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最終更新:

E35140 Japan GAAP

売上高

319.9億 円

前期

230.7億 円

前期比

138.6%

時価総額

2,156.6億 円

株価

2,199 (04/26)

発行済株式数

98,070,400

EPS(実績)

64.34 円

PER(実績)

34.18 倍

平均給与

550.8万 円

前期

590.7万 円

前期比

93.2%

平均年齢(勤続年数)

39.1歳(1.8年)

従業員数

98人(連結:2,974人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社と連結子会社2社の計3社で構成され、当社は持株会社であります。当社の連結子会社には株式会社アンビス(以下、「アンビス」と言います。)、株式会社明日の医療(以下、「明日の医療」と言います。)があります。また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

当社の中核事業は、アンビスに対する、有料老人ホームの運営及び経営に係るコンサルティング、有料老人ホームの用に供するための土地及び建物の賃貸の実施であります。

アンビスの中核事業は、ホスピス事業であります。アンビスでは、有料老人ホーム「医心館」事業所内における訪問看護、訪問介護、居宅介護支援及び障害者を対象とした居宅介護といった各種サービスの提供と事業所運営により、ホスピス事業を行うことを「医心館事業」と称し、現在のところ当社グループの主軸事業となっております。グループ会社として連携することで、医療依存度が高い方、例えばがん末期状態にある方、人工呼吸器を装着されている方ほかを積極的に受入れ、特化して終末期における看護ケアを提供いたします。具体的には、アンビスがこれら各種サービスの提供と事業所運営を行い、当社が「医心館」の開設戦略の企画から協力医療機関の獲得、顧客営業先の開拓、集客・サービス提供状況の分析及び改善、適正運営の確保、診療/介護報酬請求、債権管理、物品調達までのサポートを行うことで、当社グループは一気通貫型の地域医療/看護の強化再生ビジネスモデル(以下、これらの総称を「医心館事業」と言います。)を構築しております。

   なお、当社グループの報告セグメントは医心館事業のみの単一セグメントであります
 

   ※ 本文中の有料老人ホームにはサービス付き高齢者向け住宅も含みます。

     有料老人ホームとは、老人福祉法に定められた手続きを経て設置された高齢者のための住居であり、厚生労働省が所管しています。

         サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者住まい法に定められた手続きを経て設置された賃貸住宅であり、国土交通省が所管しています。

 

医心館事業

主にはアンビスが運営する医心館事業では、訪問系サービスである「訪問看護」、「訪問介護」及び「居宅介護支援」等と施設系サービスである「有料老人ホーム」とを有機複合的に組み合わせることにより、退院後の行き先に不安や心配がある医療依存度が高い方やその家族といった顧客の幅広いニーズに応える「医心館」を1都1道18県、82事業所(有価証券報告書提出日現在)を展開しております。また、医心館では障害者の受入れにも取り組んでおり、障害者総合支援法によるサービス提供を行っております。特に看護師の人員体制を強固にすることで、医療依存度が高い方の終末期の療養において充実した看護ケアを提供していることを特徴としております。また、原則として医師を外部化(業務委託ではなく、医療・介護従事者の共感に基づく連携と協力関係のこと。当社では“医師のアウトソーシング”と表現しております。)することで、事業の透明性と公正性を担保し、在宅療養を含めた地域包括ケアシステムや「地域医療」のプラットフォームの一翼を担う存在として地域から認められることを目指しています。

医心館側の視点からは、終末期の療養生活の場では、医師が医心館に常駐して医療を提供する必要性は小さく、連携と協力関係を礎に非常駐化と外部化が可能であるため、看護や介護への人材投入の余力が発生します。一方、地域の開業医等病床をもたない医院(無床診療所)側の視点からは、病床を必要とする患者を診る必要が生じた際には、医心館のベッドを利用することで対応が可能となり、実質的に病床を有するような状態となることで患者対応力の向上につながると考えております。かつ診療時間外に患者の容態や病床を管理する負担が軽減されます(当社では“シェアリング病床”と表現しております。)。また、病床を有する市中病院においても病床回転率が向上し、経営の安定につながると考えております。これらのことを事由のひとつとして、医心館(当社グループ)と医療機関等との間では強固な信頼関係が築かれていると考えております。

