売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E33622 Japan GAAP

売上高

1,213.4億 円

前期

1,012.7億 円

前期比

119.8%

時価総額

1,424.4億 円

株価

1,811 (04/19)

発行済株式数

78,650,640

EPS(実績)

77.44 円

PER(実績)

23.38 倍

平均給与

506.7万 円

前期

491.8万 円

前期比

103.0%

平均年齢(勤続年数)

34.6歳(6.6年)

従業員数

707人(連結:920人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社(株式会社カチタス)及び連結子会社1社(株式会社リプライス(以下、「リプライス」という。))の計2社で構成されております。

 当社グループは、「未来への扉を。『家に価値タス』ことを通じて、地域とお客様に。」という経営理念のもと、「安心・清潔・実用的」な中古住宅を提供すべく、地域に根差した全国140(2023年3月31日時点)の店舗において中古住宅を自ら調査して仕入れ、リフォームし、さらに販売までを一気通貫で行っております。当社グループでの累計販売件数7万件以上の販売実績によって蓄積した中古住宅再生のノウハウを基に、2023年3月期では6,927件の物件を販売しております。このスケールメリットを活かしたリフォームを施すことにより、付加価値の高い中古再生住宅をお客様のお求めやすい価格で販売しております。

 これにより、「新築」でも「現況の中古」でも「賃貸」でもない、「リフォーム済みの中古再生住宅」という「住まい選びの第4の選択肢」を社会に提供・提唱しております。

 以上のように当社グループは中古の戸建住宅を中心に仕入れ、リフォームを行った上で販売する「中古住宅再生事業」を単一の報告セグメントとしており、その他の事業については量的重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

(1) 仕入れ

 当社グループの物件の仕入方法には、「買取仕入」による方法及び「競売仕入」による方法があります。当社グループでは仕入の安定化と在庫回転率の向上を図るために特に買取仕入に注力しております。「買取仕入」及び「競売仕入」の詳細については以下の通りです。

① 買取仕入

 買取仕入は、主に相続や住み替え等の売却事由に起因して売却ニーズが発生した売主個人が所有する物件を、売主本人から当社グループへの問合せ又は不動産仲介会社から当社グループへの紹介を通じて買い取る仕入れを言います。買取仕入では、事前に物件の内覧を行い、物件を適切に評価した上で仕入価格が決定できる利点と、競売仕入の様に法定の手続きや公告期間をはじめとする法定の期間がないことから、早期に商品化することができるという利点があります。

 当社は、買取内覧時に自社だけでなく、リフォーム協力会社及び白蟻調査会社の三者による立会検査を実施しております。これは、仕入後にリフォームを行う過程で想定外の追加工事が発生する事態を未然に防ぎ、さらにリフォーム業者が第三者的な立場から建物の劣化に対する評価を行うことで売主と当社間での査定価格の公平性を保つことを目的としております。2014年1月からこの三者による立会検査を開始した結果、導入前に比して仕入物件の品質が改善され、在庫回転率及び収益性が向上しております。

 リプライスは、競合他社に比して査定金額を早期に提示することが仕入れにおける競争力になっています。具体的には物件に関する情報を分析する専門部署(分析部)が物件情報を元に迅速に簡易査定を行い、それによって他社より早く内覧の約束を取り付けることで、買取仕入の機会を増やしております。

 当社グループの2023年3月期における中古住宅の仕入件数7,311件のうち7,166件(仕入件数に対する割合98.0%)が買取仕入となっております。当社グループでは、安定した中古住宅の仕入れと、リフォーム費用の平準化、安定化のためにも買取仕入の増加を仕入れにおける主たる方針としております。

 

② 競売仕入

 競売仕入は、各地方裁判所より、競売物件として公告された物件に入札し、落札することによる仕入れを言います。競売物件は、前所有者が金融機関からの住宅ローンの返済遅滞等に起因して、債権者が債権回収のために裁判所に申立てを行い、受理されることで公告されます。各地方裁判所により若干の期間の相違はあるものの、民事執行法に基づいて、「競売情報の公告」、「入札」、「開札」、「代金納付」、「所有権移転登記」の順番に行われ、入札は入札書を郵送する方法で行っております。

