株式会社アクセスグループ・ホールディングス

上場日 (2018-11-06)  サービス業広告スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E34379 Japan GAAP

売上高

19.1億 円

前期

36.8億 円

前期比

51.8%

時価総額

11.8億 円

株価

820 (03/28)

発行済株式数

1,435,300

EPS(実績)

30.54 円

PER(実績)

26.85 倍

平均給与

275.0万 円

前期

567.9万 円

前期比

48.4%

平均年齢(勤続年数)

44.9歳(18.8年)

従業員数

14人(連結:128人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、及び連結子会社である株式会社アクセスプログレス(プロモーション支援事業)、株式会社アクセスネクステージ(採用支援事業・教育機関支援事業)の計3社で構成されております。

当社グループは、「人や社会をベストな未来に導くために、心の通うメディアとコミュニケーションの場を創造」することをグループ経営理念としており、グループ全体でその使命を全うするため、プロモーション支援、採用支援、教育機関支援を事業セグメントとして専門特化し、広告広報を含めた総合支援案件の受注を推進しております。

 当社グループは、以下の4点を経営戦略として事業の推進をしており、当社ではこの戦略に基づいて、グループ全体の成長基盤の構築と、事業セグメント間のシナジー創出に向けて、取り組んでおります。
 ① 連合企画(※1)・個別案件(※2)の複合的アプローチによるクライアントの開拓
 ② アナログ・デジタル・モノを融合したフレキシブルな提案力の拡大

 ③ 多様化したニーズに応える業務代行・事務局機能の強化
 ④ 外国人留学生分野等、教育機関のニーズを広範に捉えたビジネスの拡大

 

 なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

   ※1:当社グループが自社で企画する広報企画商品を総称するものです。1つの広告メディア(イベント・広告特集・Webサイト等)において、複数のクライアントから出展・出稿を募集します。1つのメディアの広告枠を小口化して提供することで、クライアントが出展・出稿しやすくなるだけでなく、スケールメリットにより広告訴求力が向上する特徴があります。

※2:クライアント毎の個別ニーズに応じて、営業員が最適な商材やソリューションを選別して提案・受託し、クリエイティブ(広告・Webサイト、会社、学校案内、パンフレット)の制作や採用業務、運営業務代行等アウトソーシングを請け負う案件、レンタル等を総称するものです。

 

 

グループ全体の事業の系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

以下、セグメント毎の事業内容を記載いたします。

 

 

(1) プロモーション支援事業の事業内容と特徴(株式会社アクセスプログレス)

<事業内容>

プロモーション支援事業は、セールスプロモーション分野を中心とした事業展開を行っております。広告代理店、ケーブルテレビ、住宅・不動産、自治体・公的機関・共済、外食・小売、旅行・宿泊関連、自動車を主要ターゲット業界とし、クライアント(企業・代理店・公的機関等)が販促したい商品・サービスを、その商品・サービスを欲すると考えられるターゲット層(消費者)に対して、直接的にアプローチして販促・広報する「ダイレクトプロモーション」を展開しております。

具体的には、クライアントに対して、クリエイティブ(DM・パンフレット・Webサイト・ノベルティ等の販促物)の制作・印刷・発送代行、デジタルプロモーションを中心に、クライアントの業界に適した効果的なプロモーション手法を提案する企画営業を展開し、業務を受託しております。

 

プロモーション支援事業 事業内容イメージ図

 

※画像省略しています。

 

プロモーション支援事業で取り扱う主要商材は、次のとおりです。

デジタルプロモーション

企業のプロモーションWebサイトのデザイン・制作、スマートフォンアプリやキャンペーン応募受付サイトなどの構築、動画制作、SNS広告・リスティング広告、位置情報活用型DSP広告、デジタルギフトなど、デジタル分野のプロモーションを請け負っております。

キャンペーン事務局

メーカー等の販促キャンペーンに際し、Webサイト制作、SNSシステムの構築、応募ハガキの企画・制作・印刷、受付、消費者からの応募や問合せの対応、データの整理、当選者の抽選、当選品の発送に至るまでの一連の業務を請け負っております。また、広告代理店からキャンペーンに関する業務の受託も行っております。

