E02354 Japan GAAP
前期
201.3億 円
前期比
107.3%
株価
3,055 (03/19)
発行済株式数
17,880,000
EPS(実績)
160.21 円
PER(実績)
19.07 倍
前期
572.9万 円
前期比
104.8%
平均年齢(勤続年数)
39.7歳(13.3年)
従業員数
194人(連結:963人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(メディキット㈱)、子会社4社(連結子会社3社、持分法非
適用非連結子会社1社)により構成されており、医療機器の開発・製造・販売を業務としております。医療機器の製
造は連結子会社である東郷メディキット㈱、Medikit Vietnam Co.,Ltd.が行っており、当社は東郷メディキット㈱よ
り同製品を仕入れ、国内外ユーザーに販売しております。
当社グループは、主として血管・血液に関する分野の医療機器を取扱っております。単一セグメントのため品目別に分類しますと、次のとおりであります。
人工透析類
人工透析類では人工透析用留置針を中心とした人工透析関連製品の製造・販売を行っております。人工透析用留置針は、慢性腎不全の血液透析時に使用する針で、血液を取り出す針と透析器で浄化された血液を体内へ戻す針の2本を1回の透析で使用します。人工透析は年間150回程度行うため、穿刺時における苦痛が少なく、血管を傷めない針が必要とされております。主要製品名は、「ハッピーキャス」であります。
静脈留置針類
静脈留置針類では輸血・輸液等に使用する針の製造、販売を行っております。静脈留置針の主な用途としては、栄養補給等の目的で輸液を末梢静脈経由で投与する際に使用しております。近年、医療スタッフが安心して使えるよう、誤刺防止機能付き留置針を当社グループをはじめ同業各社が独自の工夫を凝らした製品を市場に投入しております。当社グループとしても、市場のニーズを反映させた製品を開発し販売しております。主要製品名は、「スーパーキャス」であります。
インターベンション類
カテーテルシステムを用いた検査(造影)及び治療の総称をインターベンションと呼んでおり、当社グループは、血管造影、血管内治療に用いるシースイントロデューサー(注1)、カテーテル(注2)等の製造・販売を行っております。血管造影及び治療は、血管を通して病変部の検査及び治療を施行するものであります。対象部位は、主に頭、腹部、心臓であります。その手技としては、腕、もしくは、大腿部血管へシースイントロデューサーを挿入し、目的血管に適合するカテーテルを病変部分まで到達させます。次に、そのカテーテルを通して造影剤を流し込み、X線撮影を行います。その造影結果から、疾患の有無、度合いを診断し、がん、狭心症(注3)等の必要とされる治療を行うものであります。
(注1)シースイントロデューサー…主に血管造影用カテーテルなどを腕や足の血管に挿入する際に使用する器具です。この医療機器は血管を拡張しながら容易に、かつ血管を損傷させることなく血管内に導入することができ、また、何度でもカテーテルを挿入することが可能となります。
(注2)カテーテル…太腿や腕の血管から挿入する直径1~2mm程度のチューブです。広義には、体内に挿入する医療用チューブ全般を指す場合があります。
(注3)狭心症…1日に10万回も収縮と拡張を繰り返している心臓の血管は非常に硬くなりやすく(動脈硬化)、狭くなりやすい(狭窄)状態になっています。軽度の狭窄の場合、血液を十分に流し続けることができなくなり、体を動かしたり興奮したりしたときに心臓(胸)が苦しくなりますが、これを狭心症といいます。
品目別の主要製品は下表のとおりであります。
品目 |
区 分 |
主要製品名 |
人工透析類 |
人工透析用留置針 |
ハッピーキャス、ハッピーキャスCLs等 |
静脈留置針類 |
静脈留置針 |
スーパーキャス、スーパーキャス(安全機構付) |
インターベンション類 |
イントロデューサー |
スーパーシース、インサートシース等 |
血管造影用カテーテル |
メディキット血管造影カテーテル |
[事業系統図]
事業の系統図は次のとおりとなります。
※画像省略しています。
(注)連結子会社㈱Bolt Medicalは、重要性が乏しいため、事業系統図には記載しておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」とい
う。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比(以下前期末比という)2,128,450千円増(4.2%増)の
53,186,344千円となりました。流動資産は同365,119千円減(0.9%減)の38,176,304千円、固定資産は同2,493,569
千円増(19.9%増)の15,010,040千円となりました。
流動資産減少の主な要因は、現金及び預金が525,139千円減少したこと等によるものです。
固定資産のうち有形固定資産は、同396,504千円減(3.7%減)の10,438,162千円となりました。
無形固定資産は、同2,965,642千円増の3,092,272千円となりました。
無形固定資産増加の主な要因は、買収によるのれんが1,935,896千円増加したこと等によるものです。
投資その他の資産は、同75,568千円減(4.9%減)の1,479,604千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末比608,786千円増(11.5%増)の5,894,363千円となりました。流動負債は
同258,825千円増(5.9%増)の4,673,645千円、固定負債は同349,960千円増(40.2%増)の1,220,717千円となりま
した。
流動負債増加の主な要因は、未払法人税等が161,096千円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、前期末比1,519,663千円増(3.3%増)の47,291,981千円となりました。この主な要
因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払いにより、差引き利益剰余金が1,354,274千円増加し
たことによるものです。
この結果、自己資本比率は88.9%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、度重なる新型コロナウイルスの感染症の拡大、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高騰、円安の進行等によるインフレ進行等が重しとなり、景気の回復は緩やかなものとなりました。
当社グループの属する医療関連業界においては、新型コロナウイルス第7波、第8波の感染者数がピーク時25万人レベルにのぼる規模となる中、各医療機関は医療態勢の維持に取り組んでおられましたが、手術件数や検査件数の回復の動きが見られました。一方、当連結会計年度は診療報酬改定の年でしたが、材料価格は▲0.02%となり、引き続き厳しい状況が続いております。
