E02289 Japan GAAP
前期
1,346.8億 円
前期比
111.8%
株価
8,831 (06/20)
発行済株式数
42,185,181
EPS(実績)
607.73 円
PER(実績)
14.53 倍
前期
798.5万 円
前期比
100.4%
平均年齢(勤続年数)
39.2歳(10.2年)
従業員数
1,200人(連結:2,658人)
当社グループは、当社及び子会社28社、関連会社1社で構成され、半導体製造装置並びに計測機器の製造販売を主な内容とした事業活動を行っています。
グループ各社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は以下のとおりです。なお、連結財務諸表のセグメント情報におけるセグメント区分と同一の区分です。
当社を中心としたグループ各社の位置づけは次のとおりです。
連結子会社、非連結子会社及び関連会社は次のとおりです。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費の増加など内需を中心に堅調に推移した一方、不動産不況下にある中国では政府の支援策が強化される中でも停滞基調が継続、景気減速への懸念が強まる欧州では中央銀行が継続的に利下げを実施したほか、日本も円安等による物価上昇を受け景気回復は緩やかな基調に留まりました。更に、米国による関税政策の動向が、世界経済の今後について不透明さを強める状況となりました。
このような状況下、当社を取り巻く環境は、半導体製造装置部門では、民生エレクトロニクス関連需要の回復は見られなかった一方、各種半導体デバイスの国産化を進める中国需要が底堅い推移となったほか、生成AI関連需要の広がりが見られました。計測機器部門では、国内ものづくり関連の新規投資が停滞した一方で、既存設備の更新需要などが一定の下支えとなりました。また、インフレやエネルギーコスト上昇などによる部材価格や人件費上昇が各利益の下押し要因となりました。
その結果、当連結会計年度における業績は、受注高、売上高、各利益ともに、前期比増加しました。売上高は150,534百万円(前年同期比11.8%増)となり、利益面は、営業利益29,703百万円(同17.4%増)、経常利益29,939百万円(同13.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25,637百万円(同32.3%増)となりました。
これにより、売上高、当期純利益は既往ピークを更新しました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
半導体製造装置
半導体製造装置部門の受注面では、生成AI関連の半導体パッケージ向け加工装置、メモリ半導体、ならびにHPC(High performance computing)向け検査装置需要が堅調に推移したほか、各種半導体デバイスや電子部品の国産化を進める中国需要も底堅さを維持しました。民生エレクトロニクス製品のOSAT(後工程受託企業)向け需要が引き続き軟調だったほか、EV向け需要伸び悩みでパワー半導体向け装置需要も減速したものの、当期の受注高は前期比増加しました。
売上面では、概ね顧客要求納期に沿った出荷を進めることができたことに加え、生成AI関連装置の出荷が期の後半に増加したことで、既往ピークを更新しました。地域別には、検査工程向け装置は米国、台湾、中国および韓国など、加工装置は中国、台湾ならびに日本などで堅調でした。
こうしたなか、研究・開発面では、引き続き顧客の先進的ニーズに対応した製品開発や将来を見据えた要素技術開発を進めたほか、生産面では、長期的な加工装置需要の拡大を見据え、名古屋工場の建設に着手しました。
この結果、当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高113,481百万円(前年同期比13.4%増)、営業利益24,311百万円(同22.2%増)となりました。
計測機器
計測機器部門の受注面では、国内ものづくり関連の新規投資が期を通して停滞するなかで、自動車・機械部品などの業界で設備更新需要が安定的に推移したこと、半導体・半導体製造装置・航空などの業界での新規需要獲得、ならびに二次電池用充放電試験システムの受注増加などにより、受注高は前期比で増加しました。
売上面では、概ね顧客要求納期に沿った出荷を進めることができたことに加え、充放電試験システム売上増加も寄与したことにより、前期比で増加しました。
こうしたなか、当社は充放電試験受託評価サービス拡張や、オートメーション需要獲得に向けた汎用計測機器とロボットとのコラボレーションの取り組みなどを進めました。
この結果、当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高37,053百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益5,392百万円(同0.3%減)となりました。
受注高、売上高は計測機器部門の既往ピークを更新しました。
次に当連結会計年度末時点の財政状態の概要を示すと次のとおりです。
当連結会計年度末時点の当社グループの財政状態は、資産合計237,952百万円(うち、流動資産169,341百万円、固定資産68,610百万円)に対し、負債合計61,723百万円、純資産合計176,229百万円となりました。
売上債権の回収が進んだことや固定資産の譲渡等により現金及び預金が増加したことなどが主な要因となり、当連結会計年度末の資産の総額は、前連結会計年度末に対し12,427百万円増加しました。
未払法人税等が増加した一方で、長期借入金、契約負債等が減少したことが主な要因となり、当連結会計年度末の負債の総額は前連結会計年度末に対し5,374百万円減少しました。
「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「株主資本」が増加したことが主な要因となり、当連結 会計年度末の純資産の総額は前連結会計年度末に対し17,801百万円増加しました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.8ポイント増加し、73.2%となり ました。
当連結会計年度中「現金及び現金同等物」は17,779百万円増加し、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は54,516百万円となりました。