クリエイティブ制作・
印刷・発送

DM、パンフレット、ノベルティ、ポスター等をオーダーメイドで制作・印刷し、消費者や会員等に発送するほか、ポスティング、サンプリング、交通広告、屋外広告などを行う業務を請け負っております。

テレマセンター

プロモーションに関連した電話応対を行うテレマセンター機能を有しており、インバウンドコール(問合せの受付等)、アウトバウンドコール(イベントの来場促進、DMの到着確認等)の両面に対応し、販促物から派生した周辺業務の受託を行っております。

データ管理

クリエイティブ制作・印刷・発送等に関連するクライアントの顧客リストをお預かりして管理代行するサービスです。

連合企画

防災情報媒体企画

地域企業を中心に協賛広告を募集し、自治体監修の下、小学生向けに防災意識の啓発を行う情報誌・新聞形式の連合企画です。2022年9月期は横浜市「じぶん防災ハンドブック」、大阪府「もしも新聞」、広島県「もしも新聞」、和歌山県「防災ガイド」、名古屋市「もしも新聞」、福岡市「もしも新聞」の実績があります。

他社媒体同梱企画

複数の企業から出稿広告を募集し、他社が発行・送付する情報誌に同梱する形で、広告を配信する連合企画です。

 

 

<特徴>

① キャンペーン事務局代行業務の受託推進

キャンペーン事務局代行業務は当事業の主力サービスで、主に広告代理店から取引を継続的に行っております。近年集中的に営業拡大を図っており、大企業を始めとする民間企業からキャンペーン案件を受注しています。こうした案件での実績やノウハウの積み重ねにより、キャンペーンの企画から応募システム構築、事務局運営、景品手配から発送まで一括して受注できる体制を構築しております。

 

② 多様な商材によるデジタル・アナログ・モノに対応したソリューションメニューの拡充

多数の協力会社と提携して、デジタル・アナログ問わず幅広い販売促進活動やその周辺業務の実現を可能とし、クライアントに寄り添った提案を行っております。2021年9月期からエイトレント株式会社と提携し、同社が扱う約6,500種類のレンタル商品を、当事業がクライアントにレンタルできる体制を構築しました。これまで培ったイベント運営や事務局代行ノウハウとレンタル商品取り扱いにより、多くの自治体・企業にご利用いただいております。従来のデジタル・アナログに加え、モノにも対応し、クライアントの課題にきめ細かい提案ができるソリューションメニューを拡充しております。

 

③ 専門知識を活かした営業展開

当事業の特徴として、ケーブルテレビや自治体・公的機関等、専門知識を求められる分野を中心にサービスを展開している点が挙げられます。当社グループは単に制作や発送の業務を請け負うだけではなく、専門性を活かした提案力と品質を実現することにより、他社との差別化を図っております。

 

④ 防災情報媒体企画を始めとした官公庁(自治体)関連案件の拡充

自治体の監修の下、小学生向けに防災意識の啓発を行う情報誌・新聞形式の防災情報媒体企画を行っており、2022年は横浜市「じぶん防災ハンドブック」、大阪府「もしも新聞」(株式会社関西ぱどとの連携)、広島県「もしも新聞」、和歌山県「防災ガイド」、名古屋市「もしも新聞」、福岡市「もしも新聞」での実績があります。地域企業を中心に協賛広告を募集し、連合企画でのノウハウを活かした社会貢献性の高い企画となっています。当事業では防災情報媒体企画をきっかけとして官公庁や自治体との接点を深め、関連案件の拡充に努めております。

 

⑤ 「業務推進センター」の活用

当事業の機能センターである「業務推進センター」にて、宛名印字や発送作業、テレマーケティング業務等を行う環境を有しており、企画から制作・発送・業務代行までワンストップでトータルソリューションを提供できる体制を整えております。2022年2月には大阪府吹田市に「関西キャンペーン事務局」を開設。DMの発送やキャンペーン事務局等、個人情報を取り扱う案件については、一社で業務を完結できることが求められる傾向にありますが、個人情報を同一の施設内で取り扱える「業務推進センター」がクライアントの求める水準を満たすことで、受注の拡大を図っております。社内に機能センターを保有することで、納期面、費用面、個人情報保護の観点で訴求力を持っております。その特徴を活かして、広告代理店からも業務を請け負っております。