 競売仕入は買取仕入と比較し、売主への認知向上のための宣伝広告や、仲介訪問による物件情報の取得を行わずとも裁判所の公告によって売りに出される物件情報が入手できます。そのため近年では業者、個人を問わず競売入札に参加するケースが増えております。

 当社グループでは、築古物件を内覧しない状態で仕入れると、当初想定していない瑕疵が発見されるリスクが高いことや競落価格が上昇傾向であることから買取仕入にシフトしております。

 

 当社グループの仕入物件数の推移は以下のとおりであります。

仕入方法

2022年3月期

2023年3月期

件数(件)

比率(%)

件数(件)

比率(%)

買取仕入

6,711

97.9

7,166

98.0

競売仕入

144

2.1

145

2.0

仕入合計

6,855

100.0

7,311

100.0

(注)上記のグループ合計の件数は、当社及びリプライスの数値を合算しております。

 

(2) 商品化

 当社グループでは、仕入れた中古住宅を、清潔で快適なリフォーム済み中古再生住宅とするために、キッチン・トイレ・洗面台・ユニットバス等の水回り交換や、壁紙や床の張替え、間取り変更、外壁塗装、駐車場拡張等の外構工事までを企画・施工しています。仕入れた中古住宅は、前所有者の退去後に改めて営業担当者が物件の調査を行い、個々の物件の特徴を把握した上で一件毎にリフォーム商品企画を立ててリフォーム協力会社に工事を発注しています。リフォーム完了時には当社グループの営業担当者が工事内容を確認し、社内で定めた基準に基づく品質チェックを行った上で商品化完了としております。

 当社グループでは、リフォーム工事に係る担当部署を設け、当社グループで使用する設備・資材の選定、リフォーム業者の調査及び選定、リフォーム内容への相談、過去のクレーム事案を題材とした研修会の実施等を行っております。リフォーム工事担当部署を設置し、工事管理の体制を整備することで、当社グループの中古再生住宅の付加価値向上及び安定的な品質確保に努めています。商品化のコスト削減が当社グループの売上総利益率の改善に寄与することから、リフォームにおける資材コスト及び施工コストの削減にも取り組んでおります。資材コストに関しては、使用する資材を定期的に見直し、当社グループ全体での資材共通化で実現する大量発注によって、市場価格よりも安い価格で調達することを実現しています。施工コスト削減に関しては、リフォーム協力会社へ安定的かつ継続的に発注を行うことにより、お客様が個別に住宅リフォームを発注するよりも安価な価格でリフォーム工事を発注しています。

 当社グループのリフォーム協力会社の選定では、リフォーム工事の外注価格のみならず、リフォーム工事の品質及び施工のスピード等を総合的に判断しております。

 当社は、設立以来累計販売件数7万件以上(単体)の中古住宅の再生販売を行ってきたリフォームのノウハウを明文化することで、工事会社や担当者に因らずリフォーム工事の品質を確保し、過去にクレームになってしまった事例等の再発防止に努めています。さらに、当社とリフォーム協力会社との勉強会を兼ねた会議も全国で定期的に開催し、質の高い施工を実施したリフォーム協力会社への表彰を制度化し、工事事例を掲載した会報誌を配付する等の取り組みによって、当社のビジョンを共有し、リフォーム協力会社のスキル向上とともに関係性の強化に注力しております。

 リプライスでは、比較的築浅物件を取り扱うため、水回り交換や壁紙交換というクリーニングリフォームを中心に施工しています。そのためリフォーム内容をパターン化して、企画~発注~施工の期間を短縮化することで早期商品化を図り、在庫回転率の向上を図っております。

 

(3) 販売

 当社グループの中古再生住宅の販売は「自社販売」と「仲介販売」により行っており、その販売方法は、以下のとおりであります。

① 自社販売

 自社販売は、当社又はリプライスの自社ホームページ及び不動産ポータルサイトによるWEB販売活動やオープンハウスの実施等により買主へ直接アプローチする販売活動を言います。

