売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02166 IFRS

売上高

16.9兆 円

前期

14.6兆 円

前期比

116.2%

時価総額

9.84兆 円

株価

1,863.5 (03/28)

発行済株式数

5,280,000,000

EPS(実績)

123.37 円

PER(実績)

15.10 倍

平均給与

822.1万 円

前期

778.7万 円

前期比

105.6%

平均年齢(勤続年数)

44.7歳(22.0年)

従業員数

33,065人(連結:197,039人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社および国内外382社の関係会社(連結子会社313社、持分法適用会社69社)により構成され、事業別には、二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業からなっています。

二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業における主要製品およびサービス、所在地別の主な会社は、以下のとおりです。

 

事業

主要製品
およびサービス

所在地

主な会社

二輪事業

二輪車

 

ATV

 

Side-by-Side

 

関連部品

 

 

 

 

日本

 当社

○㈱本田技術研究所

☆日立アステモ㈱

☆テイ・エス テック㈱

☆㈱エフ・シー・シー

☆㈱エイチワン

☆武蔵精密工業㈱

北米

○アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド

○ホンダカナダ・インコーポレーテッド

○ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ

欧州

○ホンダモーターヨーロッパ・リミテッド

アジア

○本田技研工業(中国)投資有限公司

○ホンダモーターサイクルアンドスクーターインディアプライベート・リミテッド

○ホンダカーズインディア・リミテッド

○アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド

○タイホンダカンパニー・リミテッド

○ホンダベトナムカンパニー・リミテッド

☆ピー・ティ・アストラホンダモーター

その他
の地域

○モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダ

四輪事業

四輪車

 

関連部品

日本

 当社

○㈱本田技術研究所

☆日立アステモ㈱

☆テイ・エス テック㈱

☆㈱エフ・シー・シー

☆㈱エイチワン

☆武蔵精密工業㈱

☆㈱ジーテクト

北米

○アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド

○ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シー

○ホンダカナダ・インコーポレーテッド

○ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ

欧州

○ホンダモーターヨーロッパ・リミテッド

アジア

○本田技研工業(中国)投資有限公司

○本田汽車零部件製造有限公司

○ホンダカーズインディア・リミテッド

○ピー・ティ・ホンダプロスペクトモーター

○ホンダ・マレーシア・エスディーエヌ・ビーエイチディー

○アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド

○ホンダオートモービル(タイランド)カンパニー・リミテッド

○ホンダベトナムカンパニー・リミテッド

☆広汽本田汽車有限公司

☆東風本田汽車有限公司

☆東風本田発動機有限公司

金融サービス事業

金融

 

 

日本

○㈱ホンダファイナンス

北米

○アメリカンホンダファイナンス・コーポレーション

○ホンダカナダファイナンス・インコーポレーテッド

欧州

○ホンダファイナンスヨーロッパ・パブリックリミテッドカンパニー

アジア

○ホンダリーシング(タイランド)カンパニー・リミテッド

 

 

○:連結子会社
☆:持分法適用会社

 

 

 

 

事業

主要製品
およびサービス

所在地

主な会社

パワープロダクツ事業及びその他の事業

パワープロダクツ

 

関連部品

 

その他

日本

 当社

○㈱本田技術研究所

☆日立アステモ㈱

☆㈱エフ・シー・シー

☆㈱エイチワン

☆武蔵精密工業㈱

北米

○アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド

○ホンダカナダ・インコーポレーテッド

○ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ

欧州

○ホンダモーターヨーロッパ・リミテッド

アジア

○ホンダカーズインディア・リミテッド

○アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド

○タイホンダカンパニー・リミテッド

その他
の地域

○モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダ

 

 (注) 1 主な会社のうち、複数の事業を営んでいる会社については、それぞれの事業区分に記載しています。

   2 パワープロダクツ事業は、2022年4月1日の組織変更により、ライフクリエーション事業が名称変更した
 ものです。

 

○:連結子会社
☆:持分法適用会社

 

 

 

事業の系統図は、以下のとおりです。(主な会社のみ記載しています。)

 

 

※画像省略しています。
23/06/23

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 ① 経営成績の状況

当連結会計年度の当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)をとりまく経済環境は、緩やかな持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大、半導体の供給不足、インフレ影響など、厳しい状況が続きました。米国では、物価安定に向けた急速な金融引締めが進んだものの、個人消費の下支えなどにより、景気は底堅い推移となりました。欧州では、緩やかな持ち直しの動きがみられたものの、ウクライナ情勢の悪化によるインフレ影響を受けて、景気は足踏み状態となっています。アジアでは、中国など一部で弱さがみられたものの、景気は緩やかに持ち直しました。日本では、一部で弱さがみられたものの、景気は緩やかに持ち直しました。

