売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E02252 Japan GAAP

売上高

2,251.8億 円

前期

2,168.2億 円

前期比

103.9%

時価総額

816.9億 円

株価

1,167 (04/25)

発行済株式数

70,000,000

EPS(実績)

104.47 円

PER(実績)

11.17 倍

平均給与

674.3万 円

前期

692.0万 円

前期比

97.5%

平均年齢(勤続年数)

44.0歳(14.7年)

従業員数

3,002人(連結:5,932人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

連結財務諸表提出会社(以下、当社という)に係る企業集団は、当社、子会社44社及び関連会社6社で構成され、事業内容と主要な関係会社の当該事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

なお、当連結会計年度から、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表  注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

特装車:

主な製品は、ダンプトラック、タンクローリ、テールゲートリフタ、脱着ボデートラック、塵芥車等の特装車及びその部品等であり、当社はこれらの製造、販売及び修理を行っております。
特装車の製造の一部、補用品の販売、製品のアフターサービスについては、新明和オートエンジニアリング株式会社(連結子会社)に委託しております。また、部品の製造の一部をThai ShinMaywa Co., Ltd.(連結子会社)に委託しております。

重慶耐徳新明和工業有限公司(持分法適用関連会社)は、中国における環境関連車両等の製造、販売を行っております。

イワフジ工業株式会社(連結子会社)は、林業機械等の製造、販売を行っております。

東邦車輛株式会社(連結子会社)及び東邦車輛サービス株式会社(連結子会社)は、トレーラー、タンクローリ等の製造、販売及び保守修理等を行っております。

新明和オートセールス株式会社(連結子会社)は、中古自動車の販売等を行っております。

大和総業株式会社(連結子会社)及び株式会社森安自動車工作所(連結子会社)は、特装車・油圧機器の部品販売及び保守修理等を行っております。

株式会社OSK(連結子会社)は、建設機械減速機、油圧シリンダー及び特装車ギアポンプ等の製造を行っており、同社の子会社である株式会社WAKO(連結子会社)では、油圧ポンプ、油圧シリンダー、遊星減速機及び船舶用ディーゼルエンジン等の製造を行っております。

パーキング:

システム

主な製品は、機械式駐車設備及び航空旅客搭乗橋であり、当社はこれらの製造、販売、保守及び改修を行っております。

新明和パークテック株式会社(連結子会社)は、機械式駐車設備の製造、販売及び保守修理等を行っております。
また、当社の製品販売の海外拠点として、ShinMaywa (Asia) Pte. Ltd.(連結子会社)があり、台湾新明和工業股份有限公司(連結子会社)は、台湾における機械式駐車設備の製造、販売、保守及び改修を行っております。

ShinMaywa Aerobridge Shingapore Pte.Ltd.(連結子会社)は、航空旅客搭乗橋の組立及びメンテナンスを、ShinMaywa Aerobridge Malaysia Sdn.Bhd.(連結子会社)は、航空旅客搭乗橋の製缶を行っております。

産機・環境:

システム

主な製品は、自動電線処理機、成膜装置、ダイレクトドライブモータ、ごみ中継施設、破砕・選別回収システム等であり、当社はこれらの製造、販売及び修理を行っております。
新明和(上海)精密機械有限公司(連結子会社)は、自動電線処理機の製造を、新明和(上海)商貿有限公司(連結子会社)は、中国における自動電線処理機の販売及びアフターサービスをそれぞれ行っております。

大亜真空株式会社(連結子会社)は、真空技術を利用した機械製造を行っております。

KOREA VACUUM LIMITED(連結子会社)は、真空乾燥装置の製造等を行っております。
ごみ処理設備等の運営については、新明和ウエステック株式会社(連結子会社)に委託しております。
また、自動電線処理機等の販売及びアフターサービスを行う海外拠点として、ShinMaywa (America), Ltd.(連結子会社)と、ShinMayawa(Bangkok) Co.,Ltd.(連結子会社)があります。

流体:
 
 

