E02248 Japan GAAP
前期
100.2億 円
前期比
110.6%
株価
929 (07/16)
発行済株式数
5,129,577
EPS(実績)
123.26 円
PER(実績)
7.54 倍
前期
555.0万 円
前期比
106.1%
平均年齢(勤続年数)
41.5歳(16.1年)
従業員数
229人(連結:596人)
当社グループとは、当社、子会社5社及び関連会社1社により構成されており、自動車、農業機械及び一般機械用の鋼板製プーリ(ベルトを介して回転することによって動力を伝達する部品)の設計、開発、製造及び販売を主な事業として取り組んでおります。
当社グループは、創業以来、技術開発型経営を志向し、地球環境に配慮したモノづくりに取り組んでまいりました。1961年に独自開発の回転成形法(注1)にてプーリを1枚の鋼板からの一体成形に成功して以降、高精度・軽量化・低コストな自動車エンジン部品として国内自動車会社のほぼ全社及び主要な部品会社へ製品を供給するとともに、海外のグループ会社を通じてアジア地域への供給体制も構築しております。
当社の主力製品である鋼板製プーリは、自動車のエンジンのウォーターポンプ(水冷装置)、クランクシャフト、オルタネータ(発電装置)、パワーステアリング等にそれぞれ装着されております。また、農業機械及び一般機械に対しても供給を行っております。こうしたプーリの開発で培われた塑性加工(注2)技術は、トランスミッション部品、xEV部品(注3)、EPS部品などの次期商品(注4)、次代商品(注5)に応用しております。今後も当社グループの発展のため更なる商品開発に取り組んでまいります。
なお、このように当社グループの主たる事業は、プーリ中心の自動車用部品等製造販売であり、セグメントは製造販売体制を基礎とした地域別で構成されており、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報と同一区分であります。
事業の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(注)1.回転成形法とは、上下の金型で製品となる材料(薄板鋼板)を挟み込み回転を加えながら、材料の側壁部に横から必要とする形状の金型を押圧して成形する塑性加工に属する加工方法であります。
2.塑性加工とは、外部から力を加えて変形させる加工方法であります。
3.xEVとは、電動車のことをいい、バッテリーに蓄えた電気エネルギーをクルマの動力のすべてまたは一部として使って走行する自動車を指します。電動車は電気自動車(BEV)、プラグイン・ハイブリッド自動車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCEV)が該当します。
4.次期商品とは、主力商品プーリに代わる新たな事業の柱となる商品をいいます。当社ですでに商品化され、販売実績があるものです。次期商品として、トランスミッション部品、EPS部品、xEV部品などを位置づけております。
5.次代商品とは、当社ではまだ販売実績がなく、中長期的に当社の新たな事業となるべく開発中の商品をいいます。次代商品として、未開発のxEV部品や産業用ロボット部品などを位置づけております。
6.上記事業系統図に記載の松本精工株式会社は、当社製品の機械加工を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は概ね回復基調にありましたが、中国経済の失速、物価高の再燃、地域紛争の拡大等の不確定要因を抱えた状態での回復となりました。
また自動車業界は、ハイブリッド車を含む電動化が加速しました。
このような状況下で、当社グループは主力製品であるプーリやトランスミッション部品、自動車の電動化に対応するxEV部品、ならびに今後需要拡大が期待されるモーターコア部品を中心に事業展開を行いました。プーリやトランスミッション部品では、生産体制の再構築を実施し、収益向上を図り、xEV部品では拡販に注力し、モーターコア部品では2022年10月に設立した合弁会社キーネクストで生産を開始しました。一方、海外拠点では特に中国市場での急速な自動車のEVシフトに伴うプーリ需要の減少により、収益を圧迫しました。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は16,105百万円となり、前連結会計年度末に比べ698百万円の増加となりました。流動資産は132百万円増加しましたが、その主な内訳は現金及び預金の減少168百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少203百万円、電子記録債権の増加531百万円、原材料及び貯蔵品の減少16百万円等によるものであります。固定資産の残高は8,309百万円となり、565百万円増加しました。その主な内訳は建物及び構築物の減少95百万円、機械装置及び運搬具の減少31百万円、土地の増加347百万円、投資有価証券の増加369百万円等によるものであります。
当連結会計年度末における負債は5,143百万円となり、前連結会計年度末に比べ306百万円減少しました。流動負債は171百万円増加しましたが、その主な内訳は支払手形及び買掛金の減少295百万円、電子記録債務の増加437百万円等によるものであります。固定負債は477百万円減少しましたが、その主な内訳は長期借入金の減少433百万円、長期未払金の減少33百万円等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は10,962百万円となり1,004百万円増加しました。その主な内訳は利益剰余金の増加483百万円、その他有価証券評価差額金の増加243百万円、為替換算調整勘定の増加261百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は66.9%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、総売上高は11,091百万円(対前期1,066百万円増加[10.6%])となり、利益面では、営業利益576百万円(対前期151百万円増加[35.5%])、経常利益671百万円(対前期183百万円増加[37.6%])、親会社株主に帰属する当期純利益632百万円(対前期94百万円増加[17.5%])となりました。
