E02835 Japan GAAP
前期
869.5億 円
前期比
105.1%
株価
2,647 (03/29)
発行済株式数
79,752,540
EPS(実績)
101.72 円
PER(実績)
26.02 倍
前期
644.4万 円
前期比
102.3%
平均年齢(勤続年数)
37.7歳(11.1年)
従業員数
518人(連結:668人)
(当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。)
当社グループは、当社及び連結子会社5社(亜速旺(上海)商貿有限公司、ニッコー・ハンセン株式会社、井内物流株式会社、AS ONE INTERNATIONAL, INC.及び株式会社トライアンフ・ニジュウイチ)等により構成されており、主に各種研究所、研究機関、生産施設、医療施設等において使用される科学機器、備品等を取扱う専門商社であります。
当社グループの事業内容及びグループ各社の位置づけを部門別に示しますと次のとおりであります。
(1) ラボ・インダストリー部門
科学機器販売店に対し、研究者や技術者の皆様が使用する機器・備品などの商品を卸売しております。当社は商品情報を紙カタログやWEBサイト等で提供し、販売店を経由してユーザーに販売するカタログ販売形態を主にとっております。連結子会社亜速旺(上海)商貿有限公司は、中国において研究用科学機器等の販売を行っております。連結子会社ニッコー・ハンセン株式会社は、プラスチック製容器及び理化学実験器具・機器の製造・販売を行っております。連結子会社AS ONE INTERNATIONAL, INC.は、主に北米製品についての日本等への輸出を行っております。
(2) メディカル部門
医療及び介護関係販売店に対し、看護・介護関係者の皆様が使用する機器・備品などの商品を卸売しております。販売形態としては、ラボ・インダストリー部門と同様のカタログ販売形態をとっております。
(3) その他
連結子会社株式会社トライアンフ・ニジュウイチは、WEBシステムによる購買業務代行サービス等を提供し、そのシステムに参加する最終ユーザー等より、システム利用料をいただく事業を行っております。
なお、当社はラボ・インダストリー部門及びメディカル部門での物流倉庫の運営を連結子会社である井内物流株式会社に委託しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は次のとおりであります。
なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産は、626億59百万円(前連結会計年度末比27億55百万円増)となりました。これは主として現金及び預金が11億5百万円減少した一方、棚卸資産が28億36百万円増加したこと、売上債権が5億4百万円増加したこと、有価証券が5億円増加したこと等によるものです。固定資産は、348億19百万円(同13億81百万円減)となりました。これは主として投資有価証券が時価評価等により13億18百万円減少し、物流機器の減価償却進行等により有形固定資産が3億96百万円減少した一方、差入保証金の増加等によりその他投資が3億24百万円増加したこと等によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は、273億5百万円(同15億83百万円増)となりました。これは主として短期借入金が11億50百万円増加したこと、未払法人税等が6億85百万円増加したこと等によるものであります。また、固定負債は、62億6百万円(同19億76百万円増)となりました。これは主として長期借入金が19億37百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は639億68百万円(同21億86百万円減)となりました。これは、主として純資産の減少要因となる自己株式の取得等により自己株式が38億83百万円増加した一方、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により22億12百万円増加したこと等によるものであります。
ロ.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ第6波の収束期から始まり、第7波及び第8波を経たものの、経済活動については正常化が進んでまいりました。一方で、欧米における物価上昇やロシア・ウクライナ情勢に伴う資源高に加えて、急速な為替変動などの影響を受け、製品や部品、原材料等の調達コストやエネルギーコストが上昇し、国内の消費者物価上昇にも波及しました。また、当業界においては、コスト増に伴う年度予算逼迫を受けた一時的な支出調整などの動きが期末にかけてあり、先行き不透明な状況が続きました。
このような事業環境のもと、当社グループの連結売上高は、914億21百万円(前期比5.1%増)となりました。売上高増加の要因として、当社の主要なマーケットである研究や生産の現場において、前年度に引き続き需要が活発であることが挙げられます。さらに、当社のウェブ上で取り扱っている商品は900万点を超え、前期末比で約270万点増加しており、企業購買のDX潮流に沿ったeコマースチャネルとの相乗効果でロングテール商品の売上が拡大していることが、もう一つの重要な要因です。また、サプライチェーンにおける調達物資の値上がりに対応して柔軟なプライシングを実施してきたことや、サプライヤーとの連携により、サプライヤーの在庫情報などの開示情報を充実させるなどの利便性の強化が、奏功したものと考えられます。
(中計売上施策-PROJECT ONE ver.2.0-における主要売上施策の進捗状況)
中期経営計画で掲げる主要売上施策は以下のとおり推移しました。
※海外事業の約7割は中国現地法人の売上ですが、現地法人事業年度が1~12月のため、現地における1~12月の売上高を連結しております。
eコマースについては、ネット通販事業者向けや「AXEL Shop」等のオープンサイト系ECチャネルで、特にネット通販事業者向けにおいて掲載商品の増加や各種連携により利便性を高めたことが奏功し、当連結会計年度の売上高は前期比21.3%の増収となりました。また、大手ユーザー向け集中購買システム「ocean」や販売店支援型ECシステム「Wave」といったクローズドサイト系ECチャネルにおいては、新規アカウントが増えていることや既存接続先の利用拠点拡大や掲載品の拡充が進んでいること等により、当連結会計年度の売上高は同15.7%の増収となりました。
