株式会社識学

上場日 (2019-02-22) 
ブランドなど:識学クラウド
サービス業経営コンサルグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

  • ニュースリリースデータがありません。


最終更新:

E34634 Japan GAAP

売上高

48.3億 円

前期

44.6億 円

前期比

108.3%

時価総額

43.3億 円

株価

474 (04/25)

発行済株式数

9,132,996

EPS(実績)

-10.62 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

608.1万 円

前期

648.8万 円

前期比

93.7%

平均年齢(勤続年数)

36.9歳(2.0年)

従業員数

230人(連結:252人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

   はじめに 

 識学とは、ヒトの意識構造を分析し、行動を阻害する誤解や錯覚の発生原因を研究した、当社が独自開発した理論です。ヒトの思考の癖から生じる誤解や錯覚が個人の行動の質及び量を低下させ、さらに、個人の集合である組織内で誤解や錯覚が複雑に絡まった結果、組織のパフォーマンスを阻害します。識学はこの誤解や錯覚の発生要因と解決策を体系化しており、組織運営に活用することで組織の生産性を高めます。

               (組織パフォーマンスを低下させる誤解・錯覚)

 

※画像省略しています。

 

 ヒトの意識は、大きく5つの領域(位置、結果、変化、恐怖、目標)に分けることができると識学では考えています。そして、ヒトはその5領域を認識した後、行動を起こします。いずれかの領域で、間違った認識が発生すると行動の質及び量にズレが発生します。

 充実した環境を構築することも、個々人の能力向上を行うことも、それぞれの5領域を正しく認識する前提がなければ、十分な効果は発揮できず、状況によっては生産性を阻害することにもなりかねません。

 

(ヒトの意識に関する5つの領域)

 

※画像省略しています。

 

 

 (ビジネスにおける5つの領域事例)

 

※画像省略しています。

 

 

(識学メソッドと一般的な研修の対比) 

※画像省略しています。

 

事業の特徴

当社は、識学の原理に基づき、抽象度の高い知見から日々の組織運営に適用可能な形に開発したサービスを展開し、さまざまな組織の生産性の向上に寄与すると考えております。当社の事業は以下の特徴を有しております。

 

(1) さまざまな組織に適用可能であると考えられる識学の汎用性の高さ

識学はヒトが行動する際の意識構造を研究している理論であるため、汎用性が高く、さまざまな組織に適用可能であると考えております。そのため、顧客獲得にあたり、さまざまな組織規模・多業種の企業への適用がサービスの大幅な改変なく可能であると考えております。これまでの実績では、顧客は成長企業を中心に、プロスポーツチームや大学の部活等のスポーツ分野、歯科医院・整骨院などの小規模事業者から大企業におよびますが、内容の大幅な調整・変更を必要とせず展開を行っております。

 

(2) 顧客ニーズを深耕するサービス展開によるリピート獲得

当社サービスはそれぞれ独立して導入可能な単発のサービスながら、組織の生産性向上をさらに加速するため経営者へのマンツーマントレーニングを入り口として、組織幹部、管理者層、新入社員と、複数回のサービス提供を必要とする顧客が多く、リピート獲得に繋がっております。人事異動のタイミングで定期的なサービス提供を行うケースもあります。また、評価制度構築サービスによる識学の定着・仕組化やウェブによるプラットフォームサービスによる顧客接点の増加で、中長期的な取引関係構築・収益貢献を実現しております。

 

(3) 識学に基づく自社の効率的な経営及び講師育成

当社は、当社自身も識学に基づく経営を実践し、日々生産性を高める事業運営を行っております。採用された講師候補者が講師認定され、一定の品質のサービス提供ができるまでにかかる期間は平均107日程度の実績であります。また、結果にフォーカスする評価体系を構築し、従業員へ成長の場を提供することで、講師の離脱防止を行っております。具体的には、組織メンバーの責任と権限の範囲を明確にし、権限の範囲内で自らの創意工夫により施策を実行することができ、自己決定感、成長感、達成感等の内発的動機(注1)が自己発生する体制を構築しております。さらに、その結果を報酬に反映させることで、内発的動機と外発的動機(注2)が一致する制度を運用しております。

 (注1) 内発的動機とは、好奇心や関心によってもたらされる動機を指します。

 (注2) 外発的動機とは、義務、賞罰、強制などによってもたらされる動機を指します。

 

 

