E00703 IFRS
前期
1,956.0億 円
前期比
99.6%
株価
1,251 (05/01)
発行済株式数
48,016,100
EPS(実績)
28.80 円
PER(実績)
43.43 倍
前期
737.2万 円
前期比
100.6%
平均年齢(勤続年数)
42.6歳(15.7年)
従業員数
724人(連結:5,305人)
当社グループは、当社(NISSHA株式会社)、連結子会社66社および関連会社3社で構成され、その主な事業内容は以下のとおりです。
なお、下記の「その他」を除く、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーの各事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4. 事業セグメント」に掲げるセグメントの区分と同一です。
事業系統図は、次のとおりです。
2024年3月1日に取得したIsometric Intermediate LLCおよびそのグループ会社、2024年10月1日に取得したCathtek, LLC、2025年1月8日に取得した滋賀県製薬株式会社に係る暫定的な会計処理が当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当社グループはMissionに、「人材能力とコア技術の多様性」を成長の原動力として、高い競争力を有する特徴ある製品・サービスの創出によりお客さま価値を実現し、「人々の豊かな生活」の実現に寄与することを掲げています。
このMissionのもと、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)として、多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することで、経済・社会価値の創出を目指しています。また、現在運用している第8次中期経営計画では、安定的な成長と資本効率性の向上を志向し、これまでに構築した事業ポートフォリオの強化を通じて、利益率の向上と安定化に取り組んでいます。
当期のグローバル経済情勢は、アメリカの関税政策による混乱や地政学的リスクの高まりなどにより経済動向が抑制されたものの、景気は緩やかに持ち直しました。アメリカでは、インフレや雇用情勢の軟化が消費者マインドを低下させ、景気拡大のペースは減速しました。ヨーロッパでは、一部に停滞が見られましたが、インフレ圧力の緩和や段階的な利下げを背景に、景気は持ち直しの動きとなりました。中国では、耐久消費財の買い替え促進策などが講じられたものの、不動産市場の停滞などにより景気の弱さが継続しました。わが国の経済については、アメリカの関税政策による影響が自動車産業を中心に見られたものの、緩やかな回復基調となりました。
このような状況の下、当期の業績については、産業資材事業およびメディカルテクノロジー事業において需要が底堅く推移した一方、ディバイス事業のタブレット向けの需要は、顧客の新製品投入により需要が伸長した前期と比較して減少しました。新たに当社が強化している一般用医薬品の開発製造受託(CDMO)は企業買収の効果により需要が拡大しました。利益面では、産業資材事業のモビリティ向け新製品の生産立ち上げや一般用医薬品CDMOの生産能力拡大に向けた既存設備の減損損失など、将来の成長を見据えた先行費用が利益を圧迫しました。
これらの結果、当期における連結業績は、売上高は1,948億98百万円(前期比0.4%減)、利益面では営業利益は40億40百万円(前期比26.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は10億1百万円(前期比74.0%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
産業資材
産業資材事業は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾や機能の付与を行うIMD、IMLおよびIMEは、グローバル市場でモビリティ、家電製品などに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けのサステナブル資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。
当期においては、加飾分野のモビリティ向けの需要が底堅く継続するとともに、家電その他向けの需要が堅調に推移し、売上高は前期比で増加しました。一方で、モビリティ向けの新製品に関連する先行費用などにより、営業利益は前期比で減少しました。
その結果、当期の連結売上高は763億15百万円(前期比3.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は37億41百万円(前期比23.2%減)となりました。
ディバイス
ディバイス事業は、精密で機能性を追求した部品・モジュール製品を提供するセグメントです。主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でタブレット、業務用端末(物流関連)、モビリティ、ゲーム機などに幅広く採用されています。このほか、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。
当期においては、タブレット向けの需要減少により売上高は前期比で減少しましたが、生産体制の見直しなど予め講じた対応により効率性・生産性が改善し、営業利益は前期比で増加しました。
その結果、当期の連結売上高は584億52百万円(前期比13.5%減)となり、セグメント利益(営業利益)は21億30百万円(前期比18.5%増)となりました。
メディカルテクノロジー
メディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指すセグメントです。幅広い診療領域で使われる低侵襲医療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどの製品を手がけており、現在は欧米中心に大手医療機器メーカー向けの開発製造受託(CDMO)を展開するとともに、医療機関向けに自社ブランド品を製造・販売しています。
当期においては、主力の医療機器CDMOで一部の需要が停滞したものの、売上高は前期比で増加しました。一方で、医療機器自社ブランドの製品ミックスの悪化などにより、営業利益は前期比で減少しました。
その結果、当期の連結売上高は471億30百万円(前期比3.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は20億35百万円(前期比14.8%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は2,501億20百万円となり、前連結会計年度末(2024年12月期末)に比べ17億27百万円減少しました。
流動資産は1,162億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ124億5百万円減少しました。主な要因は、営業債権及びその他の債権が18億39百万円増加した一方、現金及び現金同等物が117億56百万円、棚卸資産が38億37百万円減少したこと等によるものです。
非流動資産は1,338億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ106億77百万円増加しました。主な要因は、有形固定資産が26億28百万円、新規連結等によりのれんが14億42百万円、無形資産が32億15百万円、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等によりその他の金融資産が20億1百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における負債は1,322億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ38億16百万円減少しました。