 当社グループのうち、当社は、築年数の古い中古再生住宅を安心してお客様にご購入いただくために、自社ホームページや広告を掲載している不動産ポータルサイトにて物件のリフォーム進捗を週1回のペースで更新するよう努めており、お客様に常に最新の情報を提供するよう心掛けております。WEBサイトで提供する情報量を増やし、リフォーム内容を含めた物件詳細情報の充実化を図ることで当社の中古再生住宅が細部に渡りリフォームされていることをお客様にご納得いただき、購入いただくことが可能となっています。さらに当社はオープンハウス等に来場されたお客様にアンケートを配付し同日に回収しております。アンケートにご回答頂いたお客様が物件購入に至らないとしても、今後購入いただける見込のお客様としてリスト化し管理しております。この様な取り組みによりお客様からの問い合わせを増加させることで、リフォーム中の成約を増加すべく努めております。

 

② 仲介販売

 仲介販売は、各地域の不動産仲介会社が買主に当社グループの物件を紹介して販売することを言います。全国に宅地建物取引業者は、約12万社あります(出典 国土交通省 令和3年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果 - 国土交通省)。全国展開する当社グループは不動産仲介会社に販売協力を依頼することで、潜在顧客に対して幅広く当社の中古再生住宅の販売が可能となっております。

 特にリプライスは、三大都市圏の郊外や地方都市の中心部という不動産仲介会社が多い地域の物件の取り扱いが多いことから不動産仲介会社を介した販売が多くなっております。

 

 当社グループの販売物件数の推移は以下のとおりであります。

販売方法

2022年3月期

2023年3月期

件数(件)

比率(%)

件数(件)

比率(%)

仲介販売

2,850

46.6

3,235

46.7

自社販売

3,270

53.4

3,692

53.3

合計

6,120

100.0

6,927

100.0

(注)1.上記のグループ合計の件数は、当社及びリプライスの数値を合算しております。

2.「自社販売」の中には、法人に対して販売している場合も含まれていますが、反復継続して取引を行うのではなく単発的な取引であり、不動産登記の名義が法人名義であるとの認識のため、個人のお客様に合わせて集計を行っております。

 

 なお、当社とリプライスでは、事業展開するエリア及び取り扱い物件等によりビジネスモデルが異なるため、各社で独立して事業運営を行っております。それぞれの事業内容の特徴は、以下の通りであります。

 

(当社)

 当社の中古住宅再生事業の特徴は、地方都市の築20年~築40年という築年数の古い戸建の住宅を中心に安価に取得した上で、耐久性の確保と見栄えを良くすることを目的に外壁の塗り直し等の外装の修繕を行い、間取り変更や設備類の交換等で居室内を住みやすくし、さらに駐車スペースの拡大や庭木の伐採、門扉の刷新などまで含めて現代的な生活スタイルに合うリフォームを実施することで、そのままでは買い手が付かないような中古住宅を魅力ある住宅に蘇らせて販売することであります。

 また、ターゲットエリアを人口5万人から30万人規模の地方都市としております。当該エリアは人口流動性が低いことに起因して、築年の浅い良質な中古住宅の流通量が少なく、また新築住宅の供給も少ないことから、リフォーム済み中古住宅の顧客ニーズが高いエリアと言えます。一方、競合他社にとっては、築古の中古住宅、特に戸建住宅に潜む特有のリスク(隣地との境界不明瞭や蟻害の発生等)が大きいこと、取引事例が少なく参考情報が少ないこと等からビジネスリスクが大きく、進出が難しい市場であると認識しています。当社はこの他社が進出することが難しい市場で一定の販売価格を維持しながら事業を展開できているものと認識しております。

 このような一般的には事業展開が難しいエリアでも当社が継続的にビジネスを拡大できている理由としては、全国を網羅する126店舗(2023年3月31日時点)による物件仕入ルートの確保、及び地域に密着した現地従業員によるお客様ニーズの把握、1998年から約25年に渡り中古住宅再生事業を営んできたことによる住宅再生ノウハウの蓄積、設立以来累計販売件数7万件以上の実績、テレビCMを中心としたプロモーション活動による認知度の向上等が挙げられ、いち早く中古住宅再生事業に取り組んだ企業としての先行者利益を最大限に享受してきた結果と考えております。

 当社の物件の仕入方法には「買取仕入」及び「競売仕入」がありますが、買取仕入の強化により安定的な仕入ルートが構築されてきたことから、外的要因により価格と物件数に変動が生じやすかった従来の主要仕入ルートである競売仕入から買取仕入にシフトしております。

 なお、当社が全国に展開して高度なノウハウが必要な築古物件のリフォームを行い、清潔で快適な付加価値を付けた中古住宅として販売できているのは、時間をかけて全国各地のリフォーム協力会社と信頼関係を築き、強固なネットワークを構築してきたからでもあります。

