E02142 Japan GAAP
前期
12.7兆 円
前期比
99.6%
株価
341.7 (06/23)
発行済株式数
3,713,998,612
EPS(実績)
-180.64 円
PER(実績)
--- 倍
前期
877.1万 円
前期比
102.1%
平均年齢(勤続年数)
41.0歳(14.7年)
従業員数
24,413人(連結:132,790人)
当社グループは当社と当社の子会社、関連会社及び当社のその他の関係会社で構成され、自動車及び部品の製造と販売を主な事業内容とし、さらに上記事業における販売活動を支援するために販売金融事業を行っている。
当社グループは世界的な本社機能として「グローバル日産本社」を設置し、各事業への資源配分を決定するとともに、グループ全体の事業を管理している。また、当社グループは4つの地域のマネジメント・コミッティによる地域管理と研究・開発、購買、生産といった機能軸による地域を越えた活動を有機的に統合した組織(グローバル日産グループ)により運営されている。
当社グループの構成図は以下のとおりである。
* 連結子会社
** 持分法適用会社
・上記の他に*日産トレーデイング㈱、*日産ネットワークホールディングス㈱他の関係会社がある。
・また上記のうち、国内証券市場に上場している連結子会社は以下のとおりである。
日産車体㈱…東京
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりである。
当連結会計年度のグローバル全体需要は前連結会計年度に比べ3.3%増の8,730万台となった。当社グループのグローバル小売台数は前連結会計年度に比べ2.8%減の334万6千台となった。売上高は12兆6,332億円となり、前連結会計年度に比べ525億円(0.4%)の減収となった。営業利益は698億円となり、前連結会計年度に比べ4,989億円(87.7%)の減益となった。
営業外損益は1,404億円の利益となり、前連結会計年度に比べ69億円の増益となった。経常利益は2,102億円となり、前連結会計年度に比べ4,920億円(70.1%)の減益となった。特別損益は6,238億円の損失となり、前連結会計年度に比べ5,209億円の悪化となった。税金等調整前当期純損失は4,136億円となり、前連結会計年度に比べ1兆128億円の悪化となった。親会社株主に帰属する当期純損失は6,709億円となり、前連結会計年度に比べ1兆975億円の悪化となった。
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により7,537億円増加、投資活動により9,712億円減少、財務活動により2,633億円増加した。また、現金及び現金同等物に係る換算差額により256億円増加した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し713億円(3.4%)増加の2兆1,975億円となった。
(注) 台数集約期間は2024年4月から2025年3月までである。
当社グループの受注生産は僅少なので受注状況の記載を省略する。
(注) 1 台数集約期間は、アジアに含まれる中国、台湾は2024年1月から2024年12月まで、日本、北米、欧州、その他、並びに中国、台湾を除くアジアは2024年4月から2025年3月までである。
2 中国には合弁会社である東風汽車有限公司の販売台数が含まれる。
(注) 1 台数集約期間は、アジアに含まれる中国、台湾は2024年1月から2024年12月まで、日本、北米、欧州、その他、並びに中国、台湾を除くアジアは2024年4月から2025年3月までである。
2 中国には合弁会社である東風汽車有限公司の販売台数が含まれない。
(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであり、原則として連結財務諸表に基づいて分析したものである。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において当社グループが判断したものである。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とする。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
連結財務諸表を作成するにあたって、重要な見積りは以下のとおりである。なお、「会計上の見積りの開示に関する会計基準」の適用に伴い、翌連結会計年度に重要な影響を及ぼす可能性のある一部の項目については、第5[経理の状況]の1[連結財務諸表等]の(重要な会計上の見積り)に記載している。
a.製品保証引当金
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い、類似の費用特性を有する製品グループごとに保証経過期間における発生費用総額に対して、過去実績に基づく保証期間内の費用発生パターンを見積もり、引当金を算定している。当社グループは、製品の安全を最優先課題として、研究開発・製造から販売サービスまで最善の努力を傾けているが、実際の製品の不具合等により発生した保証費用の発生パターンの実績が見積りと乖離した場合、引当金の追加計上が必要となる可能性がある。
b.退職給付費用
当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用及び債務は、割引率、退職率及び死亡率などの年金数理計算上の基礎率及び年金資産の長期期待運用収益率に基づき算出されている。ただし、国際財務報告基準(IFRS)を適用している在外子会社においては、年金資産の期待運用収益率ではなく、利息純額として年金数理計算上の割引率と同じ指標が用いられている。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性がある。
当社グループの当連結会計年度における経営成績及び財政状態の状況に関する認識及び分析・検討結果は、次のとおりである。
(業績)
a.売上高
連結売上高は前連結会計年度に対し525億円(0.4%)減少し、12兆6,332億円となった。これは主に、為替変動による増益影響はあったものの、販売台数の減少によるものである。
b.営業利益