主な市場のうち、二輪車市場は前年度にくらべ、ブラジルでは大幅に拡大、ベトナム、インド、タイ、インドネシアでは拡大しました。四輪車市場は前年度にくらべ、インドネシア、インド、タイ、ブラジル、日本では拡大しましたが、欧州、中国ではおおむね横ばい、米国では縮小となりました。

 このような中で、当社グループは、世の中に「存在を期待される企業」であり続けるため、すべての人に、“生活の可能性が拡がる喜び”を提供することを2030年ビジョンとして掲げ、「地球環境負荷ゼロ」「交通事故死者ゼロ」「新たな価値創造」を目指すとともに、事業体質の強化にも努めてまいりました。研究開発面では、安全・環境技術や商品の魅力向上、モビリティの変革にむけた先進技術開発に、外部とのオープンイノベーションも活用し、積極的に取り組みました。生産面では、生産体質の強化や、グローバルでの需要の変化に対応した生産配置を行いました。販売面では、新価値商品の積極的な投入や、グローバルでの商品の供給などにより、商品ラインアップの充実に取り組みました。

当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、16兆9,077億円と前連結会計年度にくらべ16.2%の増収となりました。
 営業利益は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、7,807億円と前連結会計年度にくらべ10.4%の減益となりました。税引前利益は、8,795億円と前連結会計年度にくらべ17.8%の減益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、6,514億円と前連結会計年度にくらべ7.9%の減益となりました。

 

事業の種類別セグメントの状況

(二輪事業)

 

Hondaグループ販売台数

連結売上台数

 

 

 

 

2021年度
(千台)

2022年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

2021年度
(千台)

2022年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

二輪事業計

17,027

18,757

1,730

10.2

10,721

12,161

1,440

13.4

 

日 本

244

246

2

0.8

244

246

2

0.8

 

北 米

437

459

22

5.0

437

459

22

5.0

 

欧 州

317

347

30

9.5

317

347

30

9.5

 

アジア

14,589

16,108

1,519

10.4

8,283

9,512

1,229

14.8

 

その他

1,440

1,597

157

10.9

1,440

1,597

157

10.9

 

 

二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、2兆9,089億円と前連結会計年度にくらべ33.1%の増収となりました。営業利益は、売価およびコスト影響や販売影響による利益増、為替影響などにより、4,887億円と前連結会計年度にくらべ56.9%の増益となりました。

 

Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車(二輪車・ATV・Side-by-Side)販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。

 

(四輪事業)

 

Hondaグループ販売台数

連結売上台数

 

 

 

 

2021年度
(千台)

2022年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

2021年度
(千台)

2022年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

四輪事業計

4,074

3,687

△387

△9.5

2,424

2,382

△42

△1.7

 

日 本

547

550

3

0.5

476

484

8

1.7

 

北 米

1,283

1,195

△88

△6.9

1,283

1,195

△88

△6.9

 

欧 州

100

84

△16

△16.0

100

84

△16

△16.0

 

アジア

2,022

1,744

△278

△13.7

443

505

62

14.0

 

その他

122

114

△8

△6.6

122

114

△8

△6.6

 

 

四輪事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、10兆5,935億円と前連結会計年度にくらべ15.8%の増収となりました。営業損失は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、166億円と前連結会計年度にくらべ2,528億円の減益となりました。

 

Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。また、当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていませんが、Hondaグループ販売台数には含めています。

 

(金融サービス事業)

金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、オペレーティング・リース売上の減少などはあったものの、為替換算による増加影響などにより、2兆9,540億円と前連結会計年度にくらべ4.7%の増収となりました。営業利益は、為替影響などはあったものの、減収に伴う利益の減少などにより、2,858億円と前連結会計年度にくらべ14.2%の減益となりました。

 

(パワープロダクツ事業及びその他の事業)

 

Hondaグループ販売台数/連結売上台数

 

 

2021年度
(千台)

2022年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

パワープロダクツ

 

 

 

 

事業計

6,200

5,645

△555

△9.0

 

日 本

353

376

23

6.5

 

北 米

2,738

2,274

△464

△16.9

 

欧 州

1,189

1,168

△21

△1.8

 

アジア

1,487

1,408

△79

△5.3

 

その他

433

419

△14

△3.2

 

 

パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、4,511億円と前連結会計年度にくらべ13.0%の増収となりました。営業利益は、販売影響による利益増や為替影響などにより、228億円と前連結会計年度にくらべ323億円の増益となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、為替換算による利益減などはあったものの、費用の減少などにより、257億円と前連結会計年度にくらべ79億円の改善となりました。

 

Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社のパワープロダクツ販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社のパワープロダクツ販売台数です。なお、当社は、パワープロダクツを販売している持分法適用会社を有しないため、パワープロダクツ事業においては、Hondaグループ販売台数と連結売上台数に差異はありません。

 

 

所在地別セグメントの状況

(日本)