 

 

(2) 採用支援事業の事業内容と特徴(株式会社アクセスネクステージ)

<事業内容>

採用支援事業は、新卒学生や転職を希望する若年層の社会人に対してクライアント企業の採用情報を提供するとともに、オンライン・対面型の両面に対応した合同企業説明会やセミナー等の開催を行うことで、クライアント企業から広告・出展収入を得るサービスを行っております。また、クライアント企業の会社案内等の企画制作や、採用活動に関する業務代行のサービス、アセスメントツールの提供のほか、新卒紹介やダイレクトリクルーティングサービスの提供等も行っております。

 

 

採用支援事業 事業内容イメージ図

 

※画像省略しています。

 

<特徴>

① オンライン・対面型の両面に対応する中小規模採用マッチング企画の開催

当事業は、「アクセス就活」のブランド名称を冠にした中小規模の各種合同就職セミナー・業界研究セミナーと、大学内や大学周辺会場で行う「UNI-PLATZ(ウニ・プラッツ)フェア ※1」を多数開催しております。また、これまでのイベント主催の知見を活かし、オンラインによる採用マッチング企画も開催し、新しい生活スタイルにも対応した学生・求職者と企業とのベストマッチング機会を創出しております。

オンライン・対面型とも、イベントを機動的に企画・開催することで、人事担当者と学生・求職者が膝詰めで面談できる場を提供し、細分化する採用ニーズに迅速かつフレキシブルに対応しております。特にオンラインイベントは対面型と異なり、学生が人気企業により集中する傾向や偶然の出会いが生じにくい傾向にあることから、企業の特徴や事業に特化したテーマ型イベントの開催にも注力し、学生の企業発見の「軸」を変え、マッチングしやすくなる工夫を講じております。

 

■当事業が展開する合同就職セミナー・業界研究セミナー(オンライン・対面型の両面で開催)

  アクセス就活フェア        = 新卒小規模型企画

   アクセス就活フェア:就活キックオフ= 就活解禁前のキャリア育成をサポートする企画

  アクセス就活フェア:FOCUS     = 業界別、志向別、テーマ別企画

  アクセス就活LIVE          = 大学キャリアセンターとのジョイント・連携による企画

  内定獲得フェア                   = 主に就活後半期の就活継続中学生向けの支援企画

  UNI-PLATZフェア           = 大学内や大学周辺会場、オンラインで行う大学限定型企画

  アスリートセミナー        = 体育会学生の就職活動をサポートする企画

 

※1 ドイツ語のUNI(大学)とPLATZ(広場)を組み合わせた当社グループの商品名です。

 

② 大学キャリアセンターとのリレーションによる企画開催や就職支援プログラムの実施

当事業では、大学キャリアセンター(就職担当窓口)との長年に渡るリレーションを構築しています。これにより、大学内で学生にWebサイト「アクセス就活」の会員募集を行ったり、大学内や大学周辺会場、オンラインで行う「UNI-PLATZフェア」を多数開催しております。また、個別案件として、大学キャリアセンター主催の学内合同説明会の運営業務を受託しているほか、大学キャリアセンターとのジョイント・連携によるイベント「大学と企業との情報交換会」や「アクセス就活LIVE」を開催するなど、当事業の基盤となる関係を築いております。

コロナ禍以降、企業の応募方法や学生の就職状況にも大きな変化が生じていることから、当事業では教育機関支援事業とも連携しながら、大学キャリアセンターとのリレーションをさらに強化し、学生が安心して就職活動を行えるようサポートしております。

 

