E31775 Japan GAAP
前期
1.98兆 円
前期比
104.4%
株価
1,536 (04/18)
発行済株式数
3,617,602,420
EPS(実績)
89.86 円
PER(実績)
17.09 倍
前期
677.0万 円
前期比
101.1%
平均年齢(勤続年数)
44.8歳(20.5年)
従業員数
11,742人(連結:11,807人)
当行は、銀行法に基づき、預入限度額内での預金(貯金)業務、シンジケートローン等の貸出業務、有価証券投資業務、為替業務、国債、投資信託及び保険商品の販売、住宅ローン媒介業務、クレジットカード業務などを営んでおります。また、日本郵便株式会社の郵便局ネットワークをメインチャネルに、1.2億人規模のお客さまに生活・資産形成に貢献する金融サービスを提供し、お預かりした貯金を有価証券で運用することを主な事業としております。
当行及び当行の関係会社は、当行、連結子会社9社及び持分法適用関連会社2社で構成されており、銀行業の単一セグメントとして、銀行業務のほか、金融商品取引業務などを行っております。
なお、日本郵政グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等を行っております。
(事業系統図)当行及び当行の関係会社
(注) 上記のほか、持分法非適用の非連結子会社が2社あります。
(1) 資金運用
当行は、2023年3月末日現在、個人貯金が90%超を占める194.9兆円の貯金を、主として有価証券132.7兆円(内、国債38.1兆円、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)78.3兆円)で運用し、資金運用収益を中心に収益を確保しております。
具体的には、想定した市場環境の下、負債の状況等を踏まえて国債等の運用資産・運用期間を適切に管理するとともに、収益源泉の多様化・リスク分散の観点から、国際分散投資の推進、オルタナティブ資産への投資など運用の高度化・多様化を図っているほか、地域経済活性化にも貢献すべく、従来からの地方公共団体向け資金供給の強化に加え、地域金融機関と連携し、地域活性化ファンドへの出資等に取り組んでおります。
こうした金融資産及び金融負債は、市場リスク(金利、為替、株式など様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む。)の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスク)や信用リスク(信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスク)を伴うものであるため、デリバティブ取引等で一定のリスクをヘッジしつつ、収益確保に努めております。
(2) 資金調達、資産・負債総合管理
当行は、本支店その他の営業所・日本郵便株式会社が展開している郵便局ネットワークを通じて、お客さまから通常貯金、定額・定期貯金などの各種の貯金を預入限度額内でお預かりしております。
また、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)が、日本郵政公社から承継した郵便貯金に相当する預り金を、特別貯金として受け入れております。
更に、上記(1)の資金運用(資産)と市場取引も含めた資金調達(負債)について、信用・市場リスクや流動性リスク(運用・調達期間の差異や資金流出により、必要な資金調達や通常の金利での資金調達が困難となるリスク)をマネージするため、各商品のリスク特性に合わせた7つのポートフォリオに細分化して管理する枠組みの下で、資産・負債を総合的に内部管理するALM(Asset Liability Management)を適切に展開し、中期的な収益の確保に努めております。(当該枠組みの内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考) ポートフォリオの状況」をご参照ください。)。
(3) 手数料ビジネス
当行は、本支店その他の営業所(直営店)・日本郵便株式会社の郵便局ネットワーク・各種デジタルチャネルを通じて、為替業務、国債・投資信託等の資産運用商品の販売、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務及び各金融機関と連携したATM提携サービスなどを提供し、手数料(役務取引等)収益を確保しております。
(事業系統図) 日本郵政株式会社を中心としたグループ各社等との関係
(注) 1.当行は、2023年3月31日現在、全国に本支店その他の営業所235箇所を展開しておりますが、日本郵便株式会社との間で銀行代理業務等に係る委託契約を締結し、日本郵便株式会社の郵便局(19,828局)、簡易郵便局(3,579局)に代理店を設けております。
2.郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法に基づき、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として、郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われております(「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。
3.当行は、2023年3月から4月において、市場買付による自己株式取得を実施し、取得した自己株式について、同年5月末に消却しております。日本郵政株式会社の当行に対する資本関係(議決権比率)は、2023年3月31日現在のものであります。
(参考)
当行は、事業を行うにあたり、「郵政民営化法」に基づき、主に次の(1)~(4)の規制を受けております。
(1) 業務の制限
