E02431 Japan GAAP
前期
58.5億 円
前期比
99.4%
株価
480 (05/02)
発行済株式数
9,152,400
EPS(実績)
-39.99 円
PER(実績)
--- 倍
前期
433.1万 円
前期比
107.9%
平均年齢(勤続年数)
44.9歳(22.7年)
従業員数
389人
当社は、ディスプレイ、モビリティ、半導体・電子部品、その他品目向け製品の製造・販売、成膜関連部材の販売、成膜関連サービスの提供等を行っております。
当社の事業内容は次のとおりであります。なお、当社は成膜加工関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
(1)ディスプレイ
主に液晶表示パネル用としてのITO、メタル等を成膜した基板や商材
(主な用途)
スマートフォン、タブレット、自動車、その他モバイル機器等の表示用又はタッチパネル用基板
(2)モビリティ
主に交通・移動手段に関連する機器用としてのカバーパネル、ヒーター商材、g.moth®商材、その他商材
(主な用途)
自動車、鉄道、船舶、航空機、その他輸送用機器、及び道路・交通インフラ設備
(3)半導体・電子部品
主に電気・電子機器、精密機器用として成膜した基板や商材
(主な用途)
半導体、センサー、太陽電池、燃料電池、通信デバイス
(4)その他
主に上記以外の成膜製品、成膜加工用部材、表面加工ソリューションサービス等
事業系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(注)原材料(成膜対象となる基板等)については、得意先から有償または無償で支給される場合と自社で調達する場合があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社は2022年8月8日付で連結子会社であった吉奥馬科技(無錫)有限公司の全出資持分を譲渡したことに伴い、第1四半期累計期間までは連結決算でありましたが、第2四半期累計期間より非連結決算へ移行いたしました。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ1,343百万円減少し、17,425百万円となりました。これは主に、流動資産では現金及び預金が309百万円、売掛金が926百万円減少、原材料及び貯蔵品が627百万円増加、固定資産では関係会社出資金が156百万円、関係会社長期貸付金が588百万円減少したことなどによるものであります。
負債合計は、前事業年度末に比べ1,064百万円減少し、7,291百万円となりました。これは主に、流動負債の買掛金が446百万円、設備関係支払手形が505百万円減少したことなどによるものであります。
純資産合計は、前事業年度末に比べ278百万円減少し、10,133百万円となりました。これは、利益剰余金が366百万円減少、その他有価証券評価差額金が87百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は58.2%、1株当たり純資産額は1,281円10銭となりました。
b.経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスに対する行動制限の緩和により経済活動に正常化への動きが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化や欧米におけるインフレ抑制に向けた政策金利の上昇、原材料価格やエネルギー価格の高騰が続くなど依然不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社を取り巻く事業環境は、当社の主力製品が関連する自動車市場において、半導体供給不足が徐々に解消し自動車生産では回復の動きがみられるものの、当社の取引先である部品メーカーにおいて、車載用部品在庫を適正な水準まで戻すべく生産調整が行われたことから、自動車向けを中心に好調だった第3四半期までに対し、第4四半期は極めて厳しい状況で推移いたしました。
この結果、売上高は5,812百万円(前期比0.6%減)となりました。損益につきましては、第3四半期までモビリティや半導体・電子部品、その他製品向け薄膜製品の売上が安定的に推移したことから利益を積み上げておりましたが、第4四半期に入り、エネルギー価格高騰が利益を圧迫している状況に加え、自動車向け薄膜製品の売上が急減速したことから大幅に利益が減少いたしました。この結果、営業利益は66百万円(前期比69.8%減)となりました。経常利益は、円安に伴う為替差益39百万円を営業外収益に計上したことなどから140百万円(前期比57.2%減)となりました。また、第2四半期において当社の連結子会社であった吉奥馬科技(無錫)有限公司の全出資持分の譲渡に伴う事業譲渡損493百万円を特別損失に計上したことから、当期純損失は366百万円(前期は528百万円の当期純損失)となりました。
品目別の状況は、次のとおりであります。なお、当社は、成膜加工関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
(ディスプレイ)
液晶パネル用帯電防止膜やタッチパネル用透明導電膜は、自動車やウエアラブル端末向けディスプレイパネルが第3四半期まで安定的に推移しておりましたが、第4四半期は取引先での生産調整の影響により低調に推移いたしました。
この結果、売上高は2,107百万円(前期比18.3%減)となりました。
(モビリティ)
モビリティ向け薄膜製品は、自動車向けカバーパネルが前期下期に投入した生産ラインの効果により好調に推移しておりましたが、第4四半期からは取引先の生産調整の影響により低調に推移いたしました。
この結果、売上高は1,821百万円(前期比14.0%増)となりました。
(半導体・電子部品)
半導体・電子部品向け薄膜製品は、電極膜や金属配線膜等を中心に受注は安定的に推移いたしました。
この結果、売上高は1,144百万円(前期比11.5%増)となりました。
(その他)
その他薄膜製品及び関連部材は、顧客や商材毎での増減はあるものの全体としては順調に推移いたしました。
この結果、売上高は738百万円(前期比15.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
前事業年度まで連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりましたが、当事業年度からキャッシュ・フロー計算書を作成しているため、前期との比較は行っておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ190百万円増加し、5,774百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は306百万円となりました。
