売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02146 Japan GAAP

売上高

1.51兆 円

前期

1.46兆 円

前期比

103.3%

時価総額

2,902.2億 円

株価

505.1 (03/28)

発行済株式数

574,580,850

EPS(実績)

-204.78 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

654.3万 円

前期

638.5万 円

前期比

102.5%

平均年齢(勤続年数)

40.4歳(18.0年)

従業員数

12,244人(連結:34,231人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、親会社、子会社75社、関連会社22社で構成され、トラック・バスの製造販売及びトヨタ自動車株式会社からの受託生産を主な事業内容とし、さらに事業に関連する製品の開発、設計及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。

 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次の図のとおりであります。尚、セグメントは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

※画像省略しています。

 

 

23/06/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要、及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況及び分析

 当連結会計年度における世界経済は、各国の新型コロナウイルス感染の収束傾向、行動規制の緩和等に伴い、国・地域により差はあるものの総じて回復基調で推移した一方、部品供給問題や物流の逼迫により、製造業で生産活動が停滞するなどの影響がありました。

 当連結会計年度の国内のトラック市場につきましては、世界的な半導体不足ならびに新型コロナウイルス影響等に起因する部品供給不足による生産影響および当社の認証不正問題の影響により、大中型トラックおよび小型トラックの総需要は減少となりました。また、国内のバス市場につきましても、主として新型コロナウイルス影響の長期化に伴う観光需要の落ち込みにより総需要は減少となりました。以上により、国内トラック・バスの総需要合計では131.0千台と前期に比べ24.8千台(15.9%)の減少となりました。国内連結売上台数につきましては、認証不正問題に起因する出荷停止影響により大中型トラックの販売が減少する中、小型トラックにおいて堅実な販売を続けたものの、トラック・バス合計で38.0千台と、前期に比べ19.8千台(34.2%)の減少に留まりました。

 海外のトラック・バス市場につきましては、アセアンを中心として回復基調にあり、海外連結売上台数はトラック・バスの合計で113.9千台と前期に比べ13.5千台(13.4%)増加いたしました。

 以上により、日野ブランド事業のトラック・バスの総売上台数は151.9千台と前期に比べ6.3千台(4.0%)減少いたしました。

 また、トヨタ向け車両台数につきましては、SUVおよび小型トラックともに台数が減少し、総売上台数は127.9千台と前期に比べ13.8千台(9.8%)減少いたしました。

 このような経営環境の中、当社は、外部変化の影響を受けにくい企業体質を構築するため、既存事業の競争力強化ならびにカーボンニュートラル実現をはじめとする社会課題の解決に向けた取り組みを継続しています。昨年6月に小型BEVトラック「日野デュトロZ(ズィー)EV」を発売、物流現場における使い勝手をユーザー目線で追求した車両はお客様から高い評価をいただいています。

 電動車導入・運用における課題解決に向け、子会社のCUBE-LINXによる電動車の運行管理およびエネルギー利用の最適化のためのソリューション提供もスタートしました。本年4月には、車線維持をアシストするレーンキーピングアシストを当社のトラックで初めて搭載した「A09Cエンジン」搭載の大型トラック「日野プロフィア」を発売するなど、お客様のニーズにお応えする商品・サービスを提供してまいりました。

 お客様車両の稼働を支えるトータルサポートに関しては、国内外の販売会社の拠点新設・拡充・更新等を継続的に進め、スピーディーで質の高いサービスを提供し、お客様のビジネスに貢献し続けていくための体制を整備しています。

 世界的に動きが加速しているカーボンニュートラルの実現に向けては、2030年までの中間マイルストーン「日野環境マイルストーン2030」のもと、素材から製品の廃棄までのライフサイクル全体の視点で実用的かつ持続可能な方策を追求しております。

 本年3月、米国では2024年市場導入予定の中型BEVトラックと小型BEVトラックを発表し、タイでは開発中の燃料電池大型トラックを現地の方々に試乗いただきました。また、同4月に公表されたトヨタ自動車株式会社、CJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)とタイ現地の各企業による「カーボンニュートラル実現に向けた協業プロジェクト」に、当社も参画させていただくことになりました。日本においても、お客様と共同で燃料電池大型トラックの実証を行い、実用化に向けて着実に歩みを進めております。

 引き続き、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、取り組んでまいります。

 