連結営業利益は698億円となり、売上高営業利益率は0.6%となった。前連結会計年度の5,687億円の利益に対し4,989億円(87.7%)の減益となった。これは主に、販売台数の減少、販売奨励金の増加及びインフレーションによるものである。
c.営業外損益
連結営業外損益は1,404億円の利益となり、前連結会計年度の1,334億円の利益に対し、69億円の増益となった。
d.特別損益
連結特別損益は6,238億円の損失となり、前連結会計年度の1,029億円の損失に対し、5,209億円の悪化となった。これは主に、減損損失及びリストラクチャリング費用の計上によるものである。
e.法人税等
法人税等は2,465億円となり、968億円(64.7%)の増加となった。
f.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純損失は6,709億円となり、前連結会計年度に比べ1兆975億円の悪化となった。
(事業セグメント)
a.自動車事業
当社グループのグローバル小売台数は334万6千台となり、前連結会計年度に比べ9万6千台(2.8%)の減少となった。日本国内では前連結会計年度に比べ4.8%減の46万1千台、メキシコとカナダを含む北米では前連結会計年度に比べ3.3%増の130万3千台、欧州では前連結会計年度に比べ2.9%減の35万1千台、中国では前連結会計年度に比べ12.2%減の69万7千台、その他地域では前連結会計年度に比べ1.2%減の53万5千台となった。
自動車事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は11兆6,455億円となり、前連結会計年度に比べ1,370億円(1.2%)の減収となった。営業損失は2,680億円となり、前連結会計年度に比べ4,896億円の悪化となった。これは主に、販売台数の減少、販売奨励金の増加及びインフレーションによるものである。
なお、当連結会計年度におけるセグメント間の取引消去額を含む自動車事業の営業損失は2,158億円となった。
b.販売金融事業
販売金融事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は1兆2,621億円となり、前連結会計年度に比べ1,003億円(8.6%)の増収となった。営業利益は2,856億円となり、前連結会計年度に比べ231億円(7.5%)の減益となった。これは主に、為替変動による増益影響はあったものの、クレジットロスの正常化及び金利上昇に伴う資金調達コストの増加によるものである。
(地域セグメント)
a.日本
日本国内市場の全体需要は前連結会計年度に比べ1.0%増加し458万台となった。当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ4.8%減の46万1千台となり、市場占有率は前連結会計年度に比べ0.6ポイント減の10.1%となった。
この結果、日本地域におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は4兆8,581億円と、前連結会計年度に比べ898億円(1.8%)の減収となった。営業利益は1,337億円となり、前連結会計年度に比べ256億円(23.7%)の増益となった。これは主に、国内販売及び輸出台数の減少はあったものの、為替変動の影響によるものである。
b.北米
メキシコとカナダを含む北米市場の全体需要は前連結会計年度に比べ3.0%増加し1,936万台となり、当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ3.3%増の130万3千台となった。
一方で、北米地域におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は7兆1,669億円と、前連結会計年度に比べ1,124億円(1.5%)の減収となった。営業損失は383億円となり、前連結会計年度に比べ3,728億円の悪化となった。これは主に、モノづくりコストの減少はあったものの、販売奨励金の増加及びインフレーションによるものである。
米国市場の全体需要は前連結会計年度に比べ2.2%増加し1,602万台となった。当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ2.5%増の93万8千台となり、市場占有率は前年同水準の5.9%となった。
c.欧州
ロシアを含む欧州市場の全体需要は前連結会計年度に比べ4.7%増加し1,712万台となった。当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ2.9%減の35万1千台となり、市場占有率は前連結会計年度に比べ0.1ポイント減の2.0%となった。
この結果、欧州地域におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は1兆7,886億円と、前連結会計年度に比べ819億円(4.4%)の減収となった。営業損失は988億円となり、前連結会計年度に比べ814億円の悪化となった。これは主に、モノづくりコストの減少はあったものの、販売奨励金の増加及びインフレーションによるものである。
d.アジア
アジア市場の小売台数(中国を除く)は前連結会計年度に比べ16.8%減の9万7千台となった。アジア地域におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は1兆6,475億円と、前連結会計年度に比べ397億円(2.5%)の増収となった。営業利益は573億円となり、前連結会計年度に比べ519億円(47.6%)の減益となった。これは主に、タイの輸出台数の減少及び中国における販売金融事業の収益悪化によるものである。
中国市場の全体需要は、前連結会計年度に比べ1.6%増加し2,514万台となった。当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ12.2%減の69万7千台となり、市場占有率は前連結会計年度に比べ0.4ポイント減の2.8%となった。これは主に、価格競争の激化及びICE車から新エネルギー車へのシフトが加速したことによるものである。なお、合弁会社である東風汽車有限公司の業績は、持分法による投資損益として営業外損益に計上している。
e.その他