当行は、郵政民営化法により、郵政民営化時に認められていなかった業務(いわゆる新規業務)を行うときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を要するものとされております(同法第110条)。認可を要する業務の概要は、以下のとおりです。
また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の認可や下記(3)(4)の規制に係る認可の申請があった場合、下記(2)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。
(なお、日本郵政株式会社が当行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、郵政民営化法第110条に係る認可は要しないものの、当行が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うにあたっては、他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。(同法第110条の2))
① 外貨預金の受入れ、譲渡性預金の受入れ
② 資金の貸付け又は手形の割引(次の(a)から(f)に掲げる業務を除く。)
(a) 預金者等に対する当該預金者等の預金等を担保とする資金の貸付け
(b) 国債証券等を担保とする資金の貸付け
(c) 地方公共団体に対する資金の貸付け
(d) コール資金の貸付け
(e) 日本郵政株式会社、日本郵便株式会社又は株式会社かんぽ生命保険に対する資金の貸付け
(f) 郵政管理・支援機構に対する資金の貸付け
③ 銀行業に付随する業務等のうち、次の(a)から(l)に掲げる業務
(a) 債務の保証又は手形の引受け
(b) 特定目的会社発行社債の引受け等
(c) 有価証券の私募の取扱い
(d) 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託
(e) 外国銀行の業務の代理又は媒介
(f) デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理
(g) 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理
(h) 有価証券関連店頭デリバティブ取引
(i) 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理
(j) 投資助言業務
(k) 信託に係る事務に関する業務
(l) 地球温暖化防止の観点での算定割当量関連業務
④ 登録金融機関の業務(金融商品取引法第33条第2項の業務)(次の(a)から(c)に掲げる業務を除く。)
(a) 投資の目的又は信託契約に基づく有価証券の売買・有価証券関連デリバティブ取引及び書面取次ぎ行為
(b) 国債等の募集の取扱い等
(c) 証券投資信託の募集の取扱い等
⑤ その他の法律の規定により銀行が営むことができる業務(次の(a)から(e)に掲げる業務を除く。)
(a) 当せん金付証票の売りさばき等
(b) 国民年金基金の加入申出受理業務
(c) 株式会社かんぽ生命保険の一部の生命保険の募集
(d) 確定拠出年金(個人型)の加入申込受理業務
(e) 拠出年金運営管理業(個人型)
⑥ その他内閣府令・総務省令で定める業務
(2) 預入限度額
当行は、郵政民営化法により、当座預金に相当する振替貯金を除き、原則として一の預金者から、受入れをすることができる預金等の額が制限されております。(郵政民営化法第107条、郵政民営化法施行令第2条)
2019年3月13日に公布された郵政民営化法施行令の一部を改正する政令に基づき、同政令の施行日である2019年4月1日からの預入限度額は下記のとおりです。また、預金保険制度による貯金の保護の範囲については変更ありません。
① 通常貯金・・・1,300万円
② 定期性貯金(定額貯金及び定期貯金等。郵政民営化前に預入した郵便貯金(郵政管理・支援機構に引き継がれたもの)を含み、③を除く。)・・・1,300万円
③ 財形定額貯金、財形年金定額貯金、財形住宅定額貯金・・・あわせて550万円
(3) 子会社保有の制限
当行は、子会社対象金融機関等を子会社(銀行法第2条第8項に規定する子会社)としようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(郵政民営化法第111条第1項)
また、銀行(銀行法第16条の2第1項第1号、第2号又は第7号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(郵政民営化法第111条第7項)
(4) 合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けの認可
当行を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております。(郵政民営化法第113条第1項、第3項及び第5項)
ただし、内閣総理大臣及び総務大臣は、金融機関(預金保険法第2条第1項各号に掲げる者)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(郵政民営化法第113条第2項、第4項及び第6項)
これらの規制は、日本郵政株式会社が当行の株式の全部を処分した日、又は日本郵政株式会社が当行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣が内閣総理大臣に通知した日以後に、内閣総理大臣及び総務大臣が、当行について、内外の金融情勢を踏まえ、次に掲げる事情を考慮し、規制を適用しなくても当行と他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認める旨の決定をした日以後は、適用されないこととなっております。(郵政民営化法第104条)
