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最終更新:

E36464 Japan GAAP

売上高

99.6億 円

前期

96.8億 円

前期比

102.9%

時価総額

71.0億 円

株価

1,505 (04/25)

発行済株式数

4,720,245

EPS(実績)

17.44 円

PER(実績)

86.30 倍

平均給与

473.6万 円

前期

473.5万 円

前期比

100.0%

平均年齢(勤続年数)

45.1歳(8.9年)

従業員数

457人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社は、主に全国の鉄道、自治体、運転免許センターなど公共的な施設を中心とするナビタ設置場所の所有者(以下ロケーションオーナーという)、協賛スポンサー、利用者の3者にとってメリットのある当社オリジナルのナビタ事業を展開しています。元々ナビタ事業のみでの展開でしたが、交通広告や屋外広告などナビタ事業の周辺領域もカバーすべくアド・プロモーション事業を開始し、加えて広告の設置工事まで自社で内製化するためにサイン事業も展開するに至りました。ナビタ事業、アド・プロモーション事業、サイン事業の3セグメント事業により、企画立案から設置まで自社で一気通貫で対応ができる体制を有しています。各事業の詳細について以下に記載いたします。

 

(1)ナビタ事業

 ナビタとは、全国の鉄道駅や路面電車の停留所、市(区)役所の自治体庁舎、交番、警察署、運転免許試験場などに設置された、自社開発の周辺案内図(地図)を基礎媒体とした連合広告(ひとつの広告媒体に複数のスポンサー広告を掲出する形式。下図を参照のこと)です。スポンサー数は、延べ約74,000件(2023年3月31日現在)と安定的な収益の基盤となっています。

 ナビタは、地図情報、公共施設情報はもとより災害時の避難場所の情報も盛り込んだ、公共性の高い媒体です。当社は自社内に地図とデジタルコンテンツ制作体制を有していることから、設置場所のエリア・用途にあわせたナビタの制作が可能になっています。

 

※画像省略しています。

※画像省略しています。

 

 ナビタのロケーションオーナーは、ナビタの設置により周辺地図、掲出情報から施設利用者へのサービス向上に繋がるとともに、当社から支払われる広告納金、掲出料金、使用料、貸付料、賃料などロケーションオーナーにより名称は異なるもののナビタ設置に関連してロケーションオーナーに支払われる金銭(以下総称して広告納金という)により収入を得ることができます。協賛スポンサーは注目される好立地の場所へ安価に広告を掲出することができ、当社は協賛スポンサーからの広告収入を得ることができます。

 ナビタ事業は、連合広告により安価な価格設定で提供できるため、幅広い業種のスポンサーが広告を掲出しやすいこともあり複数年契約の継続スポンサーを中心に構成されており、安定的な収益の基盤となっています。特定の業種に依存することがない上、安価な価格設定のため全国の従業者10名以上の約128万事業所のみならず従業者10名未満の約389万事業所(令和3年経済センサス‐活動調査(速報集計))という大きな潜在顧客マーケットをターゲットとして新規スポンサーの開拓を推進しています。新規開拓営業と継続営業とを分けることで、新たな顧客の獲得と高い継続率を実現し、ナビタ顧客層を年々積み上げております。ナビタ事業は、ターゲット、設置場所により3種類のナビタに大別することができます。

 

①ステーションナビタ:JR各社、地下鉄、私鉄の全国2,473駅(うち、1日あたりの乗降者数が3万人以上の主要駅823駅)(2023年3月31日現在)の改札付近に設置され、掲出されている飲食業、医療関連、サービス業などのスポンサーの数は延べ約38,000件となっております。ナビタには、LED、液晶モニター、タッチパネルを利用した媒体を併設するなど、さまざまなタイプがあります。交通広告は鉄道会社の指定取扱代理店が担うことが慣例となっていますが、独自性のあるナビタ事業を端緒として当社は全国の主要駅やエリアで指定業者となっております。それに加え全国の多くの駅で既にナビタを設置済であることから、後発企業に対して高い優位性を有しております。ナビタは、交通広告の中でも立ち止まって閲覧する地図と併設する為、高い広告効果と共に以下の効果も期待できます。

