売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E04187 Japan GAAP

売上高

1.76兆 円

前期

1.80兆 円

前期比

97.7%

時価総額

6,680.0億 円

株価

1,853 (07/12)

発行済株式数

360,496,492

EPS(実績)

104.37 円

PER(実績)

17.75 倍

平均給与

1,191.8万 円

前期

1,142.1万 円

前期比

104.4%

平均年齢(勤続年数)

51.3歳(24.1年)

従業員数

19人(連結:177,430人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 ヤマトグループは、ヤマトホールディングス株式会社(当社)および、子会社42社、関連会社34社により構成されており、顧客セグメント単位に基づく「リテール部門」と「法人部門」の2セグメントにおいて事業を営んでおります。

 事業内容と各関係会社等の当該事業における位置づけおよび報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。

 また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しております。これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

セグメントの名称

事業内容

主要な会社

リテール部門

宅急便をはじめとする小口輸送サービスを国内のあらゆるお客様に提供する。

ヤマト運輸㈱、

ヤマトコンタクトサービス㈱、

Packcity Japan㈱

個人および中小法人顧客向け宅配事業

法人部門

企業物流のサプライチェーン全体へ価値を提供する。

 

ヤマト運輸㈱、

沖縄ヤマト運輸㈱、ヤマトマルチチャーター㈱、

神戸ヤマト運輸㈱、湖南工業㈱、ヤマトダイアログ&メディア㈱、

YAMATO TRANSPORT U.S.A., INC.、

YAMATO TRANSPORT EUROPE B.V.、

YAMATO ASIA PTE. LTD.※1、YAMATO TRANSPORT (S) PTE. LTD.、

YAMATO TRANSPORT (M) SDN. BHD.、

雅瑪多管理(中国)有限公司、雅瑪多(香港)有限公司※1、

雅瑪多国際物流有限公司、雅瑪多運輸(香港)有限公司、

TAIWAN YAMATO INTERNATIONAL LOGISTICS INC.、

GDEX BHD.、

その他42社

大規模法人顧客向け運送事業、

物流センターの企画運営業、通関業、

航空運送代理店業、決済サービス事業

 

その他

リテール・法人の両セグメントを支えるITやメンテナンスの機能、および多様な形態の輸送事業を備えることにより、グループとしてのお客様への価値提供を最大化する。

ヤマト運輸㈱、

ヤマトシステム開発㈱、ヤマトオートワークス㈱、

ヤマトオートワークス岩手㈱、ヤマトオートワークス北信越㈱、

ヤマトオートワークス四国㈱、ヤマトオートワークス沖縄㈱、

ヤマトボックスチャーター㈱、ヤマトクレジットファイナンス㈱、

YMT-GB投資事業有限責任組合、ボックスチャーター㈱、

ヤマトリース㈱、ヤマトホームコンビニエンス㈱、

ヤマト・スタッフ・サプライ㈱※2、

その他2社

ITシステムの開発および運用管理事業、

自動車整備事業、燃料販売事業、

損害保険代理店業、貨物自動車運送事業、

ロールボックスパレット貸切輸送事業

 

※1.前連結会計年度の当社取締役会において、YAMATO ASIA PTE.LTD.および、雅瑪多(香港)有限公司を清算することが承認され、現在清算手続きに向けた準備を進めております。

※2.ヤマト・スタッフ・サプライ株式会社は2023年9月1日付で当社が保有する株式の一部を譲渡したことにより、子会社から関連会社になっております。

※3.連結子会社であったエキスプレスネットワーク株式会社は2023年12月21日付で清算結了したことにより、連結の範囲から除外しております。

 

以上の企業集団の状況について事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

24/06/14

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるヤマトグループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてヤマトグループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

ⅰ.財政状態

 総資産は1兆1,358億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ283億8百万円増加しました。

 負債は5,439億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ527億57百万円増加しました。

 純資産は5,919億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ244億49百万円減少しました。

 

ⅱ.経営成績

 当連結会計年度における経済環境は、国際情勢の不安定化に伴い高騰した資源・エネルギー価格が下落に転じるなど、世界的なインフレ傾向に落ち着きが見られる中、欧米の金融当局は政策金利を据え置くなど、今後の景気減速に備えた動きが進んでいます。一方、国内においては、物価上昇に対する価格転嫁の動きが続く中、行楽需要やインバウンド需要の回復に伴うサービス消費の拡大や設備投資の増加など、足元の景況感は改善しつつあるものの、実質賃金が上昇していないことなどによる個人消費の低迷、人手不足の深刻化など、依然として本格的な景気回復が見通しづらい状況にあります。