なお、事業の内容に関しましては、章末に「用語集」として用語の解説を記載しております。

 

医心館事業で提供する各サービスの内容は以下のとおりであります。アンビスの売上高は、主にこれらサービスの提供を通じて社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会等(以下、「国保連等」と言います。)の審査支払機関から得る医療保険報酬+介護保険報酬+入居者から収受する家賃、管理費、食費等の保険適用外売上による三階建構造で構成されております。

 

① 訪問看護/介護予防訪問看護

・利用者に対する訪問看護サービスを提供し、このことに対して、国保連等の審査支払機関から得た報酬(医療保険制度による場合は診療報酬、介護保険制度による場合は介護報酬)を主に売上として計上いたします。

・提供したサービスの対価は、原則として、負担割合に応じたサービス利用料の1割~3割を利用者に請求し、残り7割~9割を国保連等に請求します。

・訪問看護は、何らかの病気や障害のある方が、自宅で療養生活をおくることを希望した際に、主治医から交付される訪問看護指示書に基づき、療養上の世話及び診療の補助を実施していくものであります。

・難病児者や障害児者等を含め、すべての年齢の在宅療養者に対して訪問看護を提供することが可能となっております。

・訪問看護を提供する者は、国家資格又は都道府県知事資格免許をもった看護師、准看護師、保健師等、理学療法士、作業療法士等となっています。
また、サービスを提供する法人形態は、医療法人、社会福祉法人、特殊法人をはじめ、株式会社等の営利組織、非営利組織など様々であります。

・訪問看護で提供できる療養上の世話とは、リハビリテーション、排泄及び身体清潔への援助などを指しております。
また、診療の補助とは、留置カテーテルやドレーン類の管理、点滴の実施、その他に注射類、在宅酸素及び人工呼吸器の管理、褥瘡の処置など多岐にわたります。

・アンビスでは、医心館の同一敷地内に訪問看護事業所を併設し、入居者に対し、訪問看護サービスと訪問介護サービスを併せて提供しております。

 

② 訪問介護/介護予防・日常生活支援総合事業

・利用者に対する訪問介護サービス等を提供し、①同様、国保連等の審査支払機関から得た報酬を主に売上として計上いたします。

・①同様、提供したサービスの対価は、原則として、負担割合に応じたサービス利用料の1割~3割を利用者に請求し、残り7割~9割を国保連等に請求します。

・ホームヘルパー(訪問介護員)や介護福祉士が要介護者の自宅を訪問し、入浴や排泄、食事、着替えなどの介護(身体介護)や、調理、洗濯、掃除などの家事や生活等に関する相談、助言(生活援助)を受けることができるものであります。

・アンビスでは、医心館の同一敷地内に訪問介護事業所を併設し、入居者に対し、訪問介護サービスと訪問看護サービスを併せて提供しております。
サービス内容は、ケアマネジャーなどが作成したケアプランに基づいて設定されています。

・アンビスでは、各種サービスの利用者に説明を行ったうえで契約を締結、その後にケアプランに沿ったサービス提供を行います。
医心館の入居者は要介護度が高い方が多いため、主として身体介護サービスを提供しております。

 

③ 居宅介護支援

・サービスの利用者から依頼を受けて、その心身の状況やおかれている環境、本人や家族の希望などを考慮したうえで、利用するサービスの種類や内容などの居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成するサービスのことであります。

・居宅サービス計画書の作成の他にも、その計画に基づいてサービスが適切に提供されるよう、サービス事業者や事業所などとの連絡調整も行います。

・アンビスには、居宅介護支援事業所を併設している事業所もありますが、当該事業所においても、医心館の入居者は外部の居宅介護支援事業所のサービスを受けることが可能であり、その選択は自由であります。

・アンビスでは、同社のケアマネジャーがケアプランを作成するなど、要介護認定者の介護保険サービス利用を支援した場合、介護保険での報酬を請求し、これを売上として計上いたします。報酬額はサービス利用者の要介護度に応じて設定されており、居宅介護支援サービスについては、利用者の負担はなく全額が介護保険から給付されます。

 

④ 居宅介護/重度訪問介護

・障害者総合支援法に基づき、障害のある方が住み慣れた地域で生活するため、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした居宅介護サービス及び重度訪問介護サービスの提供を行うものです。