・広告が掲載されると地図上に所在地が表示されますので、駅からの誘導が可視化されます。

・電話での道案内に費やしていた人件費(時間)の削減が可能です。

・公共性の高い駅地図に掲出される事で協賛スポンサーに対する安心性、信頼性のステータスアップが期待できます。

・スポンサーの企業のステータスがアップするとともに従業員のモチベーションアップも期待できます。

・多くの人が利用する駅に設置されている注目度の高い媒体なので、視認性が高く広告効果が期待できます。

・購買地点に近い場所で訴求することで消費者の購買意欲の高まりが期待できます(リーセンシー効果という)。

・連合広告形式なので、通常の駅看板などの駅広告と比べ低コストで掲出が可能です。

・ロケーションオーナーにとっても視認性の高い地図で駅利用者へのサービス向上に繋がると同時に、広告納金による収入を得ることができます。

 

 また、神社・寺院(神社・寺院については、2024年3月期からシティナビタでの集計に移行致します。一方で、シティナビタにて集計していましたコミュニティバスをステーションナビタでの集計に移行致します。)、サービスエリア、道の駅などにも同様のスキームで設置を進めています。その他専用ラックを設置し、各地、各エリアの周辺マップや路線図、観光情報を掲載するフリーペーパー「ペーパーナビタ」を発行しています。

 

②シティナビタ:市区町村などの自治体庁舎内に設置され、地図上で公共施設や避難場所情報などをお知らせすると共に、広告スペースでは市民が必要とする情報として民間商業施設を地域情報として紹介しています。設置する自治体にとっても、費用の負担なく税外収入(広告納金)が得られる、来庁者サービスの向上にもつながる、など多くのメリットがあります。庁舎内外へのナビタの設置などで、1,038自治体との取引実績(2023年3月31日現在)があります。また、以下の効果も期待できます。

・自治体の広告事業への参加で、より一層の企業のイメージアップが期待できます。

・広告モデル(「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)ナビタ事業」の図を参照ください)により、自治体がコストをかけず庁舎内外で行政情報や地域の観光情報などを提供することが可能となり、地域貢献や地域の活性化に繋がることが期待できます。

 

 その他市役所の順番待ち発券システム(番号案内)のタイアップ広告(番号案内画面の隣接モニターにスポンサー広告を表示)として、番号案内設備とモニター(行政情報及び広告動画を放映)を当社費用で設置しております。また、病院にはメディカルナビタとして自治体とも繋がりがある地域医療支援病院などにシティナビタと同様のスキームで設置を進めています。その他、ステーションナビタと同様のフリーペーパー「ペーパーナビタ」を発行しています。

 

③公共ナビタ:交番20ヵ所、警察署39ヵ所、運転免許センター76ヵ所、交通安全協会6ヵ所、合計141ヵ所(2023年3月31日現在)の警察関連の施設に設置される地図案内板を通してスポンサー情報を発信し、より地域に密着した広告効果を発揮すると共に以下の効果も期待できます。

・交番では夜間に周辺地図の裏側に設置されたLEDバックライトの照明で、地域防犯にも繋がることが期待できます。

・交番機能の充実に貢献できるため、スポンサーは地元警察への協力にもなり、企業イメージの向上に役立ちます。

・費用の負担なく自治体の税外収入(広告納金)が得られます。

・運転免許センターの案内板は来庁者へのサービス向上を図るほか、案内板内のモニターを通じて安全・安心に関わる情報発信を行っています。

 

(2)アド・プロモーション事業

 当社は独自性のあるナビタ事業を端緒として全国の主要駅やエリアで指定業者となっており交通媒体(車内・駅構内など)、マス媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)、屋外媒体(看板・ボードなど)による広告各種を幅広く手がけております。広告目的に沿った最適な企画立案・プレゼンテーション・予算管理までを含めたトータルプランニングを提案しています。アド・プロモーション事業は、商品構成により6種類に大別することができます。

 

①駅広告:駅広告は、多くの人々が利用する駅構内に掲出される交通広告媒体です。駅看板、柱巻、駅ポスター、デジタルサイネージ(電子看板)など種類も豊富で、地域・暮らしに密着した「高い価値」をもった広告メディアとして定着しております。飲食店、不動産会社、医療機関など駅周辺エリアをターゲットにした展開から路線単位とした広範囲のエリアをターゲットにした広告展開も可能です。以下はその特徴です。