③ 採用広報周辺業務とイベントノウハウの横展開による幅広い受託実績

当事業では、事業開始以来培ってきた実績と信頼に基づき、クリエイティブ(会社案内等)の制作や業務代行(データ管理・テレマセンター等)といった採用広報周辺業務を、企業や自治体から幅広く受託しております。近年は、首都圏の主要自治体の運営事務局案件等を継続的に受託しております。
 当事業はイベントを事業のコア商品としておりますが、景気変動等の環境変化の影響を受けやすいため、個別の受託案件を一定割合で確保し、業績の安定を図っております。また、業務代行は、当事業のセキュリティルーム内またはプロモーション事業が保有する業務推進センターで内製化し、個人情報保護の観点からも安心・安全な業務進行を行っております。

また、イベントで蓄積したノウハウを活かして、官公庁・学校法人・公益法人・大企業を始めとする民間企業等から、個別案件として、人材採用や働き方に関する企画の運営業務を受託しております。連合企画で培ったノウハウを個別案件に展開して実績を積み重ねながら、さらに新たなテーマでの連合企画の開催や個別案件の受託へと横展開して行くことを、事業モデルとしております。

 

④ 新卒紹介、ダイレクトリクルーティング、送客サービス事業

コロナ禍以降、オンライン採用が定着化、就職活動の手法が多様化する中、新卒紹介を中心に成果報酬型サービスのニーズが高まっています。当事業は一般の紹介会社と大きく異なり、大学生(就活生)データベース、就活サイト、就活イベントを全て自社で保有しているのが特徴であり、その特徴を最大限生かした新卒紹介事業、送客サービス事業を行っています。
 また、主要ダイレクトリクルーティング会社と販売代理契約を締結し、保有顧客へのダイレクトリクルーティング媒体の提案ならびに、これまでの採用代行業務で培ったノウハウを活かした運用代行サービスの提案も行っております。理系人材やDX人材等、通常の募集媒体では効率よく出会うことが難しい特化型人材の採用支援を見据えた取り組みも展開しています。

 

⑤ 外国人留学生・外国人材の就業支援

日本企業の競争力維持と向上のために、優秀な外国人材の確保が必要不可欠になっています。コロナ禍の入国制限により、一時的に外国人留学生の人数は減少しましたが、日本の高等教育機関に在籍する外国人留学生の多くが国内企業への就職を希望しているほか、再び外国人材の獲得競争が加速するものと考えられます。外国人留学生が就職活動をする際には、活動や就業の慣習が母国と異なることから、サポートが必要な状況です。大学からもサポート体制の構築が求められていることから、当事業では複数大学のキャリアセンターと連携して、外国人留学生向けの就職支援プログラムを開発し、横展開を図っております。また、外国人留学生を対象とした新卒紹介事業も行っております。

 

(3) 教育機関支援事業の事業内容と特徴(株式会社アクセスネクステージ)

<事業内容>

教育機関支援事業は、教育機関の運営・発展のために、学生募集を始めとした各種業務の総合的なサポートを展開しております。日本人受験生や外国人留学生向けの合同進学説明会の開催やWebサイト上での情報提供を通じて、クライアント校から出展・広告収入を得るサービスを行っております。また、Web・パンフレット等による学校案内の企画制作、オープンキャンパス等の事務局運営代行、各種業務代行、Web出願システム等の学校運営支援業務の提供も行っております。

 

 

教育機関支援事業 事業内容イメージ図

 

※画像省略しています。

 

<特徴>

① 教育機関をトータルサポート

少子化の時代を迎え、各学校では特色ある学校運営を打ち出し、その魅力を効果的に伝える手法を求めています。当事業では、教育機関の広報・運営のトータルサポートを行っており、30年に渡って培ったノウハウをもとに、以下のような幅広い連合企画を商品化しております。
    アクセス進学     :日本人向け進学情報サイト

   アクセス日本留学   :外国人留学生向け進学情報サイト
 

   アクセス日本留学フェア:外国人留学生向け進学説明会
    その他        :新聞広告企画、交通広告企画、進学情報誌企画等

また、WEB広告、クリエイティブ(学校案内・学校ホームページ・動画等)制作・印刷・発送の個別受託案件も受託しており、長年培ってきた自社メディア、イベント、クリエイティブのノウハウをさらに深化させることで、トータルソリューションを実現しております。

