売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03861 Japan GAAP

売上高

443.4億 円

前期

426.8億 円

前期比

103.9%

時価総額

2,528.8億 円

株価

2,198 (04/15)

発行済株式数

115,051,000

EPS(実績)

65.86 円

PER(実績)

33.37 倍

平均給与

1,015.7万 円

前期

956.4万 円

前期比

106.2%

平均年齢(勤続年数)

38.1歳(9.6年)

従業員数

114人(連結:2,185人)


 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び関係会社)が営んでいる主な事業内容と、各関係会社等の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。(2024年3月31日現在)

<土地建物賃貸事業>

ダイビル㈱(以下「提出会社」という。)、Daibiru Saigon Tower Co., Ltd.(連結子会社)、Daibiru CSB Co., Ltd.(連結子会社)、Doan Ket International Company Limited(連結子会社)及びDaibiru Australia Pty Ltd(連結子会社)の子会社は、オフィスビル、ホテル、マンション等を所有・賃貸しております。また、商船三井興産㈱(連結子会社)は、提出会社及び㈱商船三井(親会社)からビルを賃借し、これを転貸しております。(Jentower Limited(連結子会社)はDaibiru Saigon Tower Co., Ltd.の持株会社、White Lotus Properties Limited(連結子会社)はDaibiru CSB Co., Ltd.の持株会社、Red Lotus Properties Limited(連結子会社)及びKamarati Tower Limited(連結子会社)は63 LTT Limited Partnership(連結子会社)の持株会社、63 LTT Limited PartnershipはDoan Ket International Company Limitedの持株会社であります。)

<ビル管理事業>

提出会社が所有するビル及び提出会社が所有する以外のビル等について、商船三井興産㈱を中心として、興産管理サービス㈱(連結子会社)、興産管理サービス・西日本㈱(連結子会社)、㈱丹新ビルサービス(連結子会社)、㈱ノワテック(連結子会社)及びダイビル・ファシリティ・マネジメント㈱(連結子会社)がビル管理業務を請負っております。

<その他>

提出会社、商船三井興産㈱及びダイビル・ファシリティ・マネジメント㈱は建築、設備の設計監理・請負工事・工事管理を行っております。

 

以上に述べた事項を事業系統図に示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。
24/06/28

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の経営成績につきましては、営業収益は44,340百万円前連結会計年度に比べ1,657百万円(3.9%)の増収営業利益は10,500百万円前連結会計年度に比べ591百万円(6.0%)の増益となりました。

営業外損益では支払利息は増加いたしましたが、受取利息と受取配当金の増加及び営業利益の増益を受け、経常利益は10,757百万円前連結会計年度に比べ394百万円(3.8%)の増益となりました。

特別損益につきましては、当連結会計年度は特別利益として投資有価証券売却益494百万円、特別損失として固定資産交換差損及び建替関連損失等を863百万円計上いたしました。一方、前連結会計年度は特別利益として固定資産売却益2,571百万円、特別損失として建替関連損失及び固定資産除却損等を1,509百万円計上いたしました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7,577百万円前連結会計年度に比べ1,269百万円(14.3%)の減益となりました。

 

 セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 a 土地建物賃貸事業

連結営業収益の79.1%を占める当セグメントでは、「大手門タワー・ENEOSビル」、「虎ノ門ダイビルイースト」及び「大手町ファーストスクエア」等の収益寄与等により、営業収益は35,085百万円前連結会計年度に比べ1,610百万円(4.8%)の増収となりました。また、固定資産税及び修繕費の増加等により営業費用は増加し、営業利益は12,544百万円前連結会計年度に比べ899百万円(7.7%)の増益となりました。

 b ビル管理事業

連結営業収益の18.6%を占める当セグメントでは、一部受託契約の解約等の影響により、営業収益は8,228百万円前連結会計年度に比べ283百万円(3.3%)の減収となりました。また、営業利益は182百万円前連結会計年度に比べ86百万円(32.1%)の減益となりました。

 c その他

連結営業収益の2.3%を占める当セグメントでは、工事請負高の増加等により、営業収益は1,026百万円前連結会計年度に比べ330百万円(47.4%)の増収となりました。また、営業利益は271百万円前連結会計年度に比べ38百万円(16.7%)の増益となりました。

 

(注)1 セグメントごとの業績の営業収益については、セグメント間の内部取引を含んでおりません。

2 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、工事請負、工事管理、不動産仲介等を含んでおります。

 

