E02013 Japan GAAP
前期
587.9億 円
前期比
110.4%
株価
3,245 (04/26)
発行済株式数
3,417,006
EPS(実績)
442.70 円
PER(実績)
7.33 倍
前期
524.4万 円
前期比
97.9%
平均年齢(勤続年数)
42.4歳(17.3年)
従業員数
649人(連結:4,362人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、ASTI株式会社(当社)及び子会社8社により構成されており、その主な事業は、車載電装品、民生産業機器、ワイヤーハーネスの製造販売及び新規開発に関する事業であります。
当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、次の部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1)車載電装品
主要な製品は、各種電子制御ユニット、エアコン制御システム、コーナーセンサ等であり、当社のほか、子会社のASTI ELECTRONICS INDIA PRIVATE LIMITED、ASTI INDIA PRIVATE LIMITED、ASTI ELECTRONICS HANOI CORPORATION、ASTI ELECTRONICS CORPORATION及び浙江雅士迪電子有限公司において製造販売しております。
(2)民生産業機器
主要な製品は、洗濯機用・食器洗浄機用電子制御基板、通信用スイッチユニット、産業用ロボットコントローラ基板等であり、当社のほか、子会社のASTI ELECTRONICS HANOI CORPORATION、ASTI ELECTRONICS CORPORATION及び杭州雅士迪電子有限公司において製造販売しております。
(3)ワイヤーハーネス
主要な製品は、四輪・二輪用ワイヤーハーネス、船舶用ワイヤーハーネス等であり、当社のほか、子会社のASTI ELECTRONICS INDIA PRIVATE LIMITED、ASTI INDIA PRIVATE LIMITED、ASTI ELECTRONICS HANOI CORPORATION、ASTI ELECTRONICS CORPORATION、浙江雅士迪電子有限公司及びASTI MANUFACTURING PHILIPPINES INC.にて製造販売しております。
[事業系統図]
当社グループを事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の流行による生産への影響はかなり緩和されてまいりましたが、ウクライナ情勢を起点とした世界経済の分断、半導体を始めとした重要部品の入手困難、世界的な金融引き締めの影響による円安の進行及び物価上昇など、製造業を取り巻く経済環境には厳しいものがありました。
当社グループといたしましては、受注に対する誠実な生産を第一とし、納期遵守、良品生産を旨とした事業運営を行ってまいりました。
当社グループの納入先企業の好調な販売に支えられ、当連結会計年度の業績は、売上高は64,883百万円(前期比10.4%増)となりましたが、原材料の高騰、急激な円安による製造原価の上昇、流通網の混乱による臨時的な航空貨物の利用などによりコストが嵩み、営業利益は1,894百万円(同573.6%増)と過去最高を更新したものの、売上高営業利益率は3%を割り込む状況となりました。経常利益は、円安による海外子会社の負債の換算替を主な要因とする為替差益194百万円があり、こちらも過去最高の2,095百万円(同149.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は1,512百万円(同115.2%増)となりました。
提出会社の売上高は39,230百万円(前期比0.3%増)、営業利益は1,271百万円(同233.2%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(車載電装品)
車載電装品では、各種電子制御ユニット等の販売増により、売上高は18,117百万円(前期比5.6%増)、営業利益451百万円(同66.1%増)となりました。
(民生産業機器)
民生産業機器では、通信用スイッチユニット及び洗濯機用電子制御基板等の販売増により、売上高は21,599百万円(前期比8.7%増)、営業利益は283百万円(同52.0%減)となりました。
(ワイヤーハーネス)
ワイヤーハーネスでは、四輪用及び船舶用ワイヤーハーネスの販売増により売上高は25,081百万円(前期比15.8%増)、営業利益は1,434百万円(前期は344百万円の営業損失)となりました。
(その他)
その他では、売上高は85百万円(前期比24.4%減)、営業損失は279百万円(前期は298百万円の営業損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べ873百万円増加し、2,838百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の取得は、4,911百万円(前期は4,754百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,073百万円及び減価償却費1,788百万円を反映したものであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上高の増加による付加価値の増加及び前期におけるベトナム工場のロックダウンに伴う代替生産からの正常化等により当期純利益が増加したことにより、大きく資金を取得する結果となりました。翌期においては引続き半導体を始めとした原材料の調達難等の不安定な状況が懸念されますが、国内外における販売活動の強化及び在庫削減に努め、営業キャッシュ・フローの増加に努めてまいります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の支出は、4,980百万円(前期は1,355百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,736百万円を反映したものであります。
国内において、低炭素社会の実現に資する新工場を建設いたしました。翌期については、新工場の生産インフラ整備及びフィリピン子会社の生産設備の増強など、グループの成長のために必要な投資を中心に投資活動を実施していく考えであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の取得は、890百万円(前期は5,700百万円の取得)となりました。これは主に、借入金の増加額1,093百万円を反映したものであります。
新工場建設のための資金需要に対応するため、長期借入による資金調達を実施いたしました。翌期においては、受注の変動に対応した生産在庫水準の適正化に努め、資金の効率的な利用を図ってまいります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 |
|
千円 |
% |
車載電装品 |
19,411,126 |
2.3 |
民生産業機器 |
22,849,612 |
7.4 |
ワイヤーハーネス |
29,799,940 |
△2.3 |
報告セグメント計 |
72,060,679 |
1.9 |
その他 |
221,303 |
0.9 |
合計 |
72,281,982 |
1.9 |
(注)金額は販売価格で表示しており、最終工程の生産実績をセグメント別に集計し、連結会社間取引消去前の数値によっております。
(b)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
車載電装品 |
18,845,758 |
△0.5 |
1,477,080 |
△24.3 |
民生産業機器 |
22,261,665 |
2.4 |
3,237,584 |
△13.3 |
ワイヤーハーネス |
28,915,619 |
△4.0 |
1,900,883 |
△25.0 |
報告セグメント計 |
70,023,043 |
