E03861 Japan GAAP
前期
418.6億 円
前期比
102.0%
株価
2,198 (04/15)
発行済株式数
115,051,000
EPS(実績)
76.89 円
PER(実績)
28.59 倍
前期
954.6万 円
前期比
100.2%
平均年齢(勤続年数)
38.6歳(10.8年)
従業員数
107人(連結:2,163人)
当社グループ(当社及び関係会社)が営んでいる主な事業内容と、各関係会社等の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。(2023年3月31日現在)
以上に述べた事項を事業系統図に示すと次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績につきましては、営業収益は42,683百万円と前連結会計年度に比べ823百万円(2.0%)の増収、営業利益は9,908百万円と前連結会計年度に比べ1,135百万円(10.3%)の減益となりました。
営業外損益では受取報奨金の増加及び支払利息の減少がありましたが、営業利益の減益を受け、経常利益は10,363百万円と前連結会計年度に比べ376百万円(3.5%)の減益となりました。
特別損益につきましては、当連結会計年度は特別利益として固定資産売却益2,571百万円、特別損失として建替関連損失及び固定資産除却損等を1,509百万円計上いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8,846百万円と前連結会計年度に比べ1,995百万円(29.1%)の増益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
連結営業収益の78.4%を占める当セグメントでは、既存ビルの稼働状況の向上等により、営業収益は33,475百万円と前連結会計年度に比べ436百万円(1.3%)の増収となりました。また、減価償却費及び光熱費の増加等により営業費用は増加し、営業利益は11,644百万円と前連結会計年度に比べ709百万円(5.7%)の減益となりました。
連結営業収益の20.0%を占める当セグメントでは、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴う営業活動の回復により、営業収益は8,512百万円と前連結会計年度に比べ349百万円(4.3%)の増収となりました。また、営業利益は269百万円と前連結会計年度に比べ275百万円(50.6%)の減益となりました。
連結営業収益の1.6%を占める当セグメントでは、工事請負高の増加等により、営業収益は696百万円と前連結会計年度に比べ37百万円(5.7%)の増収となりました。また、営業利益は232百万円と前連結会計年度に比べ16百万円(7.4%)の増益となりました。
(注)1 セグメントごとの業績の営業収益については、セグメント間の内部取引を含んでおりません。
2 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、工事請負、工事管理、不動産仲介等を含んでおります。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は前連結会計年度末に比べ57,898百万円増加し、446,544百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末に比べ44,288百万円増加し、266,563百万円となりました。純資産合計は前連結会計年度末に比べ13,610百万円増加し、179,980百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は7,581百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,922百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は15,943百万円となりました。税金等調整前当期純利益の増加等により、得られた資金は前連結会計年度に比べ3,828百万円増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は59,206百万円となりました。これは主に、「大手町ファーストスクエア」及び「大手門タワー・ENEOSビル」の取得に伴う有形固定資産信託受益権の取得による支出等であり、使用した資金は前連結会計年度に比べ49,816百万円増加いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により得られた資金は40,337百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入等によるものであります。なお、前連結会計年度は長期借入金の返済による支出等により、使用した資金は10,245百万円でした。
a セグメントごとの営業収益
当連結会計年度における営業収益をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
b 土地建物賃貸事業による営業収益
営業用の建物及び土地の利用状況は、次のとおりであります。
(注) 貸室収益(総額)は、当連結会計年度中に発生した室料のほか、貸室附帯収益として借室者の負担に属する電気料、冷暖房料、清掃料等を含んでおります。
c ビル管理事業による営業収益
d その他による営業収益
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績等
