲン・インドネシア、広州新電元電器有限公司、シンデンゲン(タイランド)カンパニー・リミテッド、シンデンゲン・ベトナム・カンパニー・リミテッドおよび関連会社である新電元メカトロニクス㈱においては製品の全部または一部を直接販売しております。
事業の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動に持ち直しの動きが見られました。一方、地政学リスクに起因する物価の高騰や原材料・エネルギー価格の上昇、為替の急激な変動など、不安定な状況が続きました。
当社グループは2022年度から2024年度までの3ヶ年を期間とした第16次中期経営計画を策定し、経営方針に「稼ぐ体質づくり」、「伸長事業拡大の布石」、「温室効果ガス排出量削減分野へのリソース配分」を掲げました。モビリティ分野において環境対応車向けにパワーモジュールやDC/DCコンバータの新製品を投入したほか、EV充電器のラインナップ拡充や二輪EV向けPCU(パワーコントロールユニット)を開発しました。また、新しいビジネスモデルの創出を目指しデジタルトランスフォーメーションの推進体制を構築するなど、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた取組みを進めております。
このようななか、当連結会計年度の売上高はモビリティ分野の伸長や価格転嫁を進めたことのほか円安効果もあり101,007百万円(前期比9.6%増)、営業利益は増収効果があったものの、材料費・電気料金の高騰や棚卸評価損、品質保証に関する費用の計上などにより3,621百万円(前期比34.9%減)、経常利益は為替差益が発生したことなどにより経常利益は4,326百万円(前期比25.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は繰延税金資産の取り崩しや遊休資産の減損などにより親会社株主に帰属する当期純利益は1,644百万円(前期比72.1%減)となりました。
第16次中期経営計画最終年度である2025年3月期における経営指標に対しては、売上高1,180億円の目標値に対し1,010億円、営業利益率6.6%の目標値に対し3.6%、ROE8.3%の目標値に対し2.7%、ROA3.5%の目標値に対し1.2%となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
また、セグメント間の取引については相殺消去して記載しております。
(デバイス事業)
デバイス事業の売上高は37,232百万円(前期比2.3%増)、営業利益は2,944百万円(前期比41.6%減)となりました。
パワー半導体はサプライチェーンの混乱や中華圏における景気低迷で伸び悩んだものの、円安基調が進んだことにより増収を確保しました。損益面においては、生産能力増強のための労経費増加や材料費・電気料金の高騰があったほか、不採算製品の整理に伴う棚卸評価損を計上したことなどにより減益となりました。
(電装事業)
電装事業の売上高は56,984百万円(前期比22.5%増)、営業利益は5,281百万円(前期比25.5%増)となりました。
主力の二輪向け製品は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け低迷した前期から大幅に伸長し、四輪向け製品は新製品投入効果により増加しました。くわえて為替相場が円安に推移したことで増収となりました。損益面においては、材料費・物流費の高騰や品質保証に関する費用の計上があったものの、増収や円安効果などにより増益となりました。
(その他)
その他の売上高は6,790百万円(前期比26.8%減)、営業損失は72百万円(前期は196百万円の利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フ ローで2,736百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで4,088百万円減少、財務活動によるキャッシュ・ フローで3,549百万円減少した結果、前連結会計年度末に比べ資金は4,014百万円減少し、当連結会計年度末は25,147百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,736百万円のプラス(前期は8,290百万円のプラス)となりまし た。これは、主に棚卸資産の増加額が5,470百万円となったものの、税金等調整前当期純利益が4,073百万円、 減価償却費が5,714百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,088百万円のマイナス(前期は7,907百万円のマイナス)となりま した。これは、主に有形固定資産の取得による支出が4,731百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,549百万円のマイナス(前期は1,273百万円のプラス)となりまし た。これは、主に長期借入金4,400百万円の資金調達をしたものの、長期借入金の約定弁済が5,100百万円、社債の償還による支出が1,455百万円となったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
デバイス事業(百万円) |
40,105 |
5.9 |
電装事業(百万円) |
57,745 |
20.3 |
報告セグメント計(百万円) |
97,850 |
13.9 |
その他(百万円) |
6,872 |
△22.2 |
合計(百万円) |
104,723 |
10.6 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については含まれておりません。
3.当連結会計年度より報告セグメントの区分を一部変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値に基づき算出しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
