売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02802 Japan GAAP

売上高

1,820.5億 円

前期

2,336.2億 円

前期比

77.9%

時価総額

1,173.1億 円

株価

5,070 (06/24)

発行済株式数

23,137,213

EPS(実績)

223.67 円

PER(実績)

22.67 倍

平均給与

1,072.1万 円

前期

916.8万 円

前期比

116.9%

平均年齢(勤続年数)

44.3歳(14.0年)

従業員数

680人(連結:1,203人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社14社及び関連会社1社で構成され、電子・電気機器、電子部品の販売及び輸出入並びに工業薬品の製造・販売を主な内容として事業活動を展開しております。

 当社グループの事業に係る位置付け及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業区分は報告セグメントと同一であります。

 

電子部品事業………………当社が販売するほか、連結子会社Hakuto Enterprises Ltd.、Hakuto Enterprises (Shanghai) Ltd.、Hakuto(Thailand)Ltd.、Hakuto Singapore Pte.Ltd.、Hakuto Taiwan Ltd.、Hakuto Trading(Shenzhen) Ltd.、Hakuto America Inc. 及びHakuto Czech s.r.o. においても販売しております。なお、その商品の一部は上記各連結会社間で売買取引されております。

連結子会社モルデック株式会社は、電子部品の製造販売及び一部の電子部品の加工を当社より受託しております。

電子・電気機器事業………当社が販売するほか、連結子会社Hakuto Enterprises Ltd.、Hakuto Enterprises (Shanghai) Ltd.、Hakuto(Thailand)Ltd.、Hakuto Singapore Pte.Ltd.、Hakuto Taiwan Ltd.、及びHakuto Engineering(Thailand)Ltd.においても販売しております。

当社は、電子・電気機器の一部を関連会社サンエー技研株式会社から仕入れております。なお、その商品の一部は上記各連結会社間で売買取引されております。

工業薬品事業………………当社は石油・石油化学関連、紙パルプ関連及び化粧品基剤等の製造・販売をしております。

 

その他の事業………………当社は太陽光発電事業を行っております。連結子会社伯東A&L株式会社は、業務請負業等を行っております。

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

24/06/25

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.  財政状態

 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較して86億9百万円(6.7%)減少し、1,208億53百万円となりました。これは主に商流移管による売上高の減少に伴い、受取手形、売掛金及び契約資産が115億62百万円減少したためであります。

 固定資産につきましては、前連結会計年度末と比較して4億68百万円(2.9%)増加し、169億5百万円となりました。これは主に基幹システム移行のための投資により無形固定資産が5億75百万円増加したためであります。

 以上のことから、当連結会計年度末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して81億40百万円(5.6%)減少し、1,377億59百万円となりました。

 負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して90億67百万円(13.4%)減少し、587億6百万円となりました。これは主に運転資本(商品仕入)の減少に伴い支払手形及び買掛金が15億70百万円、短期借入金が41億30百万円減少したためであります。

 固定負債は前連結会計年度末と比較して11億43百万円(8.0%)減少し、131億19百万円となりました。これは主に長期借入金が16億34百万円減少したためであります。

 以上のことから、当連結会計年度末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して102億11百万円(12.4%)減少し、718億25百万円となりました。

 純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して20億70百万円(3.2%)増加し、659億33百万円となりました。これは主に為替の変動により為替換算調整勘定が19億10百万円増加したためであります。

 

b.  経営成績

当連結会計年度における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・ガザ地区情勢などによる地政学的緊張の高まり、中国経済低迷の長期化、更には米国をはじめとする各国の金融引き締めなどにより、世界経済は依然として景気停滞局面が続いております。

我が国の経済については、物価高による景気下押しや足元では能登半島地震の影響などもあり、景気回復が足踏みしておりますが、2024年春闘での賃上げ率は2023年を大きく上回り、また3月には日銀によるマイナス金利政策の解除も発表され、金融政策は正常化に向けて新たな段階に入りました。

当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、スマートフォン・PC・民生等の需要は低調に推移しており、産業機器関連や一部車載関連においても顧客の在庫調整が続いております。一方で、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連・GX(グリーントランスフォーメーション)関連・生成AIサーバ関連等は引き続き高い成長が見込まれております。

このような状況のもと、当社グループの電子部品事業においては、車載関連用途のICは一部の製品で続いていた供給難も解消され、国内自動車向けは堅調な需要に支えられ、商流変更による減少の影響を除くと販売が増加しました。一方で民生機器をはじめとする他の分野では中国市場の低迷と顧客の在庫調整が影響し、商流変更の影響もあり、対前年同期比で減収となりました。