 売上収益は、全ての事業における増加などにより、4兆5,480億円と前連結会計年度にくらべ4.3%の増収となりました。営業利益は、売価およびコスト影響による利益減などはあったものの、為替影響などにより、258億円と前連結会計年度にくらべ302.8%の増益となりました。

 

(北米)

 売上収益は、四輪事業における連結売上台数の減少や金融サービス事業におけるオペレーティング・リース売上の減少などはあったものの、為替換算による増加影響などにより、9兆4,162億円と前連結会計年度にくらべ16.4%の増収となりました。営業利益は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、2,588億円と前連結会計年度にくらべ48.3%の減益となりました。

 

(欧州)

 売上収益は、四輪事業における減少などはあったものの、為替換算による増加影響などにより、7,037億円と前連結会計年度にくらべ0.4%の増収となりました。営業損失は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減などにより、25億円と前連結会計年度にくらべ292億円の減益となりました。

 

(アジア)

 売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、4兆8,578億円と前連結会計年度にくらべ19.8%の増収となりました。営業利益は、売価およびコスト影響による利益増や為替影響などにより、4,087億円と前連結会計年度にくらべ20.5%の増益となりました。

 

(その他の地域)

 売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、8,196億円と前連結会計年度にくらべ38.2%の増収となりました。営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増などにより、589億円と前連結会計年度にくらべ157.4%の増益となりました。

 

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3兆8,030億円と前連結会計年度末にくらべ1,280億円の増加となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、2兆1,290億円となりました。この営業活動によるキャッシュ・インフローは、部品や原材料の支払いの増加などはあったものの、顧客からの現金回収の増加などにより、前連結会計年度にくらべ4,494億円の増加となりました。
 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、6,780億円となりました。この投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、有形固定資産の取得による支出の増加などにより、前連結会計年度にくらべ3,020億円の増加となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、1兆4,683億円となりました。この財務活動によるキャッシュ・アウトフローは、資金調達に係る債務の返済の増加や自己株式の取得などにより、前連結会計年度にくらべ8,526億円の増加となりました。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
 至 2023年3月31日)

増減

台数(千台)

台数(千台)

台数(千台)

増減率(%)

二輪事業

10,153

12,199

2,046

20.2

四輪事業

2,522

2,508

△14

△0.5

パワープロダクツ事業

及びその他の事業

6,621

5,799

△821

△12.4

 

 (注) 1 生産台数は、当社および連結子会社の完成車の生産台数の合計です。

 2 二輪事業には二輪車、ATVおよびSide-by-Sideが含まれています。

 3 パワープロダクツ事業及びその他の事業にはパワープロダクツの生産台数を記載しています。

 

(受注実績)

見込生産のため、大口需要等の特別仕様のものを除いては、受注生産はしていません。

 

(販売実績)

仕向地別(外部顧客の所在地別)売上収益は、以下のとおりです。

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 2021年4月1日
  至 2022年3月31日)
(百万円)

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
  至 2023年3月31日)
(百万円)

増  減
(百万円)

増 減 率
(%)

 

 

 

 

 

総  合  計

14,552,696

16,907,725

2,355,029

16.2

 

日 本

1,943,649

2,013,095

69,446

3.6

 

北 米

7,624,799

8,945,932

1,321,133

17.3

 

欧 州

611,889

690,663

78,774

12.9

 

アジア

3,711,460

4,335,765

624,305

16.8

 

その他

660,899

922,270

261,371

39.5

 

 

 

 

 

二輪事業計

2,185,253

2,908,983

723,730

33.1

 

日 本

105,023

109,393

4,370

4.2

 

北 米

230,780

306,725

75,945

32.9

 

欧 州

202,254

250,088

47,834

23.7

 

アジア

1,309,977

1,739,764

429,787

32.8

 

その他

337,219

503,013

165,794

49.2

 

 

 

 

 

四輪事業計

9,147,498

10,593,519

1,446,021

15.8

 

日 本

1,340,775

1,385,830

45,055

3.4

 

北 米

4,884,934

5,990,544

1,105,610

22.6

 

欧 州

319,366

332,983

13,617

4.3

 

アジア

2,321,721

2,523,862

202,141

8.7

 

その他

280,702

360,300

79,598

28.4

 

 

 

 

 

金融サービス事業計

2,820,667

2,954,098

133,431

4.7

 

日 本

418,383

428,228

9,845

2.4

 

北 米

2,356,978

2,466,537

109,559

4.6

 

欧 州

10,876

13,264

2,388

22.0

 

アジア

15,757

16,576

819

5.2

 

その他

18,673

29,493

10,820

57.9

  パワープロダクツ事業

 

 

 

 

   及びその他の事業計

399,278

451,125

51,847

13.0

 

日 本

79,468

89,644

10,176

12.8

 