 このような状況下、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、グループ各社の経営資源を結集したグループ経営体制の下、お客様や社会の多様化するニーズに対する総合的な提供価値の拡大に向けた取組みを推進しています。

 当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。

 

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

伸率(%)

営業収益

(百万円)

1,800,668

1,758,626

△42,041

△2.3

営業利益

(百万円)

60,085

40,059

△20,025

△33.3

経常利益

(百万円)

58,066

40,458

△17,607

△30.3

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

45,898

37,626

△8,271

△18.0

 

 当連結会計年度の営業収益は1兆7,586億26百万円となり、前連結会計年度に比べ420億41百万円の減収となりました。これは、プライシングの適正化を進めたものの、宅配便の取扱数量や国際輸送の需要が減少したことなどによるものです。

 営業費用は1兆7,185億66百万円となり、前連結会計年度に比べ220億16百万円減少しました。これは、資源・エネルギー価格、時給単価など外部環境の変化によるコスト上昇が継続した中で、オペレーティングコストの適正化に向けた取組みに注力したことなどによるものです。

 この結果、当連結会計年度の営業利益は400億59百万円となり、前連結会計年度に比べ200億25百万円の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益の計上などにより376億26百万円となり、前連結会計年度に比べ82億71百万円の減益となりました。

 なお、当社は、2023年7月27日開催の取締役会において、株式会社ワールドホールディングスとの戦略的な業務提携に関する合意書の締結を決議するとともに、当社の連結子会社であるヤマト・スタッフ・サプライ株式会社の発行済株式の51%を、株式会社ワールドホールディングスの連結子会社である株式会社ワールドスタッフィングに譲渡しました。本株式譲渡に伴い、当社のヤマト・スタッフ・サプライ株式会社に対する議決権所有割合は49%となり、第2四半期連結会計期間より、同社は当社の持分法適用関連会社になりました。

 

<ヤマトグループ全体としての取組み>

 ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、お客様や社会の多様化するニーズに対する総合的な提供価値の拡大に向けた取組みを推進しています。また、外部環境の変化等に伴うコスト上昇に対応するため、プライシングの適正化を進めるとともに、パートナー企業のコスト上昇に対して適時適切に対応するなど、輸配送ネットワークの維持・強化とお客様により良いサービスを提供し続ける環境の構築に取り組んでいます。

 

イ.ネットワーク・オペレーションの構造改革

EC需要への対応や企業間物流における小口・多頻度化の進展など、多様化する物流ニーズに最適化した専用ネットワークの構築を進めるとともに、業務量の変動に対するより柔軟な対応や拠点間輸送の効率化、荷待ち時間の短縮などを実現するため、小規模・多店舗展開してきたラストマイル集配拠点の集約・大型化やターミナル機能の再定義、デジタルテクノロジーを活用した「仕分け作業」や「運び方」の変革、事務処理の効率化など、宅急便ネットワークの強靭化に向けた取組みを推進しています。

また、当連結会計年度においては、日本郵政グループと締結した協業に関する基本合意書に基づき、「クロネコゆうパケット」「クロネコゆうメール」の取扱いを開始しました。引き続き、両社の経営資源を有効活用し、お客様の利便性向上に資する輸送サービスの構築と事業成長を図るとともに、物流業界が抱える「2024年問題」や「カーボンニュートラル」などの課題解決に向けた取組みを推進しています。

 

ロ.法人ビジネス領域の拡大

世界の政治・経済とサプライチェーンのブロック化や環境問題などのリスク要因が増大する中、ヤマトグループは、サプライチェーン全体に拡がる顧客の経営課題の解決を目指すソリューションビジネスを新たな成長領域と位置づけています。かかる中、引き続き、営業とオペレーションが一体となり、グループの経営資源を最大限活用し、国内からグローバルに拡がるサプライチェーン全体に対する提供価値の拡大に取り組んでいます。