電子・電気機器事業においては、パッケージ用PCBなどへの設備投資が停滞し始めており、顧客において在庫調整が進んでおりますが、真空・理化学関連において前年度の先行手配の受注残を出荷できたことなどにより、対前年同期比で増収となりました。

工業薬品事業においては、主に中国の景気低迷により化粧品原料の需要が回復せず、対前年同期比で減収となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は1,820億46百万円(前年同期比22.1%減)となりました。

 損益面につきましては、連結売上総利益は268億33百万円(同17.1%減)となり、連結販売費及び一般管理費として191億96百万円(同2.4%減)を計上した結果、連結営業利益は76億36百万円(同39.9%減)、連結経常利益は69億12百万円(同42.6%減)となり、特別利益として投資有価証券売却益16億72百万円、特別損失として貸倒引当金繰入額11億56百万円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は51億75百万円(同42.0%減)となりました。

 また、1株当たり当期純利益は276円20銭となり、前連結会計年度より194円32銭減少いたしました。

 収益性及び資本効率に係る各指標につきましては、当連結会計年度における売上高営業利益率は4.2%(前連結会計年度は5.4%)、総資産経常利益率は4.9%(同8.7%)、自己資本当期純利益率は8.0%(同14.2%)となりました。

 

報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。

詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。

 

 〔電子部品事業〕

 電子部品事業では、車載関連用途のICが国内向けを中心に引き続き堅調に推移しましたが、EV(電気自動車)市場には一部翳りが見えはじめており、またテレビ等の民生機器分野やPC・スマートフォンなど情報通信・モバイル分野を中心に需要の低迷が続きました。さらに、大手半導体メーカー製品の商流変更による減収に加え、前年度における連結売上総利益の押し上げ要因となった円安進行による為替影響も当連結会計年度は比較的軽微でありました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は1,442億87百万円(前年同期比27.1%減)となり、販売減少に伴う利益額の減少等の要因により、セグメント利益は59億29百万円(同43.3%減)となりました。

 

 〔電子・電気機器事業〕

電子・電気機器事業では、真空・理化学関連機器では需要の拡大や前年度受注分の出荷などにより販売が増加しました。また半導体関連においても前年度受注分の出荷や一部顧客の設備増強などによる装置が納入できたことにより、販売が伸長しました。

この結果、当連結会計年度の売上高265億47百万円は(前年同期比16.9%増)となり、セグメント利益は17億77百万円(同6.7%増)となりました。

 

 〔工業薬品事業〕

工業薬品事業では、石油精製・石油化学分野における国内販売は比較的堅調でしたが、海外向けは供給過多により製品出荷が減少し、紙・パルプ分野においては需要の停滞が続いております。また化粧品基剤においては主力の化粧品原料販売が中国経済の停滞により回復していないことに加え、中国の自国ブランド化粧品の台頭により販売が減少し、対前年同期比で減収となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は107億88百万円(前年同期比14.5%減)となり、原材料費の高騰及び販売減少に伴う利益額の減少などにより、セグメント利益は35百万円(同95.8%減)となりました。

 

 〔その他の事業〕

その他の事業では、当社の業務・物流管理全般の受託と太陽光発電事業を行っております。当連結会計年度の売上高は10億90百万円(前年同期比11.8%減)となり、太陽光発電事業において修繕費を計上したことにより、セグメント利益は35百万円(同82.8%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは87億12百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは8億76百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは114億51百万円の支出、現金及び現金同等物に係る換算差額が6億80百万円の増加となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して11億82百万円減少し、当連結会計年度末は155億68百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 エレクトロニクス関連の商社事業を展開する当社グループでは、市況や事業動向により売上債権や棚卸資産等の運転資本が増減し、営業キャッシュ・フローが変動いたします。当連結会計年度においては、棚卸資産の増加額70億40百万円等の支出要因がありましたが、税金等調整前当期純利益74億39百万円、売上債権の減少額156億82百万円等の収入要因により、営業活動によるキャッシュ・フローは87億12百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には売上債権の増加額78億64百万円等により33億82百万円の支出となっておりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当連結会計年度においては、投資有価証券の売却による収入20億40百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは8億76百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には有形固定資産の取得による支出4億59百万円等により、3億円の支出となっておりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 運転資本の増減による営業キャッシュ・フローの変動に対して、主に有利子負債による調整を行っております。当連結会計年度においては、短期借入金の返済による支出(純)69億円、配当金の支払い額56億12百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは114億51百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度には短期借入による収入(純)74億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは13億14百万円の収入となっておりました。

