E02323 Japan GAAP
前期
113.7億 円
前期比
98.6%
株価
1,430 (11/01)
発行済株式数
7,552,628
EPS(実績)
90.99 円
PER(実績)
15.72 倍
前期
499.0万 円
前期比
98.2%
平均年齢(勤続年数)
39.9歳(13.6年)
従業員数
371人(連結:526人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、シグマ光機株式会社(当社)、子会社4社及び関連会社2社により構成されており、事業は光学基本機器製品、自動応用製品及び光学素子・薄膜製品で構成される「光学要素部品」と、光学モジュール・光学ユニット製品や光学機器・装置等で構成される「光学システム製品」の開発、生産、販売及び主にこれらに付随する保守、サービス等であります。
当社グループの製品は、光産業・レーザ関連技術の各分野における基礎研究、開発研究、応用研究分野の他、産業分野の生産・検査・計測工程等に欠かせないレーザ用精密光学部品及び光学機器・装置となります。
事業の特色として、多品種の光学要素部品の規格品を冊子・ウェブのカタログで販売しており、ウェブサイト・電子メール・郵送・ファクシミリによる受注と宅配便による配送により全国に販売しております。又、特注製品への対応が可能であり、研究・開発分野及び産業分野のマーケットニーズを満たす受注生産体制を整えております。特に、最先端の光技術を支える光ソリューションを提供する総合メーカとして、当社グループの光学要素部品を組み合わせたオリジナルの光学システム製品の提供も進めております。
当社グループの事業に係る位置付けは、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
製品区分 |
主要品目 |
主要な会社 |
要素部品事業 |
光学基本機器製品 |
ステージ、ホルダー、ベース、ロッド、ポストスタンド、クランプ、ケージシステム他 |
当社 OptoSigma Corporation OptoSigma Europe S.A.S. OptoSigma Southeast Asia Pte. Ltd. 上海西格瑪光机有限公司 |
自動応用製品 |
自動位置・姿勢決めユニット、光計測・制御ユニット、計測・制御ソフトウェア他 |
当社 OptoSigma Corporation OptoSigma Europe S.A.S. OptoSigma Southeast Asia Pte. Ltd 上海西格瑪光机有限公司 |
|
光学素子・薄膜製品 |
マルチエレメントオプティクス、ミラー、ビームスプリッタ、フィルター、レンズ、プリズム、ポラライザ、基板、ウインドウ他 |
当社 OptoSigma Corporation OptoSigma Europe S.A.S. OptoSigma Southeast Asia Pte. Ltd 上海西格瑪光机有限公司 |
|
システム製品事業 |
光学システム製品 |
光学モジュール、レンズユニット、レーザプロセシングシステム、調芯装置、観察光学系、レーザ応用製品、マイクロマニピュレーションシステム、顕微鏡用XY自動ステージシステム、コアユニット顕微鏡、バイオ・医療機器、受託特注製品他 |
当社 OptoSigma Corporation OptoSigma Europe S.A.S. OptoSigma Southeast Asia Pte. Ltd 上海西格瑪光机有限公司 |
以上の事項を図示すると次のとおりとなります。※画像省略しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況の概要は以下のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、世界的なインフレの進行と金融引き締めが進む中、中国経済の減速、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化、原材料及び部材価格並びにエネルギー価格の高止まり等、不透明感の強い状況が続いており、景気回復に足踏みが見られました。
当社グループにおいては、要素部品事業は一部半導体業界向けで在庫調整等の動きがみられる中、一部の海外地域の需要が鈍化したことに加えて、本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」による当社工場拠点の一時的な稼働停止等により総じて弱含みで推移いたしました。一方、システム製品事業は半導体向け及びフラットパネルディスプレイ向けの一部の大口顧客の需要増加等により堅調に推移いたしました。
このような中、高付加価値製品の販売及び継続的な生産性向上等に注力いたしましたが、原材料などの外部調達価格やエネルギー価格が高止まっていること、及び地震災害による当社工場拠点の一時的な稼働停止や、海外の一部地域における需要鈍化による売上高減少及び製品セグメント別売上構成比率が変化したこと等により、前年同期比で売上総利益率が低下いたしました。また、修繕費及び持続的な事業拡大に向けた販売促進費や旅費交通費等がそれぞれ増加したこと等により、営業利益は前年同期比では減少いたしました。
また、「令和6年能登半島地震」により、当社能登工場(石川県羽咋郡志賀町)において、建物、建物付属設備及び機械装置等の有形固定資産並びに棚卸資産に損傷等の被害が発生しました。これに伴う有形固定資産の復旧費用、棚卸資産の廃棄損及び災害に関連する損失として、翌連結会計年度以後に支出が見込まれる金額の見積額として災害損失引当金に繰り入れた金額を含め、3億6千9百万円を特別損失に計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅に減少いたしました。