また、「2050年温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」に向けて、EVの導入やドライアイスを使わない保冷輸送など、当社のGHG排出量削減を推進するとともに、お客様が保有する在庫や生産活動の最適化に向けて、より環境負荷の少ないサプライチェーンを構築するため、国際規格ISO 14083:2023に準拠したGHG排出量可視化ツールの開発など、引き続き、法人顧客への新たな提供価値の創出に取り組んでいます。当連結会計年度においては、「宅急便」「宅急便コンパクト」「EAZY」(宅配便3商品)を対象とした「カーボンニュートラリティ宣言」を実施しました。本宣言は、2023年3月期(2022年4月~2023年3月)において、国際規格ISO 14068-1:2023に準拠したカーボンニュートラリティを達成したことを示すとともに、今後も事業活動に伴うGHG自社排出量の削減に向けて継続的に取り組むことで、2050年までの宅配便3商品のカーボンニュートラリティ実現をコミットメントしたものです。ヤマトグループは、このような気候変動に配慮した輸送サービスの提供を通じて、個人および法人顧客のさらなる利用促進につなげていきます。

 

ハ.持続的な企業価値向上を実現する戦略の推進

ヤマトグループは、サプライチェーンの「End to End」に対する提供価値を拡大し、持続的な企業価値向上を実現するための基盤として、デジタル戦略、人事戦略の推進、サステナブル経営およびガバナンスの強化に取り組んでいます。

デジタル戦略については、「事業とデジタル」を一体的に推進する体制を整備するとともに、あらゆる情報をリアルタイムに把握し、社内外のシステムと連携できるデジタル情報基盤「ヤマトデジタルプラットフォーム」の活用による、お客様に対する提供価値の拡大やオペレーションの効率化に取り組んでいます。当連結会計年度においては、引き続き、顧客体験価値のさらなる向上を図るため、デジタルテクノロジーを活用して、お客様の声の収集・分析およびサービスの改善・設計を推進しています。

人事戦略については、社員の成長をグループの成長につなげる「人材マネジメント方針」に基づき、新たな付加価値創出に向けた最適な人材ポートフォリオの構築や、多様な社員の働きやすさと働きがいの向上などに取り組んでいます。

サステナブル経営の強化については、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた2つのビジョン「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」に基づき、特定した重要課題(マテリアリティ)への取組みを推進しています。

環境の領域については、「2050年温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス(GHG)排出量48%削減(2021年3月期比)」の実現に向け、引き続き、「EV23,500台の導入」「太陽光発電設備810基の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進しています。当連結会計年度においては、EV運用オペレーションの最適化に向けた取組みや再生可能エネルギー由来電力の活用など、エネルギーマネジメントの実証拠点となる京都府の八幡営業所がリニューアルオープンしました。同営業所はモデル店として、全国で初めて、全集配トラック(32台)をEV化するとともに、太陽光発電設備や蓄電池を導入し、再生可能エネルギー由来電力の活用や電力平準化システムの導入による電力使用ピークの偏りの緩和などに取り組んでいます。

また、自動車メーカー様と連携し、カートリッジ式バッテリーを用いた軽EVの集配業務における実証実験を開始するなど、サステナブルな物流の実現に向けた取組みを進めています。

社会の領域については、引き続き、人材の多様性を尊重し、社員が活躍できる職場環境を整備するとともに、社会の諸課題に向き合い、共創による地域づくりを推進するなど、豊かな社会の実現に向けて取り組んでいます。

ガバナンスの強化については、引き続き、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持、強化など、コーポレート・ガバナンスの強化を推進するとともに、意思決定のスピードを重視したガバナンス体制の下で、事業構造改革に取り組んでいます。

 

ニ.中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」の策定

ヤマトグループは「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を2030年の目指す姿として定め、本年2月、2027年3月期を最終年度とした中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を策定しました。本中期経営計画では、宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大、サプライチェーン全体に拡がるソリューションの提供を通じた法人ビジネス領域の拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化、グループ経営基盤の強化などに取り組み、「経済価値」を生み出すとともに、社会の持続可能性への取組みによる「環境価値」「社会価値」を創造していきます。なお、2025年3月期より本中期経営計画で定義した「エクスプレス事業」「コントラクト・ロジスティクス事業」「グローバル事業」「モビリティ事業」の4事業によるセグメントに変更します。

 