当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は前連結会計年度末に比べ99,248百万円増加し、545,792百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末に比べ82,157百万円増加し、348,721百万円となりました。純資産合計は前連結会計年度末に比べ17,091百万円増加し、197,071百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は13,482百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,900百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は18,421百万円となりました。未払又は未収消費税等の増減額等の増加等により、得られた資金は前連結会計年度に比べ2,478百万円増加いたしました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は90,692百万円となりました。これは主に、     「虎ノ門ダイビルイースト」及び「大手町ファーストスクエア」取得に伴う信託受益権の取得による支出等であり、使用した資金は前連結会計年度に比べ31,485百万円増加いたしました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により得られた資金は77,538百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入等であり、得られた資金は前連結会計年度に比べ37,200百万円増加いたしました。

 

③営業収益の状況

a セグメントごとの営業収益

当連結会計年度における営業収益をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

区分

金額(百万円)

前期比(%)

土地建物賃貸事業

35,198

4.8

ビル管理事業

10,619

△1.8

その他

1,026

47.4

小計

46,844

3.9

消去又は全社

2,504

合計

44,340

3.9

 

 

b 土地建物賃貸事業による営業収益

営業用の建物及び土地の利用状況は、次のとおりであります。

(a)建物

 

区分

面積又は金額(百万円)

前期比(%)

所有総面積

749,478

4.5

内訳

 

 

 

 共用面積

199,690

10.1

 自用面積

16,328

3.6

 貸付可能面積

533,460

2.6

  内貸付面積

 

 

 

   貸室面積

479,114

4.9

   駐車場面積

47,612

0.1

小計

526,726

4.4

転貸面積

21,710

115.9

貸付面積合計

548,436

6.6

貸室収益(総額)

34,674

4.8

消去又は全社

(112)

34,561

4.9

 

(注) 貸室収益(総額)は、当連結会計年度中に発生した室料のほか、貸室附帯収益として借室者の負担に属する電気料、冷暖房料、清掃料等を含んでおります。

 

 

(b)土地

 

区分

面積又は金額(百万円)

前期比(%)

所有総面積

96,899

3.4

内訳

 

 

 

 貸付面積

210

 営業用建物敷地

96,689

3.4

土地使用権

8,151

18.6

面積合計

105,050

4.5

貸地収益(総額)

10

△31.9

消去又は全社

10

△31.9

 

 

(c)貸駐車場収益

 

区分

金額(百万円)

前期比(%)

駐車場賃貸収益

513

2.6

消去又は全社

513

2.6

 

 

 

c ビル管理事業による営業収益

 

区分

金額(百万円)

前期比(%)

ビル管理

8,384

△2.1

マンション管理

2,021

△2.2

その他

213

20.2

小計

10,619

△1.8

消去又は全社

2,391

8,228

△3.3

 

 

d その他による営業収益

 

区分

金額(百万円)

前期比(%)

工事請負高

786

66.6

工事管理料

137

8.5

不動産仲介収入

その他

102

5.1

小計

1,026

47.4

消去又は全社

1,026

47.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 経営成績等

(a)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ99,248百万円増加し、545,792百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ12百万円増加し、17,568百万円になりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ99,235百万円増加し、528,224百万円になりました。これは主に、「虎ノ門ダイビルイースト」及び「大手町ファーストスクエア」の取得並びに「御堂筋ダイビル」の竣工に伴う有形固定資産の増加等によるものであります。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ82,157百万円増加し、348,721百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ137百万円減少し、30,503百万円になりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて82,294百万円増加し、318,217百万円になりました。これは主として、長期借入金及び関係会社長期借入金の増加等によるものであります。なお、有利子負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ77,630百万円増加し276,712百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ17,091百万円増加197,071百万円となりました。これは主として、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金が増加したこと等によるものであります。

 

(b)経営成績

 (営業収益)

当連結会計年度の営業収益は44,340百万円前連結会計年度に比べ1,657百万円(3.9%)の増収となりました。

営業収益の79.1%を占める土地建物賃貸事業セグメントは、35,085百万円1,610百万円(4.8%)の増収となりました。2024年3月末の当社東阪平均空室率は、大阪2.0%、東京0.3%、大阪・東京合計1.3%であります。営業収益の18.6%を占めるビル管理事業セグメントは、一部受託契約の解約等の影響により、8,228百万円前連結会計年度に比べ283百万円(3.3%)の減収となりました。営業収益の2.3%を占めるその他セグメントは、工事請負高の増加等により、1,026百万円前連結会計年度に比べ330百万円(47.4%)の増収となりました。

 (営業原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の営業原価は、土地建物賃貸事業セグメントにおいて固定資産税及び修繕費が増加したこと等により28,408百万円前連結会計年度に比べ700百万円(2.5%)増加しました。また、営業収益に対する営業原価の比率は64.1%と前連結会計年度に比べ0.8%減少しました。

当社グループの販売費及び一般管理費は、大部分が一般管理費に属する費用でありますが、当連結会計年度は5,431百万円前連結会計年度に比べ364百万円(7.2%)増加しました。また、営業収益に対する販売費及び一般管理費の比率は12.2%と前連結会計年度に比べ0.4%増加しました。