その結果、売上高112億1千3百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益11億7千8百万円(前年同期比21.7%減)、経常利益13億4千9百万円(前年同期比20.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千7百万円(前年同期比54.0%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
イ.要素部品事業
当事業においては、光学基本機器製品は、一部半導体業界向けで在庫調整の動きがみられる中、米国地域向け及び中国地域向けの需要が依然減少した他、当社工場拠点の被災による一時的な稼働停止等の影響等が加わり、総じて軟調に推移いたしました。自動応用製品は、半導体不足に起因する電子基板などの供給制約の解消が続き、バイオ業界向けの顕微鏡用ステージの他、研究開発分野や通信業界向けの調芯装置等がそれぞれ好調に推移いたしました。光学素子・薄膜製品は、一部半導体業界向けで在庫調整の動きがみられる中、国内を中心とした一部の顧客の電子部品・半導体業界向けの製造装置・検査装置への組込み用途は堅調に推移し、一部アジア地域向けの需要は回復基調で推移したものの、総じて弱含みで推移いたしました。
その結果、セグメント間の内部売上高を含む売上高は92億1千5百万円(前年同期比5.2%減)となり、営業利益は15億1千6百万円(前年同期比25.1%減)となりました。
ロ.システム製品事業
当事業においては、電子部品・半導体業界向けの製造装置・検査装置への組込み用途の光学ユニット製品及び光学システム製品が好調に推移し、フラットパネルディスプレイ業界向けでは、一部の顧客向けの製造装置・検査装置への組込み用途の光学ユニット製品が堅調に推移いたしました。又、防衛業界向けの光学システム製品の需要は堅調に推移し、医療業界向けの光学システム製品は微増で推移いたしました。
その結果、セグメント間の内部売上高を含む売上高は20億8千8百万円(前年同期比19.4%増)となり、営業利益は2億2千3百万円(前年同期比244.0%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて5.4%減少し、125億3千4百万円となりました。これは、有価証券が4千5百万円増加しましたが、現金及び預金が4億7千2百万円、商品及び製品が1億4千1百万円、売掛金が1億1千2百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて13.9%増加し、84億1千万円となりました。これは、繰延税金資産が5千2百万円減少しましたが、当社の技術センター新工場棟の完成及び能登工場新工場棟の竣工等により建物及び構築物が8億9千4百万円(うち技術センター4億4千9百万円、能登工場4億4千5百万円)(前期以前に支出した建設仮勘定からの振替による増加額4億4千3百万円を含む)、米国子会社の建設仮勘定が4億6千5百万円、当社及び連結子会社の投資有価証券が2億7千万円それぞれ増加したこと等によるものです。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて1.5%増加し、209億4千5百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて9.0%減少し、27億6千9百万円となりました。これは、令和6年能登半島地震により発生した被害に係る災害損失引当金2億9百万円が増加しましたが、未払法人税等が4億1千5百万円、電子記録債務が3億3千1百万円(うち、設備関係電子記録債務が2億8千5百万円)それぞれ減少したこと等によるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて17.9%減少し、10億3千3百万円となりました。これは、長期借入金が1億3千8百万円、支払期日までの期間が1年を超えるリース債務が7千3百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて11.6%減少し、38億2百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5.0%増加し、171億4千2百万円となりました。
自己資本比率は、81.4%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は39億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億2千6百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は14億1千万円(前年同期比43.5%増)となりました。
これは税金等調整前当期純利益9億7千9百万円、資金流出を伴わない減価償却費の計上3億8千7百万円、棚卸資産の減少3億3千4百万円、災害損失引当金の計上2億9百万円、売上債権の減少1億6千4百万円でそれぞれ増加し、法人税等の支払7億4千3百万円などで減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は14億5千8百万円(前年同期は1億8千2百万円の収入)となりました。
これは有形・無形固定資産の取得による支出12億8千1百万円、投資有価証券の取得による支出1億6千7百万円などでそれぞれ減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億1千8百万円(前年同期比447.7%増)となりました。
これは、長期借入金の借入による収入1億円による増加があったものの、配当金の支払額3億6百万円、長期借入金の返済による支出2億9千2百万円などでそれぞれ減少したこと等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
要素部品事業 |
9,063,341 |
90.0 |
システム製品事業 |
1,932,772 |
110.8 |