デバイス事業 |
34,505 |
△16.5 |
7,841 |
△25.9 |
電装事業 |
58,337 |
25.5 |
3,506 |
48.2 |
報告セグメント計 |
92,842 |
5.7 |
11,348 |
△12.3 |
その他 |
7,193 |
△31.4 |
1,027 |
△34.9 |
合計 |
100,035 |
1.8 |
12,376 |
△14.8 |
(注)当連結会計年度より報告セグメントの区分を一部変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値に基づき算出しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
デバイス事業(百万円) |
37,232 |
2.3 |
電装事業(百万円) |
56,984 |
22.5 |
報告セグメント計(百万円) |
94,216 |
13.7 |
その他(百万円) |
6,790 |
△26.8 |
合計(百万円) |
101,007 |
9.6 |
(注)1.セグメント間の取引については含まれておりません。
2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を一部変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値に基づき算出しております。
3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
ピー・ティ・アストラホンダモーター |
9,875 |
10.71 |
11,425 |
11.31 |
4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。これらの見積りについては、継続的に評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
a.資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、138,092百万円(前期比3,051百万円増)となりました。これは、主に現金及び預金が減少したものの、棚卸資産が増加したことによるものであります。
負債は75,553百万円(前期比2,258百万円減)となりました。これは、主に長期借入金の減少及び退職給付制度の改定に伴う退職給付に係る負債の減少によるものであります。
純資産は、62,539百万円(前期比5,310百万円増)となりました。これは、主に利益剰余金の増加及び退職給付制度改定に伴う退職給付に係る調整累計額の増加によるものであります。
以上の結果、1株当たり純資産は6,066円34銭となりました。
b.連結損益及び包括利益計算書の分析
当連結会計年度の売上高は101,007百万円(前期比9.6%増)となりました。当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動に持ち直しの動きが見られました。一方で地政学リスクに起因する物価の高騰や原材料・エネルギー価格の上昇、為替の急激な変動など、不安定な状況が続きました。このようななか、営業利益は3,621百万円(前期比34.9%減)、経常利益は4,326百万円(前期比25.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,644百万円(前期比72.1%減)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し
新型コロナウイルスのパンデミックが収束し景気は緩やかに回復していくと想定するものの、米中対立の深刻化、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、原材料・エネルギー価格の高止まりなど、依然として不確実性の高い状況が続くと見込んでおります。
パワーデバイス分野においては、世界経済悪化に伴う急激な需要の減少や、原材料費、物流費高騰による調達コストの増加、競争激化など、外部環境の変化に影響を受けるリスクを伴っております。また、アジアを中心とする二輪車市場においては、需要の急変、為替変動の影響など不安定要素をはらんでおります。さらに、各製品の生産拠点において、日常の安全衛生管理および危機管理のための対策は取っておりますが、予期せぬ天変地異、災害、停電などの事態が発生した場合、その影響を完全に防止または軽減できないことがあります。
一方、EV化の進展などモビリティ分野を中心にパワーエレクトロニクス製品の需要は中長期的に拡大する見込みであり、「長期ビジョン2030」および「第16次中期経営計画」で掲げた諸施策を確実に実行し、特長ある製品開発および市場投入のスピードアップを図ってまいります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで前連結会計年度より5,554百万円少ない2,736百万円のプラスとなりました。これは、主に棚卸資産の増加額が5,470百万円となったことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より3,818百万円少ない4,088百万円の資金を使用いたしました。これは、主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より4,823百万円多い3,549百万円の資金を使用いたしました。これは、主に長期借入金4,400百万円の資金調達をしたものの、長期借入金の約定弁済が5,100百万円、社債の償還による支出が1,455百万円となったことによるものであります。
これにより当社グループの有利子負債の残高は37,529百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,350百万円減少いたしました。また、手元資金の残高は前連結会計年度末に比べて4,014百万円減少し、25,147百万円となりましたが、必要な手元流動性は十分に確保されていると考えております。