売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02386 Japan GAAP

売上高

3,217.7億 円

前期

2,837.8億 円

前期比

113.4%

時価総額

3,801.7億 円

株価

3,792 (04/24)

発行済株式数

100,257,053

EPS(実績)

211.16 円

PER(実績)

17.96 倍

平均給与

650.1万 円

前期

649.4万 円

前期比

100.1%

平均年齢(勤続年数)

41.8歳(16.3年)

従業員数

1,361人(連結:10,169人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社52社並びに持分法適用関連会社1社により構成されており、営んでいる主な事業内容と、当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

 なお、次の2部門は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(合成樹脂成形品事業)

 

 

工業用プラスチック・

ファスナー及びプラス

チック精密成形部品

金型

 当社が合成樹脂成形製品及び金型の製造・販売を行っているほか、株式会社ニフコ山形、株式会社ニフコ熊本、株式会社ニフコ北関東等が合成樹脂成形製品及び金型の製造・販売を行っております。

 日英精機株式会社が金型を製造・販売しております。

 

 

 そのほか海外でNifco America Corporation、Nifco U.K. Ltd.、Nifco Korea Inc.、上海利富高塑料制品有限公司、台湾扣具工業股有限公司、Nifco (Thailand) Co.,Ltd.等が合成樹脂成形製品及び金型の製造・販売を行っております。

 これらのうち一部について、当社と子会社、関連会社間で相互に仕入れ、販売しております。

(ベッド及び家具事業)

 シモンズ株式会社がベッドの製造・販売及び家具の輸入・販売を行っております。

 そのほか海外でSimmons Bedding & Furniture (HK) Ltd.等がベッド及び家具事業を行っております。

 

 

 

 

 

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 連結子会社並びに持分法適用関連会社は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

連結子会社

 

(1)  Nifco America Corporation

合成樹脂成形品の製造・販売

(2)  Nifco Korea USA Inc.

合成樹脂成形品の製造・販売

(3)  Nifco KTW America Corporation

合成樹脂成形品の製造・販売

(4)  Nifco Central Mexico S.de R.L.de C.V.

合成樹脂成形品の製造・販売

(5)  Guadalupe Property & Assets, S.de R.L.de C.V.

合成樹脂成形品事業

(6)  Nifco Europe GmbH

合成樹脂成形品事業

(7)  Nifco U.K. Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(8)  Nifco Poland Sp.z o.o.

合成樹脂成形品の製造・販売

(9)  Nifco Korea Poland Sp.z o.o.

合成樹脂成形品の製造・販売

(10) Nifco Germany GmbH

合成樹脂成形品の製造・販売

(11) 上海利富高塑料制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(12) 東莞利富高塑料制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(13) 台扣利富高塑膠制品(東莞)有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(14) 北京利富高塑料制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(15) 利富高(天津)精密樹脂制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(16) 利富高(湖北)精密樹脂制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(17) 利富高(江蘇)精密樹脂制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(18) 利富高(塩城)精密樹脂制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(19) 利富高(重慶)精密樹脂制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(20) Nifco (HK) Ltd.

合成樹脂成形品事業

(21) 台湾扣具工業股份有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(22) Nifco Korea Inc.

合成樹脂成形品の製造・販売

(23) Nifco (Thailand) Co.,Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(24) Union Nifco Co., Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(25) Nifco Manufacturing (Malaysia) Sdn. Bhd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(26) Nifco Vietnam Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(27) Nifco India Private Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(28) Nifco South India Manufacturing Private Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(29) PT.Nifco Indonesia

合成樹脂成形品の製造・販売

(30) 株式会社ニフコ山形

合成樹脂成形品の製造・販売

(31) 株式会社ニフコ熊本

合成樹脂成形品の製造・販売

(32) 株式会社ニフコ北関東

合成樹脂成形品の製造・販売

(33) 株式会社ニフコトレーディング

合成樹脂成形品の製造・販売業務の受託

(34) シモンズ株式会社

ベッドの製造・販売、家具の輸入・販売

(35) Simmons Bedding & Furniture (HK) Ltd.