(4) 自社でサービス開発を実施

ヒトの意識構造まで掘り下げているため識学それ自体は抽象度が高く、基礎理論だけでは日常の組織運営に適用することは困難です。当社は自社で識学を日常組織運営に適用可能とするプログラムを開発することで組織の生産性を改善するサービスを提供しております。

 

(5) 識学の独自性と一貫したロジックによる集客下地の醸成

識学は自社開発の独自の理論であり、従来の個人のやる気を重視する手法とは逆のアプローチ手法です。このため、当社の広告や口コミは潜在顧客に強いインプレッションを与えています。また、識学は抽象度、汎用性が高いため、多くの人が漠然とではあっても、自己に適用した場合のイメージを描きやすいという特徴があります。ウェブ広告、顧客からの紹介及び代理店紹介のすべての販売チャネルで、識学の独自性、事例紹介の提示によって潜在顧客への印象づけを重ねていくことで、集客の下地を醸成しております。

 

当社ではこのような事業の特徴を活かし、「組織コンサルティング事業」のマネジメントコンサルティングサービス及びプラットフォームサービスを提供しており、これらのサービスの関係性を図で示すと以下のとおりです。当社は「組織コンサルティング事業」、「スポーツエンタテインメント事業」、「VCファンド事業」、「ハンズオン支援ファンド事業」の4つのセグメントで構成されておりますが、主要な「組織コンサルティング事業」のサービス内容について記載しております。なお、当連結会計年度より、従来報告セグメントとしていた「受託開発事業」について、同事業からの撤退を決定したことにより重要性が乏しくなったため、報告セグメントから除いております。

※画像省略しています。

 

(1) マネジメントコンサルティングサービス

マネジメントコンサルティングサービスとは、マンツーマントレーニングであるマスタートレーニングを始めとした識学に基づく組織運営を導入・浸透させ、組織の生産性を上げるサービスであります。主なマネジメントコンサルティングサービスは以下のとおりであります。

 

① マスタートレーニング

組織長(経営者)に対して識学を導入し、生産性の高い組織運営を実現するサービスです。マスタートレーニングでは、当社の講師が3か月間(全12回)、1回1時間程度のマンツーマントレーニングを行い、トレーニングの期間中、知識習得及び課題を設定し行動変化を追跡します。当社のマスタートレーニングでは、当社が独自開発した識学のフレームワークを用いて、課題の実践や行動を通じてポイントを習得していきます。組織の生産性を高めるために、ヒトの意識構造を理解し、実際に組織経営を変化させるまで順を追ったカリキュラムになります。

 

 

② 集合研修

管理職、新入社員等への階層別集合型研修により、識学を組織に浸透し、生産性の高い組織運営を実現するサービスです。集合研修では、講義及びワーク形式での研修を行います。

 

③ 浸透パック

管理職向け動画と集合型トレーニング(全6回)を組み合わせ、識学の理解を促すことで、組織に浸透および定着化を図り、継続的に生産性の高い組織運営を実現するサービスです。

 

④ 評価制度構築

評価制度を構築し、識学を組織に定着・仕組化するサービスです。評価制度構築では、評価の対象を結果にフォーカスし、評価制度で起こりがちな上司と部下との評価の認識違いを無くし、自走する組織への変化を実現します。

 

⑤ 経営者のためのM&Aトレーニング

企業の経営者のM&Aに対する"誤解"と"錯覚"を取り除き、経営者がM&Aを正しく実行できる状態を作り出すことを目的とするサービスです。

 

(2) プラットフォームサービス

プラットフォームサービスとは、識学による組織運営が定着するために継続的な運用支援を行う「識学 基本サービス」、ウェブ上で顧客の識学実践を支援するクラウドサービスである「識学クラウド」と低額で識学トレーニングを継続、識学会員同士の交流等によって識学による組織運営の浸透・定着を図るサービスである「識学基本サービスライト(旧識学会員)」の3つで構成されます。主なプラットフォームサービスは以下のとおりであります。

 

① 識学 基本サービス

識学の導入にあたり必須となるサービスで、マネジメントコンサルティングのアウトプットフォローや識学クラウド機能、定期勉強会を含めた総合パッケージであります。

 