北 米

152,107

182,126

30,019

19.7

 

欧 州

79,393

94,328

14,935

18.8

 

アジア

64,005

55,563

△8,442

△13.2

 

その他

24,305

29,464

5,159

21.2

 

(注) 各事業の主要製品およびサービス、事業形態につきましては、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。

 

 

(2) 経営成績等の状況の分析

当社グループは2050年に、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの地球環境負荷ゼロ、全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」と「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。

 

これらの目標の達成に関連する電動化に向けた設備や施設の新設に係る投資や資産化される研究開発支出などが資本的支出全体に占める割合は現時点では重要性はないものの、将来に向けては、適切な支出規模の範囲内で電動化やソフトウェア領域へのリソースシフトをさらに進め、その割合を大幅に拡大させる見込みです。

 

当社グループが展開する事業は厳しい経済・社会環境下に置かれており、その収益性は様々な要因により左右されます。その中でも、当社グループは気候変動をはじめとした様々な社会課題の解決、リスクへの対処に積極的に取り組んでおり、認識している課題、リスク事象の詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」「3 事業等のリスク」を参照ください。それらへの対処の過程、結果により販売台数の増減や追加費用などが生じ、将来の収益性に重要な影響を及ぼす可能性があると考えます。

 

以降の経営成績等の状況の分析は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の立場から分析し、説明したものです。

なお、この経営成績等の状況の分析に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。

 

 ① 経営成績の分析

当社グループの業績

当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、前連結会計年度にくらべ増収となりました。

営業利益は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、減益となりました。


二輪事業の概要

当連結会計年度の連結売上台数は、インドやベトナム、タイなどで増加したことにより、1,216万1千台と前連結会計年度にくらべ13.4%の増加となりました。

 

四輪事業の概要

当連結会計年度の連結売上台数は、米国などで販売が減少したことにより、238万2千台と前連結会計年度にくらべ1.7%の減少となりました。

 

パワープロダクツ事業及びその他の事業の概要

当連結会計年度のパワープロダクツ事業の連結売上台数は、米国などで販売が減少したことにより、564万5千台と前連結会計年度にくらべ9.0%の減少となりました。

 

(当連結会計年度の連結業績の概況)

売上収益

当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、16兆9,077億円と前連結会計年度にくらべ2兆3,550億円、16.2%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2,532億円、約1.7%の増収と試算されます。

 

営業費用

営業費用は、16兆1,269億円と前連結会計年度にくらべ2兆4,454億円、17.9%の増加となりました。売上原価は、二輪事業における連結売上収益の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、13兆5,761億円と前連結会計年度にくらべ2兆82億円、17.4%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、品質関連費用を含む諸経費の増加や為替影響などにより、1兆6,699億円と前連結会計年度にくらべ3,434億円、25.9%の増加となりました。研究開発費は、8,809億円と前連結会計年度にくらべ938億円、11.9%の増加となりました。

 

営業利益

営業利益は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、7,807億円と前連結会計年度にくらべ904億円、10.4%の減益となりました。なお、為替影響約2,959億円の増益要因を除くと、約3,863億円の減益と試算されます。

 

ここで記載されている変動要因の各項目については、当社が現在合理的であると判断する分類および分析方法に基づいています。なお、一部の分析項目において、当社および主要な連結子会社を対象に分析しています。

・「為替影響」については、海外連結子会社の財務諸表の円換算時に生じる「為替換算差」と外貨建取引から生じる「実質為替影響」について分析しています。「実質為替影響」については、米ドルなどの取引通貨の、対円および各通貨間における為替影響について分析しています。

・「売価およびコスト影響」については、販売価格の変動影響、コストダウン効果および原材料価格の変動影響などを対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。

・「販売影響」については、連結売上台数や機種構成の変化に伴う利益の変動、金融サービス事業の売上収益の変化に伴う利益の変動に加え、その他の売上総利益の変化要因を対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。

・「諸経費」については、販売費及び一般管理費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。

・「研究開発費」については、研究開発費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。

また、為替影響を除いた試算数値は、当社の連結財務諸表の金額とは異なっており、IFRSに基づくものではなく、IFRSで要求される開示に代わるものではありません。しかしながら、これらの為替影響を除いた試算数値は当社の業績をご理解いただくために有用な追加情報と考えています。
 

 

 

税引前利益

税引前利益は、8,795億円と前連結会計年度にくらべ1,906億円、17.8%の減益となりました。営業利益の減少を除く要因は、以下のとおりです。
 持分法による投資利益は、当連結会計年度において一部の持分法で会計処理されている投資について、減損損失を計上したことなどにより、850億円の減益要因となりました。
 金融収益及び金融費用は、受取利息の増加などはあったものの、デリバティブから生じる損益の影響や為替差損益の影響などにより、150億円の減益要因となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「22 金融収益及び金融費用」を参照ください。

