E02303 Japan GAAP
前期
637.4億 円
前期比
102.4%
株価
433 (12/10)
発行済株式数
24,733,466
EPS(実績)
-1.46 円
PER(実績)
--- 倍
前期
476.0万 円
前期比
100.4%
平均年齢(勤続年数)
40.5歳(15.8年)
従業員数
1,560人(連結:5,283人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び子会社10社並びに関連会社1社で構成され、医療機器・医薬品の製造・販売を主な事業内容とし、さらにその事業に関連する保守及びその他サービス等の事業活動を展開しております。
当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、< >内にセグメントの名称を記載しております。
当社グループは、医療機器・医薬品関連事業を、国内においては当社<日本>及び持分法適用関連会社である株式会社ジェイ・オー・ファーマが、海外においては、シンガポール、中国、フィリピン、ドイツ等の各地域をジェイ・エム・エス・シンガポールPTE.LTD.<シンガポール>、PT.ジェイ・エム・エス・バタム<シンガポール>、大連ジェイ・エム・エス医療器具有限公司<中国>、ジェイ・エム・エス・ヘルスケア・フィリピン,INC.<フィリピン>、バイオニック・メディツィンテクニックGmbH<ドイツ>、アメリカの現地法人<その他>及び韓国の現地法人<その他>並びにタイの現地法人<その他>がそれぞれ担当しております。また、その他の事業を国内子会社<その他>が担当しております。
なお、当連結会計年度において、当社の連結子会社であるジェイ・エム・エス・シンガポールPTE.LTD.がジェイ・エム・エス医療科技(張家港)有限公司の出資持分を取得したため、同社を連結の範囲<その他>に含めております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度において、経済環境は、新型コロナウイルス感染症からの経済活動の正常化による景気回復への期待が高まったものの、ウクライナ情勢不安や中国の景気減速、原材料・エネルギー価格の高騰や急激な円安進行など、先行き不透明な状況が続きました。当社グループは、医療機器の安定供給確保に取り組む中で、想定を超える物価上昇が企業経営を圧迫しております。
このような状況を受け、当社グループは、2024年5月に「未来をつくるための変革と挑戦」をテーマとした中期経営計画2027を策定しました。「収益構造の改革」と「グローバリゼーションの推進」を基本方針として掲げ、4つの取り組み「事業ポートフォリオマネジメントの強化」、「構造改革による経営基盤の強靭化」、「グローバルな事業収益の拡大」、「サステナビリティ経営の推進」を定めました。この中期経営計画2027のもと、物価高騰に伴うコスト高の影響を吸収するよう価格転嫁や更なる原価低減を進める等、短期的な収益改善に取り組むとともに、社会の様々な要請に応えて中長期的な企業価値を高め、長期的な耐久性を備えた会社へと変革を図ってまいります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、円安による円貨換算額の増加も加わり、前連結会計年度に比べ15億51百万円増加の652億92百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。
利益につきましては、増収効果はあるものの、原材料費や電力費の高騰のほか、需要拡大に備えた労務費の増加や、研究開発費も増加したことに加え、棚卸資産の評価減及び廃棄損も影響し、営業損失は2億68百万円(前連結会計年度は営業利益7億24百万円)となりました。また、持分法による投資利益や補助金収入の計上などにより、経常利益は1億45百万円(前連結会計年度比75.1%減)となりました。これに法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は36百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益2億81百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
薬剤調製・投与クローズドシステムやニードルレスアクセスポート付輸液セット、中国向け血液透析装置の販売が堅調に推移したものの、医療用手袋や栄養セットの販売が減少したほか、欧州向けAVF針(血液透析用針)の販売が顧客の在庫調整で減少したことにより、売上高は428億99百万円(前連結会計年度比3.8%減)となりました。また、セグメント利益については、補助金収入や子会社からの受取配当金が増加したことにより、6億1百万円(前連結会計年度比59.1%増)となりました。
(シンガポール)
停滞していた海外需要の回復を受けて、北米向け成分献血用回路や、アジア及びアフリカ向けの血液バッグの販売が増加したことに加え、円安による円貨換算額の増加もあり、売上高は241億80百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。また、セグメント損益については、増収効果はあるものの、原材料費や電力費等の高騰に加え、需要拡大に備えた労務費の増加もあり、2億80百万円の損失(前連結会計年度は1億59百万円の利益)となりました。
(中国)
市場成長による需要の拡大傾向は変わりないものの、顧客の在庫調整等によりAVF針や急性血液浄化回路の販売が減少したことから、売上高は36億90百万円(前連結会計年度比9.7%減)となりました。また、セグメント損益については、原材料費の高騰に加え、労務費などの増加もあったため、84百万円の損失(前連結会計年度は79百万円の利益)となりました。
(フィリピン)
AVF針やアジア向け血液バッグの販売が増加したことにより、売上高は37億28百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。また、セグメント損益については、原材料費や電力費の高騰に加え、労務費や設備投資に伴う減価償却費の増加もあり、2億45百万円の損失(前連結会計年度は85百万円の利益)となりました。