<セグメント別の概況>

○リテール部門

イ.リテール部門は、宅急便をはじめとする高品質な小口輸送サービスを提供するとともに、グループ全体のビジネスの起点として、生活様式やビジネス環境に伴うお客様の変化を第一線の社員が汲み取り、法人営業担当者と連携してグループの経営資源を活用したソリューション提案を行うなど、宅急便のサービス提供によって生み出されるお客様との接点という利点を活かし、お客様のニーズに応える価値提供に取り組んでいます。そして、5,000万人以上にご登録いただいている「クロネコメンバーズ」、法人のお客様170万社以上にご利用いただいている「ヤマトビジネスメンバーズ」を中心に「送る」「受け取る」をより便利にするサービスの提供や、輸送以外の生活・ビジネスに役立つ様々なサービスの拡充に取り組んでいます。

 

ロ.また、ネットワーク・オペレーション全体の生産性を向上させるため、宅急便ネットワークの強靭化に向けた取組みを推進しています。当連結会計年度は、引き続き、都市部を中心に小規模・多店舗展開してきたラストマイル集配拠点の集約・大型化や、保冷専用ネットワークの構築を推進するとともに、配達エリアや配達ルートを、業務量の変動に合わせて柔軟に設定する仕組みの構築を進めました。

ハ.外部顧客への営業収益は、宅配便の単価は上昇したものの、取扱数量が減少したことなどにより8,779億48百万円となり、前連結会計年度に比べ1.9%減少しました。営業利益は、オペレーティングコストの適正化に向けた取組みを推進しているものの取扱数量の減少分を補うには至らず、前連結会計年度に比べ97億8百万円減少しました。

 

○法人部門

イ.法人部門は、国内からグローバルに拡がるサプライチェーン全体に対する提供価値の拡大に向けて、営業とオペレーションが一体となり、専用ネットワークの構築・拡大を推進するとともに、物流オペレーションの改善や効率化に留まらず、お客様の経営課題に立脚した改善提案や、より実効性のあるプロジェクトの構築や管理運営など、アカウント営業の強化に取り組んでいます。

ロ.EC需要が集中する都市部において、仕分け・輸送からラストマイルまでのオペレーションプロセスを簡素化したEC物流ネットワークの構築を推進するとともに、大手EC事業者様との連携の下、オンラインショッピングモールに出店するEC事業者様の物流最適化に向けて、受注から出荷・配送までの全部または一部の機能を代行するサービスの拡販とさらなる利便性の向上に取り組んでいます。

ハ.また、成長が加速する越境ECにおいては、輸入通関に関わるシステムと国内配送ネットワークを円滑に連携し、お届けまでのリードタイム短縮を実現する取組みを推進するなど、サプライチェーンの「End to End」に対する提供価値の拡大に向けた取組みを進めています。当連結会計年度においては、越境ECを利用する購入者に対し、低コストかつスピーディーな納品を実現する、越境EC事業者向け海上小口輸送サービスの提供を開始しました。

ニ.外部顧客への営業収益は、国際輸送の需要が減少したことなどにより8,240億96百万円となり、前連結会計年度に比べ2.6%減少しました。営業利益は、リテール部門への配達委託に関する費用が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ85億51百万円減少しました。

(参考)

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

伸率(%)

宅急便・宅急便コンパクト・EAZY

(百万個)

1,926

1,886

△40

△2.1

ネコポス・クロネコゆうパケット

(百万個)

413

409

△3

△0.9

クロネコDM便・クロネコゆうメール

(百万冊)

800

626

△173

△21.7

 

○その他

イ.当連結会計年度においては、引き続き、複数の企業グループのネットワークを用いたボックス輸送や車両整備サービスの拡販に取り組みました。

ロ.外部顧客への営業収益は565億81百万円となり、前連結会計年度に比べ5.8%減少しました。また、営業利益は127億34百万円となり、前連結会計年度に比べ8.4%減少しました。

 

<安全・地域共創などの取組み>

イ.ヤマトグループは、人命の尊重を最優先とし、安全に対する様々な取組みを実施しており、輸送を主な事業とするグループ各社を中心に、安全管理規程の策定および管理体制の構築、年度計画の策定など、運輸安全マネジメントに取り組んでいます。当連結会計年度においては、引き続き「こども交通安全教室」を幼稚園・小学校などで開催するとともに、グループ全体での「交通事故ゼロ運動」や全国のドライバーが安全運転の技能や知識を競い合う「全国安全大会」を開催するなど、安全意識の向上を図る取組みを推進しました。

