E02289 Japan GAAP
前期
1,468.0億 円
前期比
91.7%
株価
8,156 (11/01)
発行済株式数
42,162,481
EPS(実績)
459.60 円
PER(実績)
17.75 倍
前期
798.5万 円
前期比
100.4%
平均年齢(勤続年数)
39.2歳(10.2年)
従業員数
1,200人(連結:2,658人)
当社グループは、当社及び子会社29社、関連会社1社で構成され、半導体製造装置並びに計測機器の製造販売を主な内容とした事業活動を行っています。
グループ各社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は以下のとおりです。なお、連結財務諸表のセグメント情報におけるセグメント区分と同一の区分です。
当社を中心としたグループ各社の位置づけは次のとおりです。
連結子会社、非連結子会社及び関連会社は次のとおりです。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度における世界経済は、米国においては堅調な個人消費や政府優遇措置に後押しされた企業の設備投資増加などにより景気は底堅く推移したものの、日本の景気回復は緩やかなものに留まったほか、欧州では物価高や金利高、中国では消費低迷や不動産不況継続などにより景気停滞が続くなど、総じて不透明な状況が続きました。このような状況下、当社を取り巻く環境は、半導体製造装置部門では、各種半導体の生産拡大を図る中国の需要は堅調だったものの、民生エレクトロニクス関連需要の低迷は当社の想定以上に長期化しました。計測機器部門では、製品の更新需要や補助金政策に基づく案件が下支えとなったものの、製造業全般でマクロ経済の不透明感を主因とした投資判断先送り傾向が期を通じて続きました。
その結果、当連結会計年度における業績は、高い受注残高を背景に引き続き高水準の実績となったものの、4期ぶりの減収、減益となりました。売上高は134,680百万円(前年同期比8.3%減)となり、利益面は、営業利益25,307百万円(同26.6%減)、経常利益26,453百万円(同25.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として訴訟損失引当金戻入額794百万円等を計上した結果19,378百万円(同18.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
半導体製造装置
半導体製造装置部門では、期を通じスマホ、PC、テレビ等の民生エレクトロニクス製品の需要が低迷したことにより、ロジック半導体や電子部品向け需要が軟調に推移したほか、前期堅調だったウェーハ増産向けの装置需要も減少しました。生成AI関連向け需要が一定の下支えとなったものの、受注高は前年同期比減少しました。
売上面では、概ね顧客要求納期に沿った出荷を進めることができ、既往ピークの前期売上高は下回ったものの、引き続き高い水準を収めることができました。地域別には、検査工程向け装置は中国・韓国、加工装置は日本・台湾等で堅調でした。
こうしたなか、研究・開発面では、引き続き顧客の先進的ニーズに対応した製品開発や将来を見据えた要素技術開発を進めたほか、生産面では飯能工場が稼働し、生産キャパシティが拡大しました。
この結果、当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高100,055百万円(前年同期比11.0%減)、営業利益は19,899百万円(同33.4%減)となりました。
計測機器
計測機器部門では、マクロ経済の不透明感や中国の景気減速等を背景に製造業全般で設備投資先送り傾向が期を通じて続きました。しかしながら、EV等の二次電池用充放電試験装置、EV用のモータ等の基幹部品向け汎用計測機器、航空機・ロボット等、非自動車向け接触・非接触各種計測機器の販売を強化したことに加え、一部製品の価格改定を行ったことにより、受注高は前期比若干減少したものの、売上高は前年同期比ほぼ同水準となりました。
このような状況下、充放電試験装置において新規開発や生産キャパシティ拡充、受託測定サービスならびにアフターサービス強化に努めたほか、汎用計測機器を中心としたオートメーション需要の獲得等にも取り組みました。
この結果、当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高34,624百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は5,408百万円(同16.9%増)となりました。
次に当連結会計年度末時点の財政状態の概要を示すと次のとおりです。
当連結会計年度末時点の当社グループの財政状態は、資産合計225,524百万円(うち、流動資産153,831百万円、固定資産71,693百万円)に対し、負債合計67,097百万円、純資産合計158,427百万円となりました。
製品、原材料、仕掛品など棚卸資産が増加したことや飯能工場建設等により有形固定資産が増加したことなどが主な要因となり、当連結会計年度末の資産の総額は、前連結会計年度末に対し16,492百万円増加しました。
仕入債務が減少した一方で、長期借入金が増加したことが主な要因となり、当連結会計年度末の負債の総額は前連結会計年度末に対し4,092百万円増加しました。
2023年2月6日開催の取締役会決議に基づく自己株式取得に伴い「自己株式」が増加した一方で、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「株主資本」が増加したことが主な要因となり、当連結会計年度末の純資産の総額は前連結会計年度末に対し12,399百万円増加しました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.4ポイント増加し、69.4%となりました。
当連結会計年度中「現金及び現金同等物」は3,299百万円減少し、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は36,736百万円となりました。