② 識学クラウド

a.識学クラウド組織診断

組織の状態を診断するサービスであり、識学導入後は、自組織の改善状況の確認を行うことが可能になります。識学クラウド組織診断では、顧客の組織メンバーに対してウェブ上でアンケートを実施します。そのアンケート結果で、組織の一員として生産性高く業務に取り組める状態にあるか、また生産性が阻害されているとすれば、どの意識構造が誘引しているのかを判断し、その総合結果を用いて対象組織の現在の状態を把握します。

 

b.識学クラウド動画復習

時間の経過により行動が元に戻ってしまうことを防ぎ、識学実践の質を維持するサービスであります。識学クラウド動画復習では、マスタートレーニングでお伝えする理論をウェブ上の動画で復習することができます。理論の理解度を維持すると同時に、自組織に照らし合わせながら、動画閲覧することでさらなる理解を促進します。

 

c.識学クラウド評価制度運用支援

主に、評価制度構築サービスの後、制度の実践運用を支援するサービスであります。個人に割り振る目標項目及びその比率や目標の基準点となる尺度を決定し、ウェブ上に登録しておく形式で、構築された評価制度を日常的に実践し、担当者まで漏れなく、遅滞なく、少ない事務負担で実践まで浸透させるクラウドサービスとなっております。

 

 

d.識学クラウド日常業務支援

日常のマネジメントの補助ツール(タスク管理)サービスであります。同時並行で多種多様なタスク管理を行うと、多くの工数を要します。さらに、管理をマンパワーに依存すると、結果的に、抜け漏れが発生し、マネジメントが行き届いていない状況となる可能性があります。識学クラウド日常業務支援機能では、ウェブ上でのタスク管理機能を用いて、上司と部下が共通の認識を持っている状態を当たり前化し、その工数を削減するとともに、抜け漏れのないマネジメントの実現が可能です。

 

③識学基本サービスライト(旧識学会員)

a.継続的な識学利用のサポート

識学基本サービスライトの契約企業は、通常よりも低額でマネジメントコンサルティングサービスの受講が可能となります。顧客の組織規模の拡大に伴い幹部層・管理職の人員数が増加した場合、「識学」に基づく組織運営を維持するために、新たな幹部・管理職に対する識学のトレーニングの受講に対する需要の発生が想定されます。このようなケースの場合に、識学会員の契約企業の場合には通常よりも低額で受講が可能であるため、コストを抑えつつ識学に基づく組織運営を維持していくことが可能になります。

 

b.定期イベント

集合型勉強会、懇親会、識学導入企業の事例共有会を実施し、識学に基づく組織運営にあたっての情報収集や識学会員同士でのビジネス交流が可能です。

 

c.定期面談

定期的(1か月又は3か月に1回)に講師が顧客へ訪問し、継続的な識学に基づく組織運営の浸透と定着のためのサポートを行います。

 

当社の事業を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

※画像省略しています。

(注)パートナーとは、当社とパートナー契約を締結した企業の役職員が識学の講師となり、識学サービスを提供する企業のことを指します。

23/05/29

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然厳しい状況にあるなか、ワクチン接種率上昇などにより新規感染者数が抑制され、活動制限の緩和により消費活動が徐々に正常化に向かう一方、急激な円安による為替相場の変動やロシア・ウクライナ情勢に起因する資源価格の高騰など、景気の先行きは不透明感を増している状況にあります。当社を取り巻く環境として、「従業員を結果で管理する」、「ルールに基づく組織運営により働く場所に関係なく結果を出す」といった組織の生産性向上を図ることに対する市場ニーズは強く、当社サービスの需要は引き続き高い状況が続いております。

このような経営環境の中、当社グループは「識学を広める事で人々の持つ可能性を最大化する」という企業理念のもと、組織コンサルティング事業においては、積極的な講師人材の採用及び育成、講師の品質管理を徹底的に行いながら、「識学」が顧客の組織に浸透する状態を実現するべくサービス提供を行ってまいりました。スポーツエンタテインメント事業においては、2022年10月に開幕した2022-23シーズンでB1昇格を実現するためにチーム強化への積極的な投資を行いつつ、地域密着型クラブとしてのさらなる認知度向上のため、マーケティング活動やスポンサー獲得の積極的な営業活動を行ってまいりました。VCファンド事業及びハンズオン支援ファンド事業においては、識学2号投資事業有限責任組合が新たに7社に対して、新生識学成長支援1号投資事業有限責任組合が新たに1社に対して出資を実行するなど、積極的な投資を行ってまいりました。