ロ.ヤマトグループは、より持続的な社会的価値の創造に向けて、社会と価値を共有するCSV(クリエーティング・シェアード・バリュー=共有価値の創造)という概念に基づいた取組みを推進しています。引き続き、地域社会の健全で持続的な発展と地域の皆様の安心・快適な生活をサポートする地域密着のコミュニティ拠点として「ネコサポステーション」を運営し、家事サポートサービスや、IoT電球「HelloLight」を活用した「クロネコ見守りサービスハローライト 訪問プラン」を展開するなど、生活全般に関わる相談窓口の設置、地域の皆様が交流できるイベント開催などに取り組んでいます。また、当連結会計年度においては、北海道でドラッグストアを展開する小売事業者様とヤマト運輸株式会社が締結したパートナーシップ協定に関する基本合意書に基づき、宅急便営業所や移動販売専用車を活用した買い物支援の拡充、ドラッグストア店舗での荷物の受け取り、店舗で購入した商品の自宅への配送、効率的で安定した店舗納品など、北海道が抱える社会課題の解決や持続可能な地域社会の実現に向けた取組みを推進しています。

ハ.ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、公益財団法人ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パン製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。

 

② キャッシュ・フローの状況

○営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは643億33百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が256億20百万円減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が517億4百万円となり、収入が51億11百万円減少したこと、および土地売却に伴う固定資産売却益を122億39百万円計上したことによるものであります。

○投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは224億35百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が269億85百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が161億63百万円増加したこと、およびその他の支出が56億84百万円減少したことによるものであります。

○財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは307億77百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が78億39百万円減少しました。これは主に、借入れによる収支が265億53百万円増加したことおよび社債の発行による収入が199億28百万円あった一方で、自己株式の取得による支出が400億6百万円増加したことによるものであります。

 

 以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,947億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ114億76百万円増加しました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 セグメントごとの営業収益は次のとおりであります。

 なお、ヤマトグループは、貨物運送事業を中心とするサービスを主要な商品としているため、生産および受注の実績は記載を省略しております。

 セグメントの名称

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 比 較

 増減率

 (%)

 

収入

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

リテール部門

運送収入

1,191,264

66.2

1,181,251

67.2

△0.8

物流支援収入

3,352

0.2

3,640

0.2

8.6

その他

25,858

1.4

28,913

1.6

11.8

内部売上消去

△325,901

△18.1

△335,857

△19.1

3.1

894,574

49.7

877,948

49.9

△1.9

法人部門

運送収入

617,221

34.3

627,096

35.7

1.6

物流支援収入

259,525

14.4

226,522

12.9

△12.7

その他

33,357

1.9

31,842

1.8

△4.5

内部売上消去

△64,051

△3.6

△61,364

△3.5

△4.2

846,053

47.0

824,096

46.9

△2.6

その他

運送収入

24,616

1.4

22,835

1.3

△7.2

その他

155,187

8.6

141,115

8.0

△9.1

内部売上消去

△119,763

△6.7

△107,369

△6.1

△10.3

60,040

3.3

56,581

3.2

△5.8

合   計

1,800,668

100.0

1,758,626

100.0

△2.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点によるヤマトグループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてヤマトグループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

ⅰ.財政状態

 総資産は1兆1,358億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ283億8百万円増加しました。これは主に、リテール部門を中心に拠点の新設や改修をしたことなどにより有形固定資産が117億36百万円、現金及び預金が96億87百万円、および投資有価証券が時価評価等により81億8百万円増加したことによるものであります。

 負債は5,439億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ527億57百万円増加しました。これは主に、借入金が210億円増加したこと、およびグリーンボンドの発行により社債が200億円増加したことによるものであります。

 純資産は5,919億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ244億49百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が376億26百万円となった一方で、剰余金の配当を164億32百万円実施したことに加え、自己株式を500億1百万円取得したことによるものであります。

 以上により、自己資本比率は前連結会計年度の55.1%から51.6%となりました。

 

ⅱ.経営成績

 当連結会計年度の営業収益は1兆7,586億26百万円となり、前連結会計年度に比べ420億41百万円の減収となりました。これは、プライシングの適正化を進めたものの、宅配便の取扱数量や国際輸送の需要が減少したことなどによるものです。

 営業費用は1兆7,185億66百万円となり、前連結会計年度に比べ220億16百万円減少しました。これは、資源・エネルギー価格、時給単価など外部環境の変化によるコスト上昇が継続した中で、オペレーティングコストの適正化に向けた取組みに注力したことなどによるものです。