・路線単位の出稿により沿線でのブランディング効果が期待できます。

・媒体への接触率が高く、何度も目に触れるため認知度の向上効果が期待できます。

・購買行動の直前に接触するため、リーセンシー効果が期待できます。

・駅に広告が掲出されていることにより、駅利用者に対して終日広告を認知してもらうことができます。

 

②車両広告:電車内といった日常的に接触する空間に掲出される広告媒体です。また、広告主の目的に合わせた掲出エリア、位置、期間、料金が選べるため幅広いターゲット層へのアプローチができます。以下はその特徴となります。

・電車内のため強制的に視認される可能性が高く、企業、商品のブランド認知などの広告効果が期待できる媒体です。

・電車利用者が媒体に反復して接触するため情報の認知度の向上が期待できます。

・広範囲への訴求、告知が可能で、地域沿線へのブランディング効果が期待できます。

 

③屋外広告:屋外を通行する歩行者や車に乗車している人などの不特定多数を対象に訴求をする広告で、常時または一定期間、屋外に掲出される広告媒体です。屋上看板、大型ビジョン、野立看板などがあります。以下がその特徴となります。

・設置場所の特性、広告サイズ、掲出期間、予算にあわせた調査と提案が可能です。

・中長期的に掲出されるため反復性・接触率が高く、企業、商品のブランド認知などの広告効果が期待できる媒体です。

 

④バス広告:人々の生活の足でもあるバスに広告展開が可能な交通広告であり以下がその特徴となります。

・特定の地域を運行するため、地域に密着した広告展開が可能で、エリアによってターゲットを絞れるため、ビジネスマンや学生、中高齢者などへの広告の認知が可能です。

・他の交通広告と比較して、コストを抑えた展開が可能です。

 

⑤Webサービス:当社は従来現実社会における媒体(自社媒体含む)の提供をメインに進めてきましたが、ネットの普及によりネットとリアルの相乗効果も求められる状況に対応するため、ネット自社媒体の開発・運用を実施しております。ナビタのスポンサーをWebで紹介するe-ナビタ、地域中核病院の提携医療機関の検索サービスe-メディケアサーチ、免税店情報を紹介するTAXFREESHOPS.JP、及びQRコードを撮影することでモバイルで展開できる、ナビゲーションアプリの「ここからGO!」などのアプリの開発・運用も行っております。また、ネット広告に精通しているパートナー企業とのネットワークを生かし、他社媒体を含めたより効果のあるネット広告の提案を行っています。

 

⑥マス広告:マス広告は、主要な4つのメディア・媒体(テレビ広告、ラジオ広告、新聞広告、雑誌広告)です。近年では、新しいメディアであるインターネットの台頭に伴い、それぞれの媒体の特長を生かし、尚且つ、インターネットとの連動性を持たせた有効的な広告作りが重要になっています。

 

(3)サイン事業

 サイン事業は、ナビタ事業の取引先である鉄道会社、自治体とのネットワークを活かして、広告・看板・案内板などの企画設計から施工に至るサービスを提供しています。サイン事業は、取引先にとって利便性の高い、快適で機能的な生活空間の創造をコンセプトに提供しており、4種類に大別することができます。さらに、2023年4月より番号案内表示システムの販売を開始しました。

 

①交通サイン:JR各社をはじめ全国の地下鉄や私鉄各社の施工実績があります。鉄道会社による厳しい検査をクリアした製品を安全に配慮して施工しています。

 

②公共サイン:自治体などの個別案件に対し、企画設計から製品製作、施工までを行います。

 

③商業サイン:商業施設における自立式看板、外照式看板から施設内の案内表示まで、幅広いニーズに対応しています。

 

④避難誘導サイン:全国の自治体を中心に蓄光素材を活用した視認や誘導に効果的な避難誘導サインなどの調査や研究を行い、開発から施工までをトータルで提案できる体制を有しています。誰もが安心して生活できる街づくりを目指します。

 

⑤番号案内表示システム:2023年4月に西菱電機株式会社より当該システム製造販売事業(西菱電機株式会社の「発券機システム」事業を当社では「番号案内表示システム」と呼んでいます)を譲り受けました。自治体を中心に当該システム機器の販売、設置施工、運用管理受託を進めてまいります。