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ57,898百万円増加し、446,544百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,378百万円増加し、17,555百万円になりました。これは主として、流動資産その他の増加等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ54,520百万円増加し、428,988百万円になりました。これは主に、「大手町ファーストスクエア」及び「大手門タワー・ENEOSビル」の取得に伴う有形固定資産の増加等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ44,288百万円増加し、266,563百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ5,132百万円減少し、30,640百万円になりました。これは主として、コマーシャル・ペーパーの減少等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて49,420百万円増加し、235,923百万円になりました。これは主として、社債が減少しましたが、長期借入金及び関係会社長期借入金の増加等により、差引で増加したこと等によるものであります。なお、有利子負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ40,391百万円増加し199,081百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ13,610百万円増加し179,980百万円となりました。これは主として、利益剰余金及び為替換算調整勘定が増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度の営業収益は42,683百万円と前連結会計年度に比べ823百万円(2.0%)の増収となりました。
営業収益の78.4%を占める土地建物賃貸事業セグメントは、33,475百万円と436百万円(1.3%)の増収となりました。2023年3月末の当社東阪平均空室率は、大阪5.2%、東京0.4%、大阪・東京合計3.4%であります。営業収益の20.0%を占めるビル管理事業セグメントは、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴う営業活動の回復により、8,512百万円と前連結会計年度に比べ349百万円(4.3%)の増収となりました。営業収益の1.6%を占めるその他セグメントは、工事請負高の増加等により、696百万円と前連結会計年度に比べ37百万円(5.7%)の増収となりました。
当連結会計年度の営業原価は、土地建物賃貸事業セグメントにおいて減価償却費及び光熱費が増加したこと等により27,707百万円と前連結会計年度に比べ1,486百万円(5.7%)増加しました。また、営業収益に対する営業原価の比率は64.9%と前連結会計年度に比べ2.3%増加しました。
当社グループの販売費及び一般管理費は、大部分が一般管理費に属する費用でありますが、当連結会計年度は5,066百万円と前連結会計年度に比べ473百万円(10.3%)増加しました。また、営業収益に対する販売費及び一般管理費の比率は11.9%と前連結会計年度に比べ0.9%増加しました。
当連結会計年度の営業利益は9,908百万円と前連結会計年度に比べ1,135百万円(10.3%)の減益となりました。また、営業収益に対する営業利益の比率は23.2%と前連結会計年度に比べ3.2%減少しました。
なお、土地建物賃貸事業セグメントの営業利益は、11,644百万円と709百万円(5.7%)の減益となりました。ビル管理事業セグメントの営業利益は269百万円と前連結会計年度に比べ275百万円(50.6%)の減益、その他セグメントの営業利益は232百万円と前連結会計年度に比べ16百万円(7.4%)の増益となりました。
営業外損益は、前連結会計年度の303百万円の費用(純額)から、当連結会計年度は454百万円の収入(純額)となり、収入(純額)が704百万円増加しました。このうち、金融収支は、前連結会計年度の337百万円の費用(純額)に対し、28百万円の費用(純額)と309百万円減少しました。また、金融収支以外の営業外損益は、前連結会計年度の34百万円の収入(純額)に対し、483百万円の収入(純額)となりました。
当連結会計年度の経常利益は10,363百万円と前連結会計年度に比べ376百万円(3.5%)の減益となりました。また、営業収益に対する経常利益の比率は24.3%と前連結会計年度に比べ1.4%減少しました。
前連結会計年度は、特別利益として投資有価証券売却益782百万円、特別損失として建替関連損失1,460百万円、固定資産除却損34百万円を計上しましたが、当連結会計年度においては、特別利益として固定資産売却益2,571百万円、特別損失として建替関連損失及び固定資産除却損等を1,509百万円計上いたしました。この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、11,425百万円と1,397百万円(13.9%)の増益となりました。
当連結会計年度の法人税等調整額を含めた税効果計算後の法人税等合計は、2,508百万円と前連結会計年度に比べ564百万円(18.4%)減少しました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は8,846百万円と前連結会計年度に比べ1,995百万円(29.1%)の増益となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対応と経済社会活動の両立が進み、緩やかに景気持ち直しの動きが見られましたが、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や、世界的な物価上昇・金融引締めなどにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
