E04911 IFRS
前期
4.37兆 円
前期比
106.2%
株価
3,965 (09/25)
発行済株式数
1,402,500,000
EPS(実績)
99.29 円
PER(実績)
39.93 倍
前期
905.7万 円
前期比
102.0%
平均年齢(勤続年数)
39.7歳(14.1年)
従業員数
1,592人(連結:197,777人)
当社グループ(当社、当社の子会社611社及び関連会社51社(2025年3月31日時点))は、日本電信電話㈱を親会社とするNTTグループに属しており、日本、海外の2つを主な事業として営んでいます。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
各事業の内容、関係会社の主な位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりです。
(日本)
当事業においては、主に日本国内における市場特性を考慮した高付加価値なITサービスの提供を行っています。関係会社が本事業を分担しています。
(海外)
当事業においては、主に海外ビジネスにおける市場特性を考慮した高付加価値なITサービスやデータセンターサービスの提供を行っています。関係会社が本事業を分担しています。
(その他)
当事業においては、当社グループ全体の戦略策定・推進(イノベーション、マーケティング、戦略投資含む)、経営管理、技術の研究・開発及びガバナンス確保等を行っています。本事業の一部を関係会社が分担しています。
事業の系統図は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①全社
グローバルでのデジタルトランスフォーメーション(DX)等の加速やニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でビジネス拡大を図るとともに、コンサルティングからアプリケーション開発、インフラサービスまでを含めた多様なITサービスの拡大と安定的な提供に取り組みました。
当期における業績につきましては、日本セグメント、海外セグメントのデータセンター事業・SAP事業が好調だったこと等により前年同期比増収増益となり、売上高及び当社株主に帰属する当期利益は業績予想を達成しました。
②セグメント
セグメント別の取り組み及び業績については、以下のとおりです。
(日本)
各分野とも、業界・顧客の事業課題・経営課題に対応するオファリングを設定し、コンサルティング・デジタル関連案件の拡大を目指しました。また、より収益性が高い案件への選択と集中、不採算ビジネスの抑制により収益性を高めました。
当期の日本セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、公共・社会基盤分野における大幅増収を中心に公共・社会基盤分野、金融分野、法人分野の全てで増収しており、1,933,246百万円(前年同期比10.0%増)となりました。
・営業利益は、増収に伴う増益により、205,212百万円(前年同期比9.9%増)となりました。
日本セグメントにおける各分野の取り組み状況は次のとおりです。
[公共・社会基盤]
当分野は、少子高齢化や環境問題等の社会課題が顕在化する中、利用者視点に立ったForesight起点のコンサルティングにより社会をデザインし、その実現に向けて官民・インダストリーの壁を越えた連携や、非IT領域も含めた対策、及び関連するプレイヤーの共創によるエコシステム構築によって、事業を拡大するとともに社会課題解決を目指しました。
<高分解能・高頻度な衛星システムの開発に着手>
高頻度かつ高精度な撮影が可能な衛星観測システムを整備し、衛星画像提供から利用者の判断支援までワンストップで提供できる仕組みを構築することを目指して、観測衛星サービスを提供する㈱Marble Visionsを設立しました。また、同社はJAXA(注1)により、宇宙戦略基金の技術開発テーマ「高分解能・高頻度な光学衛星観測システム」(以下、本事業)の事業者として採択されました。
さらに、本事業の実現に向け、㈱パスコ及びキヤノン電子㈱と資本業務提携を行うことで合意しました。これまで当分野は、衛星画像付加価値コンテンツであるデジタル3D地図事業「AW3D」(注2)を通じて宇宙ビジネスに貢献してきました。㈱パスコ、キヤノン電子㈱とともに、衛星データ活用のユースケース及びお客様からの具体的なニーズを衛星システムに取り込むことで、衛星開発から衛星データの活用までの垂直統合を加速させていきます。㈱Marble Visionsは2027年までに衛星の初号機を打ち上げ、2028年までには計8機の衛星について順次打ち上げを予定しています。
㈱Marble Visionsを通じて、国内外の多様な公共・産業分野で活用可能な衛星観測システムを整備し、宇宙の目から得られるインサイトを迅速に提供し、社会課題解決に寄与することを目指します。
[金融]