合計 |
10,996,113 |
93.1 |
(注)金額は販売価格によって表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ロ.受注実績
当社グループは需要予測に基づく見込生産をしておりますが、システム製品事業において受注生産を行っております。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
システム製品事業 |
1,966,943 |
116.5 |
779,689 |
86.8 |
ハ.販売実績
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
要素部品事業 |
9,177,944 |
94.8 |
システム製品事業 |
2,035,217 |
120.4 |
合計 |
11,213,162 |
98.6 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1億5千4百万円減少し、112億1千3百万円となりました。要素部品事業においては、光学基本機器製品は、一部の半導体業界向けで在庫調整の動きがみられる中、米国地域向け及び中国地域向けの需要が依然減少した他、当社工場拠点の被災による一時的な稼働停止等の影響等が加わり、総じて軟調に推移いたしました。自動応用製品は、半導体不足に起因する電子基板などの供給制約の解消が続き、バイオ業界向けの顕微鏡用ステージの他、通信業界向けの調芯装置等がそれぞれ好調に推移いたしました。光学素子・薄膜製品は、一部の半導体業界向けで在庫調整の動きがみられる中、国内を中心とした一部の顧客の電子部品・半導体業界向けの製造装置・検査装置への組込み用途は堅調に推移し、一部アジア地域向けの需要は回復基調で推移したものの、総じて弱含みで推移いたしました。その結果、前連結会計年度に比べ5億4百万円減少いたしました。又、システム製品事業におきましては、電子部品・半導体業界向けの製造装置・検査装置への組込み用途の光学ユニット製品及び光学システム製品が好調に推移し、フラットパネルディスプレイ業界向けでは、一部の顧客向けの製造装置・検査装置への組込み用途の光学ユニット製品が堅調に推移いたしました。又、防衛業界向けの光学システム製品の需要は堅調に推移し、医療業界向けの光学システム製品は微増で推移いたしました。その結果、前連結会計年度に比べ3億3千9百万円増加いたしました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ1百万円増加し、69億2千8百万円となりました。在庫の適正化や生産技術や生産性の向上等による生産コストの削減を推進して、売上原価の抑制に取り組みましたが、地震災害に起因する一部のサプライチェーンの混乱や、国内市場の大口特注品の需要の増加や米国地域及び中国地域での中量産のリピート品等の需要の減少に伴う材料費や外注加工費等の増加、地震災害による被災工場拠点の勤務者への収入保障等による相対的な労務費率の増加等により、売上原価率は前連結会計年度に比べ0.9ポイント増加した61.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1億6千9百万円増加し、31億6百万円となりました。これは、国内・海外の展示会や有力シンポジウムへの参加や対面型営業活動の再開等による販売促進費及び広告宣伝費の増加等に対して、全社的な経費削減活動により売上高販売費及び一般管理費の抑制に取り組んだ結果、売上高販売費及び一般管理費比率は前連結会計年度に比べ1.9ポイント増加した27.7%となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ3億2千5百万円減少し、11億7千8百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ2.7ポイント減少し10.5%となりました。
営業外損益は前連結会計年度に比べ1千5百万円減少し、1億7千万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ3億4千1百万円減少し、13億4千9百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ2.9ポイント減少し12.0%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ8億6百万円減少し、6億8千7百万円となりました。これは、前連結会計年度に当社が所有する固定資産(土地・建物)を売却したことによる特別利益が発生したことと、又、当連結会計年度は「令和6年能登半島地震」により、当社能登工場において、固定資産の復旧費用、棚卸資産の廃棄損及びその他災害に関連する特別損失が発生したことにより、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ7.0ポイント減少し、6.1%となりました。
ロ.財政状態の分析
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、主に部材仕入、外注加工費、人件費及びその他の販売費及び一般管理費に係る資金、及び、生産設備の増強や更新等の設備投資、ソフトウエア投資等に係る資金であります。これらの資金については、主に自己資金によっておりますが、金融機関からの借入により調達しているものもあります。
金融機関からの資金調達については、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案した調達を実施しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高39億4百万円に対し、有利子負債の残高は5億8百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。