・日本郵政株式会社が保有する当行の議決権が、その総株主の議決権に占める割合その他他の金融機関等との間の競争関係に影響を及ぼす事情
・当行、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険、その他日本郵政株式会社が設立した株式会社の経営状況及びこれらの株式会社と当行との関係
当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。当行の連結財務諸表と個別財務諸表の差は僅少であるため、経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容の一部については、当行単体のものを記載しております。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
また、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当行グループは、「社会と地域の発展に貢献する」というパーパス(社会的存在意義)と、「最も身近で信頼される銀行を目指す」という経営理念の実現に向け、果たすべき3つのミッション(社会的使命)を定めております。
当行グループは、約24,000の店舗ネットワーク等を通じて、日本全国の幅広いお客さまに、各種金融サービスをあまねく提供しており、3つのミッションには、SDGs(国際連合が掲げる「持続可能な開発目標」)の基本理念でもある「誰一人取り残さない」という考えが貫かれております。
当連結会計年度は、3つのミッション達成に向け、中期経営計画(2021年度~2025年度)で策定した5つの重点戦略に基づき、着実にビジネスの拡大・強化に取り組んでまいりました。
当行グループのパーパス・経営理念・ミッション・5つの重点戦略
具体的には、当行グループの持続的な企業価値向上を支える成長エンジンと位置づけている「リテールビジネス」、「マーケットビジネス」及び「新しい法人ビジネス(Σビジネス)」という3つのビジネス・エンジン各々において、5つの重点戦略につき、以下のとおり取り組みました。
(リテールビジネス)
第1のエンジン「リテールビジネス」では、主に個人のお客さまを対象に、全国約24,000の店舗ネットワーク、約31,000台のATMネットワーク、すべてのお客さまが利用しやすいデジタルチャネル等を通じて、日本全国あまねく「安心・安全」で「親切・丁寧」な金融サービスの提供に取り組みました。
店舗ネットワークについては、ご自身でスムーズに口座開設等の取引を行えるセルフ型営業店端末「Madotab」を全直営店(233店舗)に配備したほか、ATMネットワークについては、通帳繰越機能付きATMの配備を進める等、お客さまニーズに応えるとともに、業務効率化を推進しました。
デジタルサービスについては、スマートフォンを利用し、いつでも現在高や入出金明細の確認、送金、定額・定期貯金の預入・払戻し、投資信託の購入、住所・電話番号の変更等の基本的な銀行取引ができる「ゆうちょ通帳アプリ」の利用口座が700万口座を突破するとともに、スマートフォンを利用して金融資産や毎月の収支の管理ができる家計簿アプリ「ゆうちょレコ」のサービスを開始しました。更に、キャッシュカード一体型のVisaデビットカード「ゆうちょデビット」の発行を開始する等、キャッシュレス化の取組みを推進しました。
資産形成サポートビジネスについては、お客さまのライフプランや家計の状況の変化等に合わせた最適な運用ポートフォリオを提供する「ゆうちょファンドラップ」の提供を開始しました。
(マーケットビジネス)
第2のエンジン「マーケットビジネス」については、適切なリスク管理の下、市場環境の変化を踏まえつつ、国際分散投資の拡大等に取り組みました。
具体的には、インフレ高進を受けた米欧中央銀行の急速な金融引き締め及びそれを受けた景気減速懸念や、米欧の金融システム不安の高まり等を受け、市場環境が大きく変動する中、機動的なポートフォリオ運営により、利益を確保してまいりました。
また、リスク対比リターンやリスク耐性強化を意識しつつ、投資適格領域の外国社債等を中心にリスク性資産残高を99.4兆円まで拡大するとともに、リスク性資産のうち、プライベートエクイティファンド等の戦略投資領域(注1)については、優良案件への選別的な投資に努め、残高を10.1兆円まで積み上げました。2023年3月末の自己資本比率(連結・国内基準)は15.53%と十分な財務健全性を維持しております。
更に、市場環境が大きく変動する中、ストレステストの高度化やモニタリングの強化を推進し、リスク管理の一層の深化を図りました。
(注) 1.プライベートエクイティファンド(成長が見込まれる未上場企業等へ投資するファンド)、不動産ファンド等からなる戦略的な投資領域
(新しい法人ビジネス(Σビジネス))
当行グループはビジネスの中長期的なサステナビリティ(持続性)を強化するため、「リテールビジネス」と「マーケットビジネス」に次ぐ第3の新しい成長エンジンとして、「投資を通じたゆうちょ銀行らしい新しい法人ビジネス(Σビジネス)」を2022年11月に公表しました。
Σビジネスは、「社会と地域の発展に貢献する」という当行グループのパーパスに合致するとともに、全国津々浦々に展開する店舗ネットワーク等、当行グループの強みを活かした、新しい法人ビジネスです。具体的には3つの業務の柱があり、まず、第一に、連結子会社のJPインベストメント株式会社を中核としたGP(注2)業務の本格化により、全国の成長性のある中堅・中小企業に投資(資本性資金の供給)を行い、国内への資金循環を強化してまいります。第二に、投資先のベンチャー企業等の便利な商品・サービスを、当行グループの店舗ネットワークを通じて全国各地で紹介・媒介(マーケティング)し、投資先企業等の成長を支援してまいります。第三に、当行グループの店舗ネットワークを活用して、全国各地の投資先候補の発掘(ソーシング)を行ってまいります。