・居宅介護とは、自宅で、入浴、排泄、食事の介護等を行うものであります。

・重度訪問介護とは、重度の肢体不自由者で常に介護を必要とする方(2014年4月より対象者が重度の知的障害者・精神障害者に拡大)に、自宅で、入浴、排泄、食事の介護、外出時における移動支援などを総合的に行うものであります。

・これらのサービスは、個々の方の障害程度や勘案すべき事項(社会活動や介護者、居住等の状況)を踏まえ、個別に報酬の支給決定が行われます。アンビスでは、これらサービスの提供に基づく報酬を売上として計上いたします。

 

[事業系統図]

事業の内容を事業系統図により示すと図1のとおりであります。

 

図1 事業系統図

 

※画像省略しています。

 

[事業化の背景と事業機会]

医心館事業の事業化の背景と事業機会は以下のとおりであります。

 

(1) 地域医療の疲弊・破綻

医療過疎地にある病院では医師の慢性的な不足と経営赤字という共通課題を抱え、病床の休廃止や廃院の危機に瀕しております。医師の確保が難しい背景には、日常の外来診療や病棟管理のほか、救命救急や周産期といった緊急性が高い対応までを少ない人員で行わざるを得ない結果としての過密な労働環境があります。労働環境を改善するべく、病院の経営側は医師の確保を試みるも叶わず、給与条件を引き上げることで人件費は高騰し、経営状況はさらに圧迫され、病床の休廃止や外来閉鎖、サービスの質量低下で患者数は一層減少、さらなる経営悪化で廃院するといった構造的な問題(地域医療の崩壊スパイラル)が存在しております。

 

(2) 医療ケア難民化

 わが国の超高齢社会(65歳以上の人口割合が全人口の概ね20%を超えている社会)は、医療や介護の需要がさらに高まることに併せて、「多死社会」を実相としており、人生の最終段階を「在宅(自宅や施設等)」で過ごすことを希望する方、さらには要介護度が高く医療を必要とする在宅療養者が急増する状況に、現状はその適切な受け皿や仕組みの整備が質量ともに不十分であります。

 これまで受け皿としての機能を果たしてきた、療養病床をはじめとする慢性期病床は、総数削減の方向性が示されております(病床機能評価の厳格化)。2014年に創設された地域包括ケア病床に関して、患者を病院内及び病院間で移動させるのではなく、「在宅」に帰す(在宅復帰)割合を上げることに対し高い報酬が設定されていることからも明らかなように、国は「時々入院、ほぼ在宅」といった、病院から「在宅」へという流れを強力に推進しております。この病床機能評価の厳格化の背景には、病床機能分化と全体的な病床数の削減、とりわけ療養病床の再編を促進する意図があると考えております。

 国は「地域医療構想」の達成に向け、2022年度時点で30.8万床の慢性期病床を、2025年には28.4万床まで縮減することを目標とし、縮減の行き先を介護施設や在宅医療等の利用で補うとされております。また、「超高齢」「多死」社会の進展に伴う需要の増大に対し、地域で関係機関及び職種が連携し一体となって患者を支えること(地域包括ケアシステム)を構想しております(出所:厚生労働省ホームページ「政策について/地域包括ケアシステム」ほか)。しかしながら、その整備状況については地域差が大きく、医療資源や機能的な連携が不十分であり需要に応えられる状況にはありません。療養病床を削減するその先、療養病床に代わる「療養の場」は時間を経るごとにますます社会全体で、特に医療過疎地で不足していくことを予想いたします。

 このような状況において、病床の不足から退院後にかかりつけ病院等へ転院できない、医療的な対応の不足から介護施設等へ移れない、なおさら家族等での負担が増えることから自宅へさえ戻れないといった、医療依存度が高い方の退院後の行き先に係る問題「医療ケア難民化」が存在しております。

 

[医心館事業の特徴]

