E02229 Japan GAAP
前期
1,918.9億 円
前期比
136.1%
株価
717 (04/25)
発行済株式数
18,712,244
EPS(実績)
92.67 円
PER(実績)
7.74 倍
前期
558.0万 円
前期比
102.5%
平均年齢(勤続年数)
41.1歳(18.5年)
従業員数
745人(連結:7,754人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社19社及び関連会社11社で構成され、自動車部品及びそれに伴う金型、機械機具等の製造、販売を行う自動車部品関連事業を主な事業内容としております。また、これに関連する研究開発活動を展開しております。当社と継続的で緊密な事業上の関係にある本田技研工業株式会社は主要な得意先であります。
当社グループの事業に係る系統図は、次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
a. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化、資源・原材料価格の高騰、中国のコロナ政策を巡る混乱、急速な金利上昇に伴う欧米金融不安や円安進行等、様々な出来事が起き、先行きが不透明な情勢が続きました。
自動車業界においては、半導体等の不足や中国のコロナ政策を巡る混乱による生産調整が解消せず、原材料価格や輸送費の上昇、米国の労働需給逼迫等も加わり、依然として厳しい経営環境が続いております。
こうした事業環境下、当社グループは、「限界突破!世界中のお客様にこだわりのBest Oneを」との全社グローバル方針のもと、「Back to Basics」「Challenge for New」を基礎として、お客様に対して新たな価値を提供すべく、モノづくりの本質を追求してまいりました。当事業年度においては、メキシコ拠点を筆頭に2021年度に受注した多くの新機種を安定的に立ち上げるとともに、インドビジネスの強化、北米営業拠点の新設、サステナビリティ推進部の設置等、今後の持続的な成長に向けた土台作りを進めました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は261,156百万円(前期比36.1%増)、営業利益は2,038百万円(前期比78.4%増)、経常利益は1,921百万円(前期比48.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,734百万円(前期比728.1%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(日本)
新規得意先からの受注製品の量産本格化等により、売上高は23,355百万円(前期比14.7%増)となりました。損益は、商品売上の減少や機種ミックスの影響等により、営業利益は417百万円(前期比65.3%減)となりました。
(北米)
新規受注製品の量産本格化や円安等による影響により、売上高は169,650百万円(前期比52.1%増)となりました。損益は、新規受注製品の増収効果はありましたが、主要得意先の生産調整が続いており、営業損失は1,040百万円(前期は営業損失2,802百万円)となりました。
(アジア)
中国のコロナ政策を巡る混乱や半導体不足等の影響により、主要得意先の生産台数は減少しましたが、インディア・スチール・サミット・プライベート・リミテッドの子会社化や円安による為替換算の影響もあり、売上高は68,149百万円(前期比13.6%増)となりました。損益は、中国の減産による影響により、営業利益は2,340百万円(前期比28.9%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、商品及び製品、建設仮勘定は減少しましたが、現金及び預金、売掛金、機械装置及び運搬具の増加により、前連結会計年度末に比べ15,205百万円増加し、176,137百万円となりました。
負債は、短期借入金は減少しましたが、長期借入金の増加により、前連結会計年度末に比べ11,027百万円増加し、111,380百万円となりました。
純資産は、利益剰余金、為替換算調整勘定の増加により、前連結会計年度末に比べ4,178百万円増加し、64,756百万円となりました。
② 生産、受注及び販売実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、北米セグメントにおいて、新規製品の量産本格化及び円安を背景とした販売増加によるものであります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは北米セグメントにおいて、新規製品の量産本格化によるものであります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、北米セグメントにおいて、新規製品の量産本格化及び円安による為替換算の影響によるものであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、5,491百万円(前期比177.2%増)となり、前連結会計年度末と比べ3,510百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの前連結会計年度に対する増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、17,433百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,300百万円、減価償却費13,112百万円、棚卸資産の減少5,253百万円、利息の支払額1,730百万円、法人税等の支払額2,227百万円によるものであります。
なお、前連結会計年度との比較では、営業活動によるキャッシュ・フローは、1,794百万円の収入から17,433百万円の収入となりました。これは主に、棚卸資産の減少、減価償却費の増加、売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、16,342百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出15,651百万円によるものであります。