このような中、当社グループは2021年12月に公表しました中期経営計画“NEXT300”の達成に向け、当社の行動指針に従い、より良い製品を医療現場に提供することを通じ、更なるビジネスの拡大に取り組んでおります。具体的には、国内において、人工透析類では針刺し防止機構付き止血弁内蔵透析用留置針「ハッピーキャスProFlex」、静脈留置針類ではパッシブタイプの針刺し防止機構付き留置針「スーパーキャス7」の販売・普及に努めるとともに、インターベンション類において、スーパーシースの機能性を向上させた「スーパーシースCoat Plus」、新製品として不整脈治療用のブレイデッドシース「AbRoad STOUT」及びスティーラブルシース「AbRoad FLEX」の販売を開始しました。また、今後の成長に向けたストラテジックな取り組みとして、脳血管内治療分野において先進的な製品開発を行う株式会社Bolt Medicalを昨年12月に買収しました。同社が有する技術は、脳血管疾患の大半を占める脳卒中患者に対する低侵襲治療の可能性を更に広げるもので、当社既存事業との間に高い相乗効果が見込めることから、将来的に当社の更なる成長のドライバーとなることを期待しております。
更に、海外に関しては、国内で高い評価をいただいております、透析針、静脈留置針、シースイントロデューサー等の販売・普及を図るべく、積極的にプロモーションに取り組むとともに、欧州において、一定の費用負担が生じたものの、新規制MDRへの対応を進めました。
一方、石灰化病変治療デバイスの国内販売契約を本年1月末に終了することとなりましたが、他社とのアライアンス事業に関しましては、収益性や当社のビジネスとの親和性等を勘案しつつ、今後とも前向きに取り組んでまいります。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高21,607,233千円(前年同期比7.3%増)、営業利益4,118,187千円(同
6.9%減)、経常利益4,177,707千円(同8.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,864,589千円(同4.3%減)
となりました。
当社の商品区分である品目別の売上高は以下のとおりであります。
人工透析類におきましては、7,526,040千円(前年同期比3.6%増)となりました。静脈留置針類におきましては、
5,871,053千円(同12.0%増)となりました。インターベンション類におきましては、8,198,744千円(同7.7%増)
となりました。
(注) 当社グループは、医療機器の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省
略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、以下に記載のキャッシュ・フ
ローにより、前連結会計年度末に比べ525,139千円減少し、当連結会計年度末には17,592,949千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,480,319千円(前年同期比42.1%増)となりました。内訳の主なものは、税金
等調整前当期純利益4,291,340千円と、法人税等の支払額1,036,154千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,582,343千円(前年同期比108.3%増)となりました。内訳の主なものは、連結
範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,460,851千円と、有形固定資産の取得による支出982,723千円であ
ります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,509,626千円(前年同期比67.5%増)となりました。内訳は、配当金の支払額
であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績については、単一セグメントのため品目区分別に記載しております。
品目別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
人工透析類 |
(千円) |
6,968,702 |
△2.5 |
静脈留置針類 |
(千円) |
5,946,020 |
14.9 |
インターベンション類 |
(千円) |
5,751,691 |
11.5 |
合計 |
(千円) |
18,666,414 |
6.8 |
(注)金額は平均販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績については、単一セグメントのため品目区分別に記載しております。
品目別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
||
人工透析類 |
(千円) |
7,526,040 |
3.6 |
|
静脈留置針類 |
(千円) |
5,871,053 |
12.0 |
|
インターベンション類 |
(千円) |
8,198,744 |
7.7 |
|
|
うち石灰化病変関連 |
(千円) |
1,524,102 |
12.9 |
その他 |
(千円) |
11,395 |
△2.5 |
|
合計 |
(千円) |
21,607,233 |
7.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
・経営成績の分析
「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・財政状態の分析
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための自己資金の充実及び健全なバランスシートの維持を財務
方針としております。
なお、財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシ
ュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり
ます。
・経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成
績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を
目的とした資金需要は、主に設備投資であります。
財務政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金については、原則自己資金により調達することとしております。
当社グループは、財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを基本に将来に必要な運転資金及び設
備投資資金を調達していく考えであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて
は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとお
りであります。