 

 

 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

自己資本比率

48.2%

49.8%

46.9%

43.8%

47.9%

時価ベースの自己資本比率

17.7%

22.6%

36.6%

63.0%

77.0%

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率

395.7%

3,796.7%

418.8%

インタレスト・カバレッジ・レシオ

46.4倍

5.8倍

47.0倍

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。

         5.2020年3月期、2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。

 

③半導体市況の当社グループへの影響

 新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークや巣ごもり消費の拡大により、2020年度第4四半期(2021年1月~3月)から世界的な半導体不足が表面化しましたが、当連結会計年度においては、産業機器関連や一部車載関連においても顧客の在庫調整が進んできており、PC、スマートフォン及び民生機器向けについては需要の減少により供給過剰状態になっていると見られます。

 当社グループでは、最終製品の需要動向に注視しながら適正な在庫水準の維持に努めておりますが、半導体製品の取引価格やサプライチェーンにおける在庫水準の変動、及び顧客企業の生産計画の変更等、市場動向の変化が今後の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.  生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

前年同期比(%)

電子部品事業     (百万円)

784

63.5

工業薬品事業     (百万円)

6,229

71.8

  合計     (百万円)

7,013

70.8

 (注)金額は販売価格によっております。

 

b.  商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

前年同期比(%)

電子部品事業     (百万円)

132,090

73.6

電子・電気機器事業  (百万円)

21,845

124.0

工業薬品事業     (百万円)

8,384

98.3

  合計      (百万円)

162,319

78.9

 (注)セグメント内の内部取引を相殺消去しております。

 

c.  受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

電子部品事業(百万円)

115,224

65.6

67,572

69.9

電子・電気機器事業(百万円)

22,703

77.4

16,927

81.5

工業薬品事業(百万円)

10,816

85.5

1,194

102.4

その他の事業(百万円)

1,090

88.2

   合計

149,835

68.4

85,693

72.3

 (注)セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。

 

 

d.  販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

前年同期比(%)

電子部品事業     (百万円)

144,287

72.9

電子・電気機器事業  (百万円)

26,547

116.9

工業薬品事業     (百万円)

10,788

85.5

その他の事業     (百万円)

1,090

88.2

  合計      (百万円)

182,714

78.0

 (注)1.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。

    2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

当連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社デンソー

23,094

9.9

17,091

9.4

パナソニック株式会社

23,308

10.0

9,295

5.1

  ※販売実績には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。また重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.  経営成績等の状況

 当社グループでは、2021年4月に4ヶ年の中期経営計画「Change & Co-Create 2024」を公表し、エレクトロニクス商社とケミカルメーカーの複合企業として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、収益力の向上や新規事業の展開などの経営課題に取り組んでおりますが、本計画にて掲げた事業構造改革による効果に加え、主力事業を展開しているエレクトロニクス業界において、自動車向け半導体並びに産業機器向け半導体及び半導体製造装置の堅調な推移により、2021年度、2022年度共に当初計画の定量目標である連結営業利益50億円以上を達成いたしました。そのため2023年4月に本計画の折り返し地点に際し、成長を維持するため、定量目標の見直しを行いました。本計画にて掲げた全社戦略並びに事業戦略の遂行・浸透により、更なる企業価値の向上に努めてまいります。

 見直し後の2024年度の定量目標は連結営業利益90億円以上、連結営業利益率4.5%以上、ROE9.0%以上とし、その達成に向けて、以下の通り取り組んでおります。

 電子部品事業においては、業務の効率化と収益性の高いビジネスへの販売強化による収益性の改善、部門を横断した情報・技術の連携による新規顧客開拓、営業体制の見直しによる海外販売の強化等を進めております。

 電気・電子機器事業においては、新商品や自社製品の販売比率の向上、独自の技術、装置、販路の強化を進めております。

 工業薬品事業においては、技術強化や製品開発力の向上による事業領域の拡大、海外の販路・製造・サービス機能の強化による海外事業展開及び化粧品原料ビジネスの強化を進めております。

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度と比較して515億77百万円(22.1%)減少し、1,820億46百万円となりました。これは主に電子部品事業において、車載用途ICの販売が堅調に推移したものの、大手半導体メーカー製品の商流変更による減収があり、同セグメントの売上高が535億30百万円減少したためであります。