 

[事業系統図]

※画像省略しています。

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(注)1.筐体機器とは、ナビタ本体のことです。表示機器とは、モニター関連の機材のことです。

2.ソフトウエア開発は、筐体機器、表示機器などで使用するデジタルサイネージの管理システムとアプリケーションソフトウエアのことです。

3.外注先の制作、印刷ですが、ナビタ事業では、繁忙期に外注を行っており、アド・プロモーション事業でも広告物の制作、印刷などを依頼しています。

4.広告納金は、ロケーションオーナーに筐体機器を設置していることに関連して支払われるものです。

 

 

※画像省略しています。

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23/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響からの持ち直しによる経済活動の正常化の動きがみられるものの、欧米各国の景気後退懸念の拡大、サプライチェーンの混乱やウクライナ情勢の影響等を背景とした各種価格の高騰、為替相場の不安定な動きによる物価上昇など、先行きは不透明な状況が続いております。

 広告業界においては、2022年の総広告費は国内外の様々な影響を受けつつも、過去最高を記録し、特にインターネット広告費は、社会のデジタル化を背景に継続して高い増加率を保っており、その成長に市場全体が支えられております。そのような状況の中、交通広告においては、鉄道においてポスター、デジタルサイネージとともに前年に続き、ネットワーク系媒体よりも主要駅で人流が多いロケーションに設定されたインパクト型OOH媒体に需要が集中して、全国的に大型デジタルサイネージは前年を上回りました。屋外広告においても人流回復が顕著になり、広告需要も高まってきました。

 当社におきましては、ナビタ事業では、病院・寺社などの新規プラットフォームの拡大、自治体との取引深耕、中核医療機関との取引拡大を図るとともに、既存媒体(広告)価値向上や「ナビタイムジャパン」や「駅探」との協働などによるWEBビジネスの拡大により収益力向上を図り、アド・プロモーション事業では、広告各種における最適な企画・プレゼンテーション等によるサービスの向上を図るとともに、新たな付加価値の創造による新商品の拡大に取り組み、サイン事業では、引き続き鉄道関連の設備投資需要補足に注力するとともに、自治体及び病院への取引拡大に努めてまいりましたが、本格回復には至らない状況となりました。

 以上の結果、当事業年度の売上収益は9,960百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は549百万円(同24.2%減)、経常利益は621百万円(同17.7%減)、減損損失439百万円を特別損失に計上した結果、当期純利益は82百万円(同79.0%減)となりました。

 なお、セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。

(ナビタ事業)

 ナビタ事業においては、既存ナビタの媒体(広告)の価値向上を図るとともに、WEB商材の販売強化や新規媒体開発による付加価値の向上、筐体の再利用による新たなナビタの設置、電子契約化促進などによるデジタル化やインサイドセールスの強化を進めてまいりましたが、ナビタ筐体償却費増加や前向き投資による事業部門負担の増加などから売上収益は8,019百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は1,020百万円(同6.6%減)となりました。

(アド・プロモーション事業)

 広告需要の回復の兆しが見られ、鉄道以外の媒体広告の拡販やマス媒体の強化及び自治体ビジネスさらにWEB商材の開発やデジタルサイネージによる配信システム販売強化に取り組んでまいりましたが、大口取引や利益率の高い案件の減少などにより、売上収益は603百万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は32百万円(同39.1%減)となりました。

(サイン事業)

 自治体・病院などにおける営業の強化や既存取引先との取引拡大、新商材の開発を進め、自治体や企業等から大型案件を受注したものの利益率の低い案件もあり、売上収益は1,337百万円(前年同期比22.3%増)、セグメント損失は54百万円(前年同期はセグメント利益9百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

 当事業年度末の総資産は13,762百万円(前年度末比249百万円増)となりました。

 資産、負債及び純資産の状況については以下のとおりであります。

a.資産

流動資産は、現金及び預金や売上債権の増加などにより、8,217百万円(同507百万円増)となりました。

固定資産は、ナビタ事業における設備投資が増加したものの、減価償却や減損損失の計上による有形・無形固定資産の減少により、5,544百万円(同258百万円減)となりました。

b.負債

流動負債は、仕入債務の増加や契約負債の増加などにより、6,261百万円(同436百万円増)となりました。

固定負債は、役員の退任等の役員退職慰労金の支払がある一方、退職給付引当金の増加などにより、208百万円(同11百万円増)となりました。

c.純資産

剰余金の配当を283百万円実施し、当期純利益82百万円を計上したことから純資産は7,292百万円(同198百万円減)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,717百万円(前年度末比957百万円減)となりました。