なお、前連結会計年度との比較では、投資活動によるキャッシュ・フローは、15,641百万円の支出から16,342百万円の支出となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,340百万円の収入となりました。これは主に、短期借入金の純減額11,830百万円、長期借入れによる収入26,721百万円、長期借入金の返済による支出11,465百万円によるものであります。
なお、前連結会計年度との比較では、財務活動によるキャッシュ・フローは、11,566百万円の収入から2,340百万円の収入となりました。これは主に、短期借入金の減少、長期借入れによる収入の増加によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。
① 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の第14次中期経営計画(2020年4月1日~2023年3月31日)では、連結売上高、連結営業利益及び連結売上高営業利益率を経営指標とし、最終年度となる当連結会計年度においては連結売上高2,150億円、連結営業利益75億円(売上高営業利益率3.5%)を計画しておりました。しかしながら、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症や世界的な半導体不足による自動車メーカーの減産、原材料価格や輸送費の上昇等、事業環境が大きく変化し、連結営業利益、連結営業利益率ともに計画を下回りました。連結売上高については、新たに受注した機種の量産本格化、円安による為替換算の影響及び支給材料価格の上昇の影響等により2,611億円となり計画を上回ることができました。
第15次中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)では、外部環境の良化や前中期経営計画期間に実施した投資効果による当社事業の平常化と収益力の向上、増加した有利子負債残高の減少による財務体質の健全化を目指し、経営指標は、連結売上高、連結営業利益、連結営業利益率、NetDebt/EBITDA((連結有利子負債残高-連結現預金)/(連結営業利益+連結減価償却費))、EPS(1株当たりの親会社株主に帰属する当期純利益)としております。第15次中期経営計画初年度となる翌連結会計年度においては、連結売上高2,870億円、連結営業利益56億円、売上高営業利益率2.0%、NetDebt/EBITDA3.6倍以下、EPS80円以上を予想しております。なお、第15次中期経営計画の最終年度の経営指標については、連結売上高3,000億円、連結営業利益80億円、連結売上高営業利益率2.7%、NetDebt/EBITDA3.1倍以下、EPS175円以上としています。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症や半導体供給不足等による得意先の生産減少の影響を大きく受け、想定とは全く異なる環境下での事業展開となりました。第14次中期経営計画における全社方針「限界突破!世界中のお客様にこだわりのBest Oneを」のもと、グループ全拠点が黒字化を目指し、経費削減の徹底や生産効率の改善等、新たな利益創出活動に注力してきた結果、全拠点の黒字化については計画未達成となりましたが、厳しい事業環境による影響を最小限に抑え、連結営業利益は、前連結会計年度に対し増益となり、2,038百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、市場金利の上昇による支払利息の大幅増加はありましたが、円安による為替差益880百万円やインディア・スチール・サミット・プライベート・リミテッドの子会社化による負ののれん発生益1,237百万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,734百万円となりました。
持続的な企業価値の向上を実現するためには、モノづくりの本質追求によるお客様からの信頼獲得、お客様の要請に応えられる設計開発力及び成長市場の開拓が必要となります。当社は、当連結会計年度において、生産・品質面で多くのお客様から表彰をいただくとともに、当社の強みであるCAE解析技術を進化させた最適化設計で、軽量化や低コスト化、生産性向上を実現し、新たな受注を獲得いたしました。また、更なる販路拡大に向け将来性豊かなインド市場において新たな子会社を取得し、今後の成長に向けた土台作りを進めるとともに、多くの自動車メーカーが集積する米国における営業活動を一層活性化するため、北米営業拠点を新設しました。今後、ガソリン車から電気自動車へのシフトが急速に進むことが予想される中、将来の更なる事業拡大への礎を築きました。
財政状態については、連結子会社エフアンドピー・マニュファクチャリング・デ・メキシコ・ソシエダアノニマ・デ・カピタルバリアブレにおいて生産能力拡充のための大型投資を行いましたが、当該資金を銀行からの借入金で調達したことから、連結有利子負債残高は73,925百万円となり、有利子負債依存度は42.0%となりました。当社は、外部環境が徐々に正常化する中、生産効率の改善、経費削減、投資効果の発揮により収益力を高め、財務体質の健全化を進めてまいります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度末と比べて15,639百万円増加した要因につきましては、減価償却費や親会社株主に帰属する当期純利益が増加したほか、メキシコ拠点を筆頭に数多くの新機種の量産が始まり棚卸資産として滞留していた金型設備の資金回収が進んだことによります。
当社グループの資本の財源については、主として営業活動から得られた資金により対応し、必要に応じて銀行等からの借入により調達をしております。主な使途は新規受注への対応や生産能力維持・増強等に伴う設備投資、部品の量産のための諸費用、研究開発費等であります。また、資金の流動性については、一昨年度、親会社において新型コロナウイルス感染症の影響に備えて増額した未使用の借入枠を維持・継続しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積りを行う必要があります。貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断、退職給付に係る負債の算定等につきましては、過去の実績や将来の事業計画を基礎として、一定の仮定を用いて会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」)に記載しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。