社会のデジタル化の進展により、生活に密着した金融サービスが次々と登場している中、金融システムにおける信頼性と先進性の両立の必要性を再確認しました。当分野は、勘定系システムのオープン化フレームワーク「PITON」適用により、2024年1月に共同利用型勘定系スキーム「MEJAR」をオープン化した実績を基に統合バンキングクラウドの開発に着手し、金融システムにおける信頼性と先進性の両立を実現するための組織体制を整備しました。こうした取り組みにより安心・安全な金融インフラを永続的に支えるとともに、業界をつなぐ新たな金融サービスの創出・拡大を目指しました。
<共同利用型次世代営業店システム「営業店スマート化」ソリューションを本格導入>
㈱西日本シティ銀行を含む地銀共同センター(注3)参加行とともに共同利用型次世代営業店システム「営業店スマート化」ソリューションを開発し、同行において本格導入しました。
タブレットを利用した共同利用型の営業店システムは、銀行業界初のソリューションです。
参加行ではインターネットバンキング等の非対面チャネルの利用頻度の高まりやデジタル技術の革新等により、顧客接点である営業店及びそのシステムの在り方が共通の課題となっていました。本ソリューションでは、営業店における接客で使用する営業店システムを、各行専用端末による銀行個別システムから、タブレット等の汎用デバイスによる共同利用型のシステムに置き換えます。タブレット端末において顧客自身により手続きを完結可能とすることで来店時の待ち時間を短縮するとともに、バンキングアプリ等の非対面チャネルと連携し、顧客の利便性を向上します。行員は、タブレット搭載の手続きシナリオに沿った接客により確実な事務手続きが実施でき、事務効率化により生まれた時間を活用した顧客に対するソリューションの提案等の高付加価値業務へのシフトが可能となります。
本ソリューションの地銀共同センター参加行をはじめとする他の金融機関への展開やサービス拡充を進め、金融機関の店舗をはじめとしたユーザー接点のデジタル化を実現することを通じて、地方の労働人口減少という社会課題の解決に貢献していきます。
[法人]
当分野は、コンサルティング、ペイメント、テクノロジーそれぞれの専門性を発揮し提供価値向上を担うとともに、各インダストリーの知見を束ね、Foresight起点で業界・お客様のあるべきビジネスの姿をお客様とともに描きました。また、それを実現するための企画策定から、先進技術活用力とシステム開発技術力を活用した変革の実現まで、一貫して高い価値を提供することで、お客様のビジネス変革、サービス創出をともに実現しました。
<“博報堂×NTTデータ”で企業の「デマンドチェーン変革」を推進>
企業の経営テーマの設定、戦略策定、生活者体験設計からデータ・テクノロジー活用、システム実装までを一気通貫で支援することを目的として、㈱博報堂とともに合弁会社㈱HAKUHODO ITTENIを設立しました。2025年4月より営業を開始し、企業のバリューチェーンを生活者目線で捉えることで、お客様企業の「デマンドチェーン変革」を推進します。
㈱NTTデータは、ITを起点として企業のデジタル変革を支援してきた強みを持ち、一方で㈱博報堂は深い生活者理解に基づいた顧客接点領域でのクリエイティビティを強みとしております。両社の知見やケイパビリティ、ソリューション等を組み合わせることで、1社だけではできなかった幅広い領域での提案を推進します。
今後も、「デマンドチェーン変革」の推進により、お客様企業の売上・利益の向上に貢献するとともに、業種・業界の垣根を越えて、より豊かな社会・生活につながる新たな価値の実装を目指します。
(海外)
3つのリージョナルユニット(North America、EMEAL、APAC)とグローバルユニット(Global Technology and Solution Services)で構成される新たな組織体制での一歩を踏み出しました。
コーポレート機能最適化等の取り組みに伴う事業統合費用の増もありますが、生成AIに代表される最先端技術の活用によりイノベーションを加速させ、お客様への提供価値増大を目指しました。
当期の海外セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、為替影響及びGTSSにおけるデータセンター事業、SAP事業が順調に拡大したことに伴う増収により、2,750,863百万円(前年同期比3.6%増)となりました。
・営業利益は、為替影響及びGTSSにおける増収に伴う増益はあるものの、リージョナルユニットでの収益性の悪化等により、100,247百万円(前年同期比13.4%減)となりました。
海外セグメントにおける各ユニットの取り組み状況は次のとおりです。
[North America]
グローバルIT市場の約40%を占め、世界最大の市場規模である北米において、オーガニックな成長及び買収を通じて、コンサルティング、クラウド・トランスフォーメーション、デジタルオファリング、生成AIアセット等の最新のサービスポートフォリオを活用し、既存顧客からの取引拡大と新規顧客獲得の双方を目指しました。また、収益に見合ったコスト構造の適正化を図りました。
<重点顧客から大型の新規案件を獲得>