流動負債は810億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ170億58百万円増加しました。主な要因は、未払法人所得税等が20億86百万円、その他の流動負債が21億40百万円減少した一方、社債及び借入金が218億22百万円増加したこと等によるものです。
非流動負債は512億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ208億75百万円減少しました。主な要因は、繰延税金負債が22億13百万円増加した一方、社債及び借入金が216億26百万円、その他の金融負債が21億28百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における資本は1,178億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億89百万円増加しました。主な要因は、自己株式の消却等により資本剰余金が20億69百万円、剰余金の配当等により利益剰余金が52億79百万円減少した一方、自己株式が43億82百万円減少し、為替換算等の影響によりその他の資本の構成要素が39億86百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ117億56百万円減少し、392億13百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動の結果得られた資金は92億5百万円(前期比25.2%減)となりました。これは税引前利益35億51百万円の計上に対して、主に、営業債務及びその他の債務の減少額として21億47百万円、法人所得税の支払額として46億39百万円計上した一方、減価償却費及び償却費として103億60百万円、棚卸資産の減少額として50億58百万円計上したこと等によるものです。
投資活動の結果使用した資金は138億48百万円(前期比21.1%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得として63億5百万円、子会社の取得として56億55百万円支出したこと等によるものです。
財務活動の結果使用した資金は83億66百万円(前期は91億47百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入れによる収入として28億65百万円計上した一方、リース負債の返済による支出として22億18百万円、長期借入金の返済による支出として26億98百万円、非支配持分の取得による支出として28億92百万円、親会社の所有者への配当金の支払として23億76百万円計上したこと等によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。
2. 金額は、販売価格によっています。
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。
2. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
当社グループの当連結会計年度における経営成績につきましては、売上高は、前連結会計年度に比べ0.4%減少し1,948億98百万円となりました。このうち、海外売上高は1,696億90百万円であり、連結売上高に占める割合は87.1%です。海外売上高は主として産業資材、ディバイスおよびメディカルテクノロジーによるものです。また、売上原価は前連結会計年度に比べ0.4%減少の1,512億3百万円、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ3.4%増加の384億8百万円となりました。売上原価、販売費及び一般管理費、その他の費用に含まれる減価償却費及び償却費は前連結会計年度に比べ8.6%増加の103億60百万円となりました。その他の収益・費用については、前連結会計年度は受取補償金などを主としたその他の収益を4億39百万円計上する一方で、遊休資産諸費用などを主としたその他の費用を12億93百万円計上したのに対して、当連結会計年度では条件付対価に係る公正価値変動額などを主としたその他の収益を6億28百万円計上する一方で、減損損失などを主としたその他の費用を15億15百万円計上しました。
これらの結果、営業利益は40億40百万円(前期比26.0%減)となりました。
なお、セグメント別の経営成績につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。
金融収益・費用については、前連結会計年度は為替差益などを主とした金融収益を25億46百万円計上する一方で、支払利息などを主とした金融費用を18億2百万円計上したのに対して、当連結会計年度では純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債の評価益を主とした金融収益を14億35百万円計上する一方で、支払利息などを主とした金融費用を19億25百万円計上しました。
その結果、税引前利益は35億51百万円(前期比42.7%減)となりました。
法人所得税費用は、前連結会計年度に比べ1.0%減少の21億68百万円を計上しました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益10億1百万円(前期比74.0%減)となりました。また、基本的1株当たり当期利益は21円13銭(前期は79円93銭の基本的1株当たり当期利益)となりました。
財政状態の分析につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの主な資金需要は、事業上必要な運転資金や設備投資、M&Aによる投資です。これらの資金需要については調達規模や調達市場環境に応じて自己資金および金融機関からの借入や社債の発行等により対応します。また、金融コストの最小化と資金効率の向上のため、日本国内のグループ会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、当社への資金フローの集約により一元的な管理を行っています。
当社グループは、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の実現に向け、第8次中期経営計画(3カ年)を2024年から運用しています。第8次中期経営計画では、安定的な成長と資本効率性の向上を志向し、これまでに構築した事業ポートフォリオの強化を通じて、利益率の向上と安定化に取り組んでいます。
第8次中期経営計画の最終年度にあたる2026年度においては、産業資材事業では、既存分野の底堅い需要に対応するとともに、モビリティ外装向けで新製品の需要拡大を見込んでいます。ディバイス事業では、タブレット向けを中心に需要減少を想定していますが、収益構造の一層の改善に向けた取り組みを進めます。メディカルテクノロジー事業では、下期にかけて医療機器CDMOにおける新製品立ち上げを見込んでいます。一般用医薬品CDMOの需要は堅調に推移する見通しです。
これらの見通しから、売上高1,915億円、営業利益66億円、税引前利益50億円、親会社の所有者に帰属する当期利益23億円を見込んでいます。なお、為替レートは1ドル=145円を前提としています。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2. 作成の基礎(4)重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載しています。