E02288 Japan GAAP
前期
4,608.3億 円
前期比
109.6%
株価
10,675 (10/07)
発行済株式数
101,589,732
EPS(実績)
694.75 円
PER(実績)
15.37 倍
前期
923.5万 円
前期比
111.0%
平均年齢(勤続年数)
42.3歳(14.6年)
従業員数
497人(連結:6,264人)
当社グループ(当社および当社の関係会社)は、半導体製造装置、印刷関連機器、ディスプレー製造装置、成膜装置およびプリント基板関連機器の製造・販売を主な事業内容とし、さらにそれらに関連する研究・開発およびサービス等の事業活動を展開しております。
当社は、持株会社体制の下、製品・サービス別の事業会社(注)を置き、各事業会社は、取り扱う製品・サービスについて国内および海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
(注) 事業会社:
株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ
株式会社SCREENグラフィックソリューションズ
株式会社SCREENファインテックソリューションズ
株式会社SCREEN PE ソリューションズ
当社グループの事業とセグメントとの関連は、次のとおりであります。
半導体製造装置事業(以下、SPE)は、半導体製造装置の開発、製造、販売および保守サービスを行っております。
グラフィックアーツ機器事業(以下、GA)は、印刷関連機器の開発、製造、販売および保守サービスを行っております。
ディスプレー製造装置および成膜装置事業(以下、FT)は、ディスプレー製造装置および成膜装置の開発、製造、販売および保守サービスを行っております。
プリント基板関連機器事業(以下、PE)は、プリント基板関連機器の開発、製造、販売および保守サービスを行っております。
その他の事業として、ライフサイエンス分野の機器の開発・製造および販売、ドキュメントの企画・製作、ソフトウエアの開発・販売等の事業を行っております。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
各事業における当社および当社の関係会社の位置付け等は次のとおりであります。
2024年3月31日現在
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※画像省略しています。
(注)株式会社SCREEN SPE プラスティックプレシジョン:2024年4月1日付、フェニックス精工株式会社より社名変更。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクの高まりなど不透明な状況が続いたものの、米国を中心に緩やかな回復が見られました。一方、物価上昇やインフレ圧力の高まりに伴う世界的な金融引き締めの影響、中国における不動産市場の停滞に伴う影響などから、欧州や中国など一部の地域において景気回復に足踏みが見られました。
当社グループを取り巻く事業環境は、エレクトロニクス業界では、リモート需要の恩恵を受けてきたパソコン、スマ―トフォンなどの消費財の需要縮小に伴い、メモリーメーカーなどでは投資抑制が続いたものの、脱炭素化への取り組み、生成AIの活用拡大、DXの進展等により微細化やパワー半導体、実装技術分野への投資は底堅く推移しました。また、米中貿易摩擦などを背景とした世界のブロック経済化の影響により、半導体が戦略物資と認識され、各地域でサプライチェーンの再構築に向けた動きが見られました。中国では成熟ノード向けに活発な投資が行われたほか、米国や国内においても大型のプロジェクトが実施されました。一方、ディスプレーメーカーにおいては、TV用パネル需給好転の動きが見られるものの、厳しい状況が続きました。
このような状況の中、当連結会計年度の財政状態および経営成績は次のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、棚卸資産、有価証券(譲渡性預金)が増加したことに加え、生産能力増強に向け新工場建設等、有形固定資産を取得したことなどから、前連結会計年度末に比べ、1,139億9千2百万円(20.3%)増加し6,768億8百万円となりました。
負債合計は、仕入債務が減少したほか、転換社債型新株予約権付社債が転換により減少した一方、契約負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、420億7百万円(16.0%)増加し3,048億9千7百万円となりました。
純資産合計は、配当金の支払いの一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上のほか、転換社債型新株予約権付社債の転換による資本剰余金の増加および自己株式の減少などにより、前連結会計年度末に比べ、719億8千4百万円(24.0%)増加し3,719億1千1百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、54.9%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高は5,049億1千6百万円と前期に比べ、440億8千2百万円(9.6%)増加しました。利益面につきましては、固定費の増加の一方で、売上の増加や採算性の改善などにより、前期に比べ、営業利益は177億1千2百万円(23.2%)増加の941億6千4百万円となりました。また、経常利益は168億8千5百万円(21.8%)増加の942億7千9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は130億8千8百万円(22.8%)増加の705億7千9百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(半導体製造装置事業:SPE)
半導体製造装置事業では、前期に比べ、メモリー向けの売上は減少したものの、ファウンドリー向けが増加しました。地域別では、台湾や欧州向けの売上は減少しましたが、中国や北米向けの売上が増加しました。その結果、当セグメントの売上高は4,176億7千7百万円(前期比12.6%増)となりました。営業利益は、固定費の増加の一方で、売上の増加や採算性の改善などにより、970億4千8百万円(前期比26.1%増)となりました。
(グラフィックアーツ機器事業:GA)
グラフィックアーツ機器事業では、装置売上やインクを中心とするリカーリングビジネスの売上が円安の効果もあり増加したことから、当セグメントの売上高は、477億3千9百万円(前期比4.7%増)となりました。営業利益は、売上の増加などにより、42億9千5百万円(前期比26.4%増)となりました。
(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)
ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、顧客の設備投資低迷を受けディスプレー製造装置の売上が減少したことから、当セグメントの売上高は232億4千7百万円(前期比11.2%減)となりました。利益面では、固定費の抑制に努めたものの、売上の減少などにより、4億2千5百万円の営業損失(前期は18億4千万円の営業損失)となりました。
(プリント基板関連機器事業:PE)