 現金及び現金同等物の主な変動要因については、次のとおりであります。

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益157百万円に対し、法人税等の支払額が115百万円、売上債権及び契約資産の増加額が305百万円、支出を伴わない減価償却費の計上が755百万円、減損損失の計上が439百万円あったことなどから、1,339百万円の収入(前期比824百万円増)となりました。

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、駅他周辺案内図その他広告媒体設備等の有形固定資産の取得による支出が619百万円、デジタルサイネージのソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出が167百万円、定期預金の預入による支出が2,867百万円発生したことなどから、2,010百万円の支出(同196百万円増)となりました。

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が283百万円発生したことなどから、285百万円の支出(同1,404百万円減)となりました。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

⑤生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自2022年4月1日

至2023年3月31日)

前年同期比(%)

ナビタ事業         (千円)

8,019,511

0.6

アド・プロモーション事業  (千円)

603,080

△0.8

サイン事業         (千円)

1,337,650

22.3

合計(千円)

9,960,242

2.9

(注)1.セグメント間の取引については該当事項はありません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上収益)

 当事業年度の売上収益は9,960百万円(前年同期比2.9%増)となりました。これはナビタ事業では、既存ナビタの媒体(広告)の価値向上を図ることに注力し、サイン事業では大型工事が完成したことによるものです。

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は、4,725百万円(前年同期比8.8%増)となりました。これは主にナビタ事業における広告納金や減価償却費の負担が増加したことと、サイン事業における工事の増加により外注費も大きく増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は5,234百万円(前年同期比1.9%減)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、4,684百万円(前年同期比1.7%増)となりました。これは主に人件費の増加や基幹システム開発費用、自社ビル修繕費用等の増加によるものです。この結果、営業利益は549百万円(前年同期比24.2%減)となりました。

(経常利益)

 当事業年度において、受取家賃等で営業外収益が81百万円、賃貸費用等で営業外費用が10百万円発生しております。この結果、経常利益は621百万円(前年同期比17.7%減)となりました

(当期純利益)

 当事業年度において、固定資産除却損24百万円や減損損失439百万円を特別損失に計上したことなどにより、当期純利益は82百万円(前年同期比79.0%減)となりました。

 

③財政状態の分析

 当事業年度末の総資産は13,762百万円(前年度末比249百万円増)となりました。

 資産、負債及び純資産の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

④キャッシュ・フロー状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,717百万円(前年度末比957百万円減)となりました。

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤当社の資本の財源及び資金の流動性について

a.資金需要

 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、広告納金、外注費、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。

b.財政政策

 当社は、事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び投資を目的とした資金の調達につきましては、自己資金を基本としており、自己資金で補うことができない場合は金融機関からの借入を基本としております。

 

⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

 当社では売上収益、営業利益を重要な経営指標として位置付けており当事業年度の計画値と実績値は以下のとおりであります。

経営指標

2023年3月期

(計画)

2023年3月期

(実績)

2023年3月期

(計画比)

売上収益   (百万円)

10,379

9,960

△418(4.0%減)

営業利益   (百万円)

597

549

△47(7.9%減)

当期純利益  (百万円)

456

82

△373(82.0%減)

(注)2023年3月期(計画)につきましては、2022年5月13日に公表した2022年3月期決算短信に記載した2023年3月期の業績予想数値であります。

 

 当社は、持続的な企業価値向上を目指すにあたり、売上収益・営業利益の成長性とともにROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として位置づけ、既存媒体の価値向上(筐体リニューアル)と収益性の高い新規媒体開発、自治体ビジネスと医療関係ビジネスの強化、WEB商品強化、新商材の開発などの商品戦略や営業力強化、原価や経常的費用の抑制、さらには人的資本への投資、M&Aによる業務提携などを事業計画に基づき実現し、更なる事業成長を図ってまいります。

 売上収益、営業利益の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

⑦経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズにあったサービスの展開等により、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。