 

これまで教育機関の入試広報部門を主な営業アプローチ先として、学生募集関連の案件を中心に受託してまいりましたが、入試広報以外の部門にも営業を本格化しております。そのため、当事業を「教育機関の運営をトータルサポートする企業」として定義し、教育機関の全部門に取引先を拡大して、多面的で最適なソリューションを提供しております。また、学校法人に限らず、教育に関連する協会・団体、学習塾・予備校等の企業に対しても、これまでのノウハウをもとに新たな取引先としてアプローチをしております。

 

② 教育機関関連の公的機関案件の受託による教育機関の下支え

教育機関のトータルサポートを通じて得られたクライアントからの信頼をもとに、官公庁を始めとした教育機関関連の公的機関の案件も受託しております。専修学校教育の振興を目的とする団体を通じて、文部科学省委託事業の各種業務を受託したり、私立大学が加盟する懇談会からの受託でイベント企画を実施するなど、長年の教育機関との取引関係を活かして業界全体でプレゼンスを高めており、幅広い案件で教育機関の下支えをしております。

 

③ 教育機関のDX(デジタル・トランスフォーメーション)の活用支援

当事業は長年に渡り、学校案内等のクリエイティブ制作やオープンキャンパスの運営代行など、学校広報周辺業務の豊富な受託実績があります。顧客とのリレーションに基づいて、2016年にWeb出願システムを始めとした広報関連システムの受注を開始し、2021年9月期からはオンライン面談・面接のオペレーション業務の負荷を軽減させるシステム「AeOS」(イオス=Access e-Operating System)を開発し販売をスタートしました。また、位置情報活用型DSP広告「A・P・P」(Access Pin-Point)の教育機関への提供も進める等、教育機関のDX活用の支援を展開しております。

 

④ 外国人留学生向け進学説明会の開催と8言語対応進学情報サイトの提供

採用広報事業で培ったイベント運営ノウハウをもとに、2009年に独立行政法人日本学生支援機構から「外国人学生のための進学説明会」の運営事務局代行業務を初めて受託し、以来、来場者サイドである日本語学校とのリレーションを構築してまいりました。2002年より全国紙上で複数大学の進学情報を見開き紙面上に掲載する連合企画を実施しており、大学とのリレーションも構築してまいりました。このような実績を踏まえて、2009年より当社独自の外国人留学生向け進学イベント「アクセス日本留学フェア」を開催しております。

また、イベントをきっかけとした取引が拡大し、外国人留学生向けの学校案内の制作や、専用のWeb出願システム導入の受託をしているほか、8言語に対応した外国人留学生向け進学情報サイト「アクセス日本留学」を開設しております。

 

23/07/07

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

当社は当連結会計年度より決算期を9月期から3月期に変更いたしました。それにより、当連結会計年度は6カ月の変則決算となるため、前連結会計年度との比較については記載しておりません。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2022年10月1日~2023年3月31日)における当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により「ウィズコロナ」の生活様式が浸透する中、インバウンド需要の回復など社会経済活動の正常化が進みました。一方で、世界的なインフレ、ウクライナ危機による原油、天然ガス等のエネルギー、穀物などのコモディティ価格の上昇、米中摩擦の悪化など世界経済の先引きについては、依然として不透明な状況が続いております。

このような環境下の下、当社グループの属するプロモーション市場の広告・販促の市場規模は、7兆1,021億円(前年比約104.4%)となり、コロナ禍前の2019年を超え、過去最高となるなど、好調に推移しております。媒体別では、プロモーションメディア広告市場では、ダイレクトメール等のアナログ系媒体が同約98.1%と微減しているものの、コロナ禍からの回復に伴う行動制限の緩和や国、自治体による全国旅行支援施策の実施や各種イベントや従来型の広告販促キャンペーンの再開や屋外広告、交通広告、折込広告の回復が見られました。また、インターネット広告は、順調に推移(114.3%)し、広告市場全体の支えとなりました。特に、デジタルプロモーションの拡大は広告市場の成長に寄与しております。(株式会社電通「2022年日本の広告費」より当社グループ調べ)