(ドイツ)
欧州向けAVF針や血液バッグの販売が好調に推移し、売上高は42億50百万円(前連結会計年度比13.3%増)となりました。また、セグメント利益については、増収効果により、4億85百万円(前連結会計年度比171.6%増)となりました。
(その他)
北米向けAVF針や翼状針の販売が減少したことにより、売上高は40億42百万円(前連結会計年度比24.8%減)、セグメント利益については、11百万円(前連結会計年度比91.8%減)となりました。
当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。
a.資産
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べ103億1百万円増加の847億9百万円となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(日本)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ52億7百万円増加の592億7百万円となりました。この主な要因は、借入金の増加により現金及び預金が増加したためであります。
(シンガポール)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ44億26百万円増加の208億35百万円となりました。この主な要因は、ジェイ・エム・エス医療科技(張家港)有限公司の出資持分を譲り受けたことにより関係会社出資金が増加したためであります。
(中国)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億36百万円増加の43億58百万円となりました。この主な要因は、設備投資により機械装置及び運搬具が増加したためであります。
(フィリピン)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ3億61百万円増加の64億43百万円となりました。この主な要因は、円安による円貨換算額の増加によるものであります。
(ドイツ)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5億28百万円増加の26億22百万円となりました。この主な要因は、売上拡大に伴い売掛金が増加したためであります。
(その他)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ18億61百万円増加の61億8百万円となりました。
b.負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ74億92百万円増加の299億29百万円となりました。この主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が増加したためであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ7億61百万円増加の140億31百万円となりました。この主な要因は、リース債務が増加したためであります。
c.純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べ20億47百万円増加の407億47百万円となりました。この主な要因は、為替換算調整勘定の変動によるものであります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.9ポイント低下の47.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度に比べ39億79百万円増加の103億4百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ6億54百万円増加の31億40百万円となりました。この主な要因は、売上債権の変動によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、前連結会計年度に比べ5億48百万円増加の42億39百万円となりました。この主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の取得に係る支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ42億50百万円増加の47億75百万円となりました。この主な要因は、借入金の収支差額によるものであります。
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後期末発行済株式総数により算出しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 生産実績金額の算定基準は、平均販売価額によっております。
2 セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 商品仕入実績金額は、仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・経営成績等及びセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容、並びに中期経営計画の数値目標及び実績
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として合理化設備への投資やICT投資の資金を営業活動によるキャッシュ・フローからの資金、及び財務活動によるキャッシュ・フローからの資金で充当します。この財務活動からの資金については、主に金融機関等からの借入を考えております。
また、株主還元については、株主各位に対する長期的かつ安定的な利益還元を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は26,925百万円であり、現金及び現金同等物の残高は10,304百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。