主な製品は、水中ポンプ及び水処理関連設備・機器等であり、当社はこれらの製造、販売を行っております。

ポンプ及び水処理関連機器等の部品販売、据付工事、保守修理については新明和アクアテクサービス株式会社(連結子会社)に委託しております。

フルテック株式会社(連結子会社)は、高圧洗浄機等の製造、販売及び修理を行っております。

また、Thai ShinMaywa Co.,Ltd.(連結子会社)では、特装車の部品製造に加え、水中ポンプの製造及び販売を、ShinMaywa (America), Ltd.(連結子会社)では、水中ポンプ等の販売及び保守修理等を、TurboMAX Co.,Ltd.(連結子会社)では、排水処理・ばっ気用ブロワの製造及び販売を、それぞれ行っております。

 

航空機:

 

主な製品は、救難飛行艇、訓練支援機等の航空機及び海外航空機メーカー向けの航空機部品であり、当社はこれらの製造、販売及び修理を行っております。

資材の海外調達については、ShinMaywa (California), Ltd.(持分法適用非連結子会社)に委託しております。

新明和岩国航空整備株式会社(連結子会社)は、救難飛行艇の保守修理を行っております。

天龍エアロコンポーネント株式会社(連結子会社)は、航空機部品の製造及び組立、航空機シートの製造販売を行っております。

その他:

式会社明和工務店(連結子会社)は、建設業を営んでおり、当社は事業所や生産施設、福利厚生施設等の建設・改修工事を委託しております。
新明和商事株式会社(連結子会社)は、不動産業、当社の支払に関するファクタリング業を営み、当社は福利厚生施設の管理等を委託しております。
新明和ソフトテクノロジ株式会社(連結子会社)は、コンピュータ利用システムの開発設計請負業を営み、当社は設計業務の一部、業務用ソフトウェア開発等を委託しております。また、同社の子会社である株式会社ゴードーソリューション(持分法適用非連結子会社)は、中小企業向けシステムの開発、販売を行っております。

 

 

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 

 

23/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、行動制限の緩和等により、経済活動が正常化に向かう一方、ロシア・ウクライナ情勢に起因する世界的な資源・原材料価格の高騰や、円安の進行等、先行き不透明な状況で推移いたしました。

こうした中、当社グループは、2030年を志向した長期経営計画[SG-Vision2030]のPhase1に当たる、中期経営計画[SG-2023]の活動2年目を迎え、企業価値向上に向けた諸施策を推進してまいりました。

当連結会計年度の業績につきましては、受注高は267,159百万円(前期比1.5%増)、売上高は225,175百万円(同3.9%増)となりました。なお、当連結会計年度末の受注残高は255,859百万円(同21.6%増)であります。

損益面は、鋼材価格の上昇等に伴い、営業利益は9,293百万円(同12.1%減)、経常利益は9,902百万円(同16.2%減)となりましたが、特別損益の増加と税金費用の減少により、親会社株主に帰属する当期純利益は7,313百万円(同5.9%増)となりました。

総資産は、226,907百万円(同2.6%増)となりました。負債は、126,467百万円(同0.4%減)となり、純資産は、100,439百万円(同6.6%増)となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

(特装車セグメント)

車体等の製造販売は、受注、売上ともに減少いたしました。

また、保守・修理事業は、受注、売上ともに増加いたしました。

このほか、林業用機械等は、受注は減少し、売上は前期並みの水準となりました。

この結果、当セグメントの受注高は114,151百万円(前期比3.8%減)、売上高は91,311百万円(同6.0%減)となり、営業利益は707百万円(同86.8%減)となりました。

なお、当連結会計年度末の受注残高は105,719百万円(同29.0%増)であります。

総資産は、売上債権の減少などにより、76,983百万円(同0.4%減)となりました。

 

(パーキングシステムセグメント)

機械式駐車設備は、受注は増加し、売上は前期並みの水準となりました。

また、航空旅客搭乗橋は、受注は減少し、売上は増加いたしました。

この結果、当セグメントの受注高は39,901百万円(前期比4.6%増)、売上高は38,627百万円(同1.4%増)となりましたが、営業利益は2,686百万円(同12.4%減)となりました。