 

法人所得税費用

法人所得税費用は、1,622億円と前連結会計年度にくらべ1,472億円、47.6%の減少となりました。また、当連結会計年度の平均実際負担税率は、前連結会計年度より10.5ポイント低い18.4%となりました。当連結会計年度の法人所得税費用の減少額には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額961億円が含まれています。これは、当社および一部の国内の連結子会社により構成される通算グループにおいて、前連結会計年度および当連結会計年度において課税所得が稼得されたことや、次連結会計年度以降において主に国内外の四輪事業における連結売上台数の増加に伴う利益の増加見込みなどにより、将来課税所得が稼得される可能性が高いと判断したことによるものです。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税 (1) 法人所得税費用」を参照ください。

 

当期利益

当期利益は、7,173億円と前連結会計年度にくらべ433億円、5.7%の減益となりました。

 

親会社の所有者に帰属する当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益は、6,514億円と前連結会計年度にくらべ556億円、7.9%の減益となりました。

 

非支配持分に帰属する当期利益

非支配持分に帰属する当期利益は、658億円と前連結会計年度にくらべ122億円、22.9%の増益となりました。

 

 

(二輪事業)

連結売上台数は、全ての地域で増加したことなどにより、1,216万1千台と前連結会計年度にくらべ13.4%の増加となりました。二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、2兆9,089億円と前連結会計年度にくらべ7,237億円、33.1%の増収となりました。なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約3,932億円、約18.0%の増収と試算されます。

営業費用は、2兆4,202億円と前連結会計年度にくらべ5,465億円、29.2%の増加となりました。売上原価は、連結売上台数の増加や為替影響などにより、2兆999億円と前連結会計年度にくらべ4,898億円、30.4%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、2,484億円と前連結会計年度にくらべ539億円、27.7%の増加となりました。研究開発費は、718億円と前連結会計年度にくらべ27億円、4.0%の増加となりました。

営業利益は、売価およびコスト影響や販売影響による利益増、為替影響などにより、4,887億円と前連結会計年度にくらべ1,772億円、56.9%の増益となりました。

 

日本

2022年度二輪車総需要(注)は、約40万台と前年度にくらべ約4%の減少となりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、新型車「ダックス125」の投入効果や「スーパーカブ110」の増加などにより、24万6千台と前連結会計年度にくらべ0.8%の増加となりました。

 

(注) 出典:JAMA(日本自動車工業会)

 

北米

主要市場である米国の2022年(暦年)二輪車・ATV総需要(注)は、約73万台と前年にくらべ約%の減少となりました。

当連結会計年度の北米地域の連結売上台数は、主にメキシコにおいて、「Navi」や「Dio」の増加などにより、45万9千台と前連結会計年度にくらべ5.0%の増加となりました。

 

(注) 出典:MIC(米国二輪車工業会)

            二輪車・ATVの合計であり、Side-by-Side(S×S)は含まない。

 

欧州

欧州地域の2022年(暦年)二輪車総需要(注)は、約108万台とほぼ前年並みとなりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、「PCX」の増加などにより、34万7千台と前連結会計年度にくらべ9.5%の増加となりました。

 

(注) 英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストリアの10ヵ国の合計、当社調べ

 

アジア

最大市場のインドの2022年(暦年)二輪車総需要(注1)は、約1,536万台と前年にくらべ約6%の増加となりました。その他のアジア地域主要国の2022年(暦年)二輪車総需要(注2)は、ベトナムなどで増加したものの、中国などで減少したことにより、約1,989万台とほぼ前年並みとなりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、インドにおける「Activa」シリーズや、ベトナムにおける「Wave」シリーズの増加などにより、951万2千台と前連結会計年度にくらべ14.8%の増加となりました。

なお、持分法適用会社であるインドネシアのピー・ティ・アストラホンダモーターの販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「BeAT」シリーズや「Variо」シリーズの増加などにより、約448万台と前連結会計年度にくらべ約15%の増加となりました。

 

(注) 1 当社調べ

   2 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、パキスタン、中国の7ヵ国の合計、当社調べ

 

その他の地域

主要市場であるブラジルの2022年(暦年)二輪車総需要(注)は、約135万台と前年にくらべ約19%の増加となりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「CG160」シリーズや「Biz」シリーズの増加などにより、159万7千台と前連結会計年度にくらべ10.9%の増加となりました。

 

(注) 出典:ABRACICLO(ブラジル二輪車製造者協会)

 

 

(四輪事業)

連結売上台数は、北米地域で減少したことなどにより、238万2千台と前連結会計年度にくらべ1.7%の減少となりました。四輪事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、10兆5,935億円と前連結会計年度にくらべ1兆4,460億円、15.8%の増収となりました。なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約1,414億円、約1.5%の増収と試算されます。セグメント間取引を含む四輪事業の売上収益は、10兆7,817億円と前連結会計年度にくらべ1兆4,211億円、15.2%の増収となりました。

