E02516 Japan GAAP
前期
6,596.6億 円
前期比
97.7%
株価
770 (07/12)
発行済株式数
73,244,408
EPS(実績)
144.90 円
PER(実績)
5.31 倍
前期
854.0万 円
前期比
107.9%
平均年齢(勤続年数)
46.1歳(12.0年)
従業員数
52人(連結:5,624人)
当社グループは、当社、子会社95社(国内12社、海外83社)及び関連会社7社(国内6社、海外1社)により構成されており、王子製紙㈱、日本製紙㈱等の大手製紙会社等より仕入れた紙類を国内外に販売することを主要業務とし、ほかに不動産の賃貸業、紙製品の加工業等を営んでおります。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
また、当連結会計年度より報告セグメントの名称を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
なお、次の3事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高6,444億35百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益は158億19百万円(前年同期比22.5%減)、経常利益は124億75百万円(前年同期比32.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、106億13百万円(前年同期比32.5%減)となりました。
当連結会計年度の業績については、以下のとおりです。
報告セグメントごとの業績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
<北東アジア>
国内のグラフィック用紙の構造的な需要減少に歯止めがかからず、販売数量は前年を下回りましたが、売上高・利益は価格修正後の市況が維持されており、増収増益となりました。
板紙分野では、飲料用段ボール原紙は堅調に推移しましたが、インフレによる消費者の買い控えやコスト削減を目的とした包装資材の変更、軽量化によって、段ボール原紙の販売数量は前年を下回り、減収となりました。紙器用板紙は、訪日外国人の急増等により人流が回復したもののインバウンド需要への影響は限定的でした。
一方、トレーディングカードなどの高級板紙は堅調に推移し、販売数量・売上高ともに前年を上回り、増収となりました。
製紙原料分野では、国内において、紙・板紙の需要減少に伴い、古紙の発生量の落ち込みに加え、価格も低迷し、販売数量・売上高・利益ともに前年を下回りました。市販パルプも円安による輸入パルプのコスト上昇により減益となりました。
中国では、不動産不況に伴う景気後退により、紙・板紙の需要が伸び悩み、更に、相次ぐ新規大型マシンの増設によって、市況が下落し、売上高・利益ともに低調に推移しました。
この結果、北東アジア事業の売上高は3,045億94百万円(前年同期比0.3%減)、セグメント利益は34億21百万円(前年同期比0.3%減)となりました。
<欧州/米州>
ペーパー事業では、前年度のインフレを背景とした製品値上げから一転し、市況は軟化しました。また、アジアの安価品が流入し、価格下落が続きました。サプライチェーン上の各段階では過剰在庫を削減する動きが年後半まで見られ、販売数量・売上高・利益ともに前年比で減少しました。
パッケージング事業では、インフレと高金利による消費低迷で減収になりましたが、利益は改善傾向にありました。また、米州では、カナダのLovepac社の買収によって、米国市場進出の橋頭堡となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業では、M&Aにより新たに当社グループに加わった東欧のIntegart社が売上高・利益ともに貢献し、前年を上回りました。
この結果、欧州/米州事業の売上高は2,857億26百万円(前年同期比5.9%減)、セグメント利益は104億74百万円(前年同期比36.3%減)となりました。
<アジアパシフィック>
オセアニアでは、商業印刷事業において、特に豪州を中心にオフィス用紙のマーケットシェアを拡大し、売上高・利益ともに業績が伸長しました。パッケージ事業では、売上高は減少しましたが、利益は前年を上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業は低調に推移しました。
東南アジア・南アジア地域では、インドの紙市場におけるインデントビジネスが好調に推移し、輸出販売が拡大しましたが、ストックビジネスはアセアン域内経済の停滞に伴う需要減少及び価格競争の影響で業績は軟調に推移しました。
この結果、アジアパシフィック事業の売上高は525億93百万円(前年同期比6.7%増)、セグメント利益は21億51百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
<不動産賃貸事業>
全国主要都市のオフィスビル市場は、日本経済が回復基調にあることや平均募集賃料の下落が一因となり需要は増加傾向にあります。
しかしながら、オフィスビルの新規供給や既存契約更新の動向などには不透明感があり、今後も空室や賃料相場の動向には注視が必要な状況にあります。
かかる状況下、当セグメントにおきましては、KPP八重洲ビルに空室発生したものの、2023年2月に竣工したKPP明石町ビルが通年で寄与したことにより、前年比で増収増益となりました。
この結果、不動産賃貸事業の売上高は15億21百万円(前年同期比25.1%増)、セグメント利益は5億79百万円(前年同期比401.3%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益及び社債の発行で獲得した資金を、短期借入金及び長期借入金の返済に充当したことにより、前連結会計年度末比44億55百万円減少し、262億44百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は198億17百万円(前期は103億8百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上及び棚卸資産の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は55億8百万円(前期は85億30百万円の使用)となりました。これは主に、固定資産の取得及び子会社株式の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は223億75百万円(前期は42億5百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金及び長期借入金の返済によるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
当社グループは卸売事業が主な事業のため、生産実績の重要性が乏しいことから仕入実績を記載し、受注実績については受注から納品まで短期であるため、受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(参考情報)
当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。
(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.賃貸収入は「その他」に含まれております。
(2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
