売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01950 IFRS

売上高

4,865.1億 円

前期

5,601.9億 円

前期比

86.8%

時価総額

4.95兆 円

株価

6,460 (07/12)

発行済株式数

766,141,256

EPS(実績)

81.30 円

PER(実績)

79.46 倍

平均給与

1,005.4万 円

前期

1,010.0万 円

前期比

99.5%

平均年齢(勤続年数)

46.0歳(20.4年)

従業員数

2,011人(連結:6,766人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステム製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、非メモリ半導体デバイスのテストシステムであるSoC半導体用テストシステム、メモリ半導体デバイスのテストシステムであるメモリ半導体用テストシステムなどの製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外部委託企業が担当しております。

 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. および Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。

 開発活動は、当社、Advantest Europe GmbHおよびAdvantest America, Inc.等が担当しております。

(メカトロニクス関連事業部門)

 メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。

 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外部委託企業で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。

 開発活動は、主に当社で行っております。

(サービス他部門)

 サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されております。

 以上に述べた当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば次頁のとおりであります。

事業系統図

※画像省略しています。

 上記以外に連結子会社が26社あります。

 連結子会社(国内7社、海外33社、合計40社)

 

24/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況の分析

① 業績

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

前年度比

(百万円)

前年度比

(%)

売上高

560,191

486,507

△73,684

△13.2

 売上原価

 販売費および一般管理費

 その他の損益

△241,130

△152,042

668

△240,477

△158,963

△5,439

653

△6,921

△6,107

△0.3

4.6

営業利益

167,687

81,628

△86,059

△51.3

 営業利益率

29.9%

16.8%

△13.1%

 金融損益

3,583

△3,458

△7,041

税引前利益

171,270

78,170

△93,100

△54.4

 法人所得税費用

△40,870

△15,880

24,990

△61.1

当期利益

130,400

62,290

△68,110

△52.2

当期利益の帰属:

 親会社の所有者

 

130,400

 

62,290

 

△68,110

 

△52.2

 当連結会計年度における世界経済は、コロナ後の正常化が進んだものの、欧米を中心とした金融引き締め政策や中国経済の成長鈍化などから、全体としては減速感が強まりました。

 このような世界経済情勢のもと、スマートフォンやパソコン、テレビなど主要な民生機器の需要は停滞し、データセンタへの投資も減速したことから、それらに関連する半導体の需要が落ち込みました。一方で半導体市場においては、生成AI関連などの一部の半導体では需要の増加が見られ、半導体売上も下半期には増加に転じましたが、年間を通しては前年度と同水準となりました。

 当社の半導体試験装置ビジネスにおいては、過去3年度にわたり顧客の旺盛な投資が行われてきました。しかし半導体市況が弱含んだことで、多くの顧客サプライチェーンにおける設備の余剰が発生し、当社製品の需要は前年度に比べて大きく落ち込みました。

 

 当連結会計年度の平均為替レートは米ドルが143円(前年度134円)、ユーロが155円(前年度140円)となりました。

(売上高)

 2022年度までの過去3年度にわたり多くのテスタを顧客に納入していたことと、市場の停滞が相まって、顧客設備の稼働率が低く推移したことから、当社製品の需要が落ち込みました。事業別でみると、SoCテスタでは、車載や産業機器などの成熟プロセス品向けの販売は堅調だったものの、スマートフォンやパソコンなどの主要な民生機器やデータセンタに関連した先端プロセス品向けの売上が減少しました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前年度に比べ73,684百万円(13.2%)減少の486,507百万円となりました。

 

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は、前年度に比べ売上高の減少により、653百万円(0.3%)減少の240,477百万円となりました。売上原価率は、製品ミックスの変化および原材料費の上昇により、前年度に比べ6.4ポイント増加の49.4%となりました。

 

(販売費および一般管理費)

 当連結会計年度の販売費および一般管理費は、前年度に比べ6,921百万円(4.6%)増加の158,963百万円となりました。

(その他の損益)

 当連結会計年度のその他の損益は、第4四半期にのれんの一部減損損失8,998百万円を計上したことなどから、前年度668百万円の利益から6,107百万円悪化し5,439百万円の損失となりました。

 

(営業利益)

 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前年度に比べ86,059百万円(51.3%)減少の81,628百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は、前年度比13.1ポイント減少の16.8%となりました。

 

(金融損益)

 当連結会計年度の金融収益と金融費用を合わせた金融損益は、前年度3,583百万円の利益から7,041百万円悪化し3,458百万円の損失となりました。これは主に、為替差損による金融費用が増加したことによります。

 

(税引前利益)

 以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は、前年度に比べ93,100百万円(54.4%)減少の78,170百万円となりました。

 

(法人所得税費用)

 当社グループの法人所得税費用の実際負担税率は、当連結会計年度は20.3%、前年度は23.9%でありました。将来一定期間に日本国内において実現する可能性が高い繰延税金資産約38億円を第4四半期に計上した結果、実際負担税率がやや低くなりました。当社グループの当連結会計年度および前年度の法人所得税に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」(以下、「連結財務諸表の注記」という。)の注記15に記載しております。

 

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

 以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年度に比べ68,110百万円(52.2%)減少の62,290百万円となり、売上高に対する親会社の所有者に帰属する当期利益の比率は、前年度比10.5ポイント減少の12.8%となりました。

 

② 生産、受注および販売の実績

 a.生産、受注実績

 当社グループは、原則として受注に基づいた生産を行っており、生産実績については販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。

 

 b.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年度比(%)

半導体・部品テストシステム事業部門

331,542

△18.0

メカトロニクス関連事業部門

52,695

△12.0

サービス他部門

102,270

6.4

内部取引消去

合計

486,507

△13.2

 (注)1.セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。

    2.当連結会計年度において、主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

金額 (百万円)

割合 (%)

Samsung Electronics Co., Ltd.