プリント基板関連機器事業では、円安の効果はあったものの直接描画装置の売上が減少したことから、当セグメントの売上高は146億7千2百万円(前期比12.8%減)となりました。営業利益は、売上の減少や固定費の増加などにより、18億6千1百万円(前期比44.6%減)となりました。
(その他事業)
その他事業の外部顧客への売上高は27億6千8百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ217億6千2百万円増加し1,954億2千3百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、契約負債の増加などの収入項目が、棚卸資産の増加、法人税等の支払い、仕入債務の減少などの支出項目を上回ったことから、962億5千5百万円の収入(前期は739億6百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、新工場建設に伴う支払いや研究開発設備等の有形固定資産を取得したことなどにより、434億5千6百万円の支出(前期は125億1千4百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや長期借入金の返済などにより、351億4千2百万円の支出(前期は209億6千1百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産実績は、販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
受注実績は、短期での変動が大きく、中長期の市場動向や当社グループの事業の状況を表すための指標として適切ではないため記載しておりません。
c.販売実績
販売実績は、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメント別の経営成績に関連付けて説明しております。
なお、主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
相手先 |
金額(百万円) |
割合(%) |
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. |
100,786 |
21.9 |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
相手先 |
金額(百万円) |
割合(%) |
SiEn (QingDao) Integrated Circuits Co.,Ltd. |
52,064 |
10.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における当社グループの売上高は、主に半導体製造装置事業(SPE)の伸長により、前連結会計年度に比べ、440億8千2百万円(9.6%)増加の5,049億1千6百万円となりました。
(営業利益)
成長に向け研究開発費や人件費など固定費が増加したものの、売上の増加、採算性の改善などにより、営業利益は前連結会計年度に比べ、177億1千2百万円(23.2%)増加の941億6千4百万円となりました。
(経常利益)
営業外損益は、営業外収益において固定資産売却益や受取利息が増加したものの、営業外費用において為替差損や持分法による投資損失が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ8億2千6百万円悪化しました。
以上の結果、経常利益は168億8千5百万円(21.8%)増加の942億7千9百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別損益は、特別損失において減損損失が減少したものの、特別利益において関係会社株式売却益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ12億4千3百万円悪化しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は156億4千2百万円(19.9%)増加の941億5千8百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、税金等調整前当期純利益が増加したことなどから、前連結会計年度より25億1千5百万円増加し、235億7千4百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、130億8千8百万円(22.8%)増加の705億7千9百万円となりました。
セグメント別の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」および「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)セグメント別の取り組み」に記載のとおりであります。
b. 財政状態
財政状態の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年3月期~2024年3月期におきまして、中期経営計画「Value Up 2023」に取り組みました。また、2025年3月期~2027年3月期におきまして、新中期経営計画「Value Up Further 2026」に取り組んでおります。なお、中期経営計画の進捗状況および指標の達成状況ならびに新中期経営計画の指標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の所要資金は、自己資金で賄いました。なお、将来の資金安定確保を目的として、総額600億円のコミットメントライン契約を複数の金融機関との間で締結しております。
主な資金使途としまして、設備投資計画につきましては「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」、配当政策につきましては「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする項目については、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
その他の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のとおりであります。
a. 固定資産の減損について
減損会計の適用にあたり、当社グループは原則、各社を1グループ単位としてグルーピングを行っております。また、賃貸用資産および遊休資産については、個別物件単位でグルーピングを行っております。各資産グループの回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額などの前提条件に基づいて測定しておりますが、今後の地価の動向や事業の将来の業績によっては、翌年度以降に減損損失が発生する可能性があります。
b. 退職給付債務について
当社グループの退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。この前提条件や年金資産の長期期待運用収益率が実際の結果と異なる場合、または変更された場合、翌年度以降において認識する退職給付費用および債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。