売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02802 Japan GAAP

売上高

2,336.2億 円

前期

1,915.0億 円

前期比

122.0%

時価総額

1,263.3億 円

株価

5,460 (04/24)

発行済株式数

23,137,213

EPS(実績)

385.92 円

PER(実績)

14.15 倍

平均給与

916.8万 円

前期

767.7万 円

前期比

119.4%

平均年齢(勤続年数)

44.3歳(13.9年)

従業員数

682人(連結:1,223人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社14社及び関連会社2社で構成され、電子・電気機器、電子部品の販売及び輸出入並びに工業薬品の製造・販売を主な内容として事業活動を展開しております。

 当社グループの事業に係る位置付け及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業区分は報告セグメントと同一であります。

 

電子部品事業………………当社が販売するほか、連結子会社Hakuto Enterprises Ltd.、Hakuto Enterprises (Shanghai) Ltd.、Hakuto(Thailand)Ltd.、Hakuto Singapore Pte.Ltd.、Hakuto Taiwan Ltd.、Hakuto Trading(Shenzhen) Ltd.、Hakuto America Inc. 及びHakuto Czech s.r.o. においても販売しております。なお、その商品の一部は上記各連結会社間で売買取引されております。

連結子会社モルデック株式会社は、電子部品の製造販売及び一部の電子部品の加工を当社より受託しております。

電子・電気機器事業………当社が販売するほか、連結子会社Hakuto Enterprises Ltd.、Hakuto Enterprises (Shanghai) Ltd.、Hakuto(Thailand)Ltd.、Hakuto Singapore Pte.Ltd.、Hakuto Taiwan Ltd.、及びHakuto Engineering(Thailand)Ltd.においても販売しております。

当社は、電子・電気機器の一部を関連会社サンエー技研株式会社から仕入れております。関連会社株式会社エーエスエー・システムズは、電子・電気機器の販売とコンピュータソフトウエアの開発を行っております。なお、その商品の一部は上記各連結会社間で売買取引されております。

工業薬品事業………………当社は石油・石油化学関連、紙パルプ関連及び化粧品基剤等の製造・販売をしております。

 

その他の事業………………当社は太陽光発電事業を行っております。連結子会社伯東A&L株式会社は、業務請負業等を行っております。

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

23/06/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.  財政状態

 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較して147億92百万円(12.9%)増加し、1,294億63百万円となりました。これは主に顧客の需要増加による電子部品の販売伸長に伴い、受取手形、売掛金及び契約資産が88億65百万円、商品仕入の増加に伴い商品及び製品が66億90百万円、それぞれ増加したためであります。

 固定資産につきましては、前連結会計年度末と比較して3億82百万円(2.3%)減少し、164億36百万円となりました。これは主に保有株式の株価の下落及び売却により投資有価証券が3億44百万円減少したためであります。

 以上のことから、当連結会計年度末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して144億10百万円(11.0%)増加し、1,459億円となりました。

 負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して123億54百万円(22.3%)増加し、677億73百万円となりました。これは主に運転資本(商品仕入)の増加に伴い支払手形及び買掛金が13億36百万円、短期借入金が88億10百万円、それぞれ増加したためであります。

 固定負債は前連結会計年度末と比較して1億38百万円(1.0%)減少し、142億63百万円となりました。これは主に繰延税金負債が3億35百万円減少したためであります。

 以上のことから、当連結会計年度末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して122億15百万円(17.5%)増加し、820億36百万円となりました。

 純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して21億94百万円(3.6%)増加し、638億63百万円となりました。これは主に自己株式の消却等により資本剰余金が16億67百万円減少した一方、利益剰余金が46億62百万円、為替換算調整勘定が8億96百万円増加したためであります。

 

b.  経営成績

当連結会計年度における世界経済は、各国において新型コロナウイルス感染症対策による行動制限の緩和が進み、経済社会活動の本格的な再開への動きが見られましたが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、それに伴う食料・エネルギー価格高騰やインフレリスクに対応する各国の政策金利引き上げなど、不安定な状況が続いております。

我が国経済についても、各国と同様に「ウィズ・コロナ」へとシフトする動きが見られ、海外からの入国制限の緩和や全国旅行支援の再開など、インバウンド需要の回復を含む経済活動の再開が期待されておりますが、米・中間での政治的緊張などによる地政学リスクや物価高など、実体経済に負の影響がもたらされる恐れもあります。