ベッド及び家具事業

(36) 上海席梦思床褥家具銷售有限公司

ベッド及び家具の販売

(37) 北京席梦思床褥家具有限公司

ベッド及び家具の販売

(38) 深圳席梦思床褥家具有限公司

ベッド及び家具の販売

(39) 席梦思床褥家具(蘇州)有限公司

ベッドの製造・販売

(40) Simmons (Southeast Asia)Private Limited

ベッド及び家具の販売

(41) 台湾席夢思股份有限公司

ベッド及び家具の販売

他11社

 

 

 

 

持分法適用関連会社

 

(1) 日英精機株式会社

金型の製造・販売

23/06/22

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、非製造業では、個人消費やインバウンド需要の回復を背景に、小売などの消費関連の景況感が改善した一方、製造業では、原材料高を受け素材業種の景況感が低迷したほか、世界的な半導体需要の落ち込みから電機機械の景況感も悪化するなど、景況感は二極化しております。海外に目を転じますと、中国経済では、2022年秋に中国政府がゼロコロナ政策を強化したことに加え、米欧景気の減速や、活動制限による工場稼働率の低下などを背景に輸出が低下するなど、内外需ともに低迷しております。欧州経済については、労働需給のひっ迫を反映し賃金が上昇しているほか、資源高などを通じた生産コストの上昇を販売価格に転嫁するなど、財・サービスともにインフレ圧力が根強く、景気の重石となっております。米国経済においては、商品のリードタイムの改善などにより供給制約の緩和が企業活動の下支え要因となっているものの、金融引き締めなどを受けた需要の減少を反映し新規受注が減少傾向となり、製造業や建設業などの財生産部門の低迷が続いております。このように世界経済は、国際商品市況の高騰や経済全体での労働コストの増加などを背景として物価上昇が進行しております。物価安定に向け、急速な金融引き締めが進み、経済活動に対する政策的な下押しがされ、依然として先行き不透明な状況にあります。

 

 このような状況のなか、当期の連結業績の売上高は、前期比13.4%増の3,217億7千1百万円となりました。営業利益は前期比12.8%増の344億3千9百万円となりました。経常利益は前期比12.7%増の378億7千6百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比7.8%減の211億7千万円となりました。

 資産合計は、前期比260億8千2百万円増加し、3,591億5千万円となりました。負債合計は、前期比8億3千万円増加し、1,330億2千3百万円となりました。純資産合計については、前期比252億5千2百万円増加して、2,261億2千7百万円となりました。その結果、自己資本比率は62.2%、1株当たり純資産は2,237円06銭となりました。

 

  セグメントの経営成績を示すと次のとおりです。

 各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。

 

合成樹脂成形品事業

 合成樹脂成形品事業の売上高は前期比13.7%増の2,887億3千4百万円となりました。セグメント利益は、前期比12.9%増の340億5千万円となりました。

ベッド及び家具事業

 ベッド及び家具事業は、売上高は前期比11.1%増の330億3千7百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比5.8%増の58億8千5百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、372億6千1百万円の資金の増加となり、前期が317億4千3百万円の資金の増加であったことと比べて、55億1千7百万円の増加となりました。これは、棚卸資産の増減額が増加から減少に転じたこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、115億3千万円の資金の減少となり、前期が94億7千9百万円の資金の減少であったことと比べて、20億5千1百万円の減少となりました。これは、定期預金の預入による支出が、定期預金の払戻による収入を上回ったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、174億1千8百万円の資金の減少となり、前期が135億1千6百万円の資金の減少であったことと比べて、39億1百万円の減少となりました。これは、短期借入れによる収入が減少したこと等によるものであります。

  以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末と比較して122億4千1百万円増加し、1,222億3千3百万円となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

  a 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

204,596

110.5

ベッド及び家具事業(百万円)

11,627

109.8

合計(百万円)

216,224

110.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  b 商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

13,876

92.2

ベッド及び家具事業(百万円)

2,935

114.6

合計(百万円)

16,812

95.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  c 受注実績

 当社及び連結子会社は受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の生産実績等を参考とした見込生産によっております。

 

  d 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

288,734

113.7

ベッド及び家具事業(百万円)

33,037

111.1

合計(百万円)