当社グループが行う事業の特徴は、以下のとおりであります。

(1) 医心館事業の概要

医心館事業は「医心館」と称する有料老人ホームの運営と、併設している訪問看護事業所、訪問介護事業所の運営によるホスピス事業であります。有料老人ホームでは職員が24時間365日、入居者の見守りと健康管理を行い、訪問看護事業所と訪問介護事業所のそれぞれの職員は、医師の訪問看護指示あるいはケアマネジャーのケアプランに従い、入居者への日常的なケアに加えて病変時対応を行います。これらの点では、他の事業者が運営する有料老人ホームと運営方法に決定的な違いはなく、建築物の構造及び設備にも大きな特徴もありませんが、事業を安定的かつ持続的に発展運営するため、「医心館」は以下に掲げる特徴を有しております。

 

(2) 医心館事業の特徴

① 入居者からみた医心館事業の特徴

 医心館は、医療依存度が高い方々の安寧と尊厳のために、安心して暮らせる療養の場を提供できるよう事業を展開しております。一般的な介護施設では受け入れることが困難な、がんの末期状態にある方、特定疾患等の難治性の病を患う方、人工呼吸器の装着や気管切開で呼吸管理が必要な方、入退院を繰り返さざるを得ない方、看取り対応の方、重度障害により「在宅」での日常生活が困難な方など、いずれも医療依存度が高く「自宅等」で看護・介護を十分に得ることが難しい方々に対して、終末期の“療養”の機能を“住まい”に付加した場(退院後の行き先)を提供し、看護職員がメーンプレイヤーとなって、最期まで責任あるケアを提供しております。

 医療資源(医療従事者及び業務補助者、医療施設及び設備など)の充足状況と、結果としての医療提供状況は、地域ごとに大きく異なるため、医心館では医療機関との棲み分けを考慮しながら、地域のニーズに応じて柔軟に受入れ対象を調整しております。

 医心館では、常時複数の医師と連携して入居者に必要な医療を提供しており、仮に入居者の病状が変化して、現在の主治医では対応が難しいような場合、専門分野を異にする医師の診療が必要になるような場合には、医心館の看護師を介して入居者への紹介が行われます。これは、地域の医療従事者等の円滑な連携によって、入居者にとって真に必要な医療が提供される仕組みと言え、結果として医心館のみならず、その地域における在宅医療の質的な向上と医療資源の効率的な利用を期待することができます。

 

② 収益構造からみた医心館事業の特徴

 医心館事業の収益は、国保連等の審査支払機関から得る医療保険報酬+介護保険報酬+入居者から収受する家賃、管理費、食費等の保険適用外売上による三階建構造で構成されております。

 医心館は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設や他の介護施設(有料老人ホーム等)と異なり、医療依存度が高い方に特化した事業であるため、病院から在宅へのシフトを推進する政策の「追い風」環境下において、介護保険報酬に加えて医療保険報酬の両方から収益を得ており、事業運営は安定していることが最大の特徴であります。

 

③ 人員体制から見た医心館事業の特徴

・手厚い看護体制

医療依存度が高い方の医療需要に応えるため、経験豊か(総合病院に一定期間勤務している等)な看護職員を、一般病棟入院基本料に係る施設基準(入居者数:一日に看護を行う看護職員数が10:1~13:1)と同等数で人員配置しております(ただし、医心館もしくは併設する訪問看護事業所に配置する人数の合計)。また、看護職員と介護職員を合計した職員の総数は入居者数とほぼ同数になります。

 

・在宅療養に関わる人材の育成

今後の「多死」社会への対応を考えるとき、看取りを支える人材を育成していくことが必要となります。医心館では、2014年5月~2023年9月の間、16,604人の看取りに対応いたしました。2022年10月~2023年9月の間においては、アンビスの職員数を上回る6,649人の看取りを対応し、医心館で終末期に係る医療や介護の経験を個人として、また組織として次回の看取りに還元しています(デスカンファレンスの実施など)。このことは、医心館事業が社会の要請にかなった、在宅療養に関わる人材を育成している証であります。

 

④ 連携先からみた医心館事業の特徴

 医心館では、原則として医師を外部化することで、事業の透明性と公正性を担保し、同時に医療依存度が高い方のケアへの共感を軸に協業を図ることで、在宅療養を含めた地域包括ケアシステムや「地域医療」のプラットフォームを組み立てていることを特徴としております。なお、アンビスを含め当社グループは病院等の系列には属さず、また特定の医師と包括的な資本関係を持たない事業運営を行っております。