営業費用は、10兆7,983億円と前連結会計年度にくらべ1兆6,739億円、18.3%の増加となりました。売上原価は、為替影響などにより、8兆7,782億円と前連結会計年度にくらべ1兆3,307億円、17.9%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、品質関連費用を含む諸経費の増加や為替影響などにより、1兆2,382億円と前連結会計年度にくらべ2,515億円、25.5%の増加となりました。研究開発費は、7,818億円と前連結会計年度にくらべ916億円、13.3%の増加となりました。

営業損失は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、166億円と前連結会計年度にくらべ2,528億円の減益となりました。
 

各カテゴリ別の販売台数構成比は概ね以下のとおりです。(小売販売台数ベース)

パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):前連結会計年度42%、当連結会計年度42%

ライトトラック(SUV・ミニバン等):前連結会計年度52%、当連結会計年度50%

軽自動車:前連結会計年度6%、当連結会計年度8%

 

四輪事業における主要な製品は以下のとおりです。

パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):

「ACCORD」 、「BRIO」 、「CITY」 、「CIVIC」 、「FIT」 、

「INTEGRA」、「JAZZ」

ライトトラック(SUV・ミニバン等):

「BREEZE」 、「CR-V」 、「FREED」 、「HR-V」 、「ODYSSEY」 、

「PILOT」 、「VEZEL」 、「XR-V」 、「ZR-V」

軽自動車:

「N-BOX」

 

カテゴリ別の収益性を決定する要因はさまざまですが、販売価格は重要な要素の一つと考えています。上記カテゴリごとの販売価格については、各モデルによって異なるものの、全体的には、ライトトラックは比較的高く、軽自動車は比較的低い傾向があります。

車両の貢献利益も各モデルによって異なりますが、一般的にライトトラックは販売価格が高いことから貢献利益も高く、軽自動車は販売価格が低いことから貢献利益も低い傾向があります。例えば、当社グループの主要な販売地域である日本市場と米国市場における、当連結会計年度のカテゴリ別の貢献利益は、ライトトラックは全カテゴリ平均より約25%高く、パッセンジャーカーは約5%低く、軽自動車は約65%低いと試算されます。上記の貢献利益は売上収益から販売量に比例して発生すると考えられる材料費を控除した金額の台当たり金額と定義して算定したものです。

 

 

日本

2022年度四輪車総需要(注1)は、約438万台と前年度にくらべ、約4%の増加となりました。

当連結会計年度の連結売上台数(注2)は、半導体供給不足の影響などを受けたものの、「N-BOX」の増加などにより、48万4千台と前連結会計年度にくらべ1.7%の増加となりました。

当連結会計年度の生産台数は、64万3千台と前連結会計年度にくらべ1.4%の増加となりました。

 

(注) 1 出典:JAMA(日本自動車工業会:登録車+軽自動車)

2 当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていません。

 

北米

主要市場である米国の2022年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,389万台と前年にくらべ約8%の減少となりました。

当連結会計年度の北米地域での連結売上台数は、半導体供給不足の影響などを受け、「HR-V」や「CIVIC」が減少したことなどにより、119万5千台と前連結会計年度にくらべ6.9%の減少となりました。

当連結会計年度の北米地域での生産台数は、124万9千台と前連結会計年度にくらべ1.7%の減少となりました。

 

(注) 出典:Autodata

 

欧州

欧州地域の2022年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,128万台と前年にくらべ約4%の減少となりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、「CIVIC」の減少などにより、8万4千台と前連結会計年度にくらべ16.0%の減少となりました。

 

(注) 出典:ACEA(欧州自動車工業会)乗用車部門(EU27ヵ国、EFTA3ヵ国、英国)

 

 

アジア

アジア地域主要国の2022年(暦年)四輪車総需要(注1)は、インドやマレーシアなどで増加したことにより、約834万台と前年にくらべ約18%の増加となりました。

中国の2022年(暦年)四輪車総需要(注2)は、約2,686万台と前年にくらべ約2%の増加となりました。

当連結会計年度の連結売上台数の合計は、インドネシアにおける「BR-V」や「BRIO」の増加などにより、50万5千台と前連結会計年度にくらべ14.0%の増加となりました。

なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、半導体供給不足の影響などを受け、「XR-V」や「VEZEL」の減少などにより、124万台と前連結会計年度にくらべ21.5%の大幅な減少となりました。

アジア地域の連結子会社の当連結会計年度の生産台数(注3)は、55万6千台と前連結会計年度にくらべ14.1%の増加となりました。

なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の当連結会計年度の生産台数は130万6千台と前連結会計年度にくらべ19.4%の減少となりました。

 