当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、自動車市場や産機市場は今後も成長が見込まれておりますが、半導体の需給逼迫によるサプライチェーンの混乱や景気後退リスクによる顧客の在庫調整等、先行き不透明な状況が続きました。また、スマートフォン・PC等に利用される高精細プロセス製品は供給過剰となる一方で、アナログ製品やマイコン等の汎用部品はひっ迫が継続するなど、需給バランスの二極化が顕在化しました。

このような状況のもと、当社グループの電子部品事業においては、車載関連、産業機器関連を中心に高い需要が継続し、仕入先からの供給も前期に比べ改善したことにより販売が大きく伸長し、対前年同期比で増収となりました。

電子・電気機器事業においては、半導体設備投資関連であるプリント基板製造装置や真空機器などが引き続き好調に推移し、対前年同期比で増収となりました。

工業薬品事業においては、海外顧客プラントの稼働率低下による石油・石油化学分野の販売減もありましたが、化粧品基剤の販売が堅調に推移したことにより、対前年同期比で増収となりました

 以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は2,336億24百万円(前年同期比22.0%増)となりました。

 損益面につきましては、連結売上総利益は為替影響による外貨建て取引の収益改善効果もあり、323億79百万円(同35.1%増)となり、連結販売費及び一般管理費は業績拡大と新人事制度導入に伴う給与・賞与等人件費の増加などにより、196億68百万円(同18.0%増)を計上した結果、連結営業利益は127億11百万円(同74.0%増)、連結経常利益は120億48百万円(同62.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は89億29百万円(同79.7%増)となりました。

 また、1株当たり当期純利益は470円52銭となり、前連結会計年度より222円04銭増加いたしました。

 収益性及び資本効率に係る各指標につきましては、当連結会計年度における売上高営業利益率は5.4%(前連結会計年度は3.8%)、総資産経常利益率は8.7%(同6.0%)、自己資本当期純利益率は14.2%(同8.3%)となりました。

 

報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。

詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。

 

 〔電子部品事業〕

 電子部品事業では、スマートフォン・PC等の分野は、これまでのコロナ禍における巣ごもり消費などの大幅な需要増の反動により、需要は減少傾向にありましたが、車載関連用途のICが引き続き堅調に推移し販売は大きく伸長しました。また工場オートメーション化への投資加速や複合機の需要高などにより、産業機器分野やOA機器分野の販売も伸長し、さらにLCDパネル等の一般電子部品の販売も増加しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は1,978億18百万円(前年同期比25.9%増)となり、販売増加に伴う利益額の増加と為替影響による外貨建て輸出取引の収益改善効果が給与・賞与等人件費の増加を大きく上回ったことにより、セグメント利益は104億62百万円(同184.1%増)となりました。

 

 〔電子・電気機器事業〕

電子・電気機器事業では、足下においては半導体製造関連の設備投資に一部慎重な姿勢が見えつつも、プリント基板製造装置や真空機器などを中心に受注残を計画通り出荷できたことにより販売が伸長しました。

この結果、当連結会計年度の売上高は227億17百万円(前年同期比5.1%増)となりましたが、業績拡大と新人事制度導入に伴う給与・賞与等人件費の増加及び次世代装置の開発費用の計上などにより、セグメント利益は16億65百万円(同20.9%減)となりました。

 

 〔工業薬品事業〕

工業薬品事業では、石油精製・石油化学分野における海外顧客プラントの稼働率低下や、製紙業界における原料価格高騰やペーパレス化の流れが続きましたが、国内顧客プラント向け工業薬品及び化粧品基剤の販売が堅調に推移したことにより、対前年同期比で増収となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は126億15百万円(前年同期比2.6%増)となりましたが、世界的な情勢不安や為替変動による原材料費の高騰及び業績拡大と新人事制度導入に伴う給与・賞与等人件費の増加などにより、セグメント利益は8億49百万円(同36.5%減)となりました。

 

 〔その他の事業〕

その他の事業では、当社の業務・物流管理全般の受託と太陽光発電事業を行っております。当連結会計年度の売上高は12億37百万円(前年同期比6.0%増)、セグメント利益は2億5百万円(同4.2%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは33億82百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは3億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは13億14百万円の収入、現金及び現金同等物に係る換算差額が4億99百万円の増加となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して18億68百万円減少し、当連結会計年度末は167億51百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 エレクトロニクス関連の商社事業を展開する当社グループでは、市況や事業動向により売上債権や棚卸資産等の運転資本が増減し、営業キャッシュ・フローが変動いたします。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益121億46百万円、仕入債務の増加額18億39百万円等の収入要因がありましたが、売上債権の増加額78億64百万円、棚卸資産の増加額62億43百万円等の支出要因により、営業活動によるキャッシュ・フローは33億82百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度には仕入債務の増加額41億69百万円等により8億72百万円の収入となっておりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当連結会計年度においては、有形固定資産の取得による支出4億59百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは3億円の支出となりました。なお、前連結会計年度には有形固定資産の取得による支出4億22百万円等により、5億27百万円の支出となっておりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 運転資本の増減による営業キャッシュ・フローの変動に対して、主に有利子負債による調整を行っております。当連結会計年度においては、自己株式の取得による支出33億円、配当金の支払額42億45百万円等の支出要因がありましたが、短期借入による収入(純)74億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは13億14百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には自己株式の取得による支出20億80百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは3億79百万円の支出となっておりました。