なお、当連結会計年度末の受注残高は45,301百万円(同5.6%増)であります。

総資産は、棚卸資産の増加などにより、24,649百万円(同7.5%増)となりました。

 

(産機・環境システムセグメント)

メカトロニクス製品は、真空製品の受注及び売上が増加した結果、分野全体でも受注、売上ともに増加いたしました。

また、環境関連事業は、受注はプラント新設工事及び同施設の複数年にわたる運営業務を一括受託した前期に比べ減少し、売上は増加いたしました。

この結果、当セグメントの受注高は48,805百万円(前期比31.7%増)、売上高は33,425百万円(同30.8%増)となり、営業利益は2,923百万円(同69.5%増)となりました。

なお、当連結会計年度末の受注残高は43,528百万円(同56.1%増)であります。

総資産は、売上債権の増加などにより、30,413百万円(同17.0%増)となりました。

 

(流体セグメント)

前期に実施したM&A効果などにより受注及び売上が増加した結果、当セグメントの受注高は25,165百万円(前期比13.7%増)、売上高は24,485百万円(同17.8%増)となり、営業利益は3,916百万円(同24.3%増)となりました。

なお、当連結会計年度末の受注残高は7,044百万円(同37.2%増)であります。

総資産は、棚卸資産の増加などにより、20,585百万円(同5.1%増)となりました。

 

(航空機セグメント)

防衛省向けは、受注は減少し、売上は増加いたしました。

また、民需関連は、受注、売上ともに増加いたしました。

この結果、当セグメントの受注高は24,187百万円(前期比23.7%減)、売上高は23,136百万円(同20.9%増)となり、営業利益は1,397百万円(前期は875百万円の損失)となりました。

なお、当連結会計年度末の受注残高は43,189百万円(前期比2.5%増)であります。

総資産は、売上債権の減少などにより、33,967百万円(同0.1%減)となりました。

 

(その他)

建設事業において、受注、売上ともに減少した結果、当セグメントの受注高は14,945百万円(前期比3.4%減)、売上高は14,188百万円(同11.6%減)となり、営業利益は739百万円(同22.6%減)となりました。

なお、当連結会計年度末の受注残高は11,076百万円(同7.3%増)であります。

総資産は、有形固定資産の増加などにより、25,563百万円(同4.1%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、22,535百万円(前期比15.1%減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益を計上したことなどに伴い営業活動の結果得られた資金が6,404百万円あったものの、投資活動の結果支出した資金が7,164百万円あったことや、財務活動の結果支出した資金が4,108百万円あったことなどによるものであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は6,404百万円(前期比60.0%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益10,203百万円、減価償却費5,321百万円であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増減額6,477百万円、法人税等の支払額3,827百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は7,164百万円(前期比0.8%減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が4,251百万円あったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は4,108百万円(前期比21.1%減)となりました。これは配当金の支払が2,898百万円あったことなどによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

特装車

93,050

△4.4

パーキングシステム

38,898

1.2

産機・環境システム

33,663

36.3

流体

24,836

15.9

航空機

23,939

23.0

合計

214,387

6.5

 

(注)  金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

特装車

114,151

△3.8

105,719

29.0

パーキングシステム

39,901

4.6

45,301

5.6

産機・環境システム

48,805

31.7

43,528

56.1

流体

25,165

13.7

7,044

37.2

航空機

24,187

△23.7

43,189

2.5

その他

14,945

△3.4

11,076

7.3

合計

267,159

1.5

255,859

21.6

 

(注)  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

特装車

91,311

△6.0

パーキングシステム

38,627

1.4

産機・環境システム

33,425

30.8

流体

24,485

17.8

航空機

23,136

20.9

その他

14,188

△11.6

合計

225,175

3.9

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上となる相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

当社グループは、2023年度を最終年度とする中期経営計画[SG-2023]において、「連結売上高2,500億円」「連結営業利益150億円」「海外売上高450億円」「ROE10%以上」「ROIC7%以上」を目標として掲げておりました。

