E02308 Japan GAAP
前期
714.3億 円
前期比
123.9%
株価
3,400 (05/13)
発行済株式数
46,000,000
EPS(実績)
315.78 円
PER(実績)
10.77 倍
前期
792.2万 円
前期比
110.6%
平均年齢(勤続年数)
43.2歳(16.8年)
従業員数
935人(連結:4,820人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社タムロン)、連結子会社9社、非連結子会社1社及び関連会社1社により構成されており、主な事業の内容は写真関連と監視&FA関連並びにモビリティ&ヘルスケア、その他の製造及び販売であります。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
セグメントの名称 |
主 要 製 品 |
主要な関係会社名 |
写真関連事業 |
ミラーレスカメラ用交換レンズ 一眼レフカメラ用交換レンズ等 |
当社 TAMRON USA, INC. TAMRON Europe GmbH. TAMRON France EURL. Tamron(Russia)LLC. TAMRON INDIA PRIVATE LIMITED TAMRON OPTICAL (VIETNAM)CO.,LTD. タムロン工業香港有限公司 タムロン光学仏山有限公司 タムロン光学上海有限公司 |
監視&FA関連事業 |
監視カメラ用レンズ FA/マシンビジョン用レンズ TV会議用レンズ カメラモジュール等 |
当社 TAMRON USA, INC. TAMRON Europe GmbH. TAMRON INDIA PRIVATE LIMITED TAMRON OPTICAL (VIETNAM)CO.,LTD. タムロン工業香港有限公司 タムロン光学仏山有限公司 タムロン光学上海有限公司 |
モビリティ&ヘルスケア、その他事業 |
車載カメラ用レンズ ビデオカメラ用レンズ デジタルカメラ用レンズ ドローン用レンズ 医療用レンズ 各種光学用デバイス部品等 |
当社 TAMRON Europe GmbH. TAMRON OPTICAL (VIETNAM)CO.,LTD. タムロン工業香港有限公司 タムロン光学仏山有限公司 |
以上に述べた企業集団の概要は、次のとおりであります。
※画像省略しています。
なお、東明技研株式会社は非連結子会社であり、重要性が乏しいため記載を省略しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済を概観しますと、中国など一部地域で停滞がみられましたが、総じて回復基調となりました。一方で、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化等の地政学リスクなど不透明感が続く状況となりました。
米国経済は良好な所得環境が個人消費を下支えし、堅調に推移しました。欧州経済はインフレ率の低下により持ち直しの動きは見られましたが、低成長に留まり本格回復には至りませんでした。中国経済は不動産不況の長期化や内需に鈍化が見られ、個人消費も伸び悩み、景気の減速が継続しました。日本経済は、設備投資が堅調に推移し、良好な雇用・所得環境により、個人消費が回復基調となりました。
当社グループ関連市場では、レンズ交換式カメラ市場は前期比で数量ベース、金額ベースともに10%以上の増加となりました。内訳としては、一眼レフカメラは数量ベース、金額ベースともに約15%の減少となりましたが、ミラーレスカメラは、数量ベース、金額ベースともに15%以上の増加と、好調が継続しました。交換レンズは前期比で数量ベースで7%、金額ベースでは11%の増加となりました。
平均為替レートにつきましては、前期比で米ドルは約11円、ユーロは約12円の円安となりました。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、すべての事業セグメントにおいて好調に推移し、また円安進行によるプラス影響もあったことから、売上高は884億75百万円(前期比23.9%増)となりました。
また利益面につきましては、大幅増収による売上総利益の増加に加え、販管費を増収率の半分程度となる前期比12%の増加に抑制したことにより、営業利益は192億1百万円(前期比41.1%増)、経常利益は193億4百万円(前期比38.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は145億26百万円(前期比34.4%増)と各利益において大幅増益となりました。
全てのセグメントで2桁以上の増収増益を達成し、また、2026年12月期を最終年度とし、2024年よりスタートしました新中期経営計画「Value Creation26」の売上高・営業利益・ROE等の経営数値目標の全てにおいて初年度で達成することができました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(写真関連事業)
自社ブランド製品は、2023年に発売したソニーEマウント用2機種(A065、A068)、ニコンZマウント用2機種(A058、A057)、富士フイルムXマウント用1機種(B060)の計5機種が今期業績に大きく寄与しました。2024年には、ソニーEマウント用で望遠ズームレンズ(A069)、高倍率ズームレンズ(A074)、中望遠マクロレンズ(F072)の3機種、ニコンZマウント用で大口径標準ズームレンズ(A063)、超望遠ズームレンズ(A067)、中望遠マクロレンズ(F072)を発売し、既存マウントでのラインナップ拡充を更に加速させました。また、12月には当社初となるキヤノンRFマウント用として超広角ズームレンズ11-20mm F/2.8 RXD (B060)を発売し、対応マウントの拡充も図り、新製品投入本数を計7機種へと増加させました。このようにミラーレス用交換レンズのラインナップ強化効果等により、増収となりました。OEMにおいても、市場の堅調な推移に伴い、カメラメーカーへの交換レンズの供給が好調に推移し、前期比で1.4倍以上となる増収となりました。
このような結果、写真関連事業の売上高は648億35百万円(前期比22.3%増)、営業利益は181億11百万円(前期比29.3%増)となりました。
(監視&FA関連事業)
監視やFA/マシンビジョン用レンズは、FA分野では従来からの高精細、高解像ニーズの高まりを見据えたラインナップ拡充効果により好調を維持し、前期比で1.5倍以上となる大幅増収となりました。監視分野では、前年から継続していた半導体不足緩和等に伴うカメラメーカーの在庫適正化の影響が、第3四半期以降は一段落したこともあり増収に転換いたしました。カメラモジュールは2023年、2024年の新機種が売上に大きく貢献し、前期比で約3倍の大幅増収となりました。一方で、TV会議用レンズは市場の低迷により減収となりました。
このような結果、監視&FA関連事業の売上高は123億13百万円(前期比25.8%増)、営業利益は15億66百万円(前期比118.7%増)となりました。
(モビリティ&ヘルスケア、その他事業)
車載カメラ用レンズは、急速に進む先進運転支援システム(ADAS)の普及による旺盛な需要を背景にセンシング用途を中心に好調を維持し、1.3倍以上となる大幅増収となりました。また注力分野の医療用レンズも、当社の強みである極小径や薄膜技術で低侵襲を可能にする製品ラインナップの増加により、前期比で1.7倍以上となる大幅増収を果たしました。コンパクトデジタルカメラ用やビデオカメラ用レンズにおいても市場の回復もあり、増収を維持いたしました。
このような結果、モビリティ&ヘルスケア、その他事業の売上高は113億25百万円(前期比31.6%増)、営業利益は24億76百万円(前期比66.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ57億43百万円増加し、383億84百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が193億4百万円、減価償却費が30億82百万円、売上債権の増加額が7億94百万円となったこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローは176億44百万円の収入(前連結会計年度は100億27百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出が48億53百万円となったこと等により、投資活動によるキャッシュ・フローは67億34百万円の支出(前連結会計年度は51億45百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払額が43億8百万円、長期借入金の返済による支出が74百万円であったこと等により、財務活動によるキャッシュ・フローは60億22百万円の支出(前連結会計年度は27億78百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