 

(リプライス)

 リプライスの中古住宅再生事業の特徴は、当社と異なり、都市郊外等の比較的築年数の浅い中古住宅を取り扱い、設備類を全面交換したり住宅の構造部分までリフォームを行ったりするのではなく、壁紙や床材交換、水回り設備の一部交換等といったパッケージ化された簡易的なリフォームを行い、清潔で快適なリフォーム済み中古再生住宅として販売することにあります。

 リプライスは、1989年以降に建築された築10年~30年の住宅を多く取り扱っているため、比較的築浅ゆえにリフォーム工事の期間を短縮化して在庫回転率を向上させるというビジネスモデルが確立されております。

 また、ターゲットエリアを人口30万人から50万人の三大都市圏の郊外や地方都市の中心部としております。リプライスの取扱物件は築浅中心で、かつ、エリアが当社に比して都市部に寄ったエリアであることから、競合他社は多く存在するものの、物件に関する情報を分析する専門部署(分析部)を設け、当該部署が独自の不動産売買のデータベースを基に中古住宅再生事業において重要な知見である「仕入・販売における適正な価格の算出」を行うことで、競争優位性を確保しております。

 

 当社グループの「中古住宅再生事業」の事業系統図は以下のとおりであります。

 

<事業系統図>

※画像省略しています。

 

23/06/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、インバウンド需要やサービス消費の回復など社会経済活動が正常化に向かいつつあります。しかしながら、原材料や輸入物価の上昇による消費需要減退の懸念により、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループは、中低所得者層を主な顧客層として「新築」「中古」「賃貸」に代わる「第四の選択肢」を提供することを目指し、商品化が難しい築古の戸建物件を取扱い、そのままでは住むことができない状態の物件にリフォームで価値を足して販売しております。

販売面においては、賃貸住宅にお住まいのファミリー層を中心に「低価格で高品質の住宅に住みたい」というニーズは底堅く、お客様からの問い合わせ数(以下、「反響数」)は高い水準が継続しております。販売可能在庫が順調に増加しつつ、お客様からの反響数が堅調に推移した結果、販売件数は前連結会計年度と比較して増加いたしました。また、原材料価格の上昇に伴い販売価格を見直したこと及び都市郊外を中心に販売価格が上昇した結果、前連結会計年度と比較して売上高が増加いたしました。

仕入面においては、新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に停滞していた売却査定依頼は感染症拡大以前を上回る水準で推移しております。また、継続した安定成長に向けて、積極的な仕入を行った結果、販売用不動産及び仕掛販売用不動産は前連結会計年度末から増加しております。

利益面においては、都市郊外を中心に1物件当たりの販売価格は従来に比べて上昇したものの、仕入価格の上昇及び耐震適合工事の実施等のリフォーム工事の高度化による工事費用の増加に伴い、売上総利益率は前連結会計年度比2.2ポイント低下いたしました。また、販売費及び一般管理費は、社員のモチベーション向上を図るため決算特別賞与305百万円の支給を決定したことにより人件費が増加し、売上高の増加に伴い仲介手数料も増加いたしました。その他の費用についても引き続きコスト意識を高く持ち運営を行っております。

なお、2023年4月27日公表の「当社子会社に対する名古屋中税務署からの更正通知書受領及び業績予想の修正に関するお知らせ」(2023年5月9日に一部訂正を公表)及び2023年5月25日公表の「当社が提起していた消費税の更正処分等の取消請求訴訟に係る判決に関するお知らせ」に記載のとおり、当連結会計年度において、消費税等差額として特別損失に4,777百万円計上し、一方で法人税、住民税及び事業税を700百万円、法人税等還付税額を797百万円計上しております。

 

(財政状態)

当連結会計年度の資産合計は、66,304百万円となり、前連結会計年度末の62,644百万円から3,659百万円増加、負債合計は、30,535百万円となり、前連結会計年度末の29,891百万円から644百万円増加、純資産合計は、35,768百万円となり、前連結会計年度末の32,752百万円から3,015百万円増加となりました。

(経営成績)

