E02166 IFRS
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の連結売上収益は、四輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、14兆9,994億円と前年同期にくらべ19.8%の増収となりました。
営業利益は、品質関連費用を含む諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増や販売影響による利益増などにより、1兆763億円と前年同期にくらべ46.7%の増益となりました。税引前利益は、1兆2,645億円と前年同期にくらべ47.1%の増益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、8,696億円と前年同期にくらべ49.1%の増益となりました。
二輪事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、2兆3,580億円と前年同期にくらべ7.1%の増収となりました。営業利益は、品質関連費用を含む諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増などにより、4,115億円と前年同期にくらべ9.3%の増益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車(二輪車・ATV・Side-by-Side)販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。
四輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加などにより、9兆9,724億円と前年同期にくらべ29.1%の増収となりました。営業利益は、品質関連費用を含む諸経費の増加などはあったものの、販売影響による利益増や売価およびコスト影響による利益増などにより、4,605億円と前年同期にくらべ307.8%の増益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。また、当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていませんが、Hondaグループ販売台数には含めています。
パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、パワープロダクツ事業の連結売上台数の減少などにより、2,828億円と前年同期にくらべ15.9%の減収となりました。営業損失は、パワープロダクツ事業の販売影響による利益減などにより、4億円と前年同期にくらべ245億円の減益となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、245億円と前年同期にくらべ58億円の悪化となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社のパワープロダクツ販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社のパワープロダクツ販売台数です。なお、当社は、パワープロダクツを販売している持分法適用会社を有しないため、パワープロダクツ事業においては、Hondaグループ販売台数と連結売上台数に差異はありません。
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4兆3,444億円と前連結会計年度末にくらべ5,414億円の増加となりました。
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況と、その前年同期に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりです。
当第3四半期連結累計期間における営業活動の結果得られた資金は、4,217億円となりました。この営業活動によるキャッシュ・インフローは、顧客からの現金回収の増加などはあったものの、部品や原材料の支払いや金融サービスに係る債権の増加などにより、前年同期にくらべ1兆2,910億円の減少となりました。
当第3四半期連結累計期間における投資活動の結果減少した資金は、5,414億円となりました。この投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、持分法で会計処理されている投資の取得による支出の増加などはあったものの、有形固定資産の取得による支出の減少などにより、前年同期にくらべ432億円の減少となりました。
当第3四半期連結累計期間における財務活動の結果増加した資金は、5,026億円となりました。この財務活動によるキャッシュ・インフローは、資金調達による収入の増加などにより、前年同期にくらべ1兆8,214億円の増加となりました。
当第3四半期連結累計期間において、統合報告書「Honda Report 2023」を策定し、新たに、2030年ROIC(投下資本利益率)(注1)目標を10%以上と設定しました。当社は、これまで公表してきた2025年ROS(売上高営業利益率)目標に対して、事業体質の強化によりキャッシュ創出力を高めるとともに、変革に向けた戦略的な資源投入と株主還元の最適なバランスを保ち、持続的な成長と資本効率の向上をめざします。
(注) 1 (親会社の所有者に帰属する当期利益+支払利息(金融事業を除く事業会社))÷投下資本(注2)
2 親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債(金融事業を除く事業会社)、期首期末平均により算出しています。
当第3四半期連結累計期間における当社および連結子会社の研究開発支出および要約四半期連結損益計算書に計上されている研究開発費の金額はそれぞれ6,512億円、6,313億円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社および連結子会社の研究開発活動の状況における変更の内容は次のとおりです。
当社は電動事業のさらなる強化、加速をはかるため、電動事業の強化に向けて2022年4月に発足した事業開発本部をベースとし、電動事業開発本部を発足しました。この本部に、四輪事業に関わる事業戦略機能と電気自動車(EV)の商品開発機能、ならびに二輪・パワープロダクツ事業に関わる電動領域の戦略および開発機能を集約し、「電動事業のさらなる加速」とモビリティの拡がりによる「新たな価値創造」の実現をめざしていきます。