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

ⅰ)財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,033億85百万円増加し、1兆3,617億35百万円となりました。これは、現預金が158億96百万円、及び棚卸資産が523億67百万円増加したこと等によります。

 

(負債合計)

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,859億84百万円増加し、9,283億26百万円となりました。これは、有利子負債が1,292億4百万円、及び認証関連損失引当金が701億8百万円増加したこと等によります。

 

(純資産合計)

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ825億98百万円減少し、4,334億9百万円となりました。これは、退職給付に係る調整累計額が150億17百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失を1,176億64百万円計上したこと等によります。

 

 

 セグメントごとの財政状態は次のとおりであります。

(日本)

 当連結会計年度末の貸付金が380億93百万円増加したことに加え、当連結会計年度末の貸倒引当金が306億22百万円増加したこと等により、セグメント資産は9,917億4百万円と前連結会計年度末に比べ、497億46百万円増加しました。

 

(アジア)

 当連結会計年度末の棚卸資産が258億34百万円増加したこと等により、当セグメント資産は3,326億9百万円と前連結会計年度末に比べ、398億42百万円増加しました。

 

(その他)

 当連結会計年度末の現預金が187億81百万円増加したことに加え、当連結会計年度末の棚卸資産が127億67百万円増加したこと等により、セグメント資産は1,835億50百万円と前連結会計年度末に比べ、281億85百万円増加しました。

 

ⅱ)経営成績

(売上高)

 当連結会計年度の連結売上高は1兆5,073億36百万円となりました。

 国内トラック市場につきましては、部品供給不足および当社の認証不正問題に起因する出荷停止の影響に伴う売上台数の減少により、売上高は2,243億28百万円となりました。

 海外トラック・バスにつきましては、アセアンを中心に回復基調にあり、売上台数が増加し、売上高は6,020億76百万円となりました。

 トヨタ向け車両につきましては、SUVおよび小型トラックともに台数が減少し、売上高は955億5百万円となりました。

 その他の部門の売上高につきましては、米国、タイにおけるトヨタブランド車向けユニット事業の売上高が増加したこと等により、5,854億24百万円となりました。

 

(営業利益)

 為替環境の好転はあったものの、国内売上台数の減少に伴う車種構成差の悪化、材料市況の高騰等により、連結営業利益は174億6百万円と前期に比べ164億4百万円の減益(△48.5%)となりました。尚、売上原価の売上高に対する比率は84.1%(前期は82.8%)、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は14.7%(前期は14.9%)となりました。

 

(経常利益)

 当連結会計年度は、経常利益は157億87百万円と前期に比べ221億99百万円の減益(△58.4%)となりました。

 

(税金等調整前当期純損失)

 当連結会計年度は、経常利益が221億99百万円の減益になったことに加え、国内認証関連損失として特別損失907億90百万円を特別損失に計上したこと等により、税金等調整前当期純損失は895億24百万円と前期と比べ580億40百万円の減益となりました。

 

 

 

(親会社株主に帰属する当期純損失)

 当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、186億19百万円と前期に比べ282億33百万円の減少となりました。

 また、非支配株主に帰属する当期純利益は、95億20百万円と前期に比べ31億25百万円増加しました。

 以上により、親会社株主に帰属する当期純損失は1,176億64百万円と前期に比べ329億32百万円の減益となりました。

 

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(日本)

 日野ブランド事業の国内向けトラック・バスの売上高は、エンジン認証に関する当社の不正行為に起因する出荷停止の影響の継続で売上台数が減少したことにより、減収となりました。海外向けについては、インドネシア・北米向けを中心として売上台数が増加したこと等により、増収となりました。また、トヨタ向けについてはプラドや小型トラック等の台数減により減収となりました。

 以上により、売上高は1兆229億4百万円と前年同期に比べ1,050億82百万円(△9.3%)の減収となりました。損益面におきましては、セグメント利益(営業利益)は25億29百万円と前年同期に比べ172億48百万円の減益(△87.2%)となりました。

 

(アジア)

 主にインドネシア・マレーシア等の売上台数が増加したこと等により、売上高は5,369億87百万円と前年同期に比べ1,375億39百万円(34.4%)の増収となりました。セグメント利益(営業利益)は、421億13百万円と前年同期に比べ192億13百万円の増益(83.9%)となりました。

 

(その他)