 

 有価証券報告書提出日現在、アンビスが運営する医心館は、82事業所、定員4,098人となりました。これまで、延べ21,504人(2023年9月末日現在)の利用者を得ております。

 

〈用語集〉

 

在宅療養

疾病をかかえた方々が自宅や施設等で必要な医療や看護を受けること。
1992年の医療法二次改正により「居宅等」が医療を行う場として法的根拠を持つに至り、2008年の診療報酬にその範囲が定められている。自宅、社会福祉施設・障害者施設の他、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、グループホーム、小規模多機能居宅介護等の居住系施設が含まれる。

在宅療養において請求できる診療報酬としては、往診、訪問診療、訪問看護など医療従事者が訪問して行う医療を評価するものと在宅自己注射、在宅酸素療法など、患者が自ら行う在宅医療を評価するものがある。

国は、医療提供体制の改革において、病院から在宅へという流れを推進しているが、ここでの在宅とは自宅への退院だけでなく、上記居住系施設が含まれる。

訪問看護

国家資格免許を持った看護師又は都道府県知事資格免許をもった准看護師及び保健師等が、保健師助産師看護師法に基づき、医師(主治医)の指示により疾病又は負傷を持った人の自宅を訪問し、在宅で療養上の世話又は必要な診療補助(心身の状況の観察、体温・脈拍・血圧・血中酸素飽和度の測定、排泄の介助やおむつ交換、痰の吸引、口腔ケア、食事の介助、胃瘻からの水分・人工栄養剤・医薬品の投与など)を行う。医療行為を行う点で、訪問介護とは異なる。

訪問介護

訪問介護員が居宅等を訪問して、食事、排泄やおむつ交換、着衣の交換、寝具の交換、車いすへの移動、通院・通所・外出などの日常生活動作の介護、料理、洗濯・洗濯物の乾燥・洗濯物の取り込み・洗濯物の収納、掃除、買い物などの日常家事の介護を行うもの。

居宅介護支援事業

介護を必要とする人が適切なサービスを利用できるよう、本人や家族の要望に沿って、ケアプランの作成や見直しの他、サービス事業者や施設との連絡調整も行うもの。居宅介護支援事業所では、介護支援専門員(ケアマネジャー)が以下のような業務を行う。

・要介護認定申請の受付、申請書の提出

・介護認定調査の実施

・指定居宅介護サービス事業所、介護保険施設の紹介及び提供事業所との連絡調整

・居宅介護サービス計画作成、サービス担当者会議で要介護者が受けるサービスの検討

・サービス計画に基づいたサービス提供の管理

・サービスの再評価とサービス計画の練り直し

居宅介護
(ホームヘルプ)

障害者福祉サービスの内容であり、障害程度区分が区分1以上(障害児にあってはこれに相当する心身の状態)である者が、居宅において、入浴、排泄及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言、その他の生活全般にわたる援助を受けるもの。

重度訪問介護

障害者福祉サービスの内容であり、重度の肢体不自由者で常時介護を必要とする障害者に、居宅において、入浴、排泄及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助並びに外出時における移動中の介護を総合的に行うもの。2014年4月から対象者は重度の知的障害者・精神障害者にまで拡大されている。

住宅型有料老人
ホーム

老人福祉法第29条第1項の規定に基づき、老人の福祉を図るため、その心身の健康保持及び生活の安定のために必要な措置として設けられる高齢者のための住居。

設置主体に限定はない(営利法人中心)。対象者は老人であるが、根拠法に老人の定義がないため、社会通念上の解釈による。入居者の①入浴、排泄又は食事の介護、②食事の提供、③洗濯、掃除等の家事、④健康管理のいずれかをする事業を行う施設と定義される。

サービス付き
高齢者向け住宅

高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)第5条の基準により登録される、介護・医療と連携し、高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の住宅。介護保険法上の類型はなく、外部サービスを活用する。設置主体に限定はない(営利法人中心)。対象者は、単身・夫婦世帯で、60歳以上の者あるいは要介護、要支援認定を受けている60歳未満の者に限定される。入居者の状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅と定義される。