 (営業利益)

当連結会計年度の営業利益は10,500百万円前連結会計年度に比べ591百万円(6.0%)の増益となりました。また、営業収益に対する営業利益の比率は23.7%と前連結会計年度に比べ0.5%増加しました。

なお、土地建物賃貸事業セグメントの営業利益は、12,544百万円899百万円(7.7%)の増益となりました。ビル管理事業セグメントの営業利益は182百万円前連結会計年度に比べ86百万円(32.1%)の減益、その他セグメントの営業利益は271百万円前連結会計年度に比べ38百万円(16.7%)の増益となりました。

 (営業外損益)

営業外損益は、前連結会計年度の454百万円の収入(純額)から、当連結会計年度は257百万円の収入(純額)となり、197百万円減少しました。このうち、金融収支は、前連結会計年度の28百万円の費用(純額)に対し、204百万円の費用(純額)と176百万円費用が増加しました。また、金融収支以外の営業外損益は、前連結会計年度の483百万円の収入(純額)に対し、462百万円の収入(純額)と21百万円減少しました。

 (経常利益)

当連結会計年度の経常利益は10,757百万円前連結会計年度に比べ394百万円(3.8%)の増益となりました。また、営業収益に対する経常利益の比率は24.3%と前連結会計年度に比べ増減ありませんでした。

 (税金等調整前当期純利益)

前連結会計年度は、特別利益として固定資産売却益2,571百万円、特別損失として建替関連損失及び固定資産除却損等を1,509百万円計上しましたが、当連結会計年度においては、特別利益として投資有価証券売却益494百万円、特別損失として固定資産交換差損490百万円、建替関連損失326百万円及び固定資産除却損46百万円を計上いたしました。この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、10,388百万円1,036百万円(9.1%)の減益となりました。

 (法人税等)

当連結会計年度の法人税等調整額を含めた税効果計算後の法人税等合計は、2,805百万円前連結会計年度に比べ296百万円(11.8%)増加しました。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は7,577百万円前連結会計年度に比べ1,269百万円(14.3%)の減益となりました。

 

(c)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

b 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行や水際対策の撤廃等により、緩やかに景気持ち直しの動きが見られましたが、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や、世界的な物価上昇・金融引締めなどにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

オフィスビル業界におきましては、働き方改革が進みテレワークが定着した一方、従業員のコミュニケーションの重要性が再認識され、コミュニケーションスペースの拡充や人材確保、BCPを狙いとした好立地、ハイグレードビルへの移転等、前向きなオフィス回帰の動きも広がり、空室率は昨年度に比べ低下傾向となりました。不動産売買マーケットにおきましては、欧米を中心とした海外における不動産市況悪化等の影響を受け、従来の有力な買い手である海外投資家の投資需要は一時に比べ落ち着きを見せているものの、優良物件についての投資需要は依然旺盛で、取得競争の厳しさは継続しております。

こうした状況の下、当社グループは、お客様の安心・安全を第一に、ビル管理品質向上活動を継続しながら、環境問題にも積極的に取組み、国内・海外の保有ビルにC02フリー電力の導入を進める等、競合ビルとの差別化を図ってまいりました。顧客目線に立ったテナントサービスを提供し続けることで、高水準の稼働率を保ちつつ、賃料水準の適正化を図り、営業収益の維持拡大に努めました。これに新規取得ビルの収益寄与が加わったこと等により、営業収益約443億円、営業利益約105億円、税金等調整前当期純利益約103億円、親会社株主に帰属する当期純利益約75億円、総資産営業利益率は2.1%、自己資本利益率は4.1%、D/Eレシオは1.4倍となりました。

当社グループでは、昨年5月に2023年から2035年度までを対象期間とする新中長期経営計画「ダイビルグループ中長期経営計画2035 BUILD NEXT.」を策定いたしました。同計画では、「国内事業戦略」、「海外事業戦略」、「新規事業戦略」の3つの事業戦略、「商船三井グループとのシナジー」、「環境・サステナビリティ」、「DX」といった戦略促進のための触媒、「テナントリレーション」、「安心・安全の追求」、「財務戦略」、「組織・制度・ガバナンス」、「人材開発・育成」の5つの事業基盤の充実を計画の中心に据え、今後これらの施策を推し進めてまいる所存です。

本計画の下、初年度にあたる本年度においては、「国内事業戦略」における「新規物件取得」として、「虎ノ門ダイビルイースト(旧名称:虎の門三井ビルディング)」(地上17階、地下2階、延床面積23,606㎡)を対象とした信託受益権を新規取得するとともに、「楽天クリムゾンハウス青山」(地上17階、地下2階、延床面積20,959㎡)の信託受益権の一部を「新ダイビル」、「土佐堀ダイビル」の一部と交換することで取得いたしました。