海外事業のうち中国については、中国語で運営するサイト「ASONLINE」掲載品数を約6万点から約40万点に拡大し引き合いを増やしましたが、前期に大口受注を獲得した反動、4月~5月にかけての上海ロックダウン及び12月のゼロコロナ政策緩和に伴う感染急拡大の影響があり、現地通貨ベースで前期比7.0%の減収となりました。しかしながら、決算上は為替変動が寄与し円換算で同5.9%の増収となりました。一方、日本からの海外への輸出(中国を除く)は、多言語サイトの「AXEL_GLOBAL」や「Wave_GLOBAL」に海外仕様品の掲載の充実を図るなど掲載品数を240万点弱に拡大し、加えて渡航再開に伴い現地販売店とのコミュニケーション強化を図り、円換算ベースで同13.2%の増収となりました。
一方で収益性については、コロナ禍に伴う需給の混乱で採算性が悪化していた一部の感染対策品の在庫が適正化したこともあり、売上総利益率は前期を1.7ポイント上回り、概ねコロナ禍前の水準を回復しました。
販売費及び一般管理費については、170億53百万円(同5.3%増)となりました。増加要因は、人員増に加え、ベースアップ実施及びインフレ応援金支給等により人件費が前期比6.0%増と3億53百万円増加したほか、営業活動の再活性化にともなう広告宣伝費(含むカタログ費)や行動関連費(出張費等)の増加、物量に応じた運賃の増加、DX推進に絡めたシステム関連費用の増加等が挙げられます。一方で、経年で過年度のマテハン投資等の減価償却費が減少していることや、運用改善等により倉庫作業料も減少に転じていること等により、費用増加が抑制されました。
この結果、営業利益率は12.5%と株式公開以来の最高水準となり、営業利益は113億96百万円(同22.0%増)、経常利益は116億37百万円(同21.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は81億12百万円(同12.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、投資活動による資金支出及び財務活動による資金支出が営業活動による資金収入を上回り、前連結会計年度末に比べ6億5百万円減少し、138億22百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、69億69百万円の資金収入で、前連結会計年度に比べ収入が18億70百万円減少しました。これは、主として税金等調整前当期純利益が12億13百万円増加し、法人税等の支払額が5億83百万円減少する等により資金収入が増加した一方、棚卸資産の増減額による支出が36億81百万円増加したこと等により資金支出が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3億67百万円の資金支出(前連結会計年度は5億91百万円の資金収入)となりました。この支出の増加は、主として有形固定資産の売却による収入が9億51百万円減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、72億83百万円の資金支出で、前連結会計年度に比べ、支出が21億20百万円増加しました。これは、主として長期借入れによる収入が50億円増加した一方、自己株式の取得による支出が65億68百万円増加したこと、配当金の支払額が2億38百万円増加したこと等により資金支出が増加したことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
a.各指標の算出方法は以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
b.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
c.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(期末自己株式数控除後)により算出しております。
d.営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
e.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
f.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。売上高における生産実績、部門別販売実績、品目別販売実績は以下のとおりです。
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、無塵化洗浄加工商品及びプラスチック容器の生産実績であり、8億12百万円(前期比4.4%減)となりました。
ロ.受注実績
当社グループの事業内容は、当日出荷を基本とする事業の性格上、受注実績と販売実績に特筆すべき差が生じないため、当該記載を省略しております。
ハ.部門別販売実績
当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上等であります。
a.ラボ・インダストリー部門
大学、研究機関及び企業の研究部門等を対象とするラボラトリー分野では、期末にかけて一時的な需要鈍化があったものの、実験工具、分析特殊機器のほか、安全保護用品やウェアを始めとした汎用器具・消耗品等が伸び、前年度から引き続き国内の研究開発需要の底堅さを見せました。また、チャネルとしては集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高が前期比17.7%増と当分野の成長を牽引しました。これらにより当分野の売上高は540億94百万円(同5.6%増)と堅調に推移しました。
また、製造現場等を対象とするインダストリー分野は、堅調な生産活動に支えられ、無塵対策品等のクリーンルーム用品やコネクターやワイパー等の汎用器具・消耗品等の需要が伸びました。チャネルとしては、同じく集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高が同24.5%増と当分野の成長を牽引しました。これらにより当分野の売上高は181億65百万円(同8.1%増)となりました。
この結果、当部門の売上高合計は722億59百万円(同6.2%増)となりました。
b.メディカル部門
医療機関や介護施設などを対象とするメディカル部門では、前年度のコロナ第4、第5、第6波に対し、当連結会計年度における第7及び第8波の流行月の違いにより、月次や四半期別の売上高前年比においてアップダウン激しく推移しました。前年度にはバイタル計測機器やワクチン接種関連を含む設備品などの需要が牽引しましたが、当連結会計年度では一巡したため一部調整の影響が生じました。一方で、ウィズコロナ政策下で、コロナ罹患が身近になる中、医療機関における感染対策品は常態的に需要がありました。また、災害時BCP対策や介護ロボットへの関心が高まっていることへの当社ラインナップでの対応や、当社ECシステムの採用が医療機関でも少しずつ浸透し始めたことなど、当社サービスの優位性が奏功し、当部門の売上高は185億86百万円(同1.0%増)となりました。
c.その他