以下、前連結会計年度末と比較して、その内容を営業、投資、財務の各活動別に示すと次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、その入金超の金額が前連結会計年度1,000百万円から当連結会計年度末は4,892百万円へと増加しました。これは主に「税金等調整前当期純利益」が前連結会計年度の33,301百万円から当連結会計年度は27,255百万円へ減少した一方で、棚卸資産の増加13,433百万円、仕入債務の減少5,529百万円、法人税等の支払額10,922百万円、売上債権の減少1,625百万円、減価償却費4,673百万円等があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、その支出超の金額が前連結会計年度の8,421百万円から当連結会計年度10,563百万円になりました。これは主に飯能工場の建設費用等による有形固定資産の取得による支出9,845百万円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度2,174百万円の支出超から当連結会計年度1,616百万円の入金超になりました。これは主に長期借入れによる収入15,000百万円があった一方で、配当金の支払額8,678百万円、自己株式の取得922百万円等があったことによるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 上記生産実績は販売価額によります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先別の販売実績が連結売上高の100分の10以上となる主要な販売先はないため記載を省略しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末時点の財政状態の概要は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりですが、業容の拡大に伴い、資産及び負債が急速に増加する中では総資産回転率を向上させ、収益性の確保に努めることが肝要なことになると認識しています。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの営む半導体製造装置事業及び計測機器事業は、いずれも技術革新のテンポが早く、製品自体にも高度に技術的な要求が求められる競争の激しい事業です。また、特に半導体製造装置事業におけるユーザーの属する半導体業界等は好不況のサイクルが大きな振幅をもって循環的に訪れる業界であり、当社グループの業績も過去幾度となくその影響を受けてきました。このような事業環境の中にあっては継続的に製品開発を続け、市場動向の影響を最小限にとどめることのできるような競争力の強い製品群をつくり続けていくことが何よりも重要なことであると認識しています。
ⅰ.売上高
当連結会計年度の「売上高」は、半導体製造装置事業が100,055百万円(前年同期比11.0%減)、計測機器事業が34,624百万円(同0.5%増)、両事業合計で134,680百万円(同8.3%減)でした。
半導体製造装置部門の業績は、受注面では生成AIに関連したHBM(広帯域メモリ)や半導体パッケージ向けの装置需要の維持、拡大が期待されます。更なる本格的な市況回復に必要な民生エレクトロニクス製品の需要回復、これに伴う半導体、電子部品生産設備の稼働率上昇、半導体ウェーハ並びにデバイスの在庫調整の進展等も期待されており、そのタイミングを待っている状況です。
一方で、半導体デバイス微細化の限界に伴うアドバンストパッケージ・三次元積層に関連した技術革新投資、各国の補助金政策に伴う投資が本格化するものと想定され、当社製品の需要は中長期で拡大するものと見込まれます。当社グループは、これらに関連した顧客要求に応える製品並びにオプション機能の開発を進めるほか、市況の急回復に備え、製品部材の先行調達や生産ラインの準備を進め、業容拡大に努めていきます。
計測機器部門の事業環境の先行指標となる工作機械受注動向は概ね前期比同水準が予想されるものの、NEVや半導体等、当社グループが注力する分野では緩やかな市況回復を見込んでいます。また、二次電池用の充放電試験装置では、国内の新たな電池開発向け需要の拡大が想定されます。更に、国内需要を喚起する政府補助金政策に関連した各種製造業からの汎用計測機器需要が増加すると考えられます。当社グループは、これらの需要獲得に向けた取り組みを進めるほか、中長期的な労働力不足に備えた自動化関連ニーズに対応すべく、ソリューションの提案力強化を図っていきます。
ⅱ.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の「売上原価」は79,917百万円、「販売費及び一般管理費」は29,454百万円でした。
「売上高」に対する「売上原価」の比率は前連結会計年度の57.9%に対し当連結会計年度は59.3%、「販売費及び一般管理費」の比率は前連結会計年度の18.6%に対し当連結会計年度は21.9%でした。
ⅲ.営業損益
これらの結果、当連結会計年度の営業損益は25,307百万円(前年同期比26.6%減)の利益となりました。セグメント別の損益では、半導体製造装置事業が19,899百万円(同33.4%減)、計測機器事業が5,408百万円(同16.9%増)の利益でした。
ⅳ.営業外収益、営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は「為替差益」「投資事業組合運用益」「補助金収入」「受取配当金」等により総額1,404百万円、営業外費用は「支払利息」等により総額259百万円でした。
ⅴ.経常損益
これらの結果、当連結会計年度の経常損益は26,453百万円(前年同期比25.1%減)の利益となりました。
ⅵ.特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は「訴訟損失引当金戻入額」等により824百万円、特別損失は国内連結子会社で計上した「割増退職金」等により21百万円でした。
ⅶ.税金等調整前当期純損益
これらの結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損益は27,255百万円の利益となりました。
ⅷ.法人税等
当連結会計年度の「法人税等合計」の金額は7,791百万円で、「税金等調整前当期純利益」に対する割合は 28.6%でした。
ⅸ.非支配株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純損益は84百万円の利益でした。
ⅹ.親会社株主に帰属する当期純利益
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は19,378百万円(前年同期比18.0%減)の利益となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、営業活動によるキャッシュ・フローを入金超過に維持しつつ、その資金を投資及び財務活動キャッシュ・フローの出金超過分に使用できているものと考えています。また、こうして蓄積された資金については、新製品開発と生産能力拡充を継続的に推し進めていくための開発投資、設備投資等に有効に活用していきます。
なお、当社グループは、設備投資計画に基づく所要の長期的資金は自己資金の他、主として銀行借入により調達することを方針としており、安定的な資金の財源の確保のためには金融機関との良好な関係を維持していくことも重要なことと認識しています。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末時点における資産及び負債並びに連結会計期間における収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いています。これらは過去の実績をもとに将来の予測を加味した上で、継続的かつ合理的、保守的な評価に重点を置き見積られたものとなっています。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。