 

 

 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

自己資本比率

62.2%

48.2%

49.8%

46.9%

43.8%

時価ベースの自己資本比率

27.5%

17.7%

22.6%

36.6%

63.0%

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率

395.7%

3,796.7%

インタレスト・カバレッジ・レシオ

46.4倍

5.8倍

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。

         5.2019年3月期、2020年3月期、2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。

 

③半導体市況の当社グループへの影響

 新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークや巣ごもり消費の拡大により、2020年度第4四半期(2021年1月~3月)から世界的な半導体不足が表面化しました。当連結会計年度においては、車載用途ICについては依然として供給不足が続いておりますが、PC、スマートフォン及び民生機器向けについては需要の減少により供給過剰状態になっていると見られます。

 当社グループでは、最終製品の需要動向に注視しながら適正な在庫水準の維持に努めておりますが、半導体製品の取引価格やサプライチェーンにおける在庫水準の変動、及び顧客企業の生産計画の変更等、市場動向の変化が今後の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.  生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

前年同期比(%)

電子部品事業     (百万円)

1,234

73.7

工業薬品事業     (百万円)

8,675

106.4

  合計     (百万円)

9,909

100.8

 (注)金額は販売価格によっております。

 

b.  商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

前年同期比(%)

電子部品事業     (百万円)

179,590

118.3

電子・電気機器事業  (百万円)

17,617

119.1

工業薬品事業     (百万円)

8,531

103.2

  合計      (百万円)

205,739

117.7

 (注)セグメント内の内部取引を相殺消去しております。

 

c.  受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

電子部品事業(百万円)

175,779

79.5

96,635

81.4

電子・電気機器事業(百万円)

29,341

106.6

20,771

146.8

工業薬品事業(百万円)

12,649

102.0

1,165

103.0

その他の事業(百万円)

1,237

106.0

   合計

219,008

83.5

118,572

88.5

 (注)セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。

 

 

d.  販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

前年同期比(%)

電子部品事業     (百万円)

197,818

125.9

電子・電気機器事業  (百万円)

22,717

105.1

工業薬品事業     (百万円)

12,615

102.6

その他の事業     (百万円)

1,237

106.0

  合計      (百万円)

234,388

122.0

 (注)1.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。

    2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

パナソニック株式会社

19,305

10.1

23,308

10.0

株式会社デンソー

19,794

10.3

23,094

9.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。また重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.  経営成績等の状況

 当社グループでは、2021年4月に4ヶ年の中期経営計画「Change & Co-Create 2024」を公表し、エレクトロニクス商社とケミカルメーカーの複合企業として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、収益力の向上や新規事業の展開などの経営課題に取り組んでおりますが、本計画にて掲げた事業構造改革による効果に加え、主力事業を展開しているエレクトロニクス業界において、自動車向け半導体並びに産業機器向け半導体及び半導体製造装置の堅調な推移により、2021年度、2022年度共に当初計画の定量目標である連結営業利益50億円以上を達成いたしました。本計画の折り返し地点に際し、成長を維持するため、定量目標の見直しを行い、本計画にて掲げた全社戦略並びに事業戦略の遂行・浸透により、更なる企業価値の向上に努めてまいります。

 見直し後の2024年度の定量目標は連結営業利益90億円以上、連結営業利益率4.5%以上、ROE9.0%以上とし、その達成に向けて、以下の通り取り組んでおります。

 電子部品事業においては、業務の効率化と収益性の高いビジネスへの販売強化による収益性の改善、部門を横断した情報・技術の連携による新規顧客開拓、営業体制の見直しによる海外販売の強化等を進めております。

 電気・電子機器事業においては、新商品や自社製品の販売比率の向上、独自の技術、装置、販路の強化を進めております。

 工業薬品事業においては、技術強化や製品開発力の向上による事業領域の拡大、海外の販路・製造・サービス機能の強化による海外事業展開及び化粧品原料ビジネスの強化を進めております。