 北米・中南米を中心として売上台数が増加したこと等により、売上高は2,601億91百万円と前年同期に比べ839億49百万円(47.6%)の増収となりました。セグメント損失(営業損失)は、175億92百万円と前年同期に比べ108億23百万円の減益(前年同期は67億69百万円のセグメント損失)となりました。

 

ⅲ)生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

日本

トラック・バス(台)

109,388

△9.6

トヨタ向け車両(台)

127,529

△9.8

アジア

トラック・バス(台)

42,121

+33.2

トヨタ向け車両(台)

325

+9.8

報告セグメント計

トラック・バス(台)

151,509

△0.8

トヨタ向け車両(台)

127,854

△9.8

その他

トラック・バス(台)

5,878

+86.7

トヨタ向け車両(台)

-

-

合計

トラック・バス(台)

157,387

+1.0

トヨタ向け車両(台)

127,854

△9.8

 

(b)受注実績

 当社グループは国内及び海外の販売実績及び販売見込等の資料を基礎として見込生産を行っております。尚、トヨタ向け車両についてはトヨタ自動車株式会社からの受注に基づき生産しております。

 

 

(c)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

1,022,904

△9.3

アジア(百万円)

536,987

+34.4

報告セグメント計(百万円)

1,559,891

+2.1

その他(百万円)

260,191

+47.6

調整額(百万円)

△312,747

+28.2

合計(百万円)

1,507,336

+3.3

 

(注)2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

割合

(%)

金額

(百万円)

割合

(%)

トヨタ自動車㈱

121,126

8.3

116,858

7.8

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

①キャッシュ・フローの状況及び分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、棚卸資産の増加等による資金の減少があった一方、短期借入金の純増加額等による資金の増加により、前期末に比べ130億20百万円増加(前期は80億11百万円増加)し、756億83百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の減少は407億99百万円(前期は1,067億11百万円の増加)となりました。これは認証関連損失引当金が701億8百万円増加(前期は299億70百万円)した一方で、税金等調整前当期純損失を895億24百万円計上(前期は314億84百万円)したこと、棚卸資産が458億36百万円増加(前期は168億61百万円)したこと等によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は602億57百万円(前期は621億81百万円の減少)となりました。これは生産設備を中心とした有形固定資産の取得による支出が583億34百万円(前期は494億32百万円)あったこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の増加は1,142億8百万円(前期は391億47百万円の減少)となりました。これは、短期借入金の純増加額が959億32百万円(前期は227億78百万円の減少)、長期借入による収入が

271億50百万円(前期は45億96百万円)あったこと等によります。

 

②資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、投融資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。

 

③契約債務

 2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

247,798

247,798

-

-

-

1年内返済予定の長期借入金

5,376

5,376

-

-

-

長期借入金

31,397

-

27,087

4,300

8

1年内償還社債

1,470

1,470

-

-

-

社債

4,410

-

4,410

-

-

 

④財務政策

 当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを財務方針としております。設備投資、投融資などの長期資金需要に対しては、内部留保、長期借入債務及び社債の発行により、また、運転資金需要には短期借入債務により対応しております。借入債務については、主にトヨタ自動車株式会社、金融機関からの借入れによって調達しております。

 また、当連結会計年度末において、株式会社三菱UFJ銀行との間で合計200,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高11,800百万円、借入未実行残高188,200百万円)。

 加えて、資金マネジメントについては、当社と子会社の資金管理の一元化を図るなかで、緊密な連携をとることにより、グローバルな資金効率の向上を図っております。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、各種の見積りと仮定を行っております。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりです。

 

① 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮し、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。

 将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、親会社株主に係る当期純損益額が変動する可能性があります。

 

② 退職給付債務及び退職給付費用

 退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

③ 製品保証引当金

 当社は、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款及び法令等に従い、過去の実績等を基礎にして計上しております。

 引当金の見積り時において想定していなかった製品の不具合による保証義務の発生や、引当の額を超えて保証費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

④ 認証関連損失引当金

 当社は、認証関連課題に関連した損失に備えるため、合理的に見積もることが可能な金額を計上しております。認証問題を起因とする税制優遇追加納付費用40,278百万円及び顧客への燃費補償費用59,800百万円が含まれています。

 引当金の見積り時において想定していなかった認証関連の損失の発生した場合、税制優遇追加納付費用及び顧客への燃費補償費用の見積り前提が変化した場合には、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。