これは主に、売上債権が923百万円減少し、棚卸資産が660百万円増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は42百万円となりました。
これは主に、有価証券の償還による収入300百万円、事業譲渡による収入361百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出が789百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は78百万円となりました。
これは主に、長期借入れによる収入650百万円と長期借入金の返済による支出727百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は、成膜加工関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
ディスプレイ |
2,108,129 |
81.6 |
モビリティ |
1,822,717 |
114.1 |
半導体・電子部品 |
1,145,913 |
111.7 |
その他 |
532,755 |
117.3 |
合計 |
5,609,515 |
99.1 |
(注)金額は販売価額によっております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
ディスプレイ |
2,021,375 |
78.5 |
127,046 |
59.6 |
モビリティ |
1,746,179 |
106.4 |
126,522 |
62.8 |
半導体・電子部品 |
1,262,049 |
123.8 |
232,022 |
202.3 |
その他 |
699,707 |
97.5 |
87,326 |
69.0 |
合計 |
5,729,311 |
96.3 |
572,918 |
87.4 |
(注)金額は販売価額によっております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
ディスプレイ |
2,107,437 |
81.7 |
モビリティ |
1,821,038 |
114.0 |
半導体・電子部品 |
1,144,726 |
111.5 |
その他 |
738,859 |
115.1 |
合計 |
5,812,063 |
99.4 |
(注)当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
㈱ミクロ技術研究所 |
673,276 |
11.5 |
937,948 |
16.1 |
シャープディスプレイテクノロジー㈱ |
896,446 |
15.3 |
849,854 |
14.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当事業年度の財政状態の状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ34百万円減少し、5,812百万円(前期比0.6%減)となりました。
当社が従来、主力としてきたスマートフォン市場はライフサイクルの長期化や有機ELパネルへの置き換えなどにより当社製品の需要が低迷しており、ディスプレイ品目におけるスマートフォン向けの売上は大幅に低下しております。このような環境変化を踏まえ、当社では事業ポートフォリオを転換すべくディスプレイ偏重から脱却し、モビリティ、半導体・電子部品の構成比を高めることで事業領域の拡大に努めてまいりました。ディスプレイが前期比2割近く減収となったのに対し、その他の各品目が2桁の増収となったことで一定の成果を上げているものの、全体の売上合計では前期をわずかに下回りました。
また、年度後半に需要が落ち込むことは想定してはいたものの第4四半期(2023年1月~3月)の急激な落ち込みは想定以上であり、特に順調に売り上げを伸ばしていたモビリティが設備増強後、初めて大幅な減収となりました。その中で、半導体・電子部品の売上は比較的堅調に推移しており、引き続き注力していきたいと考えております。
(営業利益)
売上高は前期と同水準を確保したものの、ウクライナ情勢や円安などによりエネルギー価格が高騰し、電力料は前期と比較して235百万円の増加(前期比60.7%増)となりました。これが様々なコスト削減努力を打ち消す結果となったこともあり、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ153百万円減少し、66百万円(前期比69.8%減)となりました。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は、140百万円(前期比57.2%減)となりました。引き続き為替相場が円安方向で推移したため、為替差益39百万円が発生したことから営業外収支は74百万円のプラスとなりました。
(当期純損失)
当事業年度の当期純損失は366百万円(前期は528百万円の当期純損失)となりました。
これは、2022年8月に子会社である吉奥馬科技(無錫)有限公司の全出資持分の譲渡を実行し、事業譲渡損493百万円を特別損失に計上したことによるものです。中国市場においては当社製品の需要低迷が継続しており回復の見込みが厳しいことから、今後の当社事業の方向性を勘案した結果、経営資源を日本国内へ集中することが最優先であると判断いたしました。
昨今の情勢を踏まえると、懸案であった中国事業に区切りをつけ、経営資源を国内事業に集中できたことは成果であった一方、国内事業において想定以上の受注減に直面しており、既存事業の強化はもとより新規分野の開拓が急務であると認識しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金需要と生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資等の長期資金需要であります。
当社は、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを基本方針としております。運転資金需要には自己資金及び金融機関からの短期借入により、また、設備投資などの長期資金需要に対しては、主に金融機関からの長期借入を基本としております。
当面の設備投資資金につきましては、可能な範囲で金融機関からの長期借入により調達することとし、手元流動性は経営環境の変化に備えて十分確保するとともに、当社の新たな収益源への投資を引き続き検討してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載したとおりであります。