321,771

113.4

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産、負債、偶発資産及び偶発債務並びに会計期間における収益及び費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと実績が異なる場合があります。当社は、重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。

  a 棚卸資産

当社グループは、棚卸資産の推定される将来需要及び市場状況等に基づく収益性の悪化について、評価減を計上しております。実際の将来需要又は市場状況等が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

  b 投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係の開拓・維持等のため特定の顧客の株式及び余資の運用としての株式等を所有しております。これら株式等には価格変動性が高い市場価格のあるものと、市場価格等の算定が困難である非公開会社が含まれております。当社グループは、原則として市場価格のあるものについては投資原価の下落率が50%以上のもの、また市場価格のないものについては、それら会社の財政状態が悪化し純資産の下落率が50%以上のものについて、それぞれ減損処理を行っております。また30%~50%程度下落したものについては、金額の重要性、回復可能性等を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の市場悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

  c 退職給付費用

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の収益率などが含まれます。親会社及び一部の国内子会社の年金制度において、割引率は日本の国債の市場利回りをもとに退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は変更された場合、その影響額は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼします。近年の割引率の低下及び年金資産の運用率の低下は、当社グループの年金費用に対して悪影響を及ぼします。未認識の数理計算上の差異及び制度変更等による過去勤務費用にかかる償却は、年金費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や実際との結果との違いの影響を規則的に費用認識したものであります。

  d 有形固定資産の減損

当社グループは、自社利用の事業用資産については、事業所単位もしくは連結子会社単位で、賃貸用不動産、
遊休資産及び売却予定資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っております。
 当連結会計年度においては、合成樹脂セグメントに含まれる中国における韓国系ビジネス拠点において、得意先である韓国系自動車メーカーの中国での生産体制の見直しの影響によって経営環境が著しく悪化し、固定資産に減損の兆候が存在すると判断し、回収可能価額を見積もっております。固定資産の回収可能性テストを実施した結果、固定資産の帳簿価額に回収可能性がないと判断されたため、帳簿価額と公正価値の差額を減損損失として認識しております。また、合成樹脂セグメントに含まれる米国におけるドイツ系ビジネス拠点において、人件費高騰などの製品価格への反映の遅れや歩留まりの改善の遅延によって収益性が著しく悪化し、固定資産に減損の兆候が存在すると判断し、回収可能価額を見積もっております。固定資産の回収可能性テストを実施した結果、固定資産の帳簿価額に回収可能性がないと判断されたため、帳簿価額と公正価値の差額を減損損失として認識しております。

減損損失の測定のための公正価値の見積りにおいては、外部の専門家による鑑定評価額を基礎として算定しており、当該鑑定評価額の算定に用いる評価手法及びその前提条件の選択にあたっては、算定結果に重要な影響を及ぼします。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(1)当連結会計年度の経営成績等

   当社グループの主要顧客であります自動車メーカーにつきましては、日本市場では、当期において、対前年同期比で、生産台数、販売台数ともに、上回りました。海外におきましては、当期の対前年同期比で、欧州市場は、生産台数、販売台数ともに前年割れとなり、米国市場では、販売台数は前年割れしたものの、生産台数は上回りました。中国市場及びインド市場では、生産台数、販売台数ともに大幅に上回りました。

   このような状況のなか、当期の連結業績は、売上高は、前期比13.4%増の3,217億7千1百万円となりました。利益面では、売上増加による売上総利益の増加が、販売費及び一般管理費の増加を上回ったため、営業利益は前期比12.8%増の344億3千9百万円となりました。経常利益は円安が進み為替差益が発生したことにより、前期比12.7%増の378億7千6百万円となりました。また、米国及び中国子会社における減損損失、中国子会社における事業構造改善費用などがあり、特別損失として23億7千8百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比7.8%減の211億7千万円となりました。

  資産合計は、前期比260億8千2百万円増加し、3,591億5千万円となりました。主な増加要因としては、売掛金が33億9千3百万円、有形固定資産が15億9千1百万円、退職給付に係る資産が13億8千9百万円それぞれ増加しております。また、現金及び預金が168億4千8百万円増加したことなどによるものであります。

  負債合計は、前期比8億3千万円増加し、1,330億2千3百万円となりました。増加要因としては、支払手形及び買掛金が28億1千7百万円増加したことなどによるものであります。

  純資産合計は、前期比252億5千2百万円増加して、2,261億2千7百万円となりました。主として利益剰余金が149億2千8百万円増加したこと、及び円安により為替換算調整勘定が109億4千万円増加したことなどによるものであります。