当連結会計年度においては、GP業務本格化の一環として、JPインベストメント株式会社が設立した「JPインベストメント地域・インパクトファンド1号」に出資したほか、Σビジネスの考え方が投資ガイドライン等に反映されているフロンティア・キャピタル株式会社に出資しました。
また、投資先企業の紹介・媒介(マーケティング)業務として、スマートフォンを活用して訪日外国人向けに簡便な「免税還付手続きの電子化サービス」を提供する株式会社Pie Systems Japanと協業契約を締結し、加盟店開拓業務をスタートしました。
(注) 2.General Partnerの略。投資ファンドにおいて投資先企業の選定、投資判断等を担うファンドの運営主体
(株式売出しによる民営化プロセスの進展)
当行の親会社である日本郵政株式会社は、当行株式の保有割合を、中期経営計画期間中(2021年度~2025年度)のできる限り早期に50%以下とすることを目指す方針を打ち出しております。本方針に基づき、2023年3月、日本郵政株式会社による当行株式の売出しが実施されました。
日本郵政株式会社の当行株式保有割合(議決権ベース)は本売出し実施前時点において約89%でしたが、本売出し後(2023年3月末時点)において約61%となり、完全民営化に向けた当行の民営化プロセスは着実に進展いたしました。
なお、本売出しの結果、当行の2023年3月末の流通株式比率は約10.6%(本売出し実施前時点)から大幅に改善したものの、2023年3月末時点で34.5%となり、株式会社東京証券取引所のプライム市場上場維持基準である35%に僅かに届かない結果となりました。
当行は引き続き、経過措置に従いプライム市場に上場することとなりますが、2021年11月12日に公表した「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」に基づき、上場維持基準の適合を目指してまいります。
(中期経営計画の財務目標における当連結会計年度の実績)
中期経営計画において、財務目標として掲げている項目の当連結会計年度の実績は、下表のとおりとなりました。
(注) 3.ROE(株主資本ベース)は、連結当期純利益(当行帰属分)÷((当期首株主資本+当期末株主資本)÷2)で算出しております。
4.OHRは、経費÷(資金収支等+役務取引等利益)で算出しております。資金収支等とは、資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む。)です。なお、当行は相応の規模で金銭の信託を活用した有価証券等運用を行っていることを踏まえ、金銭の信託に係る運用損益も分母に含めたOHRを指標として設定しております。
5.自己資本比率(国内基準)は、自己資本の額÷リスク・アセット等で算出しております(なお、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載の自己資本比率とは、算出方法が異なります。)。
6.CET1(普通株式等Tier1)比率(国際統一基準)は、CET1資本÷リスク・アセット等で算出しております(なお、CET1資本は、その他有価証券評価益除くベースです。また、一部計算項目を簡便的に算出しております。)。当行は国内基準行であるものの、国際分散投資拡大に伴う、国際金融システム上の重要性の増加等を踏まえ、国際統一基準であるCET1比率も目標項目として設定しております。
当連結会計年度の連結粗利益は、前連結会計年度比2,356億円減少の1兆563億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託の収益減少を主因に、前連結会計年度比3,511億円の減少となりました。外債投資信託の収益減少は、海外の金利上昇やクレジットスプレッドの拡大等による、為替ヘッジコストの増加、収益認識できない特別分配金の増加、投資信託内債券の早期償還に伴う償還益の減少、投資信託の解約益の減少等によるものです。役務取引等利益は、2022年1月の料金改定の影響によりATM関連手数料や為替・決済関連手数料等が増加したことを主因に、前連結会計年度比193億円の増加となりました。その他業務利益は、外国債券の売却に伴う外国為替売買損益の増加を主因に、前連結会計年度比960億円の増加となりました。
経費は、預金保険料の減少や日本郵便株式会社への委託手数料の減少等により、前連結会計年度比569億円減少の9,263億円となりました。
連結業務純益は、前連結会計年度比1,787億円減少の1,300億円となりました。
臨時損益は、プライベートエクイティファンドや不動産ファンドに係る収益の拡大等により、前連結会計年度比1,434億円増加の3,255億円となりました。
経常利益は、前連結会計年度比353億円減少の4,555億円となりました。通期業績予想の経常利益4,450億円に対し、達成率は102.3%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、3,250億円と前連結会計年度比300億円の減益となりましたが、通期業績予想の親会社株主に帰属する当期純利益3,200億円に対する達成率は101.5%となりました。
なお、「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(注) 1.連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、連結損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております(非支配株主に帰属する当期純損失を除く。)。
① 損益の概要(単体)