(注) 1 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの8ヵ国の合計、当社調べ

2 出典:中国汽車工業協会

3 タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの7ヵ国の合計

 

その他の地域

主要市場であるブラジルの2022年(暦年)の四輪車総需要(注)は、約196万台と前年にくらべ約1%の減少となりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「CITY」の増加などはあったものの、「CIVIC」の減少などにより、11万4千台と前連結会計年度にくらべ6.6%の減少となりました。

当連結会計年度のブラジル工場での生産台数は、6万6千台と前連結会計年度にくらべ21.4%の大幅な減少となりました。

 

(注) 出典:ANFAVEA(ブラジル自動車製造業者協会:乗用車+軽商用車)

 

(金融サービス事業)

当社グループは、製品販売のサポートを主な目的として、日本・米国・カナダ・英国・ドイツ・ブラジル・タイにある金融子会社を通じて、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースおよびファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。
 

金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産残高の合計は、10兆6,210億円と前連結会計年度末にくらべ274億円、0.3%の増加となりました。また、前連結会計年度末の為替レートで換算した場合、前連結会計年度末にくらべ約6,504億円、約6.1%の減少と試算されます。

金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、オペレーティング・リース売上の減少などはあったものの、為替換算による増加影響などにより、2兆9,540億円と前連結会計年度にくらべ1,334億円、4.7%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2,890億円、約10.2%の減収と試算されます。セグメント間取引を含む金融サービス事業の売上収益は、2兆9,561億円と前連結会計年度にくらべ1,328億円、4.7%の増収となりました。

営業費用は、2兆6,702億円と前連結会計年度にくらべ1,799億円、7.2%の増加となりました。売上原価は、オペレーティング・リース売上の減少に伴う費用の減少などはあったものの、為替影響などにより、2兆5,442億円と前連結会計年度にくらべ1,450億円、6.0%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、為替影響などにより、1,260億円と前連結会計年度にくらべ349億円、38.3%の増加となりました。

営業利益は、為替影響などはあったものの、減収に伴う利益の減少などにより、2,858億円と前連結会計年度にくらべ471億円、14.2%の減益となりました。

 

 

(パワープロダクツ事業及びその他の事業)

パワープロダクツ事業の連結売上台数は、北米地域で減少したことなどにより、564万5千台と前連結会計年度にくらべ9.0%の減少となりました。パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、4,511億円と前連結会計年度にくらべ518億円、13.0%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約76億円、約1.9%の増収と試算されます。セグメント間取引を含むパワープロダクツ事業及びその他の事業の売上収益は、4,764億円と前連結会計年度にくらべ546億円、13.0%の増収となりました。

営業費用は、4,536億円と前連結会計年度にくらべ223億円、5.2%の増加となりました。売上原価は、為替影響などにより、3,692億円と前連結会計年度にくらべ198億円、5.7%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の減少などはあったものの、為替影響などにより、572億円と前連結会計年度にくらべ29億円、5.5%の増加となりました。研究開発費は、271億円と前連結会計年度にくらべ4億円、1.8%の減少となりました。

営業利益は、販売影響による利益増や為替影響などにより、228億円と前連結会計年度にくらべ323億円の増益となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、為替換算による利益減などはあったものの、費用の減少などにより、257億円と前連結会計年度にくらべ79億円の改善となりました。

 

日本

当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジン(注)が増加したことなどにより、37万6千台と前連結会計年度にくらべ6.5%の増加となりました。

 

(注) 相手先ブランドで販売される商品に搭載されるエンジン

OEM:Original Equipment Manufacturer

 

北米

当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、227万4千台と前連結会計年度にくらべ16.9%の減少となりました。
 

欧州

当連結会計年度の連結売上台数は、発電機の増加はあったものの、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、116万8千台と前連結会計年度にくらべ1.8%の減少となりました。

 

アジア

当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、140万8千台と前連結会計年度にくらべ5.3%の減少となりました。

 

その他の地域

当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、41万9千台と前連結会計年度にくらべ3.2%の減少となりました。

 

 ② 重要な会計上の見積り

当社および連結子会社は、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の報告額ならびに偶発資産・偶発債務の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間およびその影響を受ける将来の報告期間において認識されます。

 

当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、連結財務諸表注記の「2 作成の基礎 (5) 見積りおよび判断の利用」を参照ください。

 

 

 ③ 流動性と資金の源泉

(資金需要、源泉、使途に関する概要)

当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持を財務方針としています。当社および連結子会社は、主に二輪車、四輪車およびパワープロダクツの製造販売を行うとともに、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対する金融サービスを提供しています。生産販売事業における主な運転資金需要は、製品を生産するために必要となる部品および原材料や完成品の在庫資金のほか、販売店向けの売掛金資金です。また設備投資資金需要のうち主なものは、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充のための必要資金です。また、当社および連結子会社は、世界一のパワーユニットメーカーとして「環境」と「安全」に徹底的に取り組むとともに、新たな価値創造として、複合型ソリューションや新領域へのチャレンジに全社一丸となって取り組んでいます。こうした事業ポートフォリオの変革に向けても資金が必要となります。上記取組みに関する資源投入の計画に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ④ 財務戦略 2.新たな価値創造を加速する資源投入」を参照ください。