  以上の結果、自己資本比率は前期比2.7ポイント増加し、62.2%、1株当たり純資産は2,237円06銭となりました。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因

a 経済状況

当社グループでは、自動車メーカー、特に主要日系自動車メーカーに対する売上比率が高い水準にありますが、これら日系自動車メーカー向けの製品の需要は、世界経済の動向、特に主要市場である日本をはじめ米国、中国などの経済状況に影響を受け、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす場合があります。

b 原油及びナフサ価格の高騰

当社グループは、原油価格及びナフサ等の石油製品の価格が高騰し、その期間が長期に及ぶ場合には原材料価格の上昇により、経営成績に影響が生じる可能性があります。

c 取引先からの値引き要請

当社グループは、取引先からの価格値引き要請に対して生産コストの削減等の努力をしておりますが、予想以上に値引き要請が強い場合、経営成績に重要な影響を受ける場合があります。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

  当社グループの運転資金は、主に製品製造過程に供される原材料や部材の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費、物流費、研究開発費であります。これらの必要資金は、利益の計上から生み出した内部資金により賄っております。

  設備投資資金については、その投資に際し、投資採算及びキャッシュ・フローを重視し実施しております。これら設備投資の資金は、原則として減価償却費及び利益の計上から生み出された内部資金の一部を充当することとしておりますが、国内、海外での積極的な設備投資については、状況に応じて社債発行及び外部借入で調達することとしております。

  当社グループは、健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力等により、運転資金及び通常の設備投資資金を調達し、将来の成長のための投資及びM&A資金などについては、長期で低利な条件での調達を実施しております。

  これにより当社グループの調達手段の多様化及び低コストでの長期安定資金の調達が実現し、更に資本コストの引き下げ効果及び、設備投資効果と相俟って、今後も財務体質は引き続き安定して推移するものと考えております。

 

(4)セグメントごとの経営成績等

a 合成樹脂成形品事業

〔国内自動車業界向け〕

 国内の自動車生産につきましては、半導体不足やサプライチェーン停滞の影響による減産により、特に第1四半期に大きく当初の計画を下回りました。第2四半期以降には生産が若干挽回に転じたものの計画達成までには至らず、第3四半期にはふたたび中国での新型コロナウイルス感染拡大の影響による生産減が加わり、計画を下回る結果となりました。

 

〔海外自動車業界向け〕

 海外においては、地域や顧客毎に大きく業績の分かれる結果となりました。欧米地域においては、韓国系を除く全拠点において半導体不足、原材料や人件費、物流費等の高騰により苦戦を強いられ、売上・利益ともに大きく計画を下回る結果となりました。特にドイツOEM向け事業は、オペレーション上の問題も発生し損失を拡大させる結果となりました。一方で、アセアン地域においては、これらの影響をほとんど受けず、日系OEMの堅調な需要に支えられ好調を維持することができました。中国地域においても、年末にかけてはゼロコロナ政策解除の影響を受け、大幅な業績の悪化にみまわれましたが、通年では堅調な業績を維持しました。韓国OEM向け事業も中国を除いて世界的に好調を維持し、特に欧州、北米、インドにおいて売上・利益ともに計画を上回る結果となりました。今年度は、海外地域統括制の導入により、地域主導で欧米拠点の建て直しに注力するとともに、中国における韓国系不採算拠点の統廃合等を推進し、海外事業の業績改善、更なる収益力向上に取り組んでまいります。

 

〔その他業界向け〕

 住生活分野においては、中国のロックダウンやウッドショックの影響による住宅設備関連の減産で当初の計画を下回る結果となりました。一方、スポーツ・アウトドア分野においては、欧米諸国を中心に健康志向の高まりによって、ランニング関連の靴部材や衣服部材の需要が旺盛だったことから、売上高は前期比増となりました。

 

  以上の結果、合成樹脂成形品事業は、売上高は前期比13.7%増の2,887億3千4百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比12.9%増の340億5千万円となりました。

 

b ベッド及び家具事業

  ベッド及び家具事業は、国内において販売店向けが順調に伸びたものの、原材料などの高騰及び円安による原価アップを吸収できず、増収減益となりました。一方、海外においては、中国ではゼロコロナ政策の影響から厳しい環境下になるものの大幅な落ち込みは避けることができ、また、台湾・シンガポールでは卸・小売・ホテル向けが順調に伸びて、加えて円安による為替影響もあり、増収増益となりました。この結果、ベッド及び家具事業売上高は前期比11.1%増の330億3千7百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比5.8%増の58億8千5百万円となりました。