大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米等における当社グループの小売台数は、前連結会計年度に比べ3.1%増の43万8千台となった。中南米市場の小売台数は前連結会計年度に比べ0.1%減の16万7千台、中東市場の小売台数は前連結会計年度に比べ11.1%増の16万9千台、南アフリカ等のアフリカ市場の小売台数は前連結会計年度に比べ0.6%減の5万4千台となった。
大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米等におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は1兆5,447億円と、前連結会計年度に比べ300億円(2.0%)の増収となった。営業利益は25億円となり、前連結会計年度に比べ248億円(91.0%)の減益となった。これは主に、為替変動の影響及び新車の立ち上げ費用によるものである。
当社グループは、グローバルに展開するグループ会社の資金状況を当社にて一括管理し、グループの資金効率を高めている。
当社グループの資金需要としては、自動車事業における研究開発費及び設備投資と、販売金融事業における金融資産の取得原資などがある。これらの必要資金を安定的に確保するため、運転資金効率の改善を含めた自動車事業の営業キャッシュ・フローの向上やグループ内の余剰資金の活用により、内部資金を最大限に利用している。また、外部調達としては、銀行借入やコマーシャル・ペーパー及び社債の発行のほか、販売金融事業ではリースを含む保有金融債権の流動化も行い、各地域での金融市場の特性や状況に応じて調達手法を最適に組み合わせることで、低コストでの資金調達を実現している。なお、研究開発費及び設備投資については、電動化、モビリティ革新、グローバルなエコシステムの構築といった重点分野に集中して投入している。また、販売金融事業における自動車ローンや自動車リースを中心とした金融資産の取得については、常に資産の質を重視して管理している。株主への配当については、収益及びキャッシュ・フロー等の状況を総合的に勘案し決定している。
流動性について、当社グループは、継続的な事業運営のための資金調達や満期債務の返済に加えて、地政学的リスクや金融市場の想定外の変化にも対応できるよう、常に十分な流動性の確保を図っている。2025年度の自動車事業における満期債務は合計7,083億円あり、金融市場の状況に応じて適切なリファイナンス手段を検討する。2025年3月末の自動車事業のネットキャッシュは1兆4,984億円と潤沢であるものの、様々なマーケット変化に対応すべく、当社グループは従来から世界の主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、販売金融事業による資産担保コマーシャル・ペーパー発行枠を含む未使用のコミットメントラインとして2025年3月末時点で2兆1,125億円を自動車事業と販売金融事業を合わせたグループ全体で保有している。また、2025年3月末時点での自動車事業における手元資金は2兆1,598億円である。これらにより当社グループの流動性は十分に高い水準にあると考えている。
販売金融事業は一貫して利益をあげており、親会社の自動車事業へ配当を分配している。2024年度には、販売金融事業は3,261億円の配当を自動車事業へ分配しており、2020年度から2023年度までの累計配当額は8,067億円となっている。
当社グループによる無担保資金調達に係わるコスト及びその発行の可否は、一般に当社グループに関する信用格付及びマーケット環境によっている。ムーディーズ(Moody's)、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)及び格付投資情報センター(R&I)による2025年6月6日時点での当社の長期信用無担保格付は以下のとおりである。これら国内外格付機関によって当社の長期信用無担保格付が引き下げられているものの、当社グループは銀行借入や社債等に加えて、長期信用無担保格付の引き下げに左右されにくい資金調達手段であるリースを含む保有金融債権の流動化を通じた資金調達も検討している。なお、これらの格付は当社グループの債券の売買・保有を推奨するものではない。また、当社グループの無担保金融債務やコミットメントラインについて、格付の見直しにより強制的に返済の必要が生じたり新たな借入が制限される条件が付されているものはない。
なお、当社グループは、事業の中核と位置付けているサステナビリティの推進に必要となる資金を調達するため、2022年7月にサステナブル・ファイナンス・フレームワークを策定し、フレームワークに基づき2022年度に資金調達を行った。また、本フレームワークは2024年7月に更新されている。本フレームワークを通じて調達した資金は、バッテリーを含む電動車の開発や生産、EVエコシステム・スマートシティの実現に向けた技術開発やインフラ整備、より安全で持続可能なモビリティの開発など、幅広い取り組みに使用されている。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対するキャッシュ・フローの増減は以下のとおりである。
営業活動
営業活動による収入は7,537億円となり、前連結会計年度の9,609億円の収入に比べて2,072億円減少した。これは主として、運転資本の改善があった一方で、自動車事業の収益の減少によるものである。
投資活動
投資活動による支出は9,712億円となり、前連結会計年度の8,127億円の支出に比べて1,586億円増加した。これは主として、設備投資が増加したことによるものである。
財務活動
財務活動による収入は2,633億円となり、前連結会計年度の1,316億円の支出に比べて3,948億円の収入の増加となった。これは主として、短期借入金による資金調達が増加したことによるものである。
なお、当連結会計年度における自動車事業のフリーキャッシュフローは前連結会計年度に比べ5,658億円悪化し、2,428億円のマイナスとなった。また、当連結会計年度末における自動車事業のネットキャッシュは1兆4,984億円となり、前連結会計年度末から476億円減少した。
セグメント別の内訳は以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(百万円)
対前年度増減
(百万円)