当連結会計年度の業績については、販売件数は6,927件(前連結会計年度比13.2%増)、売上高は121,341百万円(前連結会計年度比19.8%増)、営業利益は14,060百万円(前連結会計年度比7.1%増)、経常利益は13,833百万円(前連結会計年度比9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,091百万円(前連結会計年度比11.0%減)となりました。また、調整後親会社株主に帰属する当期純利益(P.29(参考情報)をご覧ください。)は9,441百万円(前連結会計年度比10.0%増)となりました。

 なお、当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしており、その他の事業については量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて4,681百万円減少して8,728百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動の結果使用した資金は1,467百万円(前連結会計年度は2,490百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を9,051百万円計上し、仕入債務の増加額571百万円及び棚卸資産の増加額が9,294百万円あった一方、未払消費税等の増加額が442百万円及び法人税等の支払額が4,246百万円あったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は85百万円(前連結会計年度比324.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が69百万円あったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は3,128百万円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。これは主に、配当金の支払額が3,207百万円あったことによります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。

 当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、買取仕入と競売仕入の仕入方法別に記載を行っております。

セグメントの名称

仕入方法

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

仕入件数(件)

仕入高(百万円)

中古住宅再生事業

買取仕入

7,166

61,889

116.3

競売仕入

145

2,064

121.0

小計

7,311

63,953

116.4

その他

合計

7,311

63,953

116.4

(注)1.上記金額には、外注加工費は含まれておりません。

2.前年同期比は、仕入高の金額で比較を行っております。

 

c.受注実績

 当社グループは受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

 当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、地域別の販売実績に分けて記載を行っております。

地域別

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

販売件数(件)

販売高(百万円)

東京圏

938

21,615

132.7

名古屋圏

715

13,661

129.4

大阪圏

415

8,190

129.6

北海道

381

6,008

98.0

東北

944

14,761

121.4

関東

640

9,497

120.4

中部

975

15,582

117.2

関西

105

1,805

106.0

中国

569

8,954

106.9

四国

371

5,754

114.5

九州

874

14,793

114.1

その他

621

112.2

合計

6,927

121,246

119.7

 (注)1.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

2.上記は、総務省で定める地域区分の三大都市圏、都道府県毎に集計を行っており、当社グループの店舗別販売実績とは異なります。

3.前年同期比は、販売高の金額で比較を行っております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、次のとおりであります。

 

(経営成績)

a.売上高、売上原価及び売上総利益

 当連結会計年度の売上高は、121,341百万円となり、前連結会計年度の101,269百万円から20,072百万円の増加(前連結会計年度比19.8%増)となりました。その主な要因は、当社グループが展開するエリアの中でも比較的販売単価の高い三大都市圏において販売件数が増加したこと、また、オプション販売等の施策により販売単価が上昇したことによります。

 当連結会計年度の売上原価は、94,485百万円となり、前連結会計年度の76,621百万円から17,864百万円の増加(前連結会計年度比23.3%増)となりました。その主な要因は、上述の通り三大都市圏における販売件数が増加したものの三大都市圏は仕入単価も高いこと、また耐震性能を向上させるリフォーム工事の実施をはじめとした商品力を向上するためのリフォーム工事を行ったこと及び水回りの支給品の調達価格が上昇したことによります。

 以上の結果により、当連結会計年度の売上総利益は、26,855百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。

 

b.販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、12,795百万円となり、前連結会計年度の11,519百万円から1,275百万円の増加(前連結会計年度比11.1%増)となりました。その主な要因は、給料手当及び賞与が270百万円、賞与引当金繰入額が36百万円、仕入拡大を目的としたWEB広告を中心に行い広告宣伝費が55百万円、並びに販売に伴う仲介手数料が286百万円増加したことによります。

 以上の結果により、当連結会計年度の営業利益は、14,060百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。

 

c.営業外損益、経常利益

 当連結会計年度の営業外収益は、受取手数料5百万円、受取保険金8百万円及び受取割引料7百万円等の計上により、39百万円となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、支払利息190百万円及びシンジケートローン手数料58百万円等の計上により、265百万円となりました。

 以上の結果により、当連結会計年度の経常利益は、13,833百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。

 

d.特別損益、税金等調整前当期純利益

 当連結会計年度の特別利益は、受取保険金52百万円の計上により53百万円となりました。また、特別損失は、リプライスに対する更正処分の受領及び税務当局に対して提起していた更正処分等の取消しを求める訴訟の第1審判決で敗訴したことを受けて消費税等差額4,777百万円を計上したこと等により、4,836百万円となりました。