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高については、特装車セグメントの売上が減少したものの、産機・環境システムセグメントにおいて、メカトロニクス製品、環境関連事業、ともに売上が増加したこと、流体セグメントにおいて、M&A効果に加え、受注増に伴い売上が増加したこと、航空機セグメントにおいて、防衛省向け、民需関連ともに売上が増加したことなどから、全体では225,175百万円(前期比3.9%増)となりました。

利益については、円安効果はあったものの、鋼材価格の上昇等により特装車セグメントが大幅減益となったことなどから、営業利益は9,293百万円(同12.1%減)、経常利益は9,902百万円(同16.2%減)となりましたが、特別損益の増加と税金費用の減少により、親会社株主に帰属する当期純利益は7,313百万円(同5.9%増)となりました。

海外売上高については、産機・環境システムセグメントの売上が増加したことなどから、46,382百万円(同49.5%増)と1年前倒しで中期経営計画の目標値を達成したものの、ROEについては、自己資本の増加に伴い7.6%(同0.1ポイント減)、ROICについては、営業利益の減少に伴い4.4%(同0.7ポイント減)となりました。

当社グループを取り巻く環境について、引き続き好調な受注環境が継続すると想定しているものの、主力の特装車をはじめとする各セグメントにおいて、資源・原材料価格の高騰による影響は大きく、収益性においては厳しい状況にあります。

このような状況を踏まえ、2023年5月に、中期経営計画[SG-2023]の業績目標を下表のとおり修正いたしました。

                   (単位:百万円)

 

2023年度(最終年度)

[SG-2023]

業績目標

修正後

(業績予想値)

連結売上高

250,000

270,000

連結営業利益

15,000

12,000

海外売上高

45,000

60,000

ROE

10%以上

7.2%

ROIC

7%以上

5.2%

 

 

 為替レート
 (1USドル)

108.0円

130.0円

 

[SG-2023]は、当社グループが2030年を志向した長期経営計画[SG-Vision2030]のPhase1に当たります。収益性の低下に対応した価格転嫁や、生産性の更なる向上などを進めるとともに、中長期経営計画に掲げる諸施策への取組みを着実に進めてまいります。

 

財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、226,907百万円(前期比2.6%増)となりました。これは、棚卸資産が増加したことなどが主な要因であります。

負債は、仕入債務が増加したものの、未払費用の減少などにより、126,467百万円(同0.4%減)となりました。

純資産は、配当金の支払いはあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどにより、100,439百万円(同6.6%増)となりました。

これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の41.8%から43.5%に上昇しました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの運転資金と生産設備の拡充や合理化を目的とした設備投資資金であります。

財務政策は、安定した財務基盤の維持と適正な負債比率のコントロールによる資本コストの最適化を基本方針としております。

資金調達は、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローと金融機関からの借入を基本としております。なお、当社は緊急の資金需要に備えて、月商1ヶ月程度の手元資金を確保するとともに、取引金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。また、国内子会社の現預金はCMS(キャッシュマネジメントシステム)によって当社が集中管理し、グループの資金効率の向上に努めております。

当社グループは、事業活動を円滑に維持し、持続的な成長を実現する上で十分な手元資金と資金調達能力を有しており、将来の資金需要に対して不足が生じる懸念は少ないと判断しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っておりますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりであります。

 

a.繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。

将来の業績及び課税所得実績の変動により、繰延税金資産の計上に重要な影響を及ぼす可能性があります。

b.退職給付債務及び退職給付費用

退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。

c.工事損失引当金

受注時における戦略的低採算案件や工事契約における未引渡工事のうち損失の発生する可能性が高く、工事損失額を期末において合理的に見積ることが出来る工事等については、当該損失見込額を工事損失引当金として計上しております。

技術的難易度の高い長期請負工事等において、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

d.完成工事高及び完成工事原価の計上

成果の確実性が認められる工事契約については、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度の測定は、履行義務の充足のために発生した費用が、当該履行義務充足のために予想される総費用に占める割合に基づき見積っております。想定していなかった原価の発生等により進捗度が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。

e.固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性の低下や時価の下落といった兆候の見られる資産グループについては、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて減損処理を実施しております。

将来の収益性の低下や時価の下落が生じた場合は、これら固定資産の評価に重要な影響を及ぼし、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。