△1.1 |
6,615,547 |
△19.5 |
その他 |
224,759 |
3.3 |
7,861 |
1,236.9 |
合計 |
70,247,802 |
△1.1 |
6,623,408 |
△19.4 |
(注)金額は販売価格で表示しております。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 |
|
千円 |
% |
車載電装品 |
18,117,121 |
5.6 |
民生産業機器 |
21,599,864 |
8.7 |
ワイヤーハーネス |
25,081,553 |
15.8 |
報告セグメント計 |
64,798,539 |
10.4 |
その他 |
85,073 |
△24.4 |
合計 |
64,883,613 |
10.4 |
(注)1.セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
千円 |
% |
千円 |
% |
ヤマハ発動機㈱ |
8,580,399 |
14.6 |
8,453,443 |
13.0 |
スズキ㈱ |
8,793,219 |
15.0 |
7,737,411 |
11.9 |
㈱シマノ(注)3 |
- |
- |
6,533,445 |
10.1 |
3.前連結会計年度においては、当該割合が10%未満であったため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。
当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。当連結会計年度末においては、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
新型コロナウイルス感染症の影響を含め、重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、中期経営計画「VISION2025」の2年目として、「低炭素社会の実現に資する電子ユニット」「重要電子機器をつなぐワイヤーハーネス」「新規事業」「海外における受注生産事業」の4つの重点分野に集中的に取り組んでまいりました。
具体的には、「低炭素社会の実現に資する電子ユニット」について、世界的な脱炭素化の流れが加速している中で、当社のパワーエレクトロニクス製品の開発を加速すべくインド子会社にR&D部門を立上げ、現地技術人材を確保し、開発・営業活動を進めてまいりました。また、浜松市北部に低炭素社会に適応した新工場の建設を完了し稼働に向けての準備を進めてまいりました。
「重要電子機器をつなぐワイヤーハーネス」につきましては、フィリピンにおいて子会社を設立し、生産活動を開始しております。BCPの観点から複数拠点からの製品供給能力の向上を図る取組みを推進しております。
「新規事業」につきましては、メディカル関連・超音波関連の新製品の開発・製造に注力、超音波関連では新製品の販売を開始いたしました。
「海外における受注生産事業」につきましては、主に中国において四輪車向けワイヤーハーネス、インドにおいて四輪車・二輪車向けの電子部品の生産が拡大しております。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ6,093百万円増加し、64,883百万円(前期比10.4%増)となりました。新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され得意先企業の好調な受注の影響から特にワイヤーハーネスで販売増となり、600億円を超える売上を計上する結果となりました。各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、車載電装品が27.9%、民生産業機器が33.3%、ワイヤーハーネスが38.7%、その他が0.1%となりました。
提出会社の売上高は、39,230百万円(同0.3%増)となり、国内においては前連結会計年度と同水準の売上を計上する結果となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ2,014百万円増加し、6,388百万円(前期比46.1%増)となりました。売上総利益率は、コロナウイルス感染症の影響を受けたベトナム子会社のロックダウンに伴う代替生産体制からの正常化によるプラス要素はありましたが、円安の影響による原価上昇の影響もあり、前連結会計年度に比べ2.4ポイント増加の9.8%にとどまりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ401百万円増加し、4,494百万円(前期比9.8%増)となりました。
提出会社の営業利益は1,271百万円(同233.2%増)となり、代替生産からの正常化による影響が大きく、増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ1,612百万円増加し、1,894百万円(同573.6%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ為替差益の発生が少なかったことにより、前連結会計年度に比べ285百万円減少し、409百万円(前期比41.1%減)となりました。
営業外費用は、輸送事故に伴う棚卸資産廃却損の発生により、前連結会計年度に比べ72百万円増加し、208百万円(同53.7%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ1,254百万円増加し、2,095百万円(同149.3%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、連結会計年度に比べ44百万円減少し、3百万円(前期比92.6%減)となりました。特別損失は、前期と同程度の固定資産処分損の発生により、25百万円(同0.8%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ809百万円増加し、1,512百万円(同115.2%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延は落ち着きつつありますが、ウクライナ情勢等による世界経済への影響は当面予断を許さない状況が続くと想定されるため、受注の変動に対応できる生産体制の合理化、省人化等に注力してまいります。中期的には、販売先の多角化が必須な状況であり、新規顧客の開拓、新規商品の開発を進めてまいります。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、28,868百万円(前年度末比0.4%減)となりました。電子記録債権の減少1,493百万円(同48.9%減)が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、17,488百万円(同27.1%増)となりました。新工場の建設に伴う建物及び構築物の増加3,375百万円(同78.7%増)が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、14,916百万円(前年度末比2.9%減)となりました。短期借入金の減少1,150百万円(同14.4%減)が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、10,335百万円(同27.3%増)となりました。新工場建設資金の調達による長期借入金の増加2,258百万円(同29.0%増)が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、21,104百万円(前年度末比9.5%増)となりました。利益剰余金の増加1,387百万円(前年度末比10.4%増)が主な要因であります。
キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は17,036百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,838百万円となっております。