米国の大手ヘルスケアソリューションプロバイダーより、お客様が提供するサービスのIT環境高度化に関する7年間にわたる大型案件を受注しました。本案件では、お客様の使用するデータセンターを当社グループのデータセンターに集約するとともに、お客様のIT環境をマルチクラウドプラットフォームへ移行することにより、お客様の機動的な業務運営や管理コスト削減を実現します。本案件は、自社データセンターの提供を含めフルスタックでソリューションを提供できる唯一のパートナーであったことや、グローバルクラウド事業者との強力なパートナーシップを評価されたことにより、受注に至りました。
[EMEAL]
英国、ドイツ、スペイン等の主要市場でのビジネス拡大に重点を置き、高い競争力を有するデジタルBPS、CX、クラウド・トランスフォーメーション、データアナリティクス、生成AIアセット等に投資するとともに、サービスのスピード、品質、コストに関わるデリバリー能力の強化に取り組みました。
<世界的な再生可能エネルギー事業者を一気通貫で支援>
再生可能エネルギーにおける世界的な事業者との間で、基幹ビジネスに関わるアプリケーションのモダナイゼーション及びクラウドマイグレーションに関する契約を締結しました。本案件では、お客様のコアビジネスである再生可能エネルギー生産量の制御等のシステムを最適化することにより、お客様ビジネスを加速し、効率性を向上します。また、開発工程においては、アジャイル開発及び生成AI適用により生産性の向上を実現します。本案件は、お客様がグローバルに使用するコアシステムの開発や実装を通じて10年以上にわたりリレーションを構築し、お客様の戦略パートナーとして認められたことに加えて、当社グループの海外各国でのローカルプレゼンスの高さや戦略立案から実装まで一気通貫でグローバルにサポートを実現できる点を評価されたことにより、受注に至りました。
[APAC]
持続的な成長が見込まれる市場環境の中、インド、オーストラリア、シンガポール等の主要市場において、テクノロジーソリューション(注4)領域の強化に取り組むとともに、デジタルビジネスやERP関連のオファリングを活用し、既存顧客からの取引拡大と新規顧客獲得の双方を目指しました。また、特定の戦略分野においては当ユニットだけでなくパートナー企業との共創により成長を加速しました。
<クラウドビジネスのさらなる強化>
業界特有のニーズに合わせたクラウドベースのデータ分析やAIを活用したソリューションの開発及び導入の拡大を目的に、Google Cloudとの戦略的パートナーシップを拡大しました。当社グループの技術力や業界専門知識に、Google Cloudのデータ分析やAI、クラウドに関する技術を結び付けることで、お客様のイノベーションを牽引しビジネスアジリティを向上するソリューション開発を行うなど、クラウドビジネスの強化を推進します。
その一環として、Google Cloud Platform(以下、GCP)サービスに特化したクラウドエンジニアリング企業である、Niveus Solutions Pvt. Ltd.(以下、Niveus社)の買収について同社と合意しました。Google Cloudのトップパートナーの1社であるNiveus社の、GCPによるモダナイゼーションやデータエンジニアリング、AIの専門知識を持つ約1,000名の人財を加えることで、当社グループのGoogle Cloud関連ビジネスを強化します。本取り組みを通じて、当社グループのGoogle Cloudに関するグローバルシステムインテグレーターとしての地位を確立するとともに、クラウドに係るケイパビリティ強化をさらに推進することにより、業界横断での革新的なクラウドソリューションに対する世界的需要に対応します。
[Global Technology and Solution Services]
世界において高いプレゼンスを有するデータセンター事業者並びにIPネットワークプロバイダーとしての強みを活かし、信頼性の高いインフラサービスをグローバルに提供しました。また、ネットワークサービス、クラウドサービス、エッジコネクティビティ(プライベート5G)及びコンピューティングにおける強みを引き続き強化し、NTT DATA, Inc.のデジタルソリューションの一部として、一連のサービスをワンストップで提供しました。
SAP事業についても引き続き注力し、コンサルティング、アプリケーション、データサービスを通じて成長を加速しました。また、ショアリング、オートメーション、知的財産の活用を通じて、デリバリー能力の強化を進めました。
<データセンター事業におけるサービス提供可能容量拡充>
データセンター事業は、旺盛な需要を背景に成長が見込めることから、当社グループは積極的に投資を進めており、2024年度は4,130億円の投資実績となりました。当年度にサービス提供可能容量を新たに約380MW拡充し、全世界で約1,500MWの規模でサービスを提供しています。
また、日本国内において、栃木市の新たなデータセンター用地取得内定業者として選定されました。本用地は、首都圏エリアにおける新たなデータセンターとして開発を進めており、2棟で約100MW規模のサービス提供を予定しています。
③今後の取り組み
当社グループは、中期経営計画目標は達成する見通しですが、海外セグメントのリージョナルユニットにおいて引き続き収益性の改善に取り組む必要があると認識しています。グローバルでの競争力を高め持続的に成長するためには、財務健全性への影響を考慮しつつ、成長領域への積極的な投資や戦略的なM&Aを推進するとともに、多様な人財が長期に活躍できる環境・文化への変革に取り組む必要があると認識しています。