写真関連事業 |
66,744 |
122.2 |
監視&FA関連事業 |
11,455 |
118.6 |
モビリティ&ヘルスケア、その他事業 |
11,558 |
131.2 |
計 |
89,759 |
122.8 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
写真関連事業 |
- |
- |
- |
- |
監視&FA関連事業 |
- |
- |
- |
- |
モビリティ&ヘルスケア、その他事業 |
875 |
105.5 |
3 |
6.1 |
計 |
875 |
105.5 |
3 |
6.1 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
写真関連事業 |
64,835 |
122.3 |
監視&FA関連事業 |
12,313 |
125.8 |
モビリティ&ヘルスケア、その他事業 |
11,325 |
131.6 |
計 |
88,475 |
123.9 |
(注)主な相手先への販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
Sony Electronics Operations (China) Limited |
8,005 |
11.2 |
15,656 |
17.7 |
深圳市今日捷成実業有限公司 |
7,717 |
10.8 |
9,577 |
10.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産・負債及び収益・費用の計上等に関連しての種々の見積りを行っております。この見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいて行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、連結財務諸表に重要な影響を及ぼすことがあります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、723億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ85億13百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が57億43百万円増加し、受取手形及び売掛金が11億56百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、298億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億8百万円増加いたしました。これは主に、建物及び構築物(純額)が31億24百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、166億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億80百万円増加いたしました。これは主に、買掛金が8億17百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、32億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億40百万円増加いたしました。これは主に、繰延税金負債が4億94百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は823億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ116億円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を145億26百万円計上したことによるものであります。
2)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、主に写真関連事業が増収となったことにより、前連結会計年度に比べ170億48百万円増加し、884億75百万円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、売上高の増加により、前連結会計年度に比べ77億29百万円増加し、393億86百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、売上総利益の増加により、前連結会計年度に比べ55億94百万円増加し、192億1百万円となりました。
(営業外収益及び費用)
当連結会計年度の営業外収益は、その他を2億87百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ1億40百万円減少し、5億88百万円となりました。
当連結会計年度の営業外費用は、為替差損を1億58百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ1億22百万円増加し、4億86百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、経常利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ53億31百万円増加し、193億4百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ37億13百万円増加し、145億26百万円となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2026年12月期を最終年度とする新中期経営計画「Value Creation26」として、売上高830億円、営業利益153億円、EBITDA率22%以上、ROE14%以上を目指し、株主還元も総還元性向目標60%程度へと大幅に拡充し、2024年からスタートいたしました。
1年目の2024年12月期においては、全セグメントで2桁以上の増収増益とそれぞれの事業が大きな成長を果たしました。売上高は10期ぶりに過去最高売上高を更新して初の800億円台に到達し、中期経営計画目標を超える884億円となり、営業利益も3期連続で過去最高益を更新し、中期経営計画比で約25%増となる192億円へと大幅増益となりました。営業利益率は20%を超え、各経営指標含め、2026年の経営数値目標の全てについて初年度で達成することができました。なお、為替の円安影響もありますが、売上高・利益ともに為替影響を除いても中期経営計画を達成しており、大きな成果をあげることができました。
現在はこの大きな成果を踏まえ、「Value Creation26 ver2.0」として進化させ、目標を上方修正し、更なる飛躍を目指しています
4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「3〔事業等のリスク〕」に記載のとおりであります。
5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ておりますが、必要な営業活動や設備投資に備えるために、自己資金の他に金融機関からの借入により資金調達を実施しております。借入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達、長期借入金は主に設備投資に係る資金調達であり短期借入金、長期借入金とも安定的な資金調達ができております。また、今後の設備投資については、量産金型、レンズ生産設備等への設備投資を実施する予定ですがこれら投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により調達する予定であります。
6)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。