生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金、銀行借入金および社債の発行などによりまかなっております。なお、当社は、前連結会計年度において、「環境」と「安全」への取り組みに対する支出の一部を社債発行により調達するためのサステナブル・ファイナンス・フレームワークを設定し、資金使途をそのフレームワークに準じた環境事業に限定する米ドル建てグリーンボンドを、総額27.5億米ドル発行しました。これらを踏まえ、現在必要とされる資金水準を十分確保していると考えています。これら生産販売事業の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は8,027億円となっています。また、顧客および販売店に対する金融サービスでの必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、オペレーティング・リース資産の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。これら金融子会社の資金調達に伴う当連結会計年度末での債務残高は6兆8,674億円となっています。

当社および連結子会社の借入必要額に、重要な季節的変動はありません。

今後も必要資金と手元資金の状況を鑑みながら、必要に応じて資金調達を検討していきます。

 

(流動性)

当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物3兆8,030億円は、主に米ドル建てと円建てを中心としていますが、その他の外貨建てでも保有しています。 

当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約2.7ヵ月相当の水準となっており、当社および連結子会社の事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。

しかしながら、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合も考えられます。このため、特に1兆483億円の短期債務を負う金融子会社では、継続的に債務を借り換えしているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として合計1兆3,067億円相当の契約信用供与枠(コミットメントライン)を保有しています。さらに、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在、当社および連結子会社は世界的に有力な銀行と契約に基づかない信用供与限度額を十分に設定しています。

当社および連結子会社の当連結会計年度末の資金調達に係る債務は、主に米ドル建てを中心としていますが、円建てやその他の外貨建てでも保有しています。

資金調達に係る債務の追加情報については、連結財務諸表注記の「15 資金調達に係る債務」および「25 金融リスク管理」を参照ください。

また、当社および連結子会社が発行する短期および長期債券は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズおよび格付投資情報センターなどから、2023年3月31日現在、以下の信用格付を受けています。

 

 

信用格付

短期格付

長期格付

ムーディーズ・インベスターズ・サービス

P-2

A3

スタンダード・アンド・プアーズ

A-2

A-

格付投資情報センター

a-1+

AA

 

 

 

なお、これらの信用格付は、当社および連結子会社が格付機関に提供する情報または格付機関が信頼できると考える他の情報に基づいて行われるとともに、当社および連結子会社の発行する特定の債券に係る信用リスクに対する評価に基づいています。各格付機関は当社および連結子会社の信用格付の評価において異なった基準を採用することがあり、かつ各格付機関が独自に評価を行っています。これらの信用格付はいつでも格付機関により改訂または取り消しされることがあります。また、これらの格付は債券の売買・保有を推奨するものではありません。

 

 ④ 簿外取引

(貸出コミットメント)

当社および連結子会社は、販売店に対する貸出コミットメント契約に基づき、貸付金の未実行残高を有しています。当連結会計年度末において、販売店への保証に対する割引前の将来最大支払額は、1,192億円です。これらの貸出コミットメント契約には、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも貸出実行されるものではありません。

 

(従業員の債務に対する保証)

当社および連結子会社は、当連結会計年度末において、従業員のための銀行住宅ローン59億円を保証しています。従業員が債務不履行に陥った場合、当社および連結子会社は、保証を履行することを要求されます。債務不履行が生じた場合に、当社および連結子会社が負う支払義務の割引前の金額は、当連結会計年度末において、上記の金額です。2023年3月31日現在、従業員は予定された返済を行えると考えられるため、当該支払義務により見積られた損失はありません。

 

 ⑤ 契約上の債務

当連結会計年度末における契約上の債務は、以下のとおりです。

 

期間別支払金額(百万円)

合計

1年以内

1~3年

3~5年

それ以降

資金調達に係る債務

7,996,385

3,410,145

2,651,286

1,423,700

511,254

その他の金融負債

665,389

196,797

150,408

87,448

230,736

発注残高およびその他契約残高(注1)

107,865

90,669

17,048

148

確定給付制度への拠出(注2)

44,301

44,301

合計

8,813,940

3,741,912

2,818,742

1,511,296

741,990

 

  (注) 1 当社および連結子会社の発注残高は、設備投資に関するものです。

 2 2024年度以降の拠出額は未確定であるため、確定給付制度への拠出は、次連結会計年度に拠出するもののみ記載しています。

 

 ⑥ 市場リスクに関する定量および定性情報の開示

連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (2) 市場リスク」を参照ください。