E34657 Japan GAAP
前期
251.4億 円
前期比
67.8%
株価
1,770 (04/18)
発行済株式数
4,619,000
EPS(実績)
281.92 円
PER(実績)
6.28 倍
前期
688.1万 円
前期比
98.8%
平均年齢(勤続年数)
32.5歳(5.7年)
従業員数
197人(連結:286人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社、以下同じ)は、当社(株式会社フロンティアインターナショナル、以下同じ)及び子会社3社、関連会社2社により構成されており、『体験価値による課題解決力(Experience Solution)』をコア・コンピタンスとして、ブランディングイベントや新商品発表会、街頭でのフィールドイベント等、消費者との直接的なコンタクトポイントにおいて、消費者に良質なブランド体験・顧客体験を届けることで、企業が抱えるマーケティングやセールスに関するあらゆる課題を解決する『Experience Solution Company』です。
当社グループの『体験価値による課題解決力(Experience Solution)』は、当社グループが実装する各機能により複合的に生成、拡散されて高い効用を実現すると共に、消費者との直接的な接点を持つことで培ったノウハウを武器に、プロモーション(販売促進)のみならず、実際の店頭販売支援まで幅広く事業展開しております。
当社グループは、企業及び団体のマーケティング活動におけるプロモーション事業の請負、企画の立案、制作、運営業務を、企画や制作の専門組織を有さず、各営業組織が企画から運営までを一貫して行うワンストップ体制で提供しております。
当社グループが行っているプロモーション事業は、「イベントプロモーション」、「デジタルプロモーション」、「キャンペーンプロモーション」、「PR」、「スペースプロデュース」、「店頭販売支援事業」の6つの機能に区分されます。当社グループは、これらの機能を総合的に活用することにより、クライアントに対して、各プロモーション施策の企画、制作、運営、実施等を提供しております。当社の子会社である株式会社フロンティアダイレクトは「店頭販売支援事業」を行っております。
なお、当社グループの役割分担は、次のとおりであります。当社グループは、プロモーション事業の単一セグメントであるため、事業・サービス内容を機能別に記載しております。
事業・サービスの名称 |
主な事業・サービスの主な内容 |
主な会社名 |
イベントプロモーション |
フィールドイベント等の企画・運営・制作 |
当社 |
デジタルプロモーション |
デジタルキャンペーン企画運営、コンテンツ制作 |
当社 |
キャンペーンプロモーション |
キャンペーン事務局の運営等やプレミアム・ノベルティ企画制作、ライセンス契約やコラボレーションのマッチング業務 |
当社 |
PR |
PR・広報活動の計画・戦略の策定とアドバイス |
当社 |
スペースプロデュース |
イベント美術、ディスプレイ等 |
当社 |
店頭販売支援事業 |
店頭販売支援事業他 |
株式会社フロンティアダイレクト |
当社グループの各事業・サービスの具体的な内容は、次のとおりであります。
①イベントプロモーション
人々が集い、時間と空間を共有するライブコミュニケーションならではの共感を、目的に沿った形で創造します。具体的には、クライアントの製品やサービスを紹介する発表会、製品の特徴を特定の対象顧客層に対して訴求するイベント、製品を手に取って実際に使用・体験できる展示会、サンプリングなどを通じて、消費者に良質なブランド体験・顧客体験を届けます。この他にも、ネットゲームのファンイベント、企業のインナーイベント等、様々なコミュニティーの更なる交流の活性化に寄与します。
②デジタルプロモーション
インターネットやSNS等のコミュニケーションプラットフォームを利用した、双方向のコミュニケーションを可能にする総合的なプロモーションの他、VR、AR等の最先端のテクノロジーを用いた、今までにない体験価値の創造を行っております。
さらに、当社の独自コンテンツとして、イベントの来場者属性や会場における来場者の動きを把握・分析するアプリケーションツールの開発、イベント動画配信プラットフォームの開発や提携サプライヤのデジタルコンテンツを当社プラットフォームにパッケージ化する等、種々の新たな取組みを進めております。
③キャンペーンプロモーション
ディスプレイ、プレミアム(景品等の販促品)を主体としたキャンペーン全体の枠組み提案から、オリジナルのプレミアムの企画・制作を行っております。消費者の購買活動を活性化させるための景品が当たるキャンペーン及び飲料ペットボトル等へ添付するプレミアムの制作を中心に、一定期間の特別販売企画としてのキャンペーン総合企画、制作(景品・店頭販売促進物等)、運営業務(事務局等)を実施しております。
④PR
商品やサービス、イベント等が話題になるのは、テレビCMやWebのバナー広告などによるものとは限りません。ニュースメディアや媒体記事での露出が劇的な宣伝効果を生み、流行やブームを巻き起こしたケースは多数存在します。
当社では、プロモーションの対象となる商品やサービス、イベント等から、話題性の高いファクトを抽出し、耳寄りな情報として加工して世の中に拡散し、新しいトレンドを生む起爆装置として、効果的なメディア露出のアレンジをサポートします。
⑤スペースプロデュース
空間開発をより良い体験価値の生成というプロモーションの視点で捉え、大規模なイベント会場のデザイン・施工から、街頭・店頭イベント会場や、店舗のデザイン、施工に至るまで、イベントをトータルでプロデュースする当社ならではの空間開発を実施しております。さらに、POPアップストア(催事場や駅構内の空いているスペース、空き店舗などに短期間のみ出店する期間限定の店舗)等の話題のソリューションも多くの取扱実績がございます。
⑥店頭販売支援事業
マーケティングにおいて、店頭領域への注目度が日増しに高まっている中で、実際の「売り」の現場へ販売人員の派遣、POP等の訴求ツールの制作を実施しております。販売人員に関しては、社内での教育研修を実施すると共に、購買行動のステージごとにコンバージョンレートを管理して、プロセスごとの精度向上を図ると共に、専属のデザイナーがオンデマンドでPOP等の訴求ツールを作成しております。
[事業系統図]