なお、当社及び当社連結子会社が保有する投資有価証券の一部について、帳簿価額に比べて実質価額が著しく低下したため、投資有価証券評価損194,356千円を当連結会計年度において特別損失として計上しております。また、受託開発事業において、同事業からの撤退を決定したことにより、取引先と締結していた業務委託契約の解除に伴う違約金30,400千円が発生し、同費用を当連結会計年度において特別損失として計上しております。

この結果、当連結会計年度における売上高は4,458,325千円(前年同期比16.6%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費+敷金償却費)は28,787千円(前年同期比93.3%減)、組織コンサルティング事業において受注額が当連結会計年度の目標に未達であった影響により営業損失は57,459千円(前連結会計年度は営業利益359,917千円)、経常損失は73,095千円(前連結会計年度は経常利益346,988千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は252,103千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益224,911千円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、従来報告セグメントとしていた「受託開発事業」について、同事業からの撤退を決定したことにより重要性が乏しくなったため、報告セグメントから除いております。

 

(組織コンサルティング事業)

①マネジメントコンサルティングサービス

当連結会計年度においては、採用済みの講師候補の育成と顧客基盤拡大のための積極的なマーケティング活動による投資を継続してまいりました。講師数は前連結会計年度末から12名増加し85名となりました。

この結果、当連結会計年度末時点の累計契約社数は3,516社(前連結会計年度末は2,873社)となりました。当連結会計年度のマネジメントコンサルティングサービス売上高は2,408,719千円(前年同期比11.2%増)となりました。

 

②プラットフォームサービス

連結会計年度においては、「識学」に基づく組織運営が“定着”するまで継続的に運用支援を行う「識学 基本サービス」の拡販に注力してまいりました。

「識学 基本サービス」には、「識学」が組織に徹底できている状態を5つの軸と6段階のフェーズに分類し、フェーズの診断を実施することで顧客が解決すべき組織課題を明確にする機能があります。この機能により明確になった組織課題に対して講師とカスタマーサポート担当で構成する担当チームが課題解決に向けたサポートを実施することによって「識学 基本サービス」に対する顧客満足度の向上に取り組んでまいりました。

 

この結果、当連結会計年度末における識学基本サービスの契約社数は546社(前連結会計年度末は524社)、識学クラウドの契約社数は91社(前連結会計年度末は115社)、識学基本サービスライト(旧識学会員)の会員数は239社(前連結会計年度末は248社)となりました。

また、当連結会計年度のプラットフォームサービス売上高は1,616,212千円(前年同期比39.7%増)となりました。

上記の結果、当連結会計年度の組織コンサルティング事業における売上高は4,024,931千円(前年同期比21.2%増)、営業利益は167,225千円(前年同期比70.4%減)となりました。

 

(スポーツエンタテインメント事業)

連結会計年度においては、B1リーグへの昇格を目指してチームの強化を行いながら「地域密着型クラブ」として地域スポーツ振興を普及することを目的とした取組みを行ってまいりました。当連結会計年度においては、2022-23シーズンのスポンサー獲得に向けた営業活動及び営業人員の採用、主要な収益基盤の1つである企業版ふるさと納税のさらなる拡充にむけた地方公共団体との連携強化に努めてまいりました。2022-23シーズンのスポンサーからの受注額は232,874千円(前年同期比49.4%増)と順調に推移したものの、チーム強化に向けたチーム運営費への継続的な投資を行ったことによりコストが先行することとなりました。

上記の結果、当連結会計年度におけるスポーツエンタテインメント事業の売上高は420,036千円(前年同期比47.1%増)、営業損失は164,435千円となりました。

 

(VCファンド事業)

連結会計年度においては、「組織力」や「成長する組織への転換」に着目した投資を行い、投資先企業への「識学」導入による組織改善によって成長を支援するベンチャーキャピタルファンドを運営し、識学2号投資事業有限責任組合は新たに7社に対して出資を実行するなど、積極的な投資を行ってまいりました。

この結果、当連結会計年度におけるVCファンド事業の営業損失は93,096千円となりました。

 

(ハンズオン支援ファンド事業)

当連結会計年度においては、投資先のEXIT(IPO/M&A等)によるキャピタルゲインを収益源とする「組織改善支援×金融・ファイナンス支援」という独自性を持ったハンズオン支援ファンドを運営し、新生識学成長支援1号投資事業有限責任組合が新たに1社に対して出資を実行し、ハンズオン支援を行ってまいりました。