介護保険施設

介護保険で被保険者である利用者にサービスを提供できる施設。介護保険施設には、介護老人保険施設のほかに、介護老人福祉施設、介護療養型医療施設がありそれぞれ設置基準が異なる。

地域包括ケアシステム

高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもと、在宅医療を促進する上での拠り所となる地域の包括的な支援・サービスの提供体制のこと。
背景には、日本の医療提供体制が世界各国に比較して人口当たりの病床数が多く、入院日数が長いという特徴を有することがあり、高齢者向け医療・介護サービスへの需要がますます増加するなか、国の財政事情に鑑みて医療や看護の効率化を進め、必要な人に必要な医療・介護を提供することが必要との考えを背景としている。2018年度の診療報酬改定においても、入院から在宅へという流れを一層促進するため、病床機能評価を厳格化し、地域の住まいを拠点とした総合的な医療介護連携を地域包括ケアシステムによって実現することが目標に掲げられている。

医療依存度

人工呼吸器管理や酸素療法、経管栄養など、医療を施さなければ生存が難しい状態の度合いのことで、医療依存度の高さが退院後の在宅療養や介護施設の受入れ可否に係る条件の一つとなる。医療依存度が高い患者への対応には、病棟勤務経験のある看護師など、日ごろのケア方法を熟知した上で、急変の兆しや異常を見落とさないこと、緊急時の正しい対応など、医療面の知識を有し、プライバシーの保護方法などを学んでおく必要がある。

 

23/12/28

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

経営者の視点により当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

   なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

① 財政状態

資産、負債及び純資産の状況

   (資産の状況)

当連結会計年度末における資産合計は、55,559百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,791百万円の増加となりました。これは主に、増収により売掛金が1,698百万円増加し、新規事業所の開設に伴い有形固定資産が9,757百万円、敷金及び保証金が796百万円増加したこと等によるものです。

 

   (負債の状況)

当連結会計年度末における負債合計は29,036百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,727百万円の増加となりました。これは主に、新規事業所の開設に伴い借入金が4,682百万円、リース債務が936百万円増加し、また事業拡大に伴い未払金及び未払費用が963百万円増加したこと等によるものです。

 

   (純資産の状況)

当連結会計年度末における純資産合計は、26,523百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,064百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益6,310百万円により利益剰余金が増加する一方で、配当金の支払いにより利益剰余金が293百万円減少したことによるものです。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類へ移行したことに伴い、経済活動の制限緩和による景気回復に向けた動きが見られました。また、世界経済においても多くの国で感染症による各種制限が解消され、経済活動は回復に向かいつつある一方で、ロシア・ウクライナ情勢による不安定な国際情勢の長期化、物価の上昇などが続いており、依然として厳しい経営環境は続いております。

医療・介護業界においても、原材料や資源・エネルギー価格の高騰に伴う物価高のため、経営に苦しむ事業者が増えた結果、廃業・倒産件数は、2022年の過去最多を更新し、2023年においても、高水準となることが見込まれ、予断を許さない状況となっております。

このような環境下、当社グループは物価高の影響を受けながらも引き続きオペレーションを磨き上げ、末期がん患者を含む終末期の入居者を受け入れることで、責任あるターミナルケアを実践してきました。的確な感染対策と本社集約型管理体制によって19事業所を新規開設、1事業所を増床し、多くの方々に医心館をご利用いただくことができました。

当連結会計年度において、医心館事業では新たに19事業所を開設、1事業所を増床した一方で、「医心館 四日市」の事業を譲渡しました。この結果、全国の医心館は2023年9月末時点で76事業所、定員3,795人を数えるに至ります。既存事業所の高稼働に加え、新規開設事業所の立ち上がりが好調であることが寄与して、全体として稼働率は高水準で推移しました。これらの結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高31,985百万円(前連結会計年度比38.6%増)、EBITDA9,834百万円(同41.1%増)、営業利益8,630百万円(同40.7%増)、経常利益8,541百万円(同40.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,310百万円(同47.5%増)となりました。
 なお、当社グループは医心館事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(単位:百万円)

 

 

2022年9月

(前連結会計年度)

2023年9月

(当連結会計年度)

増減額

増減率

 

売上高

23,072

31,985

8,913

38.6%

 

EBITDA

(EBITDAマージン)

6,967

(30.2%)

