売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02308 Japan GAAP

売上高

714.3億 円

前期

634.5億 円

前期比

112.6%

時価総額

1,476.5億 円

株価

6,310 (04/25)

発行済株式数

23,400,000

EPS(実績)

462.05 円

PER(実績)

13.66 倍

平均給与

792.2万 円

前期

752.0万 円

前期比

105.4%

平均年齢(勤続年数)

43.0歳(16.8年)

従業員数

947人(連結:4,604人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社タムロン)、連結子会社9社、非連結子会社1社及び関連会社1社により構成されており、主な事業の内容は写真関連と監視&FA関連並びにモビリティ&ヘルスケア、その他の製造及び販売であります。

 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

セグメントの名称

主 要 製 品

主要な関係会社名

写真関連事業

ミラーレスカメラ用交換レンズ

一眼レフカメラ用交換レンズ等

当社

TAMRON USA, INC.

TAMRON Europe GmbH.

TAMRON France EURL.

Tamron(Russia)LLC.

TAMRON INDIA PRIVATE LIMITED

TAMRON OPTICAL

(VIETNAM)CO.,LTD.

タムロン工業香港有限公司

タムロン光学仏山有限公司

タムロン光学上海有限公司

監視&FA関連事業

監視カメラ用レンズ

FA/マシンビジョン用レンズ

TV会議用レンズ

カメラモジュール等

当社

TAMRON USA, INC.

TAMRON Europe GmbH.

TAMRON INDIA PRIVATE LIMITED

TAMRON OPTICAL

(VIETNAM)CO.,LTD.

タムロン工業香港有限公司

タムロン光学仏山有限公司

タムロン光学上海有限公司

モビリティ&ヘルスケア、その他事業

車載カメラ用レンズ

ビデオカメラ用レンズ

デジタルカメラ用レンズ

ドローン用レンズ

医療用レンズ

各種光学用デバイス部品等

当社

TAMRON Europe GmbH.

TAMRON OPTICAL

(VIETNAM)CO.,LTD.

タムロン工業香港有限公司

タムロン光学仏山有限公司

 以上に述べた企業集団の概要は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 なお、東明技研株式会社は非連結子会社であり、重要性が乏しいため記載を省略しております。

24/03/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済を概観しますと、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、イスラエルとパレスチナとの武力衝突、中国の不動産開発投資問題、エネルギー問題、世界的な高インフレ、各国の利上げ政策等、不透明感が続く状況となりました。

米国は政策金利の引き上げが企業の経済活動を下押し、住宅投資は低迷、設備投資が減速傾向を見せているなか、良好な雇用情勢やサービス業におけるコロナ禍からのリバウンド消費を背景に個人消費は堅調に推移してプラス成長を維持しました。欧州はインフレ圧力からの継続的な金融引き締めを背景に住宅や設備投資は低迷、物価上昇に伴い個人消費が減少し、景気の低迷が継続しました。中国経済はゼロコロナ政策の解除を機に年初には急回復をみせたものの、コロナ後に反発した商品、外食や観光といったサービス業におけるリバウンド需要は一巡し、厳しい雇用情勢、所得環境を背景に個人消費は伸び悩みました。また、不動産開発投資の大幅減により投資は全体として伸び悩み、景気に減速感が見受けられました。日本はコロナ禍から経済活動の正常化が進み、インバウンド需要はコロナ禍前の水準まで回復し、個人消費は宿泊、飲食等のサービス消費に回復がみられました。また雇用情勢、所得環境は緩やかな改善傾向にあり、設備投資も高水準の企業収益を背景に増加基調となりました。

当社グループ関連市場では、レンズ交換式カメラ市場は前期に比べて数量ベース、金額ベースともに微増となりました。内訳としては、一眼レフカメラは数量ベース、金額ベースとも4割弱減と大幅減となりましたが、ミラーレスカメラは、数量ベースで約2割増、金額ベースでは約1割増となりました。交換レンズは前期に比べて数量ベースでほぼ横ばい、金額ベースでは高付加価値品への需要の継続により微増となりました。