 売上総利益は、前連結会計年度と比較して55億46百万円(17.1%)減少し、268億33百万円となりました。これは主に前述の電子部品事業の売上高の減少に加え、前連結会計年度の連結売上総利益の押し上げ要因となった円安進行による為替影響による増益効果が縮小したためです。なお、売上総利益率は14.7%となり、前連結会計年度より0.8ポイント改善いたしました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して4億72百万円(2.4%)減少し、191億96百万円となりました。これは主に人件費が11億71百万円減少したことによります。

 営業利益は、前述の通り販売費及び一般管理費が減少したものの、その減少以上に売上総利益が減少したため、前連結会計年度と比較して50億74百万円(39.9%)減少し、76億36百万円となりました。また、営業利益率は4.2%となり、前連結会計年度より1.2ポイント下降いたしました。

 営業外収益は、受取配当金が1億54百万円減少したこと等により前連結会計年度と比較して1億40百万円減少し2億61百万円となり、営業外費用は、為替差損7億53百万円を計上したものの、売上債権売却損の減少等により前連結会計年度と比較して78百万円減少し9億85百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して51億35百万円(42.6%)減少し、69億12百万円となりました。

 特別利益は、投資有価証券売却益16億72百万円を計上したこと等により前連結会計年度と比較して15億62百万円増加し16億93百万円となり、特別損失は、貸倒引当金繰入額11億56百万円等により前連結会計年度と比較して11億33百万円増加し11億66百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比較して47億7百万円(38.8%)減少し、74億39百万円となりました。

 法人税等合計額は、法人税、住民税及び事業税20億41百万円を計上したこと等により、22億63百万円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して37億53百万円(42.0%)減少し、51億75百万円となりました。

 また自己資本当期純利益率(ROE)は8.0%となり、前連結会計年度より6.2ポイント下降しました。

 

 当連結会計年度は、中期経営計画「Change & Co-Create 2024」の3年目でありましたが、当初計画の2024年度の定量目標(連結営業利益50億円以上、連結営業利益率3.0%以上、ROE6.0%以上)は達成したものの、見直し後の2024年度の定量目標(連結営業利益90億円以上、連結営業利益率4.5%以上、ROE9.0%以上)には届いておりません。これは中国市場低迷の長期化や顧客の在庫調整の影響を受けたものと考えております。引き続き本計画にて掲げた全社戦略並びに事業戦略の遂行・浸透により、引き続きいかなる環境下においても持続的な成長力と安定した収益力を確保できるよう事業構造の変革に努めてまいります。

 

b.  資本の財源及び資金の流動性についての分析

 商社事業である電子部品事業と電子・電気機器事業で売上高の大半を占める当社グループのバランスシートは、主に現金及び預金、売上債権、並びに棚卸資産等の流動資産で構成されております。また、新規事業開発や商権獲得のための事業投資の他に、製造業の工業薬品事業では生産設備投資や研究開発投資等にも資金を投入しております。当社グループでは、これらの手元流動性、運転資本及び投資等に充当する資金は、主に内部留保と金融機関からの借入によって調達しております。

 当連結会計年度末における棚卸資産は前連結会計年度末と比較して81億75百万円(17.0%)増加し、561億48百万円となりました。これは半導体需給逼迫の解消に伴う商品仕入れの増加及び顧客の在庫調整等により、商品及び製品が79億38百万円増加したためであります。一方で、売上債権は前連結会計年度末と比較して144億74百万円(24.6%)減少し、443億78百万円となりました。これは主に商流変更に伴う電子部品の売上減少によるものであります。特に前連結会計年度末は商流変更に伴う後任代理店への販売により売上債権残高が膨らんでおりました。

 当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末と比較して56億1百万円(13.3%)減少し、364億84百万円となりました。これは主に、売上債権の減少に伴う運転資本の減少によるもので、増加した営業キャッシュ・フローを元に借入金の返済を進めました。また、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末と比較して11億82百万円(7.1%)減少し、155億68百万円となり、手元流動性比率は約1.0ヶ月となりました。

 内部留保につきましては、M&A等戦略的投資や事業効率化投資などの中長期的な成長や高い投資効率が期待できる投資などに優先的に充当してまいりますが、2021年4月に公表した中期経営計画「Change & Co-Create 2024」の期間中は、株主の皆様への利益還元と資本効率の改善を事業上及び財務上の重要課題と位置づけ、「総還元性向100%」を目標とした株主還元を実施することを基本方針としております。

 配当につきましては、1株当たり年間280円の配当(連結配当性向101.4%)を実施しており、自己株式の取得は行わなったため、総還元性向は連結配当性向と同じく101.4%となりました。

c.  経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。