セグメント別では、日本は、売上高は8,075百万円(対前期924百万円増加[12.9%])、営業利益は436百万円(対前期166百万円増加[61.8%])となりました。東南アジアは、売上高は2,454百万円(対前期220百万円増加[9.9%])、営業利益は128百万円(対前期70百万円増加[123.0%])となり、中国は、売上高は888百万円(対前期96百万円減少[△9.8%])、営業損失は23百万円(前期は営業利益81百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は3,160百万円と前連結会計年度末と比べ、197百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,416百万円(対前期513百万円増加[56.8%])となりました。これは主に税金等調整前当期純利益679百万円(対前期12百万円減少[△1.8%])、減価償却費799百万円(対前期26百万円増加[3.5%])、受取利息及び受取配当金89百万円(対前期60百万円増加[208.1%])、退職給付に係る負債の増加額21百万円(対前期17百万円減少[△44.8%])となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は992百万円(対前期662百万円増加[200.6%])となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出971百万円(対前期360百万円増加[59.0%])、有形固定資産の売却による収入6百万円(対前期74百万円減少[△91.6%])、投資有価証券の取得による支出19百万円(対前期1百万円増加[7.9%])、無形固定資産の取得による支出14百万円(対前期3百万円増加[28.5%])となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は727百万円(対前期454百万円増加[166.3%])となりました。これは主に長期借入れによる収入210百万円(対前期434百万円減少[△67.4%])、長期借入金の返済による支出641百万円(対前期10百万円減少[△1.6%])、リース債務の返済による支出91百万円(対前期25百万円減少[△22.1%])、配当金の支払額149百万円(対前期7百万円増加[5.6%])となったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
日本 |
7,375,237 |
106.3 |
東南アジア |
2,506,649 |
112.1 |
中国 |
857,118 |
93.6 |
合計 |
10,739,005 |
106.5 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
日本 |
7,963,988 |
111.4 |
668,878 |
101.8 |
東南アジア |
2,328,817 |
111.1 |
207,753 |
105.4 |
中国 |
885,605 |
106.7 |
103,805 |
264.0 |
合計 |
11,178,411 |
110.9 |
980,437 |
109.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
日本 |
7,951,946 |
112.7 |
東南アジア |
2,318,195 |
111.2 |
中国 |
821,127 |
92.7 |
合計 |
11,091,270 |
110.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は
次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社アイシン |
1,256,860 |
12.5 |
1,725,543 |
15.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は対前期比増収、各段階利益に関しましても増益となりました。詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因は、自動車の電動化による自動車用プーリの需要減少および世界各地で発生している紛争等によるエネルギーや物価高騰等であります。プーリに代わる事業の柱を構築するため、トランスミッション部品やxEV部品等の次期商品・次代商品の開発と拡販を経営の最重要課題と捉えて取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについて、営業活動の結果、得られた資金は1,416百万円、投資活動の結果、使用した資金は992百万円、財務活動の結果、使用した資金は727百万円となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は3,160百万円と前連結会計年度末と比べ197百万円の減少となりました。詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
財務政策について、当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入等により資金調達することを基本方針としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,756百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。