今後の取り組みの詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 [対処すべき課題] ②対処すべき課題と対応」のとおりです。
(注1)JAXA
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構のことです。
(注2)AW3D
㈱NTTデータと一般財団法人リモート・センシング技術センターが提供する、世界で初めて5m解像度の細かさで地球上の全ての陸地の起伏を表現した「デジタル3D地図」のことです。
衛星画像を元に作成された3D地図データは、世界130カ国・地域以上、4,000プロジェクト以上で活用されています。
(注3)地銀共同センター
当社グループが構築・運営する、地方銀行・第二地方銀行向け基幹系共同センターのことです。参加行は以下のとおりです。
(利用開始及び銀行コード順)
㈱京都銀行、㈱千葉興業銀行、㈱岩手銀行、㈱池田泉州銀行、㈱あいち銀行、㈱福井銀行、㈱青森みちのく銀行、㈱秋田銀行、㈱四国銀行、㈱鳥取銀行、㈱西日本シティ銀行、㈱大分銀行、㈱山陰合同銀行
(注4)テクノロジーソリューション
ルーター等の通信端末機器を用いたソリューションのことです。
(2) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析
①財政状態の状況
当連結会計年度末の資産は、有形固定資産及び営業債権及びその他の債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ557,955百万円増加し、7,777,384百万円となりました。負債は、有利子負債の増加等により前連結会計年度末に比べ469,878百万円増加して、4,908,892百万円となりました。
また、資本は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ88,078百万円増加し、2,868,492百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は444,635百万円と前連結会計年度末に比べ12,861百万円増加となりました。
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債権等の増による減少はあるものの、当期利益139,260百万円や減価償却費及び償却費364,161百万円等により397,148百万円の収入(前年同期比101,642百万円の収入減少)となりました。
一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、その他の金融資産の売却はあるものの、有形固定資産及び無形資産の取得や子会社の取得により、669,743百万円の支出(前年同期比45,235百万円の支出増加)となりました。その結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは272,595百万円の赤字(前年同期は125,718百万円の赤字)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、主に有利子負債の調達等により、289,409百万円の収入(前年同期比180,244百万円の収入増加)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金調達については、NTTグループの強固な財務基盤を背景としたNTTグループファイナンスを中心に資金調達を実施しています。また、NTTグループのキャッシュマネジメントシステムにも加入しており、現金及び現金同等物の代替となる資金流動性も十分確保するとともに、当社グループの国内外の子会社にグループキャッシュマネジメントシステムを導入し、当社グループ内の資金集中・配分を実施することで、当社グループ全体の有利子負債と支払利息の低減を図っています。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社グループにおける重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。
(4) 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価(販売価格)によっています。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 ANSER、CAFIS等利用量に見合う料金をいただくサービスについては、受注高に含めていま
せん。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
各販売先における販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、主な相手先
別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しています。