当社グループは長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載のとおり、対処すべき課題に対応してまいります。
(b) 北東アジアセグメントについて
当連結会計年度における、北東アジアセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
<日本>
2024年3月期の日本市場については、紙・板紙分野では、数量は前年を下回りましたが、価格修正後の市況維持により、増収増益となりました。製紙原料分野では、古紙は発生量の減少に加え価格も低迷、また、市販パルプは輸入パルプのコスト上昇もあり、減益となりました。中国では、不動産不況に伴う景気後退により、売上高・利益共に低調に推移しました。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、日本での事業拡大を目指す所存です。
[国内基本戦略]
マーケティングチームとの協働により販売体制を作り上げるとともに、KPPグループとして売る仕組みを確立・強化し、競合他社との差別化を図る。
紙化、減プラなどの環境対応商品の販売やクローズドリサイクルによる顧客開発等環境ビジネス・パッケージ事業を推進する。
DXの推進や部門の集約、受発注業務等により業務を効率化する。
<中国>
2024年3月期の中国市場については、ゼロコロナ政策の後遺症により経済が停滞し、紙の市況は年初から断続的に下落しました。年後半に市況は底入れしたものの、本格的な需要回復には至らず、また、紙の需給バランスにも大きな改善はみられず、販売数量・売上高・利益ともに前年を下回りました。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、中国での事業拡大を目指す所存です。
[中国基本戦略]
1.メーカーとの戦略的提携の強化による差別化戦略を展開し、シェア拡大。
2.経営合理化による競争力強化、及び利益率の向上。
(c) 欧州/米州セグメントについて
当連結会計年度における、欧州/米州セグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
2024年3月期の欧州/米州市場については、ペーパー事業では、前年度とは異なり市況は軟化、また、価格の下落が継続しました。サプライチェーン上の各段階では過剰在庫を削減する動きが見られ、販売数量・売上高・利益共に前年比で減少しました。パッケージング事業では、消費低迷で減収になりましたが、利益は改善傾向にありました。米州では、カナダのLovepac社の買収によって米国市場進出の橋頭堡となりました。ビジュアルコミュニケーション事業はM&Aで加わったIntegart社が売上高・利益共に貢献し、前年を上回りました。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、欧州/米州での事業拡大を目指す所存です。
[欧州/米州基本戦略]
1.更なる事業拡大戦略の推進
ペーパー&ボード事業は域内No.1トップの地位を堅持すると共に、更なる市場シェアの拡大を図り、増収増益を確保する。パッケージング及びビジュアルコミュニケーションについては、M&Aを推進し、事業規模の拡大を図ると同時に、北米市場など新たな地域への事業展開を加速させる。また、M&Aによりグループに加わった新商品を、既存・新規の顧客に提案し、販売拡大に努める。
2.急速に変化する外部環境への対応
グループ内の人材の流動性を促進し、成長が著しい地域や業種への人材シフトを加速させる。また、各地域や製品ごとの市場動向を精緻に分析し、適切なインフレ対策型の価格修正を実施する。
3.DXの推進
Eビジネスを推進し、利益率の更なる向上と業務効率の改善を図ると同時に、統一されたITインフラの導入により、グループ全体の意思決定プロセスを高度化・迅速化させる。これに加えて、ソーシャルメディア有効活用により、新たな販路を開拓し、市場拡大を促進する戦略を展開する。
(d) アジアパシフィックセグメントについて
当連結会計年度における、アジアパシフィックセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
2024年3月期のアジアパシフィック市場については、オセアニアの商業印刷事業では、豪州を中心にオフィス用紙のマーケットシェアが拡大し、売上高・利益共に業績が伸長しました。パッケージ事業では、売上高は減少しましたが、増益となりました。ビジュアルコミュニケーション事業は低調に推移しました。東南アジア・南アジア地域では、インドの紙市場におけるインデントビジネスが好調に推移し、輸出販売が拡大しましたが、ストックビジネスはアセアン域内の需要減少及び価格競争の影響で軟調に推移しました。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、アジアパシフィックでの事業拡大を目指す所存です。
[アジアパシフィック基本戦略]
1.ペーパー&ボード事業の強化
ペーパー&ボード事業においては、域内シェアの維持と細やかな利益管理を通じた利益拡大を目指す。収益性の低い事業については、コスト構造を再検討し、抜本的な解決策を講じる。
(e) 不動産賃貸事業について
当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
当該事業セグメントにつきましては、所有不動産の有効活用による安定的な収益獲得を基本方針としております。引き続き、物件ごとの将来性を勘案した上で再開発や修繕等の投資判断を行い、安定的な収益獲得に努めてまいります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、3,445億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ139億円増加しました。これは主に、売上債権、固定資産等の増加によるものであります。
負債は、2,626億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億91百万円減少しました。これは主に、借入金、未払法人税等の減少によるものであります。
純資産は、819億円となり、前連結会計年度末に比べ140億91百万円増加し、自己資本比率は23.7%となり、前連結会計年度末に比べ3.2ポイント増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益、為替換算調整勘定の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく第3次中期経営計画(2022年度~2024年度)を推進中ですが、事業で創出される営業キャッシュ・フローにつきましては、成長投資と株主還元に、適正に配分していく所存です。
成長投資への支出につきましては、海外事業の拡大と事業ポートフォリオの多角化を目的としております。今後も海外投資を中心に、投資先の事業内容、投資時点の当社グループの財政状態及び資金需要を勘案し、適切に判断してまいります。
株主還元への支出につきましては、株主への利益還元を経営の重要課題の一つと認識し、安定的かつ継続的に配当を行うとともに、内部留保の拡充と有効活用によって企業競争力と株主価値を向上させることを基本方針としております。
なお、現在当社グループにおいて重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で94億84百万円、海外で167億60百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。
④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載しているとおりです。