この結果、当連結会計年度におけるハンズオン支援ファンド事業の営業損失は8,283千円となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は4,724,968千円となり、前連結会計年度末と比較して635,454千円の増加となりました。

 (流動資産)

当連結会計年度末の流動資産合計は4,023,419千円となり、前連結会計年度末と比較して777,261千円の増加となりました。これは主に、営業投資有価証券の増加458,315千円によるものであります。

 (固定資産)

当連結会計年度末の固定資産合計は701,548千円となり、前連結会計年度末と比較して141,806千円の減少となりました。これは主に、投資有価証券の減少168,666千円によるものであります。

 (流動負債)

当連結会計年度末の流動負債合計は1,112,926千円となり、前連結会計年度末と比較して800千円の増加となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金218,992千円が増加した一方で、未払法人税等161,410千円が減少したことによるものであります。

 (固定負債)

当連結会計年度末の固定負債合計は649,776千円となり、前連結会計年度末と比較して404,343千円の増加となりました。これは主に、長期借入金の増加402,265千円によるものであります。

 (純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は2,962,264千円となり、前連結会計年度末と比較して230,310千円の増加となりました。これは主に、非支配株主持分の増加201,099千円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,637,895千円(前連結会計年度末比12,396千円増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により支出した資金は939,726千円(前連結会計年度は469,562千円の獲得)となりました。これは主に、営業投資有価証券の増加458,315千円、税金等調整前当期純損失298,076千円、法人税等の支払額264,618千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により支出した資金は148,145千円(前連結会計年度は69,877千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出66,760千円、敷金及び保証金の差入による支出37,454千円、無形固定資産の取得による支出24,132千円、投資有価証券の取得による支出18,500千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は1,100,268千円(前連結会計年度は982,763千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入による収入950,000千円、株式の発行による収入496,808千円により資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出328,743千円、自己株式の取得による支出294,246千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(2)生産、受注及び販売の状況

 ① 生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 ② 受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 ③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

組織コンサルティング事業

4,024,931

121.2%

スポーツエンタテインメント事業

420,036

147.1%

合計

4,444,967

123.2%

 

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載しております。

 

  ② 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、4,458,325千円(前連結会計年度比16.6%増)となりました。その主な内訳は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における売上原価は、1,020,677千円(前連結会計年度比3.5%減)となりました。これは主に、当連結会計年度下期より人員の採用を抑制したことによるものであります。

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、3,495,107千円(前連結会計年度比45.3%増)となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により人件費が増加したことと、積極的なマーケティング活動による広告宣伝費が増加したことによるものであります。

これらの結果、営業損失は57,459千円(前連結会計年度は営業利益359,917千円)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、13,118千円(前連結会計年度比29.0%減)となりました。これは主に、保険解約返戻金が前連結会計年度比2,922千円増加した一方で、投資事業組合運用益が前連結会計年度比4,939千円減少し、助成金収入が前連結会計年度比6,853千円減少したことによるものであります。営業外費用は、28,754千円(前連結会計年度比8.4%減)となりました。これは主に、持分法による投資損失が前連結会計年度比16,352千円減少したことによるものであります。

これらの結果、経常損失は73,095千円(前連結会計年度は経常利益346,988千円)となりました。

 

(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別損失は、224,981千円となりました。これは主に、当社及び当社連結子会社が保有する投資有価証券の一部について、帳簿価額に比べて実質価額が著しく低下したため、投資有価証券評価損194,356千円を計上したこと及び受託開発事業において同事業からの撤退を決定したことにより、取引先と締結していた業務委託契約の解除に伴う違約金30,400千円が発生し、同費用を特別損失として計上したことによるものであります。

また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は60,348千円となりました。

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は252,103千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益224,911千円)となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、講師人材等の人件費、広告宣伝費をはじめとする事業運営のための営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資及びM&A投資等によるものであります。

当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした自己資金を中心に、多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入及び資本市場からの資金調達などにより必要資金を確保する方針であります。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、講師一人当たり売上高及び講師数を重要な指標として位置付けております。

講師数については当連結会計年度末において85名(前年比12名増)となっております。今後につきましては、講師の品質管理活動の徹底と同時に、サービス提供の生産性を高める事で組織コンサルティング事業のさらなる成長を実現する方針であります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループが今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題等に対応していくことが必要であると認識しております。これらの課題等に対応するために、経営者は常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。