55,325

11.4%

 (注)前連結会計年度において、外部顧客への売上高のうち連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

③ セグメントの業績

(半導体・部品テストシステム事業部門)

 当部門は、当連結会計年度において売上高の68.1%を占めております。

 当部門では、SoC半導体用試験装置は自動車や産業機器関連などの成熟半導体に向けた売上は堅調でした。しかしながらスマートフォン市況の停滞やサーバー投資の減速から、それらに関連する高性能な半導体に向けた売上が落ち込みました。メモリ半導体用試験装置の売上については、高性能DRAMに向けた旺盛な試験装置需要や中国メモリ企業向け売上の伸長により前年度を上回りました。利益面においては、減収に加え、製品ミックスの変化や原材料費の上昇もあり、当セグメントの収益性が低下しました。

 以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて72,710百万円(18.0%)減少の331,542百万円、セグメント利益は前年度に比べて71,270百万円(43.7%)減少の91,916百万円となりました。

 

(メカトロニクス関連事業部門)

 当部門は、当連結会計年度において売上高の10.8%を占めております。

 当部門では、半導体試験装置の需要減少を背景に、関連するデバイス・インタフェース製品、テスト・ハンドラの売上が減少しました。

 以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて7,179百万円(12.0%)減少の52,695百万円、セグメント利益は前年度に比べて5,793百万円(38.7%)減少の9,171百万円となりました。

 

(サービス他部門)

 当部門は当連結会計年度において売上高の21.0%を占めております。

 当部門では、当社製品の設置台数の増加に伴い保守サービスの売上は伸長しました。しかしながら、システムレベルテスト事業においては、中長期的な事業成長を見越した生産体制強化の取り組みによるコストが増加しました。加えて、テストソケットに関連するEssai, Inc.のビジネスにおいて大口顧客向け売上予想が落ち込み、想定していた将来キャッシュ・フローの見通しが悪化したことで、のれんの一部減損損失8,998百万円を計上しました。これらの結果、当セグメントの利益額は前年度を大幅に下回りました。なお当連結会計年度のセグメント損失は、取引先との係争に関する受取和解金等による利益3,179百万円を含んでいます。

 以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて6,166百万円(6.4%)増加の102,270百万円、セグメント損失は前年度7,629百万円の利益から10,457百万円悪化し2,828百万円の損失となりました。

 

④ 地域別売上高

 当連結会計年度の海外売上比率は95.9%(前連結会計年度96.3%)となりました。

 

(日本)

 当連結会計年度の日本における売上高は、前年度に比べ799百万円(3.9%)減少の19,723百万円となりました。

 

(日本以外のアジア)

 当連結会計年度の日本以外のアジアにおける売上高は、前年度に比べ67,939百万円(14.2%)減少の411,520百万円となりました。これは主に、台湾と韓国において、SoC半導体用試験装置が低調だったことによります。

 

(米州)

 当連結会計年度の米州における売上高は、前年度に比べ5,261百万円(12.3%)減少の37,621百万円となりました。

 

(欧州)

 当連結会計年度の欧州における売上高は、前年度に比べ315百万円(1.8%)増加の17,643百万円となりました。

 

(2)財政状態およびキャッシュ・フローの状況の分析

① 流動性および資金源

 当社グループの資金・財務政策は、当社の経理部門が所管しております。当社は資金需要に関して、営業活動により稼得した現預金ならびに手許の現金および現金同等物から充当するほか、必要に応じて債券の発行および株式等の発行ならびに金融機関からの借入れにより資金を調達することが可能であります。

 また、中期的に半導体業界および半導体・部品テストシステム業界の状況が低迷する場合、当社は将来の設備投資またはその他の運転資金需要のために債券の発行または希薄化効果を伴う株式等の発行等を行う可能性があります。

 

② キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末の現金および現金同等物は前年度末より21,165百万円増加の106,702百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度は、32,668百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ37,556百万円の収入の減少となりました。これは税引前利益78,170百万円、法人所得税の支払額(△45,984百万円)、棚卸資産の増加(△30,923百万円)、営業債権およびその他の債権の減少(17,400百万円)、営業債務およびその他の債務の減少(△16,857百万円)の他、減価償却費などの非資金項目等の損益を調整した結果によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度は、27,940百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ1,234百万円の支出の増加となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(△19,592百万円)と子会社の取得による支出(△8,260百万円)によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度は、10,760百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ88,194百万円の収入の増加となりました。これは主に、長期借入れによる収入(54,665百万円)、配当金の支払額(△24,881百万円)、長期借入金の返済による支出(△14,667百万円)によるものであります。

③ 資産、負債および資本

 当連結会計年度末の資産は、前年度末に比べ71,005百万円増加の671,229百万円となりました。この主な要因は、棚卸資産が35,307百万円、現金および現金同等物が21,165百万円、有形固定資産が14,838百万円それぞれ増加したことなどによります。

 負債は、前年度末に比べ8,521百万円増加の240,051百万円となりました。この主な要因は、借入金が41,786百万円増加したものの、未払法人所得税が20,373百万円、営業債務およびその他の債務が12,399百万円それぞれ減少したことなどによります。

 資本または親会社の所有者に帰属する持分は、前年度末に比べ62,484百万円増加の431,178百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は前年度末比2.8ポイント増加の64.2%となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載しております。

(4)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

 当社の連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。

 この連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の判断、見積りおよび仮定を用いております。見積りおよび仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積りおよび仮定と異なることがあります。

 重要性がある会計方針および重要な会計上の見積りは、連結財務諸表の注記3、注記4および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載しております。