当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比2,482億円減少の1兆426億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託の収益減少を主因に、前事業年度比3,623億円の減少となりました。外債投資信託の収益減少は、海外の金利上昇やクレジットスプレッドの拡大等による、為替ヘッジコストの増加、収益認識できない特別分配金の増加、投資信託内債券の早期償還に伴う償還益の減少、投資信託の解約益の減少等によるものです。役務取引等利益は、2022年1月の料金改定の影響によりATM関連手数料や為替・決済関連手数料等が増加したことを主因に、前事業年度比189億円の増加となりました。その他業務利益は、外国債券の売却に伴う外国為替売買損益の増加を主因に、前事業年度比951億円の増加となりました。
経費は、預金保険料の減少や日本郵便株式会社への委託手数料の減少等により、前事業年度比572億円減少の9,236億円となりました。
業務純益は、前事業年度比1,910億円減少の1,189億円となりました。
臨時損益は、プライベートエクイティファンドや不動産ファンドに係る収益の拡大等により、前事業年度比1,477億円増加の3,292億円となりました。
経常利益は、前事業年度比432億円減少の4,482億円となりました。
この結果、当期純利益は3,246億円、前事業年度比303億円の減益となりました。
(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております。
(参考) 与信関係費用
(注) 1.金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。
2.金額が損失又は費用には△を付しております。
② 国内・国際別の資金利益等(単体)
当行は、銀行業の単一セグメントであり、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。
当事業年度は、国内業務部門においては、資金利益は2,761億円、役務取引等利益は1,469億円、その他業務利益は△181億円となりました。
国際業務部門においては、資金利益は、海外の金利上昇やクレジットスプレッドの拡大等による、為替ヘッジコストの増加、収益認識できない特別分配金の増加、投資信託内債券の早期償還に伴う償還益の減少、投資信託の解約益の減少等に伴う外債投資信託の収益減少等による外国証券利息の減少や、資金調達費用の増加等により5,089億円に減少、役務取引等利益は△5億円、その他業務利益は1,292億円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は7,851億円、役務取引等利益は1,463億円、その他業務利益は1,111億円となりました。
イ.国内業務部門
ロ.国際業務部門
ハ.合計
(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度4,404百万円、当事業年度10,863百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借に係る利息)は下表のとおりであります。なお、当事業年度末より、当該資金貸借に係る利息の算出方法を見直しております。
③ 国内・国際別資金運用/調達の状況(単体)
当事業年度の資金運用勘定の平均残高は219兆6,067億円、利回りは0.56%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は210兆3,378億円、利回りは0.21%となりました。
国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は210兆2,108億円、利回りは0.14%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は204兆2,173億円、利回りは0.01%となりました。
国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は76兆6,089億円、利回りは1.20%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は73兆3,333億円、利回りは0.56%となりました。
イ.国内業務部門
(注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。
2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,629,573百万円、当事業年度2,751,073百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,629,573百万円、当事業年度2,751,073百万円)及び利息(前事業年度△967百万円、当事業年度△2,532百万円)を控除しております。
3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。
4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。
ロ.国際業務部門
(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。
2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度1,531,380百万円、当事業年度2,357,381百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度1,531,380百万円、当事業年度2,357,381百万円)及び利息(前事業年度5,372百万円、当事業年度13,396百万円)を控除しております。
ハ.合計