また、採用市場では、有効求人倍率は1.35倍(2023年3月)となり安定的に推移しています。当社グループの主たるマーケットとなる新卒採用市場では、2023年度は前年度比6.8%の1,401億円と予測されており、順調な回復を見せております。(矢野経済研究所「新卒採用市場の現状と展望2023年版」より当社グループ調べ)また、教育機関市場では、大学・短大への進学率は59.5%と依然として高い水準にある状況となっています。(文部科学省「令和4年度学校基本調査」)

 

このような状況の中、当社グループのプロモーション支援事業では、販促キャンペーンや官公庁関連の事務局運営代行の受託に注力し、好調に推移しました。採用支援事業では、新卒採用に係る対面型採用のニーズの復調に加え、引き合いの多い採用業務代行関連や新卒向けの人材紹介も継続して注力し、早期化、複雑化する新卒採用ニーズを取り込みました。教育機関支援事業では、外国人の新規入国制限の緩和措置を受け、高等教育機関での外国人留学生の募集ニーズが回復し、外国人留学生募集関連の企画を中心にして拡販を進めました。

なお、教育機関支援事業は、主たる取引先である大学の予算執行時期が4月から7月頃に集中するため、6ヵ月の変則決算となる当連結会計年度では、期初よりセグメント損失を想定しています。

 

その結果、プロモーション支援事業と採用支援事業のセグメント利益が伸長し、当連結会計年度でセグメント損失を想定していた教育機関支援事業の損失を上回り、連結ベースでも各段階利益を確保しました。当連結会計年度における売上高は1,906百万円、営業利益は57百万円、経常利益は45百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は43百万円となりました。

 

当連結会計年度における、事業セグメント別の業績は、以下のとおりです。

 

(プロモーション支援事業)

当連結会計年度(2022年10月1日~2023年3月31日)のプロモーション支援事業におきましては、キャンペーン事務局を中心とした事務局代行などアウトソーシング業務が堅調に推移したほか、官公庁関連の受託事業も順調に進んだことから、自治体・公的機関・共済分野を中心に伸長いたしました。デジタル関連商材も概ね想定どおり推移した結果、売上・利益面ともに前年同期を大きく上回りました。

その結果、売上高は843百万円、セグメント利益は19百万円となりました。

 

(採用支援事業)

当連結会計年度(2022年10月1日~2023年3月31日)の採用支援事業におきましては、官公庁からの受託を含む雇用関連イベント運営関連が堅調に推移したほか、採用業務アウトソーシング関連、ダイレクトリクルーティング関連、新卒向け人材紹介が想定を上回って推移しました。また、対面型採用ニーズが復調したことから、2024年度入社を対象にしたマッチング企画が伸長しました。販売費及び一般管理費の削減も奏功して想定以上に推移しました。

その結果、売上高は796百万円、セグメント利益は126百万円となりました。

 

(教育機関支援事業)

当連結会計年度(2022年10月1日~2023年3月31日)の教育機関支援事業におきましては、日本国内向けの入試広報関連、及び寄付・募金プロモーションの案件が概ね想定通りに推移したことに加え、外国人の入国制限が緩和されたことに伴い、外国人留学生募集関連の連合企画が伸長しました。当事業では、従前より売上が4月頃から7月頃に集中する傾向にある季節変動要因があることに加え、前期受託した職域接種運営代行業務の失注を見込んでいたことから、期初よりセグメント損失を想定しています。

 その結果、売上高は266百万円、セグメント損失は105百万円となり、概ね想定通りとなりました。

 