平均為替レートにつきましては、前期比で米ドルは約9円、ユーロは約14円の円安となりました。

このような状況の下、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、客先での在庫調整の影響もあり、監視&FA事業は伸び悩んだものの、主力の写真関連事業および車載事業を主とするモビリティ&ヘルスケア、その他事業の販売が好調に推移し、円安進行によるプラス影響もあったことから、売上高は714億26百万円(前期比12.6%増)となりました。

利益面につきましては、売上総利益率の高い写真関連事業および車載事業が牽引するモビリティ&ヘルスケア、その他事業の販売が好調に推移したことや、原価低減に注力した効果等による売上総利益率の向上により、営業利益は136億7百万円(前期比23.3%増)、経常利益は139億72百万円(前期比21.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は108億12百万円(前期比29.5%増)となりました。

営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の各利益において過去最高を大幅に更新することができました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

(写真関連事業)

自社ブランド製品は、ソニーEマウント用が2021年発売の大口径望遠ズームレンズ 35-150mm F/2-2.8 VXD (A058)や、大口径標準ズームレンズ28-75mm F/2.8 VXD G2 (A063)等を中心に好調を維持したことに加え、2022年下期に投入した富士フイルム用2機種目となる標準ズームレンズ17-70mmF/2.8 VC RXD (B070)や超望遠ズームレンズ 50-400mm F/4.5-6.3 VC VXD (A067)が2023年では年間を通して売上に寄与しました。2023年発売機種では、5月には富士フイルム用4機種目となる大口径超広角ズームレンズ11-20mm F/2.8 RXD (B060)、9月にはニコンZマウント用大口径望遠ズームレンズ35-150mm F/2-2.8 VXD (A058)、さらに10月にはニコンZマウント用超望遠ズームレンズ150-500mm F/5-6.7 VC VXD (A057)とマウント展開を加速させ、市場状況を反映したミラーレスカメラ用交換レンズのラインナップ拡充より、2桁の増収となりました。OEMにおいても、市場の堅調な推移に伴い、カメラメーカーへの交換レンズの供給が好調に推移し、増収となりました。

このような結果、写真関連事業の売上高は530億32百万円(前期比16.5%増)、営業利益は140億8百万円(前期比25.5%増)となりました。

(監視&FA関連事業)

監視やFA/マシンビジョン用レンズは、FA分野では好調を維持しましたが、監視分野ではコロナ禍終息や半導体不足緩和等に伴うカメラメーカーの在庫適正化の動きを受け、当社からのレンズ供給が伸び悩みました。中国においては下期以降、徐々に回復をみせたものの、ウィズコロナへの政策転換後の市場回復が弱く、開発の後ろ倒し等もあり低調に推移し減収となりました。また、カメラモジュールも同様に伸び悩み、TV会議用レンズは2022年における急回復の反動減で、今期は大幅減収となりました。

このような結果、監視&FA関連事業の売上高は97億86百万円(前期比12.9%減)、営業利益は7億16百万円(前期比48.8%減)となりました。

 

(モビリティ&ヘルスケア、その他事業)

車載カメラ用レンズは、半導体不足や顧客の在庫適正化等の影響もありましたが、急速に進む安全運転支援システム(ADAS)の普及による旺盛な需要を背景にセンシング用途を中心に好調を維持し、2桁の増収となりました。一方で、コンパクトデジタルカメラ用やビデオカメラ用レンズは市場の縮小や既存製品の伸び悩み等の影響を受けました。注力分野の医療用レンズでは、当社の強みである極小径や薄膜技術で低侵襲を可能にする製品ラインナップの増加により大幅増収となりました。また、今後の事業拡大を見据えて分光・蛍光技術を活かした製品開発を継続し、新規案件の獲得や既存顧客との関係強化を図りました。

このような結果、モビリティ&ヘルスケア、その他事業の売上高は86億7百万円(前期比28.7%増)、営業利益は14億92百万円(前期比40.6%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ26億92百万円増加し、326億40百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益が139億72百万円、減価償却費が29億61百万円、売上債権の増加額が29億92百万円となったこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローは100億27百万円の収入(前連結会計年度は92億32百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出が46億55百万円となったこと等により、投資活動によるキャッシュ・フローは51億45百万円の支出(前連結会計年度は38億65百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払額が26億40百万円、長期借入金の返済による支出が1億8百万円であったこと等により、財務活動によるキャッシュ・フローは27億78百万円の支出(前連結会計年度は20億44百万円の支出)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