(注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度4,160,954百万円、当事業年度5,108,455百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度4,160,954百万円、当事業年度5,108,455百万円)及び利息(前事業年度4,404百万円、当事業年度10,863百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借の平均残高及び資金貸借に係る利息)は下表のとおりであります。なお、当事業年度末より、当該資金貸借に係る利息の算出方法を見直しております。
④ 役務取引等利益の状況(単体)
当事業年度の役務取引等利益は、2022年1月の料金改定の影響によりATM関連手数料や為替・決済関連手数料等が増加したことを主因に、前事業年度比189億円増加の1,463億円となりました。
当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末比3兆3,722億円減少の229兆5,822億円となりました。主要勘定については、有価証券は前連結会計年度末比6兆7,759億円減少の132兆8,014億円、貸出金は前連結会計年度末比1兆1,623億円増加の5兆6,043億円となりました。貯金残高は、通常貯金等の残高増加を主因に、前連結会計年度末比1兆5,099億円増加の194兆9,486億円となりました。
株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、配当金の支払い及び自己株式の取得により、前連結会計年度末比439億円増加しました。その他の包括利益累計額は、「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日)の適用により、プライベートエクイティファンド等の評価損益が新たに反映されることとなった一方、内外金利の上昇及び海外のクレジットスプレッドの拡大等に伴い、前連結会計年度末比6,990億円減少し、純資産は9兆6,518億円となりました。株主資本のうち、利益剰余金は2兆4,819億円となりました。
① 預金残高の状況(単体)
当事業年度末の貯金残高は前事業年度末比1兆5,095億円増加の194兆9,515億円となりました。
○ 預金の種類別残高(末残・構成比)
○ 預金の種類別残高(平残・構成比)
(注) 1.通常貯金等=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
4. 上記の通常貯金、定期性預金は、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考) (2) 預入限度額」に記載の郵政民営化法における預入限度額規制上の区分とは異なります。
② 資産運用の状況(末残・構成比) (単体)
当事業年度末の運用資産のうち、国債は38.1兆円、その他の証券は78.3兆円となりました。
(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。
③ 評価損益の状況(末残)(単体)
当事業年度末の評価損益(その他目的)は、内外金利の上昇及び海外のクレジットスプレッドの拡大等に伴い、ヘッジ考慮後で、前事業年度末から1兆90億円減少し、2,140億円(税効果前)となりました。
(注) 「有価証券」には、有価証券のほか、現金預け金中の譲渡性預け金、買入金銭債権を含んでおります。
④ 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)(単体)
(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末246,483百万円、当事業年度末157,418百万円であります。
キャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比12兆1,611億円減少の△4兆4,958億円、投資活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比7兆9,229億円増加の6兆3,374億円、財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比1,043億円減少の△2,860億円となりました。その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比1兆5,556億円増加の68兆1,583億円となりました。
当面の設備投資及び株主還元などは自己資金で賄う予定であります。
また、当行グループは、正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理態勢の構築を図っております。有価証券等の運用については、大部分をお客さまからお預かりした貯金にて調達するとともに、必要に応じて外貨建てを中心に、売現先取引や債券貸借取引等による資金調達を行っております。
(参考) ポートフォリオの状況
1.ポートフォリオの概要
当行は、ALM(資産・負債の総合管理)の枠組みとして7つのポートフォリオを設け、当行の内部規程に基づく管理会計により管理しております。上図は、その概要をイメージ図として重要性の観点から簡略化して記載しております。(なお、ALMとは、有価証券等の資産や貯金等の負債の金利・期間を把握し、将来の金利変動等を予測した上で、市場・信用・流動性等のリスクを管理しつつ、収益の確保を図る管理手法です。)
① 円金利ポートフォリオ(日本国債ポートフォリオを含む。)
主に円金利リスクを取得・管理するポートフォリオです。日本国債、政府保証債、短期運用資産等の運用サイドに加え、調達サイド(貯金等)も含めて、円金利リスクを管理します。