9,834

(30.7%)

2,867

41.1%

 

営業利益

(営業利益率)

6,132

(26.6%)

8,630

(27.0%)

2,498

40.7%

 

経常利益

(経常利益率)

6,060

(26.3%)

8,541

(26.7%)

2,481

40.9%

 

親会社株主に

帰属する当期純利益

(当期純利益率)

4,279

(18.5%)

6,310

(19.7%)

2,030

47.5%

 

(注) EBITDA = 営業利益+減価償却費+のれん償却額+株式報酬費用

 

  (売上高)

当連結会計年度の売上高は31,985百万円となり、前連結会計年度より8,913百万円の増加となりました。これは主に、新規19事業所の医心館開設及び1事業所の増床によるサービス提供の開始により、医療保険収入及び介護保険収入が生じたこと等によります。

 

  (売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は18,714百万円となり、前連結会計年度より5,328百万円の増加となりました。これは主に、新規に医心館を開設したことに伴い採用した事業所従業員の給与手当が生じたこと等によります。この結果、売上総利益は13,271百万円となりました。

 

  (販売費及び一般管理費、EBITDA、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,640百万円となり、前連結会計年度より1,086百万円の増加となりました。これは主に、新規に医心館を開設したことに伴う事業所従業員の採用費用、また業務の規模拡大に伴い採用した事業所事務員、地域連携部員、本社従業員の採用費用及び給与手当の増加によります。この結果、EBITDAは9,834百万円、営業利益は8,630百万円となりました。

 

  (営業外収益、営業外費用、経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は161百万円となり、前連結会計年度より0百万円の減少となりました。これは主に、固定資産売却益が発生した一方で新型コロナウイルスに係る補助金収入が減少したこと等によります。また、当連結会計年度の営業外費用は250百万円となり、前連結会計年度より16百万円の増加となりました。これは主に、医心館の新規開設による借入金及びリース債務に係る支払利息が増加したこと等によります。この結果、経常利益は8,541百万円となりました。

 

  (親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の法人税等合計は2,631百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6,310百万円となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、12,128百万円となり、前連結会計年度末に比べ786百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は6,798百万円(前年同期は4,415百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払2,412百万円、売上債権の増加1,698百万円、事業譲渡益400百万円が生じた一方で、税金等調整前当期純利益8,942百万円、減価償却費1,201百万円、未払金及び未払費用の増加932百万円が生じたこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は10,312百万円(前年同期は7,751百万円の使用)となりました。これは主に、新規事業所を開設したことに伴い有形固定資産の取得による支出9,837百万円、敷金及び保証金の差入による支出902百万円が生じた一方で、事業譲渡による収入400百万円が生じたこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は4,300百万円(前年同期は3,486百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,930百万円が生じた一方で、新規事業所を開設したことに伴う長期借入れによる収入6,099百万円、短期借入金の純増額514百万円が生じたこと等によるものです。

 

④ 生産・受注及び販売の実績

当社グループの報告セグメントは、医心館事業のみの単一セグメントであります。

 a.生産実績

 当社グループでは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 b.受注実績

 当社グループでは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 c.販売実績

当連結会計年度における販売実績は、31,985百万円となりました。なお、当社グループは医心館事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。主な相手先別の販売実績とその割合は、次のとおりであります。

 

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高

(百万円)

割合(%)

販売高

(百万円)

割合(%)

 

神奈川県国民健康保険団体連合会

4,490

19.5

5,673

17.7

 

社会保険診療報酬支払基金

2,422

10.5

3,393

10.6

 

埼玉県国民健康保険団体連合会

2,457

10.7

3,329

10.4

 

 

 

  ⑤ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、新規事業所の開設資金(土地や建物の取得等)及び運転資金であります。運転資金のうち主なものは、売上原価に計上している事業所従業員の人件費等で、新規事業所の開設資金は金融機関からの借入及び市場からの調達、運転資金は自己資金を基本としております。借入金につきましては、流動性を確保するため取引金融機関と当座貸越契約を締結し、適正な手許現金及び現金の水準を定め、長期資金と短期資金の均衡を保ちつつ、財務健全性の維持を図っております。総じて、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12,128百万円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、連結財務諸表「注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の計上額に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。