 この結果、当連結会計年度の営業利益は400億59百万円となり、前連結会計年度に比べ200億25百万円の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益の計上などにより376億26百万円となり、前連結会計年度に比べ82億71百万円の減益となりました。

 1株当たり当期純利益は107.23円となり、前連結会計年度に比べ19.41円減少しました。

 

○リテール部門

 外部顧客への営業収益は、宅配便の単価は上昇したものの、取扱数量が減少したことなどにより8,779億48百万円となり、前連結会計年度に比べ1.9%減少しました。営業利益は、オペレーティングコストの適正化に向けた取組みを推進しているものの取扱数量の減少分を補うには至らず、前連結会計年度に比べ97億8百万円減少しました。

 

○法人部門

 外部顧客への営業収益は、国際輸送の需要が減少したことなどにより8,240億96百万円となり、前連結会計年度に比べ2.6%減少しました。営業利益は、リテール部門への配達委託に関する費用が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ85億51百万円減少しました。

 

○その他

 外部顧客への営業収益は565億81百万円となり、前連結会計年度に比べ5.8%減少しました。また、営業利益は127億34百万円となり、前連結会計年度に比べ8.4%減少しました。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

ⅰ.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ⅱ.資本の財源及び資金の流動性

 ヤマトグループは、本年2月、中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を策定しました。本中期経営計画期間においては、オペレーションの効率化に資する拠点戦略やDX推進などへの成長投資を積極的に実施するとともに、お客様に対する環境負荷の少ない物流サービスの提供とオペレーションのエネルギー効率向上の両立を通じた低炭素社会の実現に向けて、EVや太陽光発電設備等への環境投資も実施します。なお、成長領域であるコントラクト・ロジスティクス事業およびグローバル事業では、自律的な成長施策に加え、M&Aや戦略的業務提携も活用していきます。

 上記計画を財務面から支えるため、キャッシュの創出状況、保有現預金や自己資本比率等の状況、グループ資金の有効活用など、財務の健全性と効率性を意識しながら、必要に応じて金融機関からの借入れおよび社債の発行を通じた資金調達を実施していきます。財務の健全性の観点から、自己資本比率は45~50%程度、D/Eレシオは0.3~0.5倍程度を目安とし、格付け水準(R&I格付投資情報センター/AA-)の維持に努めます。株主還元については、親会社株主に帰属する当期純利益を基準とする配当性向40%以上、総還元性向50%以上を目標とし、自己株式の取得については、成長投資の進捗状況、キャッシュ・フローの動向、株価等の観点を踏まえ、柔軟に検討していきます。

 

③ 目標とする指標の達成状況等

 ヤマトグループは、サプライチェーン全体の変革を支援することで、個人、法人のお客様、そして社会全体に対する価値提供を目指す中期経営計画「Oneヤマト2023」に基づき、持続的成長に向けた事業構造改革を推進しました。当中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の連結業績については、物価高や消費動向など外的環境の変化などを考慮し、計画策定時に設定した連結営業収益2兆円、連結営業利益1,200億円(連結営業利益率6.0%)、ROE10%の目標を見直し、連結営業収益1兆8,600億円、連結営業利益800億円(連結営業利益率4.3%)、ROE8.3%に目標を変更しましたが、実績は連結営業収益1兆7,586億26百万円、連結営業利益400億59百万円(連結営業利益率2.3%)、ROE6.3%となりました。当中期経営計画においては、グループ各社の経営資源を結集したOneヤマト体制が始動するとともに、多様化する物流ニーズに最適化した専用ネットワークの構築や小規模・多店舗展開してきたラストマイル集配拠点の集約・大型化など、ネットワーク・オペレーションの構造改革を推進したことで、経営基盤の強化に一定の成果があったものと考えています。

 2027年3月期を最終年度とした中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」では、宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大、サプライチェーン全体に拡がるソリューションの提供を通じた法人ビジネス領域の拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化、グループ経営基盤の強化などに取り組み、「経済価値」を生み出すとともに、社会の持続可能性への取組みによる「環境価値」「社会価値」を創造していきます。なお、本中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の連結業績については、連結営業収益2兆~2兆4,000億円、連結営業利益1,200~1,600億円(連結営業利益率6%以上)、ROE12%以上、ROIC8%以上を目標としています。

 

④ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定

 ヤマトグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。