② 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ33百万円減少し、2,033百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少138百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加145百万円、電子記録債権の減少20百万円、仕掛品の減少53百万円、その他の増加34百万円によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ99百万円減少し、175百万円となりました。これは主に、有形固定資産の増加0百万円、無形固定資産の減少1百万円、差入保証金の減少97百万円によるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ140百万円減少し、1,338百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少83百万円、1年以内償還予定社債の減少40百万円、買掛金の減少21百万円によるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ36百万円減少し、373百万円となりました。これは主に、長期借入金の減少54百万円、退職給付に係る負債の増加18百万円によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ43百万円増加し、497百万円となりました。これは主に、資本金の減少204百万円、利益剰余金の増加248百万円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ138百万円減少した結果、当連結会計年度末は967百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は69百万円(前連結会計年度に支出した資金は20百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益45百万円の計上、売上債権の増加△124百万円、棚卸資産の減少56百万円、未収入金の増加△39百万円、仕入債務の減少△21百万円、退職給付に係る負債の増加18百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は108百万円(前連結会計年度に獲得した資金は269百万円)となりました。これは主に、差入保証金の回収による収入100百万円、定期預金の預け入れによる支出39百万円、定期預金の払戻による収入54百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は177百万円(前連結会計年度に支出した資金は831百万円)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出83百万円、長期借入の返済による支出54百万円、社債の償還による支出40百万円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a 生産実績及び受注実績

当社はプロモーション支援事業、採用支援事業、教育機関支援事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、省略しております。

 

b 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

プロモーション支援事業

843,244

採用支援事業

796,763

教育機関支援事業

266,537

合計

1,906,544

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度および当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

3.当社は当連結会計年度より決算期を9月期から3月期に変更いたしました。それにより、当連結会計年度は6カ月の変則決算となるため、前連結会計年度との比較については記載しておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

当社グループは、貸倒引当金、固定資産の減損、投資その他の資産の評価、税効果会計などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における売上高は1,906百万円、営業利益は57百万円、経常利益は45百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は43百万円となりました。

 

セグメント別の当第連結会計年度の事業成績は、以下のとおりです。

①   プロモーション支援事業

プロモーション支援事業におきましては、キャンペーン事務局を中心とした事務局代行などアウトソーシング業務が堅調に推移したほか、官公庁関連の受託事業も順調に進んだことから、自治体・公的機関・共済分野を中心に伸長いたしました。デジタル関連商材も概ね想定どおり推移した結果、売上・利益面ともに前年同期を大きく上回りました。

その結果、売上高は843百万円、セグメント利益は19百万円となりました。

 

②   採用支援事業

採用支援事業におきましては、官公庁からの受託を含む雇用関連イベント運営関連が堅調に推移したほか、採用業務アウトソーシング関連、ダイレクトリクルーティング関連、新卒向け人材紹介が想定を上回って推移しました。また、対面型採用ニーズが復調したことから、2024年度入社を対象にしたマッチング企画が伸長しました。販売費及び一般管理費の削減も奏功して想定以上に推移し、前年同期を上回ってセグメント利益の確保しました。

その結果、売上高は796百万円、セグメント利益は126百万円となりました。

 

③   教育機関支援事業

教育機関支援事業におきましては、特に個別案件が伸長しました。引き続き、デジタル関連広告が売上を牽引したほか、教育機関の職域接種運営代行や寄付・募金関連プロモーションが結実し、前年同期を上回りました。また、外国人留学生募集関連では、外国人の新規入国制限の緩和措置により、高等教育機関における学生募集広報のニーズが回復基調となりました。当社グループの合理化による人員配置の適正化により人件費が増加し、利益面では前期比減となりましたが、売上・利益ともに想定通りに推移しました。

その結果、売上高は266百万円、セグメント損失は105百万円となり、概ね想定通りとなりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループにおける資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入となります。

内部留保金の使途につきましては、更なる成長に向け、長期的な視点に立ったサービス開発への設備投資、事業拡大のための資金確保に活用していく方針としております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤ 経営戦略と見通し

我が国経済は、世界的なインフレ、ウクライナ危機による原油・天然ガス等のエネルギー、穀物などのコモディティ価格の上昇、米中摩擦の悪化や米国の金融市場不安など世界経済の先行きには、依然、不透明な状況が続いております。一方で、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により「ウィズコロナ」の生活様式が定着、インバウンド需要が回復するなど社会経済活動の活性化が見込まれていることから、当社グループを取り巻く市場環境では、サービス消費、人材採用、インバウンド需要などを中心に回復が進んでいくものと想定しております。