また、「国内事業戦略」における「再開発・街創り」については、札幌市で開発を進めている「札幌ダイビル再開発プロジェクト」(竣工2027年1月末予定、地上19階、地下2階、延床面積約42,000㎡)の計画概要を発表いたしました。加えて、札幌駅南口で進められている「北4西3地区第一種市街地再開発事業」(地上32階、地下7階、延床面積約203,290㎡)において参加組合員に選定され、本事業に参画することを決めました。

「国内事業戦略」における「建替」については、「御堂筋ダイビル」(地上20階、地下1階、延床面積  20,276㎡)が2024年1月に竣工し、満室稼働でスタートを切りました。

「海外事業戦略」に掲げる「既投資国への投資拡大」では、ベトナム・ハノイ市の業務中心地区であるホアンキエム区に所在する「63 Ly Thai To」のメジャーシェアを取得いたしました。

また、同戦略「海外新規投資」では、豪州大手不動産開発会社Mirvac Limited(マーバック社)が運営するオフィスビルファンド「Mirvac Wholesale Office Fund」に出資いたしました。

「新規事業戦略」における「新規ビジネス」では、コーポレートベンチャーキャピタル事業を開始し、商船三井のCVC「株式会社MOL PLUS」と協働運営する「MOL PLUSダイビルデスク」を開設しております。MOL PLUSと連携し、第一号投資案件の実現に向けて具体的に検討を進めております。「御堂筋ダイビル」においては、当社初のシェアオフィス「ouno(オウノ)御堂筋」の開業準備を進めてまいりました。

その他、経営計画において掲げた戦略促進の触媒のひとつ「環境・サステナビリティ」については、「新ダイビル 堂島の杜」が環境省の「自然共生サイト」に認定された他、生態系への貢献を評価する「JHEP 認証」でも西日本初となる最高ランク「AAA」評価を取得いたしました。また、資金調達面からもサステナビリティを推進するべくグリーンファイナンス・ フレームワークを策定し、グリーンボンドを発行いたしました。

今後のわが国経済は、米国大統領選や中東地域の紛争激化等世界的な政治動向のほか、為替や金利、物価の変動など、多くの不確定要素はあるものの、雇用・所得環境に改善の兆しが見られるなど、緩やかな回復が期待されます。

オフィスビル業界においては、働き方改革や人材確保などに向けた新たなオフィスニーズへの柔軟な対応や他社との差別化が課題となっております。また、脱炭素等環境への一層の取り組みが世界的に求められる中、当社グループは、より環境に配慮したオフィスビルの提供に注力し、社会課題の解決に貢献してまいります。

当社グループといたしましては、経営環境の変化を見極めつつ、経営計画の事業戦略を推し進め、業容の拡大に努めてまいります。これまでは、長期保有によるインカムゲインを主として投資を行ってまいりましたが、これに加えて比較的短期間のうちに利益を確保するキャピタルゲインを狙う投資も増やしてまいります。海外事業においては、出資を決定した豪州・メルボルンの開発案件を推進させるとともに、成長著しいインドをはじめとした新規投資先の調査・検討を進めてまいります。また、現在進行中の既存ビルの建替え・再開発については、「八重洲ダイビル」(竣工2025年6月予定、地上11階、地下3階、延床面積約22,700㎡)の新築工事とテナント・リーシングの遂行に加え、「札幌ダイビル再開発プロジェクト」についても、竣工に向けた準備を着実に進めてまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年
3月期

2021年
3月期

2022年
3月期

2023年
3月期

2024年
3月期

自己資本比率(%)

40.7

42.0

42.3

39.8

35.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

11.6

12.2

13.1

12.5

15.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

11.5

11.4

11.1

15.7

13.5

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(補足)

1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

b 財務政策

当社グループの資金需要の主なものは、新規ビルの取得、開発費及び既存ビルの改修工事代等の設備資金であります。これらの資金は、自己資金、借入金及び社債により調達することとしております。このうち、借入による資金については、2024年3月31日現在長期の借入金等(1年以内返済含む)の残高は276,712百万円で、金融機関からの借入金81,612百万円、関係会社からの借入金118,100百万円及び社債77,000百万円で構成されており、この大半は固定金利であります。また、当社の事業は資金回収に長期間を要するため、返済・償還期限を比較的長めに設定しております。

上記以外の運転資金は、コマーシャル・ペーパー、金融機関からの短期借入金及び商船三井グループのキャッシュマネジメントシステムで調達しておりますが、コマーシャル・ペーパーについては、35,000百万円の発行枠を設定し、その範囲内で運用しております。

当社グループは、健全な財政状態を維持しながらキャッシュ・フローの拡大を目指すため、有利子負債営業キャッシュ・フロー倍率及びデット・エクイティ・レシオの中長期的見通しを重視して資金調達を考えております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。