子会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチは「OffSide」システム等により理化学機器・消耗品等のWEB購買業務代行サービスやシステム提供を行っております。主力である製薬企業における購買需要が堅調であること、物品購買だけでなく間接費用を含めた最適購買代行を提供する「C3-OffSide」システムについてサービス範囲を徐々に広げていること、個社向けの専用システム売上が生じたこと等から、当部門の売上高は5億75百万円(同13.1%増)となりました。
ニ.品目別販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上等であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にて判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当連結会計年度においては、ラボ・インダストリー部門が前期比6.2%増、メディカル部門が同1.0%増で推移し、連結売上高は同5.1%増の914億21百万円と13期連続の増収を達成いたしました。また、営業利益率は12.5%と株式公開以来の最高水準となり、利益額としても営業利益113億96百万円(同22.0%増)、経常利益116億37百万円(同21.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益81億12百万円(同12.6%増)と、過去最高を更新しました。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
ロシア・ウクライナ情勢は、直接的な影響はないものの、政情不安や資源高などが供給制約や物価上昇などで景気の下押しに作用すると間接的に当社業績に影響が生じることは考えられます。
ラボ・インダストリー部門においては、大学や公的研究機関の予算執行状況、民間企業の研究開発動向・設備投資・生産動向等の影響を受けます。当連結会計年度においては、期末において年度予算に厳密な上限のある大学等において、光熱費等の上昇のしわ寄せで物品購入を控える動きがみられたものの、全体としては研究開発活動や生産活動は比較的堅調に行われ売上の増加につながりました。当社グループ全体の仕組み(膨大な品揃え、バラ売り、当日発送、システム連携、EC連携等)は、リモート化やDX推進を求める時代の趨勢の中で、求められる一つのソリューションとして利用価値が増してきております。特に、他に類を見ない研究機器の品揃えと物流機能とIT力を持ち合わせる当社は、研究機器の集中購買システムでの提供について大きな強みを有しており、eコマース型の集中購買システム「ocean」や販売店向けEC支援システム「Wave」の新規連携ユーザーは順調に増加いたしました。DX化の潮流は今後も続くものと思われ、これらの仕組みは当社の業容拡大に今後も寄与していくものと考えております。
メディカル部門においては、コロナ禍3巡目となった当連結会計年度は、月によっては前年の反動減も見込まれましたが、コロナ禍の第7波8波で罹患者数が増加したことや品揃えや顧客基盤が広がっていることもあり前年の売上実績を僅かながら上回ることができました。
期末にかけては、第8波の収束に合わせ、新型コロナウイルス感染症は、2023年5月より感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の位置付けが5類感染症となることが発表され、これにより、政府の関与は緩和され、濃厚接触者やコロナ罹患者の隔離等厳密な感染対策が緩和できる一方、診療できる医療機関の拡大が見込まれます。政府や自治体の緊急の感染症対策に向けられた需要は減退すると思われますが、人員や病棟確保のために滞っていた一般診療や手術件数は回復していくものと思われます。
なお、上記の他、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等
当社グループは中期経営計画のバージョンアップ版PROJECT ONE-ver.2.0-を公表しており、売上高、営業利益率、ROEの3項目を指標目標としております。同計画(2020年4月~2025年3月)の3年目である当連結会計年度の達成状況は以下のとおりです。
期間(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
売上高は計画に届きませんでしたが、資産効率を上げ、営業利益が計画を上回ったことで、営業利益率、ROEとも計画を上回り、過去最高を更新しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度においては、建物付属設備、情報機器、レンタル品及びソフトウエア等の設備投資に12億円支出し、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の配当方針の下、前連結会計年度の期末配当金及び当連結会計年度の中間配当金の支払として37億円及び自己株式の取得に65億円支出し長期借入金19億円を返済しました。
これらの資金は、営業キャッシュ・フロー69億円及び長期借入金50億円より賄い、現金及び現金同等物の期末残高は138億円で、前連結会計年度末比6億円減少しました。
b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、情報機器や物流機器等の設備投資、システム投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することが重要と考えております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は63億円、現金及び預金の残高は176億円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、以下の事象については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと認識しております。
・繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積もっております。将来において、課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症は、2023年5月より感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の位置付けが5類感染症となることが発表され、企業活動の抑制、雇用情勢の悪化等の懸念は払拭される見込みですが、逆に、政府や自治体による関連需要の減退が見込まれます。しかしながら、医療機関をはじめとする感染予防・保護用品の需要は当面続くものと思われます。これらにより、繰延税金資産の回収可能性等の重要な会計上の見積りを行うにあたり新型コロナウイルス感染症による影響は限定的であると仮定しております。