オフィスビル業界におきましては、働き方改革が進みテレワークが定着した結果、在宅勤務やシェアオフィス活用に伴うオフィスの賃貸面積を見直す動きが見られる一方、従業員のコミュニケーションの重要性が再認識され、コミュニケーションスペースの拡充に伴う拡張や好立地ビルへの移転等、前向きなオフィス回帰の動きも見られるなど、空室率は期初からほぼ横ばいで推移しました。不動産売買マーケットにおきましては、長期金利上昇等の影響を受け、一時に比べ落ち着きを見せているものの、優良物件についての投資需要は依然旺盛で、熾烈を極める取得競争に衰えは見られません。
こうした状況の下、当社グループは、お客様の安心・安全を第一とし、環境問題への積極的な取り組みで、競合ビルとの差別化を図ってまいりました。顧客目線に立ったテナントサービスを基盤に、高水準の稼働率と適正な賃料水準を追求し、営業収益の維持拡大に努めました。新型コロナウイルス感染症拡大による当社グループ主力のオフィスビルへの影響は限定的でしたが、建替ビルの減収等により、営業収益約426億円、営業利益約99億円、親会社株主に帰属する当期純利益約88億円、総資産営業利益率は2.4%、自己資本利益率は5.2%、D/Eレシオは1.1倍となりました。
当社グループでは、2018年4月に、本年度までの5ヵ年の中期経営計画「"Design 100"プロジェクト Phase-Ⅱ」を策定し、重点施策として、「都心大型オフィスビルの取得」、「投資対象の拡充」、「海外事業の推進」、「既存アセットの競争力維持・強化」及び「ビル管理事業の強化・拡大(ノンアセット型事業)」を掲げております。
本計画の下、最終年度にあたる本年度においては、「都心大型オフィスビルの取得」・「投資対象の拡充」について、「大手町ファーストスクエア」(地上23階、地下5階、延床面積141,228㎡)及び「大手門タワー・ENEOSビル」(地上22階、地下5階、延床面積103,462㎡)の一部持分を対象とした信託受益権の取得を決定し、前者については対象床の段階的取得を開始、後者については年度内に取得を完了いたしました。「内幸町ダイビル」においても、共同事業者から持分を取得し、同ビルを当社の単独所有といたしました。
「海外事業の推進」では、初進出先となる米国において、アトランタ近郊でのESG配慮型オフィスへの参画を決定、豪州においても、メルボルンでのオフィスビル開発プロジェクト(地上21階、地下1階、貸床面積 約46,000㎡予定)への参画が決まっております。
「既存アセットの競争力維持・強化」では、2021年末に閉館した「八重洲ダイビル」の地上解体工事が完了し、3月より新ビルの建築工事に着手いたしました。また、「御堂筋ダイビル」(地上20階、地下1階、延床面積 約20,300㎡)は、2024年初旬の竣工に向け、建設工事が順調に進捗しております。
その他、中期経営計画において掲げた「ESGへの取り組み強化、安全・健康・省エネの推進に向けた技術投資拡大」の一環として、日本国内だけでなく、ベトナム所在のオフィスビルにおいても、使用電力の全てをCO2フリー化することを決定いたしました。
今後のわが国経済は、世界的な政治・経済の動向や為替・金利の環境変化など、多くの不確定要素はあるものの、ウィズコロナに基づく経済活動の再開や、政府機関による景気対策の効果も相まって、経済活動が正常化することが期待されます。
オフィスビル業界においては、コロナ禍の長期化に伴い、テレワークやフレックスタイムなどの新しい働き方が浸透してきており、こうした新しいニーズへの柔軟な対応が課題となっております。また、脱炭素等環境への一層の取り組みが世界的に求められる中、当社グループは、より環境に配慮したオフィスビルの提供に注力し、社会課題の解決に貢献してまいります。
現在進行中の既存ビルの建替えについては、「御堂筋ダイビル」及び「八重洲ダイビル」の新築工事の着実な遂行に加え、「ダイビルPIVOT(ピヴォ)」等計3物件についても、2023年11月に全館閉館し、将来の再開発に向けた準備を着実に進めてまいります。
また、海外事業においては、ベトナム・米国・豪州において、出資を決定した開発案件の詳細検討並びに関係各所との折衝を進めるとともに、成長著しいインドをはじめとした新規投資先の調査・検討を進めてまいります。なお、当社グループではこの度、2023年から2035年度までを対象期間とする新中長期経営計画「ダイビルグループ中長期経営計画2035」を策定いたしました。同計画では、「国内事業戦略」、「海外事業戦略」、「新規事業戦略」といった3つの事業戦略、「商船三井グループとのシナジー」、「環境・サステナビリティ」、「DX」といった戦略推進のための触媒、「テナントリレーション」、「安心・安全の追及」、「財務戦略」、「組織・制度・ガバナンス」、「人材開発・育成」といった5つの事業基盤を計画の中心に据え、今後これらの施策を推し進めてまいる所存であります。
a キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(補足)
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの資金需要の主なものは、新規ビルの取得、開発費及び既存ビルの改修工事代等の設備資金であります。これらの資金は、自己資金または借入により調達することとしております。このうち、借入による資金については、2023年3月31日現在長期の借入金等(1年以内返済含む)の残高は199,081百万円で、金融機関からの借入金65,581百万円、関係会社からの借入金53,500百万円及び社債80,000百万円で構成されており、この大半は固定金利であります。また、当社の事業は資金回収に長期間を要するため、返済・償還期限を比較的長めに設定しております。
上記以外の運転資金は、コマーシャル・ペーパー、金融機関からの短期借入金及び商船三井グループのキャッシュマネジメントシステムで調達しておりますが、コマーシャル・ペーパーについては、35,000百万円の発行枠を設定し、その範囲内で運用しております。
当社グループは、健全な財政状態を維持しながらキャッシュ・フローの拡大を目指すため、有利子負債営業キャッシュ・フロー倍率及びデット・エクイティ・レシオの中長期的見通しを重視して資金調達を考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。