売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02288 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)における世界経済は、米国を中心に緩やかな回復が見られましたが、物価上昇やインフレ圧力の高まりに伴う世界的な金融引き締めの影響、中国における不動産市場の停滞に伴う影響などから、欧州や中国など一部の地域において景気回復に足踏みが見られました。

当社グループを取り巻く事業環境は、エレクトロニクス業界では、コロナ特需一巡によるスマートフォンやパソコンなどの需要減少に伴い、メモリーメーカーなどの投資抑制が続いたものの、5G、AIの活用拡大を受けたIoT、DXの進展、GXを意識した微細化やパワー半導体、実装技術分野への投資は底堅く推移しました。一方、ディスプレーメーカーにおいては、TV用パネル需給好転の動きが見られるものの、厳しい状況が続いております。

このような状況の中、当第3四半期連結累計期間の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、売上債権が減少した一方で、棚卸資産、現金及び預金、有価証券(譲渡性預金)が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ、1,286億2千4百万円(22.9%)増加し、6,914億4千万円となりました。

負債合計は、契約負債や仕入債務が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、1,027億9千5百万円(39.1%)増加し、3,656億8千5百万円となりました。

純資産合計は、配当金の支払いの一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ、258億2千9百万円(8.6%)増加し、3,257億5千5百万円となりました。

以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は、47.1%となりました。

 

b. 経営成績

当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績につきましては、売上高は3,478億3千1百万円と前年同期に比べ、125億8千7百万円(3.8%)増加しました。利益面につきましては、固定費の増加の一方で、売上の増加や採算性の改善などにより、前年同期に比べ、営業利益は70億3千6百万円(12.4%)増加の636億9千1百万円、経常利益は74億9千6百万円(13.1%)増加の646億9千万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は27億5千5百万円(6.6%)増加の445億9千7百万円となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

(半導体製造装置事業:SPE)

半導体製造装置事業では、前年同期に比べ、メモリー向けの売上は減少しましたが、ファウンドリー向けが増加しました。地域別では、台湾向けの売上は減少しましたが、中国や北米向けの売上が増加しました。その結果、当セグメントの売上高は2,879億8千6百万円(前年同期比6.4%増)となりました。営業利益は、固定費の増加の一方で、売上の増加や採算性の改善などにより、644億8千4百万円(前年同期比15.7%増)となりました。

 

(グラフィックアーツ機器事業:GA)

グラフィックアーツ機器事業では、装置売上やインクを中心とするリカーリングビジネスの売上が増加したことから、当セグメントの売上高は359億6千7百万円(前年同期比5.0%増)となりました。営業利益は、売上の増加などにより、35億6百万円(前年同期比29.4%増)となりました。

 

(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)

ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、顧客の設備投資低迷を受けディスプレー製造装置の売上が減少したことから、当セグメントの売上高は125億1千8百万円(前年同期比27.0%減)となりました。利益面では、固定費の抑制に努めたものの、売上の減少などにより、6億6千2百万円の営業損失(前年同期は11億3千5百万円の営業損失)となりました。

 

(プリント基板関連機器事業:PE)

プリント基板関連機器事業では、直接描画装置の売上が減少したことから、当セグメントの売上高は104億7千9百万円(前年同期比15.4%減)となりました。営業利益は、売上の減少や固定費の増加などにより、12億9千6百万円(前年同期比50.0%減)となりました。

 

(その他事業)

その他事業の外部顧客への売上高は17億4千1百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ804億2千4百万円増加し、2,540億8千4百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、契約負債の増加、売上債権及び契約資産の減少、仕入債務の増加などの収入項目が、棚卸資産の増加、法人税等の支払いなどの支出項目を上回ったことから、1,273億2千8百万円の収入(前年同期は536億5千4百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、新工場建設に伴う支払いや研究開発設備等の有形固定資産を取得したことなどにより、232億5千7百万円の支出(前年同期は54億6千9百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどにより、264億1千6百万円の支出(前年同期は204億7千7百万円の支出)となりました。

 

(3)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間は研究開発費として196億5千7百万円を投入いたしました。

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(4)主要な設備

 前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等について、当第3四半期連結累計期間において完了したものは次のとおりであります。

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

投資金額

(百万円)

完了年月

提出会社

高岡事業所(注)

(富山県高岡市)

全社(共通)

生産設備の拡張整備

6,205

2023年

7月

提出会社

SCREEN SPE クォーツ

(福島県郡山市)

全社(共通)

既存の生産設備の能力増強

1,807

2023年

11月

(注)事業所名については、前連結会計年度末において「SCREEN SPE ワークス」としておりましたが、第2四半期連結会計期間より「高岡事業所」に名称を変更しております。

 

 前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等についての経過は次のとおりであります。

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

投資予定額

(百万円)

着工および完了予定

完成後の増加

能力(注)

総額

既支払額

着工

年月

完了

年月

提出会社および㈱SCREENセミコンダクターソリューションズ

彦根事業所

(滋賀県彦根市)

全社(共通)

SPE

半導体製造装置生産工場の新設

7,558

7,366

2023年

2月

2024年

1月

20%

㈱SCREEN SPE クォーツ

いわき工場

(福島県いわき市)

SPE

既存の生産設備の能力増強

658

471

2023年

4月

2024年

3月

(注)完成後の増加能力は完了済みの高岡事業所とSCREEN SPE クォーツも含めた比率となっております。

 

 当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設計画は次のとおりであります。

 水素関連事業の生産スペースの拡張、半導体製造装置事業(SPE)の人員増加に対応するため、彦根事業所内に新棟の建設を計画しております。設備投資予定額は総額約110億円で、所要資金は自己資金により充当する予定であります。なお、新工場の竣工は2024年12月予定であり、2024年3月期において34億1百万円の投資を予定しております。