 これらの取り組みにより、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度と比較して421億28百万円(22.0%)増加し、2,336億24百万円と過去最高となりました。これは主に電子部品事業において、車載用途ICの販売が大きく増加し、産業機器向け販売も伸長したことにより、同セグメントの売上高が406億98百万円増加したためであります。

 売上総利益は、前連結会計年度と比較して84億11百万円(35.1%)増加し、323億79百万円となりました。これは主に電子部品事業の売上高の増加と為替影響による外貨建て輸出取引の収益改善に伴うものです。また、売上総利益率は13.9%となり、前連結会計年度より1.4ポイント改善いたしました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して30億5百万円(18.0%)増加し、196億68百万円となりました。これは主に人件費が21億30百万円増加したことによります。

 営業利益は、前述の通り販売費及び一般管理費が増加したものの、その増加以上に売上総利益が増加したため、前連結会計年度と比較して54億6百万円(74.0%)増加し、127億11百万円と過去最高となりました。また、営業利益率は5.4%となり、前連結会計年度より1.6ポイント改善いたしました。

 営業外収益は、受取配当金が1億11百万円増加したこと等により前連結会計年度と比較して42百万円増加し4億2百万円となり、営業外費用は、為替差損4億92百万円を計上したこと等により前連結会計年度と比較して8億10百万円増加し10億64百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して46億37百万円(62.6%)増加し、120億48百万円となりました。

 特別利益は、投資有価証券売却益1億15百万円を計上したこと等により前連結会計年度と比較して1億28百万円増加し1億31百万円となり、特別損失は、前連結会計年度に計上した減損損失1億29百万円がなくなったこと等により前連結会計年度と比較して1億20百万円減少し33百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比較して48億86百万円(67.3%)増加し、121億46百万円となりました。

 法人税等合計額は、法人税、住民税及び事業税34億58百万円を計上したこと等により、32億17百万円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して39億59百万円(79.7%)増加し、89億29百万円となりました。

 また自己資本当期純利益率(ROE)は14.2%となり、前連結会計年度より5.9ポイント改善しました。

 

 当連結会計年度は、中期経営計画「Change & Co-Create 2024」の2年目でありましたが、当初の2024年度の定量目標(連結営業利益50億円以上、連結営業利益率3.0%以上、ROE6.0%以上)を全て達成しました。これは本計画を着実に進めている成果が出ている一方で、旺盛な車載用途の半導体需要や当連結会計年度における円安の影響といった外部環境が利益面にプラスの影響を与えた結果でもあります。そのため、前述の通り、2024年度の定量目標の見直しを行い、本計画にて掲げた全社戦略並びに事業戦略の遂行・浸透により、更なる企業価値の向上に努めてまいります。

 

b.  資本の財源及び資金の流動性についての分析

 商社事業である電子部品事業と電子・電気機器事業で売上高の大半を占める当社グループのバランスシートは、主に現金及び預金、売上債権、並びに棚卸資産等の流動資産で構成されております。また、新規事業開発や商権獲得のための事業投資の他に、製造業の工業薬品事業では生産設備投資や研究開発投資等にも資金を投入しております。当社グループでは、これらの手元流動性、運転資本及び投資等に充当する資金は、主に内部留保と金融機関からの借入によって調達しております。

 当連結会計年度末における棚卸資産は前連結会計年度末と比較して67億9百万円(16.3%)増加し、479億73百万円となりました。これは顧客需要の増加に伴う商品仕入れの増加により、商品及び製品が66億90百万円増加したためであります。また、売上債権は前連結会計年度末と比較して87億53百万円(17.5%)増加し、588億53百万円となりましたが、これも主に顧客需要の増加に伴う電子部品の販売伸長による増加であります。

 当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末と比較して89億50百万円(27.0%)増加し、420億85百万円となりました。これは主に、売上債権と棚卸資産の増加に伴う運転資本の増加によるものです。また、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末と比較して18億68百万円(10.0%)減少し、167億51百万円となり、手元流動性比率は約0.9ヶ月となりました。

 内部留保につきましては、M&A等戦略的投資や事業効率化投資などの中長期的な成長や高い投資効率が期待できる投資などに優先的に充当してまいりますが、2021年4月に公表した中期経営計画「Change & Co-Create 2024」の期間中は、株主の皆様への利益還元と資本効率の改善を事業上及び財務上の重要課題と位置づけ、「総還元性向100%」を目標とした株主還元を実施することを基本方針としております。

 配当につきましては、1株当たり年間280円の配当(連結配当性向59.5%)を実施しており、33億円の自己株式の取得と合わせて、総還元性向は96.2%となりました。

c.  経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。