   このような環境のもと、当社グループは、①採用業務代行機能・事務局代行機能の更なる効率化と拡大、②回復拡大傾向にある外国人留学生募集支援の高等教育機関の募集支援の伸長、就労支援の強化、③大学との連携の更なる深化、④提携強化による官公庁取引の拡大に注力することで事業を推進してまいります。

 

  各セグメントごとの戦略と見通しは以下のとおりです。

 

2022年の日本の総広告費推移は、過去最高の7兆1,021億円となっています。(電通「2022年 日本の広告費」より)。また、当社が注力するキャンペーン等の事務局代行は、SNS運用支援や分析ツールの市場規模推計で2021年の316億円から2027年には663億円に伸長する予測となっています(サイバー・バズ「デジタルインファクト調べ」より)。今後、プロモーションは一層手法が多様化し、業界を牽引するのはデジタル広告とそれを下支えするアウトソーシング業務であると見通しております。

これらを背景に、当事業では伸長しているキャンペーン等の事務局代行の拡充を図ります。昨今のキャンペーンは、行動制限の緩和により対面型の復活やSNS等によるデジタルツールの普及により、SNSの選定や運用方法などは益々多様化してきているほか、対象の商品やプロモーション戦略によって業務が複雑になってきています。当事業では、最新の情報と知見によりキャンペーンプロモーションの提案を行い、その業務を内製化させることで利益効率を高めてまいります。また、デジタルとリアルを融合した総合型プロモーション提案へ注力していくとともに、官公庁との取引を足掛かりとした他分野での運営業務の受託促進にも努めてまいります。
 
  採用支援市場では、若年者人口の減少を背景として社員の獲得競争が一層激化しています。特に、新卒採用市場においては、インターンシップが本格化し就活が早期化する一方で、通年採用が拡大し、就職活動のスケジュールは従来以上に変化をしています。これらの動きと相まって、企業の採用担当の業務の増加や複雑化により、採用業務やスカウト型メディアの運用を一部外注する動きが盛んになっているほか、費用対効果を明確にするための成果報酬型の人材紹介モデルの引き合いが増加をしています。

当事業では、伸長している採用業務代行やスカウト型メディアであるダイレクトリクルーティングの運用代行に一層注力するほか、大学と連携したエージェント型の人材紹介モデルの構築等、自社の強みである「事務局代行」「大学との連携」を活かしたサービスの拡充を進めます。対面型イベントにおいても、復調傾向であることから市場ニーズに応える企画開発に取り組むとともに販売強化をしてまいります。

 

教育機関支援市場では、高等教育機関への進学率が83.8%(文部科学省報道発表「学校基本調査/令和4年度(確定値)参考資料)となり、アフターコロナと18歳人口の減少を据えて、各大学や専門学校とも学生確保に向けた広報を強化しています。また、当社グループの強みである外国人留学生マーケットにおいても、入国規制の緩和により入国者数が回復、2022年は外国人の新規入国者数のうち、在留資格「留学」は16万7,128人(前年比15万人5,477人増)となり1年間の新規入国者数としては過去最高となりました(法務省「出入国管理統計」)。また、大学運営において寄付・募金による収入確保も本格的な課題となってきています。

当事業では、大学を中心とした教育機関の面的な取引実績を強みに「教育機関の運営・発展のための総合プロデュース企業」として、大学の入試広報以外の部門だけでなく、寄付・募金の活性化に向けたアルムナイ(卒業生)分野、スポーツ振興分野の提案を強化するとともに、入国制限が解除され活性化している外国人留学生分野にも再注力します。復調した事業環境を好機と捉え、今後も教育機関の総合支援化にリソースを投入するとともに、教育関連企業・団体や自治体の支援も見据え事業フィールドを広げてまいります。

 

また、グループ全般においては、事業の拡大機会を的確に捉え、事業基盤の強化につながる投資を積極的に行うことを方針とし、当社が積極的にグループ各社を牽引する形で、他社との業務提携や新規事業、M&A等の検討を引き続きおこなってまいります。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。