以下、前連結会計年度末と比較して、その内容を営業、投資、財務の各活動別に示すと次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、その入金超の金額が前連結会計年度4,892百万円から当連結会計年度は28,824百万円へと増加しました。これは主に「税金等調整前当期純利益」が前連結会計年度の27,255百万円から当連結会計年度は34,275百万円へ増加したほか、法人税等の支払額5,942百万円、減価償却費5,105百万円、固定資産売却益4,303百万円、売上債権の減少3,033百万円、棚卸資産の増加2,089百万円、仕入債務の減少958百万円等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、その金額が前連結会計年度の10,563百万円の支出超から当連結会計年度は2,541百万円の入金超になりました。これは主に有形固定資産の売却による収入12,017百万円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度1,616百万円の入金超から当連結会計年度13,991百万円の支出超になりました。これは主に、配当金の支払額8,796百万円、長期借入金の返済による支出5,000百万円等があったことによるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 上記生産実績は販売価額によります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先別の販売実績が連結売上高の100分の10以上となる主要な販売先はないため記載を省略しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末時点の財政状態の概要は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりですが、業容の拡大に伴い、資産及び負債が急速に増加するなかでは総資産回転率を向上させ、収益性の確保に努めることが肝要なことになると認識しています。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの営む半導体製造装置事業及び計測機器事業は、いずれも技術革新のテンポが早く、製品自体にも高度に技術的な要求が求められる競争の激しい事業です。また、特に半導体製造装置事業におけるユーザーの属する半導体業界等は好不況のサイクルが大きな振幅をもって循環的に訪れる業界であり、当社グループの業績も過去幾度となくその影響を受けてきました。このような事業環境の中にあっては継続的に製品開発を続け、市場動向の影響を最小限にとどめることのできるような競争力の強い製品群をつくり続けていくことが何よりも重要なことであると認識しています。
ⅰ.売上高
当連結会計年度の「売上高」は、半導体製造装置事業が113,481百万円(前年同期比13.4%増)、計測機器事業が37,053百万円(同7.0%増)、両事業合計で150,534百万円(同11.8%増)でした。
半導体製造装置部門の業績は、売上面では生成AIを含めたHPC関連需要が底堅く推移するほか、OSAT向けならびに中国向け受注済案件の出荷・据付が堅調に推移すると想定しています。受注面では、エッジAIの民生アプリケーションへの採用を起点とした半導体や電子部品の需要増加による当社装置への商談増加に期待をしています。米国関税政策など国際情勢が半導体業界にどのような影響を及ぼすかは予断を許しませんが、当社としては、顧客要求に応える製品開発、それを支える要素技術を強化、拡充していくとともに、顧客の装置需要にタイムリーに応えるべく、製品部材の適切な調達や名古屋工場竣工など生産キャパシティ拡充をすすめ、業容拡大に努めていきます。
計測機器部門の事業環境の先行指標となる工作機械受注動向は、次期の後半に回復すると想定されるものの、汎用・自動計測機器の主要市場となる自動車・機械部品等の業界の回復は緩やかとみられるほか、米国関税政策による不透明さが続くものと想定しています。一方で、NEVや半導体等、当社グループが注力する分野では緩やかな市況回復が続くと見込んでおり、当社グループとしては、これらの需要獲得に向けた取り組みを進めるほか、特にNEVに向けた汎用・自動計測機器、充放電試験システムに加え、X線CTシステムの展開によるソリューション強化に努めていきます。
ⅱ.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の「売上原価」は88,081百万円、「販売費及び一般管理費」は32,750百万円でした。
「売上高」に対する「売上原価」の比率は前連結会計年度の59.3%に対し当連結会計年度は58.5%、「販売費及び一般管理費」の比率は前連結会計年度の21.9%に対し当連結会計年度は21.8%でした。
ⅲ.営業損益
これらの結果、当連結会計年度の営業損益は29,703百万円(前年同期比17.4%増)の利益となりました。セグメント別の損益では、半導体製造装置事業が24,311百万円(同22.2%増)、計測機器事業が5,392百万円(同0.3%減)の利益でした。
ⅳ.営業外収益、営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は「受取配当金」「受取補償金」等により総額921百万円、営業外費用は「支払利息」「為替差損」等により総額684百万円でした。
ⅴ.経常損益
これらの結果、当連結会計年度の経常損益は29,939百万円(前年同期比13.2%増)の利益となりました。
ⅵ.特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は「固定資産売却益」等により4,493百万円、特別損失は主に海外連結子会社で計上した「割増退職金」等により158百万円でした。
ⅶ.税金等調整前当期純損益
これらの結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損益は34,275百万円の利益となりました。
ⅷ.法人税等
当連結会計年度の「法人税等合計」の金額は8,531百万円で、「税金等調整前当期純利益」に対する割合は 24.9%でした。
ⅸ.非支配株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純損益は106百万円の利益でした。
ⅹ.親会社株主に帰属する当期純利益
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は25,637百万円(前年同期比32.3%増)の利益となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、営業活動によるキャッシュ・フローを入金超過に維持しつつ、その資金を投資及び財務活動キャッシュ・フローの出金超過分に使用できているものと考えています。また、こうして蓄積された資金については、新製品開発と生産能力拡充を継続的に推し進めていくための開発投資、設備投資等に有効に活用していきます。
なお、当社グループは、設備投資計画に基づく所要の長期的資金は自己資金の他、主として銀行借入により調達することを方針としており、安定的な資金の財源の確保のためには金融機関との良好な関係を維持していくことも重要なことと認識しています。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末時点における資産及び負債並びに連結会計期間における収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いています。これらは過去の実績をもとに将来の予測を加味した上で、継続的かつ合理的、保守的な評価に重点を置き見積られたものとなっています。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。