 以上の結果により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、9,051百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。

 

e.親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、6,091百万円(前連結会計年度比11.0%減)となりました。

 

(財政状態)

a.流動資産

 当連結会計年度末における流動資産は、64,505百万円となり、前連結会計年度末の60,773百万円から3,731百万円の増加となりました。これは主に、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が9,281百万円増加した一方、現金及び預金が4,681百万円減少したことによります。

 

b.固定資産

 当連結会計年度末における固定資産は、1,798百万円となり、前連結会計年度末の1,870百万円から72百万円の減少となりました。これは主に、繰延税金資産が31百万円増加した一方、のれんが198百万円減少したことによります。

c.流動負債

 当連結会計年度末における流動負債は、11,944百万円となり、前連結会計年度末の11,252百万円から692百万円の増加となりました。これは主に、買掛金が571百万円、未払消費税等が442百万円それぞれ増加した一方、未払法人税等が513百万円減少したことによります。

 

d.固定負債

 当連結会計年度末における固定負債は、18,590百万円となり、前連結会計年度末の18,639百万円から48百万円の減少となりました。これは主に、役員退職慰労引当金26百万円減少したことによります。

 

e.純資産

 当連結会計年度末における純資産は、35,768百万円となり、前連結会計年度末の32,752百万円から3,015百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を6,091百万円計上した一方、剰余金の配当3,208百万円を行ったことによります。この結果、自己資本比率は53.8%となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況)

 当連結会計年度の事業計画に対する達成状況は以下のとおりであります。

 売上高は、当社グループが展開するエリアの中でも比較的販売単価の高い三大都市圏において販売件数が増加したことにより、計画比7,965百万円増(達成率107.0%)となり計画を達成いたしました。

 一方、営業利益は、上述の通り原価率の高い三大都市圏における販売件数の増加、品質の高いリフォーム工事の実施や水回りの支給品の価格高騰により売上総利益率は低下したものの、販売件数の増加と高いコスト意識を持ち運営を行った結果、計画比41百万円増(達成率100.3%)となり計画を達成いたしました。

 

指標

2023年3月期

計画

実績

計画比(達成率(%))

売上高

113,376百万円

121,341百万円

7,965百万円(107.0%)

営業利益

14,018百万円

14,060百万円

41百万円(100.3%)

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

 キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループの運転資金につきましては、内部資金または借入により資金調達しております。このうち、借入による資金調達は、限度額8,000百万円のコミットメントラインを含む総額26,500百万円のシンジケートローンを組成して調達しております。

 当連結会計年度末における長期借入金の残高は18,500百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,728百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

(参考情報)

 当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出された調整後親会社株主に帰属する当期純利益及び調整後1株当たり当期純利益を重要な経営指標として位置づけており、各指標の推移は以下のとおりであります。

 

調整後親会社株主に帰属する当期純利益及び調整後1株当たり当期純利益

(単位:百万円)

 

 

2022年3月期

2023年3月期

親会社株主に帰属する当期純利益

6,845

6,091

(調整額)

 

 

 

 消費税等差額(注1,2)

 

2,385

4,733

 アドバイザリー費用(注3)

 

41

 法人税、住民税及び事業税

 

△700

 法人税等還付税額

 

△646

△796

 法人税等調整額

 

72

調整額合計

1,739

3,349

調整後親会社株主に帰属する当期純利益

(③=①+②)(注5,6)

8,584

9,441

 対売上高比率

 

8.5%

7.8%

 調整後1株当たり当期純利益(円)

(注4)

 

111.25

121.91

 

(注)1.税務当局からの税務調査により更正決定された金額等

2.東京地方裁判所の第1審判決に伴い、当社グループの計算方法と国税当局の主張する計算方法との差額を事後的に計算し特別損失として計上した金額

3.更正処分等に係る弁護士、税理士等の専門家に支払った金額

4.調整後1株当たり当期純利益=調整後親会社株主に帰属する当期純利益÷期中平均株式数

5.調整後親会社株主に帰属する当期純利益は、当社グループが投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しております。

6.調整後親会社株主に帰属する当期純利益は、当期純利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。