※画像省略しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は11,114百万円(前連結会計年度末12,696百万円)となり、前連結会計年度末と比較して1,582百万円減少しました。主な要因は、出資金が601百万円増加した一方で、現金及び預金が1,874百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が548百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は3,118百万円(前連結会計年度末5,375百万円)となり、前連結会計年度末と比較して2,256百万円減少しました。主な要因は、買掛金が960百万円、未払法人税等が772百万円、その他に含まれる未払消費税等が329百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は7,995百万円(前連結会計年度末7,321百万円)となり、前連結会計年度末と比較して673百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を1,302百万円計上したことによるものと、剰余金の配当407百万円により、利益剰余金が895百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は71.7%(前連結会計年度末は57.6%)となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度(2022年5月1日~2023年4月30日)における当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響は続いたものの、行動制限が緩和されたことにより、経済活動は正常化へと近づきました。また、水際対策の緩和によるインバウンド需要の回復も消費の回復を後押しする結果となりました。その一方で、円安、資源高の影響による物価上昇もあり、景気後退への懸念も高まるなど、引き続き予断の許さない状況が継続しました。2022年(1~12月)の日本の総広告費は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大、ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けつつも、社会のデジタル化を背景に好調な「インターネット広告費」の成長に市場全体が支えられ、通年で7兆1,021億円、前年比104.4%となりました。(「2022年日本の広告費」株式会社電通調べ)。
このような中、当社グループでは、前年の東京2020オリンピック・パラリンピックや助成金の事務局案件の反動減の影響はありましたが、主力事業であるイベント領域においては、いまだ本格回復には至っていないものの、リアルイベントへの回帰により売上高・利益ともに堅調に推移したほか、ワクチン関連のBPO案件なども引き続き業績へ貢献しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は17,047百万円(前年同期比32.2%減)、売上総利益4,105百万円(同22.3%減)、営業利益1,875百万円(同40.1%減)、経常利益1,864百万円(同41.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,302百万円(同38.6%減)となりました。
なお、当社グループはプロモーション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して1,958百万円減少し、3,939百万円となりました。営業活動による資金の減少578百万円、投資活動による資金の減少803百万円、財務活動による資金の減少575百万円などによるものです。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、578百万円(前連結会計年度末3,124百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益1,981百万円による資金の増加があった一方で、売上債権及び契約資産の減少額548百万円、法人税等の支払額1,401百万円による資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、803百万円(前連結会計年度は223百万円の減少)となりました。主な要因は、出資金の払込による支出601百万円、投資有価証券の取得による支出107百万円による資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、575百万円(前連結会計年度は108百万円の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払による支出407百万円、自己株式の取得による支出167百万円による資金の減少があったことによるものです。
④制作、受注及び販売の実績
a.制作実績
当連結会計年度の制作実績は、次のとおりであります。
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2022年5月1日 至 2023年4月30日) |
前年同期比(%) |
プロモーション事業(千円) |
12,941,911 |
65.2 |
合計(千円) |
12,941,911 |
65.2 |
(注) 当社グループはプロモーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の制作実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループの受注実績は、制作段階及び運営段階等において当初の内容や金額が変動することが多いことから、受注残高の正確な把握が困難なため、受注実績の記載を省略しております。
なお、当社グループでは社内の制作受注管理システムにより、案件の進捗度合いの正確な把握に努めております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2022年5月1日 至 2023年4月30日) |
前年同期比(%) |
プロモーション事業(千円) |
17,047,839 |
67.8 |
合計(千円) |
17,047,839 |
67.8 |
(注)1.当社グループはプロモーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりで
あります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年5月1日 至 2022年4月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年5月1日 至 2023年4月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
凸版印刷株式会社 |
8,842,179 |
35.2 |
- |
- |
(注)当連結会計年度における凸版印刷株式会社の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきまして
は、100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度末時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、見積りを使用する必要があります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績などを勘案し合理的に判断しておりますが、結果として見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと実績が異なる場合があります。当社グループが採用しております会計方針のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度は、前年の東京2020オリンピック・パラリンピックや助成金の事務局案件の反動減があったものの、リアルイベントへの回帰により売上高・利益ともに堅調に推移したほか、ワクチン関連のBPO案件なども引き続き業績へ貢献しました。
これらの結果、売上高は、17,047百万円(前年同期比32.2%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度は、BPO案件等により、売上原価は、12,941百万円(同34.8%減)となりました。この結果、売上総利益は4,105百万円(同22.3%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度は、積極的な事業拡大に伴うコンサルティング費用等の増加により、販売費及び一般管理費は、2,230百万円(同3.7%増)となりました。この結果、営業利益は1,875百万円(同40.1%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度は、営業外収益につきましては、有価証券利息1百万円等により、6百万円(同88.5%減)となり、営業外費用につきましては、為替差損10百万円等により、16百万円(同500.0%増)となりました。
この結果、経常利益は1,864百万円(同41.4%減)となりました。
(特別利益、特別損失及び税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度は、特別利益につきましては、投資有価証券売却益132百万円により、132百万円(同12,670.8%増)となりました。
特別損失につきましては、投資有価証券評価損14百万円により、14百万円(同116.4%増)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は1,981百万円(同37.6%減)となりました。
(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税を629百万円、法人税等調整額を49百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,302百万円(同38.6%減)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通り、事業内容、海外での事業展開に伴うリスク等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、優秀な人材の採用と組織体制の整備、内部統制システムの強化等により、これらのリスク要因に対応するように努めてまいります。
経営戦略の現状と見直しについては、クライアント各社は、インターネットの普及に伴い、従来のマスメディア4媒体のみの広告効果には疑問を呈しつつ、「マスメディア×インターネット」や「マスメディア×インターネット×イベント」等といった、統合マーケティングコミュニケーションへとマーケティング予算をシフトさせており、今後も流れは加速すると考えております。よって、広告市場におけるプロモーション領域の重要性は増していくと考えられます。
マスメディア自体の効果が相対的に弱まり、クライアント各社が総合的なプロモーションへと予算をシフトさせることは、大手広告会社が従来取り扱ってこなかったプロモーション領域へ進出することにもつながっております。そういったことからもプロモーション業界は、今後も継続的に発展していくものと考えております。一方で、大手広告会社各社がプロモーション専業部門の設置・子会社の再編等、プロモーション領域の強化を行うといったように、今後のプロモーション領域においては、限られた市場の中でのシェア争いという新たな局面を迎える可能性があります。
上記の現状を踏まえ、当社グループは、そのような市場環境下においても優位性を保つ手段として、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載しておりますが、従前の市場に縛られず事業領域を拡大する等の施策を実行してまいります。
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上総利益を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度は、主力事業であるイベント領域においては、いまだ本格回復には至っていないものの、リアルイベントへの回帰により売上高・利益ともに堅調に推移し、売上総利益率は上昇しています。
経営者の問題意識と今後の方針について、当社グループの今後の成長のためには、当社グループの経営方針に基づき、クライアントへのサービス内容の向上を常に考え、信頼を向上させていくことが不可欠であると考えております。そのためには、今後の事業規模の拡大に合わせて適時に人員補充を進め、これと併せて組織体制の整備を進めていくことが重要と認識しております。
具体的には、優秀な人材の採用を積極的かつ適時に行うとともに、教育研修制度を充実させ、幅広い知見を具備した人材の育成を図っていく所存であります。同時に、組織としてのノウハウの蓄積、組織的なナレッジシェアリングシステム、営業活動の「見える化」等、社内のインフラ整備を進め、個人の能力を組織として補完できるように内部管理体制の強化を行うと共に、組織改革を進めてまいります。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、イベントやセールスプロモーションの制作費ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であり、原則として自己資金でまかないますが、一時的な運転資金を効率的に調達するために、当座貸越を利用する場合がございます。
今後、既存事業の事業成長の推進と併せて、積極的に新規事業の創出などに取り組んで参りますが、その折に必要となる資金に関しましては、資金需要の必要性に応じて、柔軟に資金調達を実施致します。