② 日本国債ポートフォリオ
円金利ポートフォリオの内、運用サイド(短期運用資産等を除く。)を特に日本国債ポートフォリオと呼びます。
③ クレジット・ポートフォリオ
主に信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には国内外の地方債、社債等が含まれます。
④ 外国国債ポートフォリオ
主に外貨金利リスク、為替変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には外国国債等が含まれます。
⑤ 株式ポートフォリオ
主に株価変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には株式及び株式関連デリバティブ等が含まれます。
⑥ オルタナティブ・ポートフォリオ
主にオルタナティブ資産に係るリスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産にはプライベートエクイティファンド、不動産ファンド等が含まれます。
⑦ ファイナンス・ポートフォリオ
主に貸付に係る信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、地方公共団体向け貸付(郵政管理・支援機構向け貸出金を含む。)、法人向け貸付、地域活性化ファンド等への投資を実施します。
ポートフォリオ間の内部資金取引には、市場金利等をベースにした仕切りレートを、トランスファー・プライス(以下「TP」)として設定しております。
≪ポートフォリオ別資産の概要、期末残高≫ (単位:億円)
(注) 1.円金利ポートフォリオから調達サイド(貯金等)を除いたものとなります。
2.クレジット・ポートフォリオ、外国国債ポートフォリオ、株式ポートフォリオ、オルタナティブ・ポートフォリオ、ファイナンス・ポートフォリオの合計となります。
3.戦略投資領域は、オルタナティブ資産(プライベートエクイティファンド、不動産ファンド(エクイティ)等)、不動産ファンド(デット)、ダイレクトレンディングファンド、インフラデットファンド等であります。
2.ポートフォリオ別平残・損益の概要
(単位:平残/兆円、損益/億円)
(注) ポートフォリオ別平残は、期首残高と期末残高の平均であります。
ポートフォリオ別損益は、以下により算出しており、各ポートフォリオの損益の合計は当行の経常利益に概ね一致します。
損益=資金収支等(資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む))+役務取引等収支(役務取引等収益-役務取引等費用)-経費(損益計算書上の営業経費に相当)
資金収支等は、社外との実際の取引、社内の内部取引(TPを設定)を、各ポートフォリオに帰属させ、その収益・費用を計上しております。例えば、円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)には、貯金で調達した資金を同期間の国債で運用した利鞘等を、リスク性資産には、国債レート(TP)の社内取引で調達した資金を同期間の社債等で運用した利鞘(信用スプレッド)等を、計上しております。
役務取引等に係る収益・費用は、大部分が為替・決済業務や投資信託販売手数料などサービス・商品販売に係る手数料とその費用であり、主に円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)に計上しております。
経費は、以下により各ポートフォリオに帰属させていますが、そのほとんどは円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)に計上しております。
① 各ポートフォリオに直接帰属させることが可能な経費
ア 特定のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、当該ポートフォリオに賦課
イ 複数のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、業務に従事する社員数等に応じて各ポートフォリオに配賦
② 各ポートフォリオに直接帰属させることができない経費
各ポートフォリオの業務に従事する社員数に応じて配賦
以上により算出したポートフォリオ別損益を概観しますと、国債等の低金利の継続を反映して、円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)がALM部署から受け取るTP収益が低下する一方、貯金調達レートの低下余地は限定的で、当行全体の経費のほとんどが賦課されることから、円金利ポートフォリオの損益は赤字となっております。しかし、国内金利が平常化していく局面では、基本的には収益の回復が期待されます(詳細は、前記「3 事業等のリスク (2) 市場リスク ① 金利リスク」をご参照ください。)。一方、外国証券等に運用を拡大・多様化してきたリスク性資産の収益は、外貨調達コストの上昇などにより前事業年度比減少しているものの、ポートフォリオ全体の収益確保に貢献しております。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
(1) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
(2) 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
(3) 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
(4) 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(1)から(3)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。