写真関連事業

54,598

118.0

監視&FA関連事業

9,658

84.6

モビリティ&ヘルスケア、その他事業

8,811

116.9

73,068

112.1

 (注)金額は販売価格によっております。

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

写真関連事業

監視&FA関連事業

モビリティ&ヘルスケア、その他事業

829

103.1

55

60.3

829

103.1

55

60.3

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

写真関連事業

53,032

116.5

監視&FA関連事業

9,786

87.1

モビリティ&ヘルスケア、その他事業

8,607

128.7

71,426

112.6

 (注)主な相手先への販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

Sony Electronics Operations (China) Limited

7,905

12.5

8,005

11.2

深圳市今日捷成実業有限公司

5,860

9.2

7,717

10.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 ①重要な会計方針及び見積り
 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
 当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産・負債及び収益・費用の計上等に関連しての種々の見積りを行っております。この見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいて行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、連結財務諸表に重要な影響を及ぼすことがあります。

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、637億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ84億91百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が26億92百万円増加し、受取手形及び売掛金が37億41百万円増加したことによるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、232億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億14百万円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が17億89百万円増加したことによるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、142億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億40百万円増加いたしました。これは主に、買掛金が15億2百万円増加したことによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、21億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億92百万円減少いたしました。これは主に、退職給付に係る負債が3億38百万円減少したことによるものであります。

(純資産)
 当連結会計年度末における純資産の残高は707億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ101億58百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を108億12百万円計上したことによるものであります。

2)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、主に写真関連事業が増収となったことにより、前連結会計年度に比べ79億80百万円増加し、714億26百万円となりました。

(売上総利益)

 当連結会計年度の売上総利益は、過去最高の44%にまで売上総利益率が改善したことにより、前連結会計年度に比べ40億33百万円増加し、316億57百万円となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、売上総利益の増加により、前連結会計年度に比べ25億68百万円増加し、136億7百万円となりました。

(営業外収益及び費用)

 当連結会計年度の営業外収益は、その他を2億70百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ64百万円減少し、7億28百万円となりました。

 当連結会計年度の営業外費用は、為替差損を40百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ28百万円増加し、3億63百万円となりました。

(税金等調整前当期純利益)

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、経常利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ24億75百万円増加し、139億72百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ24億61百万円増加し、108億12百万円となりました。

セグメントごとの経営成績等の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2023年12月期を最終年度とする中期経営計画「Vision23」として、売上高は2020年12月期比で約25%増の610億円を目指し、営業利益はここ10年間で最も高い2019年12月期を上回り、再びコロナ影響前の高収益体質へとV字回復を図る70億円,ROE9%以上を目指し、2021年からスタートいたしました。

 1年目の2021年12月期において、利益面は中期経営計画を達成し、コロナ影響前の高収益体質へと早期にV字回復を果たすことができました。そして、2年目の2022年12月期では、高収益体質も維持しつつ、成長/育成分野の監視&FA関連事業や、モビリティ&ヘルスケア、その他事業での売上高拡大を図ったことにより、売上高、営業利益、ROEの全ての面で中期経営計画を1年前倒しで達成し、営業利益は初の100億円超え、過去最高益を15期ぶりに大幅更新するまでに至りました。

 そして、最終年度の2023年12月期においては、中期経営計画比で売上高は約20%増、営業利益は約倍増、ROEは16%以上へと更なる成長を遂げることができました。この中期経営計画期間中は円安が急激に進行し、為替のプラス影響があったものの、為替影響を除いても大幅増益となり、計画を大きく上回る期待以上の高収益化を図ることができました。

4)経営成績に重要な影響を与える要因について
 「2〔事業等のリスク〕」に記載のとおりであります。

5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
 当社グループは、営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ておりますが、必要な営業活動や設備投資に備えるために、自己資金の他に金融機関からの借入により資金調達を実施しております。借入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達、長期借入金は主に設備投資に係る資金調達であり短期借入金、長期借入金とも安定的な資金調達ができております。また、今後の設備投資については、量産金型、レンズ生産設備等への設備投資を実施する予定ですがこれら投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により調達する予定であります。

6)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。